No.651613

【獣機特警K-9ⅡG】不死身の女、タム【交流】

古淵工機さん

転んでもただじゃ起きない、そして今や刺されても簡単には死なない女。

■出演
タム:http://www.tinami.com/view/650958
マキ(ⅠG):http://www.tinami.com/view/388852

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2014-01-04 12:15:22 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:880   閲覧ユーザー数:832

ラミナ中央駅前市場。

その日休暇だったタム・カワグチは、食料品を買いにいく最中であった。

 

「えーと、あとはマグロにアジにカツオね…」

と、魚屋へ向かおうとしたタムの耳に内蔵されている通信機に連絡が入った。

 

「ふぅ…相変わらず耳に電話が入ってるってのも変な気分だわ…もしもし?」

と、左手で左耳をのボタンを押さえて『電話』に出るタム。

電話の相手は、本庁特殊犯罪取締室の室長マキ・ロックウェルであった。

 

「もしもしタムさん?休暇中にごめんなさいね」

「マキさん!一体どうされたんですか?」

「ええ、実はあなたに伝えたい重要なことがあって…」

タムの表情が一気に険しくなる。

「主婦や20代・30代の女性をターゲットにした連続通り魔事件ですね?」

「そう。犯行には短刀…切れ味からして小型のカタナ、『ドス』が使われていると思うの。すでに今週に入って7人が殺されてるわ。あなたも十分気をつけて」

「わかりました。それでは」

そう言って電話を切り、再び魚屋を目指して歩き出すタム。

だがその直後、彼女の後ろの横道からニット棒をかぶり、サングラスとマスクを付けたヒグマ形ファンガーの男が飛び掛ってきた!!

 

「ぐ…!?」

カタナはタムの背中から突き刺さり、そのまま貫通して彼女の腹から突き出した。

切れ口からはとめどなく流れる赤い液体。通り魔にも、周りの人にもそれは紛れもなく血のように見えた。

「きゃあ!通り魔よ!!」

「おい!女の人が刺された!!」

「警察だー!警察を呼べー!!」

周りの人々が次々に叫ぶ。ある者は携帯電話で警察に連絡を入れていた。

その騒ぎの中で崩れ落ちるタムの身体。

状況が状況ゆえに慌てていたのか、通り魔はすぐさまカタナをタムの身体から引き抜きその場を立ち去ろうとした。が…。

 

「ギャッ!?」

突然通り魔の男は、何者かに足首を掴まれ転倒した。

「いててて、くそぉ…誰だ…?」

と、振り返ったとき、男は戦慄した。

帽子とサングラスとマスクで顔はほとんど隠れていたが、きっと青ざめていたことだろう。

それもそのはず。

振り返った男が見たのは、腹から赤い液体をなおも垂れ流し、ゆっくり起き上がるタムの姿だった。

 

「う、ウソだ、あんなに深く刺さってて無事なわきゃあ…」

男が恐怖におののいていると、タムがゆっくりと男のほうを向きながら言った。

「よくも…あたしを…殺したぁ~~~なぁ~~~~……?」

「え、え…」

まるで幽霊のごとくふらふらと立ち上がるタムの姿に、ただ立ち尽くすだけの通り魔。

「この恨みはらさでおくべきか~~~~~!!!」

「で、出ぇぇぇたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

男は必死に逃げ出そうとしたが、あっという間にタムに追いつかれ、取り押さえられてしまう。

 

やがてまもなく、K-9隊のソラとナタリアが到着した。

「いたわナタリアちゃん!こっちよ!!」

「ご協力ありがとうございま…あっ、タムさん!?」

犯人を取り押さえているタムに気づくナタリア。その足元で犯人は叫んでいた。

「た、た、助けてくれ、ば、ば、化け物だ、化け物…」

 

その言葉を聞いたタムは、犯人を軽く鼻であしらう。

「残念、あたしはロボットになって生まれ変わった女なの。そうそう簡単に何度も死ぬわけないわよ」

「え…?」

「ソラちゃん、ナタリアちゃん、この男を殺人未遂の現行犯で確保なさい」

「「はい!」」

すっかり抵抗する気力もなくした通り魔は、タムの指示のもとソラとナタリアに確保され、そのまま連行されたのであった。

数時間後、とあるマンションの一室…。

「まったくタム姉ってば、いくらロボットになったからってムチャしすぎたよ!」

タムの妹にしてラミナ警察署生活警備課所属のミウ・カワグチが迫る。

「ごめんごめんって。でもあたしだって刺されたくて刺されたわけじゃないのよ」

「そりゃそうだけどさー…」

 

と、しばらく文句をたれていたミウだったが、すぐにタムのほうに向き直る。

「…ま、あの時タム姉が刺されたおかげで、通り魔も無事逮捕されたってマキさん言ってたし。ありがとタム姉」

「ちょ、刺されたおかげでってあんたねー!」

「わー!なんで怒るのー!?」

…ともあれ、タムの身体を張った活躍により、今日も街の平和は守られたのであった。

 


 
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