No.648863 魔法少女リリカルなのはSTRATOSアインハルトさん 2013-12-27 09:55:09 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3128 閲覧ユーザー数:2996 |
何でこんな事になっとるんだろう?
様子を見ていた私は、原作と違う流れになっているなのは達を見て動揺しとった。アニメにはいなかった桂隼人っていう人物がいるから違うのかな?そうなるとそこには当然私や一夏君も含まれるということになるね。
『おい優樹菜、このままだとヤバいんじゃないか?』
念話越しに一夏君が尋ねてくる。その声には焦りの色がかなり濃いめに混じっている。
ちなみに私は今自作の透明マント(元ネタはハリー・ポッター)を使用して姿を隠してる。ついでに魔力値も抑えてる。
一夏君も私と同じように
『一夏君、私は高町さんたちの方に向かうから思念体の相手をお願い。全力全壊、手加減無しで!』
そう指示を出した私は、マントを外して空間魔術を展開してその中に仕舞うとなのはたちの前に立ちふさがる。
「ザケル!」
それとほぼ同時に、一夏君がアルトと共に思念体の前に出現すると、原作ファウード編以降の強化版ザケルで思念体を吹き飛ばした。
そういえばあそこで仲良く埋まっているあの二人はどうしよう……見た感じ典型的なオリ主(笑)みたいだけど……
うん、今は放っておこう。
「白雪、セットアップ」
『了解だよ!』
「へへ、狩りの時間だぜ!」
一夏君が白雪を展開し、バリアジャケットの白のロングコート(元ネタは遊戯王ゼアルの天城カイトのデュエルモードの服装)に変えるのを確認した私もレギルスを頭上に掲げた。
「レギルス!こっちもスタンドアップだよ!」
『Yes,My Master』
次の瞬間、私は閃光に包まれ、それが消えると私の服装は赤と白を基調とした戦闘服(SAOのアスナ装備)に変わっていた。
私は桂君となのはに駆け寄るとお得意の治癒魔法を発動する。うーん、桂君の傷ならこれくらいかな?
「大地に満ちたる命の躍動、汝の傷を癒せ……治癒!」
私が魔法の詠唱を開始すると、桂君を中心に、少し小さめのミッドチルダ式魔法陣が展開される。その中で桂君が受けた傷は徐々に消え失せていく。
「これは……」
「隼人君!」
治療が終わり、桂君の傷が完全に無くなるとなのはが喜びのあまりか抱き付いた。
ってこらそこ!なにイチャイチャしてんの!状況見なさい状況!少し離れたところでは一夏君とアルトが思念体と戦って……
「「消えろモブ野郎!!」」
「チッ……」
ってなんで君たちまで思念体側に加勢しちゃってるのかなー!?
君たち転生者じゃないの!?なんで味方を攻撃してんのさ?!もう訳わかんないよ!
「ああもう!炎の精霊よ、我が手に炎よ、集い来たれ、敵を貫け……炎射矢!」
詠唱を終えると私の背後に炎が出現し、それが炎の矢に成形されると真っ直ぐに一夏君に攻撃を仕掛けている転生者?二人組の足下に放ち、その際に起こった爆炎で両者を下がらせる。
『ちょっとちょっと一夏君!なんであの二人まで攻撃を仕掛けてくるの!?』
『そんなのこっちが聞きてえよ!!なんか「モブ転生者如きが原作介入してくんな!」とか言ってたけど……』
私が一夏君に問い尋ねる為に念話を繋げて返ってきたのは訳の分からない理由だっな。まずモブ転生って何?出番無しの転生者って意味なの?
ていうか一瞬でやられて埋められてた奴らがそんな上から目線発言て……うわぁ、ないわ。それはないわ。篠ノ之箒の異常な暴力行動並にないわ。
「ガルルルル……」
これまでの流れから状況的不利と判断したのか、この場から逃げ出そうとする思念体には狼形態になったアルトが威嚇し、自称オリ主(笑)には一夏君が対峙(というか押さえて)くれている。
さて、私はどうしよう?桂君の治療は終わったし、戦闘に介入すべきなんだろうけど私の攻撃魔法だと牽制と援護程度にしかならない。それにあのバカ二名と一夏君が縦横無尽にに動き回るのとそのせいでさっきみたいに攻撃魔法を放つことも出来ない。ああもう!こんな事なら前から射撃訓練しとくんだったよ!
