No.639466

英雄伝説~光と闇の軌跡~  外伝~貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)~

soranoさん

外伝~貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)~

2013-11-24 10:04:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1280   閲覧ユーザー数:1214

~アルバレア公爵邸~

 

ヴァイス達が屋敷に突入する少し前、”アルバレア公爵家”の長男、ルーファス・アルバレアはバリアハートまでにある砦――――オーロックス砦に配属されていた兵士で、運良くも哨戒任務で攻撃範囲外にいた為、生き残り、そして急ぎバリアハートに帰還して来た領邦軍の兵士から報告を聞いていた。

「……………そうか。オーロックス砦は完全に壊滅していたのか…………」

報告を聞いたルーファスは重々しい様子を纏って呟き

「はい…………!アハツェン、機甲兵、飛行艇の軍団、全て僅か数分で敵の戦艦や”竜”のような姿をした化物の軍団によって殲滅され……オーロックス砦は完全に崩壊しました……!あれは……あれは…………”戦争”ではなく、唯の”虐殺”です…………!」

兵士は悔し涙を流しながら報告した後叫んだ。

「まさかメンフィルとクロスベルがそのような兵器を手に入れていたとは……!」

「おのれ…………!我等の財産を封じて、さらに宗主国たる我らエレボニアに侵攻までしてくるとは、恥知らず共が……!」

周囲の兵士達は怒りの表情で呟いた。

「報告!都市内に展開している味方部隊、ほぼ8割が壊滅しました!なお、敵軍の中には”英雄王”と”空の覇者”、さらには”殲滅天使”の姿があったそうです!!」

その時他の兵士が慌てた様子で部屋に入って来て報告し

「…………何だと?リウイ陛下自らがこのバリアハートを攻めているだと……?」

報告を聞いたルーファスは信じられない表情をし

「ば、馬鹿な…………”魔王”自らがバリアハートに攻めてきただと……!?」

「しかも”空の覇者”や”殲滅天使”までいるなんて……!」

「本気でこのエレボニアを滅ぼすつもりなのか……!?」

兵士達は混乱したり、表情を青褪めさせていた。するとその時、戦いの喧騒や誰かの叫び声が聞こえてきた!

「なっ!?まさか……!」

喧騒や叫び声を聞いた兵士は驚き

「もうここまで攻めてきたのか…………?」

ルーファスは厳しい表情で呟いた。

「報告!屋敷内に敵部隊が侵入!守備隊が応戦していますが長くは持ちません!ルーファス様!早くお逃げ下さいっ!!」

ルーファスが呟いたその時部屋に慌てた様子の兵士が入って来て表情を青褪めさせた状態で叫んだ。

 

「………………総員、アルフィン皇女並びにセドリック殿下をヘイムダルへお連れし、バルヘイム宮にいる父上やカイエン公と合流し、今後に備えよ。」

一方ルーファスは考え込んだ後真剣な表情で兵士達を見回して指示をし

「そんな……………ルーファス様はどうされるおつもりですか!?」

ルーファスの指示を聞いた兵士は血相を変えて尋ね

「私はここに残り、殿下達を逃がす時間を稼ぐ。お前達は何としてもお二人をここから逃がせ。」

尋ねられたルーファスは腰につけた鞘から細剣を抜いて構えて答えた。

「まさか…………ここで玉砕されるおつもりなのですか!?」

「我々が残ります!ですのでどうかルーファス様はお逃げ下さい!」

「ルーファス様にもしもの事があればユーシス様がどれほど悲しむか……!」

ルーファスの答えを聞いた兵士達は血相を変えて叫んだが

「黙れっ!!」

ルーファスの一喝によって全員黙り込んだ。

「皇家の方達を薄汚い簒奪者から命を賭けてお守りする…………これは貴族たる私の”義務”だ。貴族ではない貴様らにこの私に意見する資格はない。」

「ルーファス様…………………………」

高貴な雰囲気を纏って答えたルーファスの話を聞いた兵士は悲痛そうな表情をし

「それにユーシスにも”貴族の覚悟”も教え込んである。だからユーシスの事も心配するな。」

「…………………………」

ルーファスの話を聞いた兵士達はそれぞれ重々しい様子を纏って黙り込んだ。

「行け!何としてもお二人をバリアハートから逃がせっ!グズグズしているとメンフィルやクロスベルがお二人に危害を加えるぞっ!」

「イエス、マイロード!」

「今まで貴方にお仕えする事ができて幸せでした、ルーファス様!」

「どうかご武運を!!」

「空の女神よ!どうか我が主に勝利を!」

そしてルーファスの指示に兵士達はそれぞれ涙を流しながら敬礼した後部屋を出て行った。

 

「………………すまない、ユーシス。お前は何としてでも生き延び…………”アルバレア”の血を絶やさず…………平民達を導いてくれ…………」

兵士達が部屋を出て行くとルーファスは静かな表情で呟いた。するとその時

「グアアアアアッ!?」

「申し訳ありません……ルーファス……様…………」

「アルフィン皇女…………セドリック殿下…………どうかお逃げ…………」

兵士達の呻き声が聞こえ

「アルフィン皇女にセドリック皇子だと?まさか…………この屋敷内にいるのか!?フッ、ついているな。―――リセル!お前は兵達と共に屋敷内にいるアルフィン皇女とセドリック皇子を捕えろ!」

「かしこまりました、ヴァイス様!総員、これよりエレボニア皇室関係者の捕縛を開始する!私に続きなさいっ!」

「イエス、マム!」

「数名は俺と共に来いっ!!」

「ハッ!!」

ヴァイスとリセルや兵士達の声が聞こえた後、数人の足音が聞こえ、そして扉が斬撃によって真っ二つにされて破壊され、そこからヴァイス率いる数人の兵士達が部屋に雪崩れ込み、それぞれの武器をルーファスに向けた……………!

 

 


 
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