No.642677

一刀の晋王転生録 最終章十二話

k3さん

劉備達が戦っていた頃、曹操もまたかつての部下と対面していた。夏候惇から発せられる言葉とは?

2013-12-04 21:15:04 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2056   閲覧ユーザー数:1808

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十二話

   「夏候惇の生きる意味」

 

 

 劉備達が諸葛亮と相手をしていた頃、曹操軍と袁家軍は敵と遭遇した後、その場で待機し、敵の攻撃を迎撃していた。

 

「麗羽、貴女がいる事で春蘭は此方に来る可能性は飛躍的に高くなったわ、それについては感謝するけど……どうして私と共に戦おう

 

と言う気になったのかしら?」

 

「正直に言うと私にも分かりかねますのよ。そうですわね……晋の将として……だけではありませんわね。ひょっとしたら華琳さんの

 

友として力になりたかった……のかもしれません」

 

「そう……今は素直に感謝するわ」

 

 今、晋と戦おうとすれば夏候惇は曹操と刃を交えなければならないだろう。夏候惇はあまり頭を使う将では無いとは言え、それが分

 

からないほど愚かでは無い筈。

 

 それでも尚、妹の仇を討つ事を優先した。

 

 その事に少なからず曹操の心は追い詰められていた。故に麗羽に向けた感謝の言葉は紛れも無い本心だった。

 

(ふふ、まさか私が麗羽に感謝するだなんてね……少し前までは想像すら出来なかったでしょうね)

 

 曹操はそう思うと少しだけ微笑んだ。

 

「!? どうやら来ましたわよ!」

 

「!? 春蘭」

 

 二人が前を向くと、そこには大量の返り血を浴びた夏候惇の姿があった。その姿に二人は一瞬だが修羅と言う言葉を思い浮かべる。

 

「……春蘭!」

 

 曹操は意を決して夏候惇に声を掛ける。

 

「分かっている筈よ! 今、晋と戦う事は、私と戦う事と同じであると! それでも貴女は……あくまで秋蘭の仇を討ちたいと言う

 

の!?」

 

「……はい」

 

 夏候惇は静かにそう答えた。

 

「たとえ華琳様と戦う事になろうとも、私は袁紹を斬ります。秋蘭の仇を獲る……それが今の私の全てです」

 

「そう……なら最後に聞かせて頂戴……貴女はどうしてそこまで拘るの?」

 

 曹操のその言った瞬間、無表情だった夏候惇が感情を露にする。

 

「私は! 華琳様の覇道の為に全てを捧げました! ですが! 今ではそれが叶うことは永遠に無い! 華琳様の覇道以外にこの武を

 

振るう事の出来ない私に残されたのは! 秋蘭の仇を討つ事! それ以外に! それ以外に最早私には何も無いのです! それ以外に

 

私に生きる意味が無い!」

 

「!?」

 

 曹操はその言葉にはっとして、思い出す。今まで彼女に掛けて来た言葉を。

 

「私の為に全てを捧げてくれるのは嬉しいわ」

 

「貴女はそのままで良いのよ」

 

「そんな貴女を誇りに思うわ」

 

 曹操が今まで彼女に掛けて来た言葉はそう言ったものだった。そして曹操は気付く。それらは彼女の生き方をそれだけにしてきた事

 

に。

 

(なんて事……私は……私があの娘をあんなふうにしてしまったんだわ!)

 

 しかし、後悔してももう遅い。すでに夏候惇は引き返せないところまで来てしまったのだ。

 

 夏候惇は武器を構えながら叫んだ。

 

「秋蘭の仇! 討たせてもらう!」

 

 そんな彼女に袁紹が言う。

 

「貴女、妹さんの死を汚していますわよ」


 
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