No.640810

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~Ⅶ組の決意~前篇

soranoさん

外伝~Ⅶ組の決意~前篇

2013-11-29 00:00:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1538   閲覧ユーザー数:1424

~トールズ士官学院・1年Ⅶ組~

 

「ギャアアアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」

「!?今の悲鳴は……!」

突如聞こえてきた悲鳴を聞いたアリサは驚き

「……恐らく領邦軍の連中だな。大方メンフィル兵に殺されたのだろう。」

「あわわわわわわっ!もうここまで来るなんて……!」

「エリオット、落ち着け。逆らいさえしなければ、敵とみなされる可能性は低くなる。」

ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、エリオットは慌て、エリオットの様子を見たガイウスは忠告した。するとその時扉が開かれ―――

「…………どうやら皆、無事のようだな。」

ヴィクターが教室に入って来てアリサ達を見回して安堵の溜息を吐いた。

 

「父上!?」

ヴィクターを見たラウラは驚き

「じゃ、じゃあさっき兵を殺害したのは…………」

「状況から考えて”光の剣匠”だろうね~。」

「”光の剣匠”が相手した方は哀れとしか言いようがない……」

「ああ……エレボニア帝国が誇る剣士に一般兵が勝てる訳ないな……」

不安そうな表情で呟いたエマの言葉を聞いたミリアムは静かな表情で答え、目を伏せて呟いたフィーの言葉を聞いたマキアスは重々しい様子を纏って頷いた。

「父上!何故、祖国を裏切ったのですか!?」

その時ラウラは血相を変えて尋ね

「……………………私がメンフィルに屈した理由の一つはサザーランド州を制したレグラムの町にメンフィル軍による戦艦や飛行艇の艦隊が一斉に近づき……私達に圧倒的な戦力の違いを思い知らせたのだ。そして無益な血が流れる事を嫌うプリネ姫から提案があったのだ。降伏すれば、戦を仕掛けないとな。そして新たな国―――メンフィルに忠誠を誓う証として、エレボニアを滅ぼすまで従軍し、共に戦う事。だからこそ、今私はこの場にいる。」

「!!」

ヴィクターの説明を聞いて目を見開いて息を呑んだ。

「平民達に被害を及ぼさない為にも妥当な判断だったかと思います…………」

「……いくら何でも”人”の身で戦艦や飛行艇に敵うはずがないしな…………」

「………………………」

ユーシスとガイウスは重々しい様子を纏って呟き、マキアスは複雑そうな表情で黙り込んだ。

「―――そして。もう一つの理由は仕えるべき主を見つけたからだ。」

「仕えるべき主……?」

ヴィクターが呟いた言葉を聞いたエマは不思議そうな表情をし

「――――まさか。あの女性騎士…………”槍の聖女”殿と非常に似ていた方ですか!?」

ある事に気付いたラウラは信じられない表情をして尋ねた。

「……既にお前も見たか、”あの方”を。その通りだ。」

「なっ……!?」

「う、嘘!?本当に本物の”槍の聖女”!?」

「馬鹿な……数百年前の人物だぞ!?」

「何で生きているの~!?」

ヴィクターの答えを聞いたラウラとアリサ、ユーシスは信じられない表情をし、ミリアムは混乱し

「も、もしかして”槍の聖女”は”闇夜の眷属”なのかな??ほら、”闇夜の眷属”って長生きだって話だし……」

「……でも、それだとおかしい。”闇夜の眷属”――――異世界の種族達が現れたのは”百日戦役”時だし……」

エリオットの推測を聞いたフィーは考え込みながらエリオットの推測を否定した。

「……にわかには信じ難いが”本物”だ。直に私も剣を合わせてみてわかった…………あの方―――リアンヌ様は”人の身である限り絶対に勝てない存在”だ。私自身、防戦一方どころか、加減をされた状態で一方的に蹂躙されたからな。」

「父上が!?」

「て、手加減した状態で”光の剣匠”相手に一方的に戦うなんて…………」

「……しかしそれなら疑問も残る。何故エレボニアの英雄であった彼女がメンフィルと共にエレボニアを滅ぼす為に動いているのだ……?」

ヴィクターの説明を聞いたラウラは驚き、マキアスは口をパクパクさせ、ガイウスは考え込みながら言った。するとその時

 

「――――全ては民の為です。」

なんとリアンヌが教室に入って来た!

「!!」

「あ…………!」

「あ、ありえん……!レグラムの町にあった石像と瓜二つではないか!?」

「ど、どうやら本物のようですね…………」

リアンヌを見たラウラは目を見開き、ユーシスは信じられない表情をし、エマは驚きの表情で呟いた。

「フフ……数ヵ月前、我が城に巣食っていた魔物を私に代わって退治しようとした事……感謝致しますよ。」

そしてリアンヌはアリサ達を見回して微笑み

「え……?”槍の聖女”の城……?」

「何の事を言っているんだ……?」

リアンヌの言葉を聞いたエリオットとガイウスは戸惑い

「あ――――――――――――――ッ!もしかしてあの時僕達を助ける為に槍を投げて球体みたいなのを破壊してくれた人!?」

ある事を思い出したミリアムはリアンヌを指さして叫んだ。

「ローエングリン城の事か……!」

「そ、それに”槍の聖女”が持っているその槍はあの時”ノスフェラトゥ”を召喚した大元を破壊した槍と同じですね…………」

ミリアムの言葉を聞いたユーシスは目を見開き、エマは信じられない表情でリアンヌが持っている槍を見つめ

「……………………」

ラウラは呆けた表情をしていたが

「こ、こうしてお会いする事ができて光栄です、リアンヌ様!で、ですが……一体何故貴女ほどの方がメンフィルと共にエレボニアを滅ぼす為に戦っているのでしょうか……?」

すぐに我に返って緊張した様子で答えた後、不安そうな表情で尋ねた。そしてリアンヌはヴィクターにした同じ説明をアリサ達に話した………………

 


 
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