ーこれはまだ、彼がここのつ者の仲間になる前のお話。ー
旅の道中、人数が多くなっていたここのつ者の皆は二班に分かれて行動していた。
今居るのは黒犬、鶯花、飾、涼、楜亜羅の五人。
鶯「涼ちゃん、楜亜羅ちゃん、疲れてないですか?」
涼「大丈夫です」
楜「大丈夫、です」
黒「まぁ、取り敢えずここで少し休むか。」
鶯「そうですね」
飾「うん」
五人は川辺で休息する事にした
黒「鶯花ー、ちょっといいか?」
鶯「はい?」
飾「どうしたの?」
黒「ん?ちょっとなー、皆は休んでろよ」
黒犬はそう言って、鶯花を連れて川辺から離れていった。
鶯「………やっぱり黒犬さんも気付いてましたか」
黒「まぁな」
人気のない所に出ると、二人の周りを囲むように盗賊の集団が現れた
黒「おー、おー、沢山居るなぁ」
鶯「黒犬さん、楽しんでません?」
黒「最近、暴れてなかったからさ」
鶯「……じゃあ、暴れましょうか」
黒「おう!」
二人は背中合わせの陣形を取ると襲いかかってくる盗賊達を倒しにかかった
ーーその頃の飾達
涼「飾くん、危ないですっ」
飾「黒犬のお兄ちゃんも鶯花のお兄ちゃんも居ない僕が二人を守るんだっ」
楜「飾くん」
飾達の前には盗賊の集団の頭らしき人物が立ちはだかっていた
「ガキに何が出来る。出すもん出せば命は取らねぇからよ」
飾「やだ!」
「このガキが、自分の立場がわかってねぇみたいだな」
飾「っ…(怖い、でも、僕が涼さんと楜亜羅ちゃん守るんだ!)」
?「あのー、すいません」
「!?」
「なんだ、お前?」
?「自分の立場がわかってないの、あなただと思いますよ?」
「あ?」
鶯「不覚です。盗賊の策に嵌まるなんて」
黒「てめぇ、覚悟出来てるだろうな」
いたくご立腹の黒犬と鶯花を見て、盗賊の頭はおののいて逃げ出した。
黒「あ、逃げやがった!」
?「ほっといていいと思いますよ。お仲間さん、無事なようですから」
黒「そうだな」
鶯「それにしても、君には助かりました。」
?「いえ」
涼「あの、何がどういう…」
鶯「ああ、すみません。」
鶯花は一つ咳払いをしたあと、涼達に事の経緯を説明した
涼「そんなことが。えっと」
黒「ん?」
鶯「ああ、そういえば君の名前聞いてませんでしたね」
ユ「あ。初めまして、僕は【白鷺ユウ】です」
涼「ユウさん、ありがとうございました」
飾「本当にありがと!」
楜「あり、がとう」
ユ「いえ、では僕はこれで」
黒「ちょっと待てよ」
ユ「はい?」
黒「一緒に行こうぜ」
ユ「え?」
鶯「そうですよ、他の皆にも君を紹介したいですから」
飾・楜「行こうっ」
ユ「いいんですか?」
黒犬達は皆笑顔で、頷いた。
ユ「では、お供させていただきます」
終
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ここのつ者とユウくんの出会いの話
黒犬さん、鶯花さん、飾くん、涼ちゃん、楜亜羅ちゃん
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