No.642581

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~クロスベル警察”特務支援課”の情報~中篇(前半)

soranoさん

外伝~クロスベル警察”特務支援課”の情報~中篇(前半)

2013-12-04 09:01:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1837   閲覧ユーザー数:1700

~第3学生寮~

 

「―――次はこの3人…………ウィルフレド・ディオンの娘であるセルヴァンティティ・ディオン、シャマーラ・ディオン、エリナ・ディオン。彼女達はかつてクロスベル警察の”特務支援課”に留学という形で所属していたそうだけど、既にクロスベル警察を退職しているのよ。にも関わらず”特務支援課”を助ける為に反対する両親達を納得させて駆け付けたそうよ。」

「ええっ!?じゃ、じゃあ彼女達があの”匠王”の……!?」

「確かリベールの”異変”の解決にも協力した職人であり領主の者だったな……」

「そんな凄い人のご息女達が…………」

「しかも我々より年齢が下なのにも関わらず仲間の為に駆け付けるとは…………」

「……俺達以上に仲間想いな娘達のようだな。」

サラの説明を聞いたアリサやユーシス、エマは驚きの表情で、ラウラとガイウスは感心した様子でセティ達の写真を見つめ

「――――セシル・パリエ・ノイエス。彼女はウルスラ病院の看護師達の纏め役という他のメンバーの中では異色を放っている人物なんだけど……その看護師にはあるとんでもない秘密があるのよ。」

「秘密……ですか?」

「一体なんなんですか?」

マキアスとエリオットはセシルの写真を見つめた後サラに尋ねた。

「――――”英雄王”リウイ・マーシルンの側室の一人にして、”癒しの聖女”にとっては養母に当たる方なのよ。」

「ええっ!?あ、あの”英雄王”のですか……!?と、という事は……」

「……”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”の腹違いの母に当たる。」

「ぼ、僕も今初めて知ったし…………それにしても何で”英雄王”が娶った人ってみんな情報局(ウチ)の情報網に引っかからないのかな~?」

サラの説明を聞いたアリサは驚き、フィーは静かな口調で呟き、ミリアムは表情を引き攣らせた後疲れた表情で溜息を吐いた。

「け、けどどうして看護師の方がわざわざ自ら戦場に向かうのでしょうか……?」

「……ルクセンベール卿から話を聞いたけどその人はロイド・バニングスの兄の婚約者でバニングス一家とは家族同然の付き合いがあったらしいわ。恐らくその関係だと思うわよ。」

不安そうな表情で呟いたエマの言葉を聞いたサラは答えた。

「こ、婚約者!?」

「じゃ、じゃあなんで今は”英雄王”と結婚しているんですか……!?」

サラの答えを聞いたアリサは驚き、エリオットは信じられない表情で尋ねた。

「――――その婚約者が殺されたのよ。犯人が不明という形でね。」

「!!」

サラの話を聞いたその場にいる全員は目を見開いて息を呑み

「へ~……この人が犯人不明という形で事件が暗礁に乗り上げた被害者であるガイ・バニングスの婚約者だったんだ~。」

「ミリアムちゃんは知っているの?」

目を丸くして呟いたミリアムの言葉を聞いたエマは尋ね

「うん。当時いたガイ・バニングスっていう捜査官は相当優秀でエレボニアやカルバードからも厄介者扱いされていた捜査官だったらしくてね~。ガイ・バニングス殺害の犯人はガイ・バニングスの存在を疎んだカルバードかエレボニア(僕達)の仕業とまで噂された事もあるくらいだよ?」

「……あたしも話だけは知っているわ。クロスベル警察のガイ・バニングスは当時の遊撃士協会でも知られていた名前だから。」

「……どうやら彼女もまた俺達のように色々と理由がありそうだな……」

ミリアムとサラの説明を聞いたガイウスは目を伏せて呟いた。

「あ、ちなみに彼女はイーリュン信徒で攻撃はできないらしいけど、彼女の護衛として”神狼”が常についているそうよ。」

「”神狼”……ですか?」

「まるでお伽話の中に出てくる存在みたいな呼ばれ方ですね……」

(なっ!?”神狼”ですって!?何故”眷属”が……!確か”彼ら”は”盟約”に縛られて人に力を貸すことはできないはずよ!?)