「ガルァ!」
と、そうこうしてるうちにアルトがその鋭利な爪で思念体を真っ二つに切り裂くとまた更に横凪に爪を振り抜く事で合計四つに分かれた思念体が地面にべちゃべちゃ!と落ちた。
しかし、その切り裂かれたそれらはもぞもぞと蠢きだすと再び一つになろうとした。う~む、やっぱり普通の攻撃じゃあ倒すのは無理か
「あ、あの!どなたかは存じ上げませんが、あれはジュエルシードと呼ばれるロストロギアの思念体です。攻撃するだけでは倒せません!早く封印を!」
背後からフェレット形態のユーノ・スクライアが叫ぶけど、そこには最大の難関が聳え立っていた。
「あ~、ごめん。私たち封印系ってまだ出来ないんだよね」
瞬間、ユーノ君がピシリと固まった。
「……えええっ!?あれだけの実力の持ち主なのにですか!?」
まさかこんな早い段階で原作介入するとは思っても見なかったので封印系魔法の修得は後回しにしていましたはい。マジでごめんなさい。
ちなみにマテ娘も一夏君も修得していないのは確認済みだ。魔法の訓練はあの娘たちに全部任せっきりだったからね。
「そういうわけだから高町さん、それを使ってあれの封印をお願いできる?」
「ふえ?わ、わたしが?」
「当然。フェレット君は見ての通り戦えるわけないし、桂君も治療したとはいえ病み上がりですぐに戦闘ってわけにはいかないでしょ。私たちは既にデバイス持ちだけど私たちの魔力は特別で普通のデバイスだと負荷に耐えきれずにすぐ壊れる。となれば消去法であなたがこれを使わざるを得なくなるってわけ」
落ちていたレイジングハートを拾い上げるとそれを高町さんに手渡す。元高校生としての本音を言わせて貰えばこんな幼い子供に危険なことはさせたくないけど、高町なのはを活躍させないとこの世界は成り立たないし、何より必要以上に原作が歪む可能性が高くなる。それだけは避けたいところだ。例えば彼女が魔法少女にならなかったせいでフェイトが救われなくなるとか御免被るところだよ。
「……わかった。やってみる!」
なのはが決心をしたところで丁度再生を完了した思念体が再び蠢き出す。
「うっ……」
それを見て一瞬たじろぐなのはを責める気はない。というか私でもあんなグニャグニャした生物?なんか触るどころか見ることさえ拒絶したいよ。
つまり私もなのはもちゃんと正常な乙女ということですよ。魔王とか悪魔とかはまだまだ先のお話なんですよ。
「そういうわけだから、一夏君!アルト!」
「合点!」
私の呼び掛けに応えたアルトがまず思念体を自称オリ主(笑)に蹴り飛ばし、一夏君の術の射程内に思念体と自称オリ主(笑)が入ると……
「承知」
文字通り、一夏君の顔は鬼の顔になった。
「ふええええええええええええええええええええええ!!?」
「うええええええええええええええええええええええ!!?」
「なんとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」
上から順になのは、桂君、そしてユーノ君だ。だけど……ふむ、三者三様のリアクションをありがとう。
「ザケル!!!ザケル
!!!ザケル!!!ザケルガッ!!!ザケル!!!ザケル!!!ザケルガッーーーーー!!!」
「「ぐぎゃあああああああああああああああっ!!!」」
「○×▼□※◎★●¶‡§♭♯〓☆!!?」
あれ?今思念体喋ってなかった?地球語ではなかったけど……
スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
あ、息継ぎしてる。
「ザケル!!ザケルガ!!!ザケル!!ザケルガ!!ザケル!!ザケルッ!!!ザケルガ!!ザケルガーーーーッ!!!
「「がぎゃっ!!!ぐははっあっ!!ぎゃははうあぁああおおおおおおっ!!!」」
また思念体喋るかな?なんて淡い期待を寄せてみたけど思念体はあまりの痛みにそれどころではないみたい。ちょっと残念。研究材料になるかと思ってたのに……
ゴブッ、ゴブッ、ゴブッ、ゴブッ
ああ……私が作っておいたリンカーコア回復飲料水『リンカーマックスン』で魔力を回復してる……
「ザケル!!ザケルガ!!!ザケル!!ザケルガッ!!!ザケル!!ザケルガ!!!ザケルガ!!テオザケルーーーー!!!」
「「あっ!!!がっ!!!ぎゃっ!!!ふぅう、うふあぁあああああああああああ!!!」」ジョウズニコゲマシタ~
「さやΨΠΡはtwEやけのまたtp2wtpけのまかあたらⅵⅩМРのなФЛЁふНΦなΧΤ!!!??」
最後喋ったと思ったら壊れたパソコンみたいになっちゃってた!?
