華佗に『死の光波』が直撃し、華佗はその場に倒れてしまった………

今、蒲公英、凪に次いで

三人目の犠牲者が出てしまった………

　　 五節　〜目覚めた『光』〜

卑弥呼「ダーリン！しっかりするのじゃ！」

華佗「………卑………弥…呼………」

貂蝉「お師匠様ん!!微かに息があるわん!!

けど………」

于吉「ここに居る者達であそこまでの治癒能力を持つ者は………華佗さんしか………」

愛紗「っ!!じゃあ傷を治すことは………」

于吉「ここ迄傷が深いと………私の『癒療』でも…間に合いません………」

蓮華「そんな……………」

目の前が真っ白になった

我々は今まで響窃を倒すことだけを考えて修行をしてきたため、補助型や回復型の技を会得している者は一握り程しかいないのだ

つまり…………華佗がいなくなればもう回復出来るのは于吉や左慈といった管理者の面々しかいないのだ

響窃「呀猟はもう長くはないぞ………」

秋蘭「響窃………貴様!!」

華佗「………卑…弥呼」

卑弥呼「っ!!なんじゃ………？」

卑弥呼は華佗の近くへ耳を近づけた

華佗「………〃〃……〃…〃〃……」

卑弥呼「っ!!…………分かった………」

華佗「………後は…………頼んだ……………………」

華佗はそう言うと優しく微笑み、目を静かに閉じた…………

于吉「華佗さんの………生命の気が……消滅しました……………」

貂蝉「華佗ちゃん………………」

卑弥呼「ダーリン………」

卑弥呼殿と貂蝉殿は一滴の涙を流し立ち上がった

貂蝉「華佗ちゃんの死を絶対に無駄にさせないわん!!」

卑弥呼「同感じゃ!!

それと…………冥琳殿…………」

冥琳「むっ？」

卑弥呼殿は冥琳殿の側に行き

卑弥呼「………〃〃…〃〃…〃〃…という事じゃから、ご主人様を………よろしく頼むぞ」

冥琳「っ!!…………あぁ、勿論だ！」

何を話したかは最後しか分からなかったが

卑弥呼殿との会話を終えた冥琳殿の目は微かだが潤んでいるようにも見えた

響窃「最後の会話は終わったか……？

大陸の者達よ………」

卑弥呼「そうはならんぞ……響窃」

響窃「どこからそのように自信が出てくるのか………聞きたいものだな………」

貂蝉「貴方に勝つためなら、自信なんていらないのよん！」

響窃「この戦いの先にあるのは貴様等の敗北だけだ…………

それすら分からないのか……」

華琳「かってに決めつけないで欲しいわね！」

響窃「口では幾らでも言えるからな………

それと…卑弥呼………貴様が何を考えたかは知らんが、呀猟がいなければ北郷の目を開けさせることはできぬぞ……？」

卑弥呼「分かっておる

じゃから……………」

響窃「むっ？…………っ!!」

ﾌﾞｫﾝ!!

卑弥呼「儂ら管理者がお主を全身全霊で叩きの潰すのみじゃ!!」

卑弥呼殿は響窃に強烈な蹴りを入れようとしたが、響窃が感づき紙一重で躱した

貂蝉「私もいっちゃうわよん!!

ぶるああぁぁぁぁっ!!!!」

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

ﾄﾞｶｯ!!

響窃「ぐっ………くっ……」

貂蝉殿の攻撃を受け止め、唸る響窃

そして、そこから

左慈「死ね、響窃っ!!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

ﾄﾞｶｯ!!

響窃「ぐうっ!!」

左慈が放った『双耐玉』が見事死角から直撃した事により、響窃は岩へ打ち付けられた

卑弥呼「華琳殿、雪蓮殿、愛紗……」

華琳「何かしら？」

卑弥呼「出来るだけ時間を稼いでくれ」

雪蓮「時間を？なんで今更？」

卑弥呼「響窃を倒す唯一つの希望の『光』為なのだ」

愛紗「希望の………『光』……？」

卑弥呼「説明をしたいところじゃが………っ!!ぬおっ!!?」

ﾋﾟｭﾝ!!

卑弥呼殿の腕スレスレのところを響窃が放った『死の閃光』が通り抜けた

響窃「おのれ………そろそろくたばるがいい！貂蝉!!」

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

貂蝉「華佗ちゃんのためにもぉ、ご主人様のためにもぉ、死ぬ訳にはいかないのよん!!」

響窃が少し怒りながら貂蝉殿に向かって『死の光波』を放ち始めた

卑弥呼「今、少しでも気を抜けば一瞬で響窃にやられてしまう………」

華琳「…………分かったわ

時間を稼げばいいのね………はっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

響窃「っ!!…………曹操……私は今………虫の居所が悪いのだ！」

ﾌｫﾝ!!

華琳殿が『空走』をし、響窃に襲いかかった

春蘭「華琳様に続け!!!」

ｼｭﾝｯ!!

ｼｭﾝｯ!!

ｺﾞｵｯｯ!!

ｺﾞｵｯｯ!!

皆がそれぞれ『空走』と『龍走』で響窃に襲いかかった

愛紗「いくぞ、響窃!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

私も『龍走』を行い響窃に突撃をした！

……………ここから冥琳視点……………

冥琳「…………」

雛里「あわわ………凄い戦いでしゅ……」

稟「まるで大陸自体が響窃を恐れ、震えているようです…………」

私達軍師は戦いに参加する事ができない

出来る事といえば戦う事が困難と断定された者の看病くらいだ………

普通の戦ならまだしも、この戦いは人間の域を超えている……

しかし………卑弥呼殿が私に言ったあの希望にみちた言葉………

その言葉に真偽など必要ない

私は卑弥呼に言われたこと、『最後の希望』の為………

私は自分の任務を果たす！

冥琳「…………よし！」

亜莎「っ!!め、冥琳様、ど、どうされましたか？」

冥琳「うん？あぁ………卑弥呼殿から託された任務を遂行する為、気を引き締めようと思ってな」

風「そう言えば、卑弥呼さんが冥琳さんに託した任務とは何なのですか〜？」

冥琳「あぁ……それはな………」

私が他の軍師達に説明する

その時だった…………

？？「う…………ん……」

冥琳「っ!!?」

朱里「っ!!こ、この声は!!?」

穏「まさか…………」

月「皆さん!!!」

月が私達を呼んだ

私はその瞬間………

『時が来た』と思ったのだ………

詠「あいつが……………一刀が目を覚ましたわよ!!」

軍師全員「「「「っ!!!?」」」」

冥琳「遂に目を覚ましたか!!」

亜莎「冥琳様………もしかして!?」

冥琳「あぁ、先程卑弥呼殿が私に言ったのは……」

卑弥呼『ダーリンがやってくれた

これでご主人様が目を覚ますはずじゃ

その為には多少の時間を有するらしい………

我々が時間を稼ぐのでご主人様を守って欲しいのだ

愛紗など武人で守らせれば、響窃に気づかれてしまう

お主達しかおらぬ………頼んだぞ!!』

冥琳「………と言われたのだ………」

風「華佗さんは自分の命をもってお兄さんを……」

冥琳「そういう事だ………」

そして………遂に…………

一刀「冥……琳…………？」

『天の御遣い』・北郷一刀が目を覚ましたのだ

暗き闇に一筋の『光』が蘇った瞬間だった…………

　　　　　　　　　　　……終……