どうも初めましての方もお久しぶりの方もこんにちわ
この作品は主人公がオリ主、強いて言えば BLAZ BLUE (ブレイブルー)という作品のキャラクターであるハクメンです。
この作品は『ある意味』でオリ主化しております
また、原作のキャラとは違ったキャラになる可能性のキャラもおりますので
そういうのが苦手な方は戻られるのをオススメいたします。
では、でそれでも構わない方はどうぞ本編へお進みください。
「………………」
「………………」
ある日の昼下がり、城の中庭で異様な光景があった。
片やピンクの髪をした幼き少女、片や顔まで全身真っ白の鎧を着込んだ男。
その二人が中庭で無言で見つめ合っていた。
「なにかしらあの光景は?」
「さ、さぁ?」
そんな光景を華琳と春蘭は頭を傾げ
ながら見ていた。
「秋蘭、あれはなにをやっているのかしら?」
付き合いが最も長い秋蘭ならばなにかわかるかもしれないと華琳は訪ねた。
「なにをと申されましても見つめ合っているとしか言い様がございませんが」
茶を注ぎながら秋欄はそう言う。
「……ようするになにもわからないわけね」
秋蘭が淹れてくれた茶を口に運びながら華琳は呟く。
とにかく異様な光景だ。
別段、なにか戦うわけでもなくかといって険悪な雰囲気でもなく、ただただ見つめ合ってるだけ。
それが約四半刻(三十分)も続いている。
城壁の上で見張りをしている兵たちや仕事をしている文官たちも声をかけられずに放置している。
そろそろお茶会も終わりにするかという時だった、ようやく二人に動きがあった。
先に動き出したのは少女―――季衣だった。
なにを思ったのか鎧の男―――白面に近づき木登りするかのようによじ登り始めた。
「いやいや、なぜそうなったの!?」
思わず立ち上がりそうツッコンでしまった華琳
実にごもっともである。
登られている白面はなにもせずにジッとしており、季衣を肩車する。
そしてそのまま季衣を肩車しつつどこかへと歩き出す。
「……本当になんだったのかしら?」
これはそんな日常のお話である。
「では、季衣を親衛隊の隊長に任命するのと同時に季衣の教育は白面に一任することで構わないわね?」
朝議の中、季衣の親衛隊隊長の任命とともに教育係りが任命された。
「ハッ、白面ならばなにも問題はないでしょう」
「……私も異論はございません」
若干、秋蘭は渋った顔をしたが夏侯姉妹は承諾していた。
――――――しかし
「男に教育係だなんて任せられません!」
ネコミミ軍師こと桂花は一人、否定していた。
「あら、私の意見に反対なのかしら?」
「華琳さまの意見に反対する気などあるはずもありません。しかしこんな得体のしれない男に教育係なんて任せたらどのような人物になってしまうかと考えただけです」
瞬間、玉座の間の空気が凍った。
その原因は華琳の横に立つ秋蘭から放たれた殺気によるものだった。
「秋蘭、抑えなさい」
「しかし華琳様」
「いいから、抑えろと言ってるのよ」
「…………ハッ」
張り詰めた空気がフッと軽くなる。
武将の殺気を直に浴びた桂花は漏らしはしなかったものの思わずその場でヘナヘナと座り込んでしまった。
「桂花、あなたが男嫌いなのを除いても言ってることは理解できるわ。確かにそこにいる白面は母様の代から仕えている宿将とは言えども得体はしれないわ。だけどもね、桂花? ――――――白面に育てられたのは季衣だけでなく私たち三人もなのを知ってのことかしら?」
先ほどの秋蘭に比べれば軽いものの十分以上に覇気を出す華琳。
「……過ぎたことを口にして申し訳ございませんでした」
「いいえ、軍師としてあなたの考えはもっとものことよ。それではこれにて朝議を終了する!」
朝議が終わり人がぞろぞろと玉座の間から出ていく中、部屋の隅の方では
「………………」
「………………」
腕を組んで佇む白面と肩車されている季衣が居た。
ちなみに朝議の途中もずっとそのままであった。
「ねぇ、秋蘭」
「なんでしょうか?」
「あれはなに?」
「ハクメンに肩車されている季衣です」
「それは見ればわかるわよ」
実はずっと気になってしょうがなかった華琳であった。
話は聞いていた、しっかりと聞いていた。でもずっと視界の隅であんな姿があったら気になってしまうのはしょうがない。
別になにかを話すわけでもなく二人共、ただただ無言でああして佇んでいるのだ。
「では華琳様、私もそろそろ仕事の方に向かいたいと思います」
「確か秋蘭は兵の調練だったわね。頑張ってきなさい」
「ありがとうございます。……いくぞ、ハクメン」
「御意」
短く返事をする白面、その体をスルスルと降りる季衣。
本当に不思議な光景だ。
「で、華琳様。僕はなにをすればいいんですか?」
「え、あ、そうね……」
トテトテと近寄ってきたかと思うといつものように明るく訪ねてくる季衣。
一瞬前までのあの静かさっぷりとのギャップに思わず吃ってしまった華琳
なんであんなことになっていたか無性に聞きたくてしょうがなかったが、なぜか本能が「聞いちゃいけない」と告げていて聞くに聞けなかったりもする。
「では春蘭と共についてきなさい」
「はいっ!」
「わかりました」
気を取り直して今日も一日頑張ろうと決めた華琳であった。
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これは決して後世にまで語り継がれるような英雄の話ではない――――――ただ一人の、世界に翻弄され続けた悲しい男の物語である。