え?自称オリ主(笑)?そこで二人仲良く焦げてますがなにか?
「もう、二人は立つことも出来ないね」
「うん、死んではいないだろうけど、もうダメだね」
ユーノ君と桂君は焦げている二人を憐れむような目で見てるけど、多分あの二人って扱い酷くても問題ないんだよね?二次創作のキャラ的な問題で
「さて、それじゃあ高町さん。あとよろしく」
「ふえっ?!あ、うん!」
一夏君の豹変ぶりに呆然としていたなのはに封印を促すとすぐさまユーノに言われた通りに言葉を紡ぐと桜色の光の柱が発生する。そしてしばらくして、そこからアニメ通りのバリアジャケットと杖を持ったなのはがいた。うん、こうして間近で見るとやっぱり可愛いね。
「ふええええっ!?どうなっちゃったの!?」
なのはは自分の姿が変わってしまったことに驚いている。もう一度言うけどやっぱり可愛いね。桂君も自覚してないんだろうけど赤面してるし
「お、落ち着いてなのは。とりあえず今は封印を」
「え、えっと……封印ってどうやるの?」
「僕たちの魔法はプログラムと呼ばれる━━」
「待った!素人の高町さんにそんなのわかるわけないでしょ!」
時間は無いって言うのにユーノ君がベラベラと説明しようとしていたのでひとまず手っ取り早く黙らせる。その後、ユーノ君に簡潔な説明を終えさせるとなのははレイジングハートを構えて目を閉じる。
そうしてるうちに再生しようとしている思念体は、一夏君の
……よかったね、
「リリカル・マジカル。封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!ジュエルシード封印!」
『Sealing mode set up. Stand by ready. Sealing.』
「ジュエルシード、シリアル、ⅩⅩⅠ封印!」
『Receipt number ⅩⅩⅠ.』
なのはの声でレイジングハートがシーリングモードへと変形していく。そして桜色をした光の帯が思念体を締め上げる。なんだかさっきの光景を目の当たりにした後だとちょっち罪悪感がわいてくるよね……
そうこうしてるうちにも光の帯が思念体を貫き、消滅させていく。そうしてあとには、小さな青い宝石『ジュエルシード』だけが残っていた。
「これがジュエルシードです。レイジングハートで触れて下さい」
言われたとおりになのはがレイジングハートの先端部をジュエルシードに当ててみる。するとジュエルシードはレイジングハートに吸い込まれ、それが終わるとバリアジャケットは解除され、レイジングハートも待機状態の赤い宝石に戻る。
「あれ?これで終わり?」
「はい……貴方の……おかげで……………ありが…とう………」
言い終えたユーノ君は疲れ切ったのか、その場で気絶してしまう。
まあ無理もないかな。
「あ、あの!四宮さん!織斑君!あと……えっと、狼さん!助けてくれてありがとう!」
律儀なことにぺこりと頭を下げるなのは。こういうところはさすがだね~と思う反面、こんな娘が将来魔王とか悪魔とか呼ばれるんだな~って思うとなんないたたまれないな~。
「気にしなくていいぞ?優樹菜なんて最初は様子身と称して非介入を決め込んでたし」
「ちょお!?一夏君!?」
それは事実だけどさ、原作を歪めたくないって言う事情があるんだからしょうがないでしょ!!年上(前世の話)をからかうなら悪戯しちゃうぞ!楯無さん方式で!シュテルとタッグで!
「コホン!と、とにかく……今回の件についてはまた明日にすることで、ね?そろそろ親が心配するだろうから」
「うわ!そうだった!」
どうやら桂君も親に無断で家を出てたみたいだね。でもそんなに怖がらなくてもいいんじゃないかな?それとも桂君の両親って……恐ろしいのかな?
「それじゃあ四宮さん!織斑!また明日!」
「なの!」
「気をつけて帰れよー」
なのはと桂君がそれぞれの家へと向かっていくのを見送り、それが終わるとマテ娘たちと合流してから私たちも帰路についた。
こうして、『魔法少女リリカルなのは』の一番最初の物語、ジュエルシードを巡る戦い『P・T事件』が幕をあけるのであった。
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第七話ゼオンは言った「あの時の清麿は本当に恐ろしかった……」とな