「ま、実際そんな存在よ?なぜなら―――――」

サラの説明を聞いたマキアスとエマは不思議そうな表情をし、寮の出入り口で聞き耳を立てているセリーヌは驚いた。そしてサラはアリサ達の”神狼”の説明をした。

 

「ええっ!?”空の女神(エイドス)”の眷属!?」

「馬鹿な……そのような存在、”伝説”の存在ではないか!?」

「……しかしリアンヌ様が存在している以上、そのような存在がいてもおかしくないな……」

”神狼”の説明を聞いたエリオットとユーシスは驚き、ラウラは納得した様子で呟き

「”空の女神(エイドス)”の眷属か…………心強く、そしてありがたい存在だな……」

「け、けどどうしてそのような存在が”特務支援課”の方達に力を貸している上、そのセシルさんでしたか。その方を護っているのでしょうね……?(まさか”私達”の存在も知っているのでは…………)」

ガイウスは口元に笑みを浮かべ、エマは不安そうな表情で呟き

「さあ?”連中”の考えはあたし達にはサッパリわからないわよ。」

サラは溜息を吐いた後疲れた表情で溜息を答えた。

「―――ノエル・シーカーにアレックス・ダドリー。アレックス・ダドリーはクロスベル警察のエリート揃いの捜査一課の中でも特に実力がある捜査官で、ノエル・シーカーはあんた達より歳が一つ上だけどかつての警備隊で”曹長”を務め、警備隊の副司令の右腕的な存在だったそうよ。」

「二人とも若いながらも優秀なんですね…………」

「フン、さっきから聞いていて感じたがクロスベルの精鋭をかき集めたように見えるな。」

サラの説明を聞いたマキアスは驚いてダドリーとノエルの写真を見つめ、ユーシスは鼻を鳴らして目を細めて二人の写真を見つめていた。

「――――リィン・シュバルツァーにエリゼ・シュバルツァー。この二人は”元エレボニア貴族”よ。」

「”元エレボニア貴族”……ですか?」

「………もしかして父上のようにメンフィルに降伏した貴族の関係者なのか……?」

「!!!」

(……まさか…………よりにもよってこんな形で出会う事になるなんて……!)

サラの話を聞いたマキアスは不思議そうな表情をし、ラウラは複雑そうな表情で呟き、リィンの写真を見たエマは目を見開いて息を呑み、セリーヌは厳しい表情をしていた。

「…………――――思い出したぞ。”シュバルツァー男爵家”。温泉郷ユミルを納める男爵家で確か”百日戦役”時、戦う事もせずに降伏し、エレボニア貴族からは”エレボニアの恥さらし”と揶揄されている貴族だ。」

「あ!そう言えばユミルはメンフィル領だったわね……!」

静かな表情で呟いたユーシスの言葉を聞いたアリサは声を上げた。

「そう。………ちなみにもう今だからぶっちゃけるけどリィン・シュバルツァーは貴方達――――特科クラス”Ⅶ組”のクラスメイトになっていたかもしれない人物なのよ。」

「ええっ!?」

「俺達”Ⅶ組”の…………」

疲れた表情で答えたサラの話を聞いたエリオットとガイウスは驚いた。

「彼は身元不明でシュバルツァー男爵に拾われ、そのまま養子にしてもらったという経緯を持っていてね。オリヴァルト皇子もその出身こそが”Ⅶ組”のまとめ役として期待していたのだけど…………彼は既にメンフィル帝国の軍人として特殊任務についていたから、無理だったそうよ。」

「……なるほど。平民であり、貴族でもあるからか。」

「……確かに貴族と平民が入り混じっているこの”Ⅶ組”の纏め役としてピッタリだったかもしれないな…………」

「複雑ね……私達のクラスメイトになっていたかもしれない人とこんな形で会う事になるなんて………」

「そ、そうですね…………」

サラの説明を聞いたユーシスは目を伏せ、マキアスとアリサは複雑そうな表情で呟き、エマは冷や汗をかきながら頷いた………………

 

 

 


 
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