No.635839

恋姫婆娑羅

KGさん

今回、長いです。後なんか駆け足です。

さて、色々と忙しくて更新が安定しなくて申し訳ありませんがどうか楽しんでいってください

2013-11-10 18:12:52 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4884   閲覧ユーザー数:4360

「再会」

 

 

 

 

 

 

 

鬱蒼とした森に似つかわしくない轟音が、幾度となく響いている。

 

「ここら辺りと聞いていたんだがな・・・」

 

元親は音が聞こえる場所に足を向ける。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」

 

少し歩くと開けた場所に出るが、そこにいたのは、一騎打ちに興じる二人の少女。巨大な武器を振るい、双方、肩で息をしている。

 

「どう、調子は?」

 

「あ、華琳様。見ての通りですわ」

 

元親と共に来ていた華琳が、この決闘の立会人をしていた真桜に声を掛ける

 

「おうおう、派手な喧嘩になってんな」

 

「何を言うてんねん、ウチが何度死ぬ思うたか、教えたろか?」

 

「ハッハッ、子供の喧嘩じゃねぇか、可愛いモンだろ?」

 

「そんなん言えるの、アニキか、筆頭か、片倉の旦那くらいやで・・」

 

三人がそんな話をしている間にも、少女たちの激突は止まらない。常人なら一撃必殺の攻撃が飛び交い続ける。

 

「・・・まだ、やらせんのか?」

 

「あれで良いのよ、下手にシコリが残るよりもね」

 

「そういえば、アニキ、面会とやらはどうやったん?」

 

二人の決闘はまだ続いているが、真桜は先の面会について気になったようだ。真桜は面会に立ち会っておらず、何があったのか知らないからである

 

「ああ、これから都に遠征する事になった。凪と沙和にゃ、準備してもらってる」

 

「恐らく、今回の戦で都の権力は完全に失われる。大陸はさらに混乱することになるわ・・・」

 

「そうだろうな、黄巾の時が凪の海に思えるくらいには荒れるだろうな」

 

華琳と元親の言葉に真桜の目は驚愕に見開かれる

 

「なんやて・・・!? じゃあ華琳様は、なんで、こんな戦いに行くん? 守るために力を溜めた方が、ええんとちゃうん?」

 

「変化の波にむざむざ呑まれるよりも、波の頂にいたいと思ったからよ」

 

「・・・ごめん、よう分かりません・・・」

 

「要は、外から眺めているよか、内から見て、確実に事を収めてぇってとこだな」

 

「まぁ、そんな所ね」

 

「ああ。それなら、ウチにも分かります」

 

真桜が理解した、丁度その時、森を揺らす快音が響く。季衣と流琉の戦いにも終わりが来たようだ、二人共、疲労困憊の様子だが、どうやら仲直りは出来たようである。

 

「ようやく決着が付いたようね」

 

「華琳様・・・・」

 

「曹操様・・・」

 

決着を見届けた華琳は二人の前に立ち、流琉に告げる。

 

「典韋、もう一度誘わせてもらうわ、季衣と共に私に力を貸してくれるかしら? 料理人では無く、一人の武人としてね」

 

「・・・分かりました。季衣にも会えたし、チカ兄様もいるし・・・。私、頑張れそうです!」

 

「ならば私を華琳と呼ぶ事を許しましょう。季衣、あなたとの約束、確かに果たしたわよ?」

 

「はいっ! ありがとうございます!」

 

「約束・・・?」

 

華琳と季衣のやり取りに首を傾げる流琉

 

「季衣の願いを一つ叶えると約束していたのよ」

 

「だからボク、流琉を呼んでも良いかってお願いしたんだよ」

 

「まぁ、あなた程の人物と知っていれば、そんなものなくても招いていたでしょうけどね」

 

「ありがとうございます・・・華琳様」

 

嬉しそうに微笑む流琉に元親も声を掛ける

 

「良かったな、流琉よ。これからよろしく頼むぜ!」

 

「はいっ! チカ兄様」

 

こうして新たな仲間を加えて、曹操軍は、都への遠征準備を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流琉加入から数日が経ち、曹操軍は一路、街道を進んでいた。しかし、行き先は都では無かった。

 

「やれやれ、どうなる事やら・・・」

 

「あら、独眼竜ともあろう男が尻込みしてるの?」

 

「そんなんじゃねぇよ・・・まぁ、行きゃ分かるだろ」

 

「・・・?」

 

政宗と華琳が他愛も無い話をしている所に、桂花より報告が届く

 

「華琳様、袁紹の陣地が見えました! 他の旗も多く見えます!」

 

確かに色とりどりの旗と、こちらに向かってくる顔良の姿が見える。

 

「曹操様、ようこそいらっしゃいました!」

 

「顔良か・・・久しぶりね、文醜は元気?」

 

華琳と顔良は当たり障りのない会話を少しすると、すぐに真面目な顔に戻り、どこに陣を張るか、これからすぐに軍議だとか、事務的な話をする。

 

「分かったわ、元親、何人か連れて、顔良の指示する所に陣を構成しておいてちょうだい。それから、小十郎と桂花は、どこの諸侯が来ているかを至急、調べておいて」

 

「おうよ、凪、真桜、沙和、俺についてこい」

 

「「「了解!」」」

 

「御意・・・。ほら、さっさっとしなさい、ヤクザ男!」

 

「・・・全く、ガキの子守りは疲れる」

 

華琳の指示で皆がそれぞれに動き出す。

 

「私は、麗羽の所に行ってくるわ。春蘭、秋蘭、それから政宗もついて来なさい」

 

「「はっ!」」

 

「・・・俺も良いのかよ?」

 

「どうせ、ダメと言っても、付いてくる気だったのでしょ?」

 

「・・・That's right 分かってんじゃねぇか」

 

華琳の言葉は見事に図星だった。最近、華琳も政宗の気性が分かって来たのか、扱いがうまくなっている。そんな事を考えながら、政宗も本陣へと足を向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーほっほっほ! おーほっほっほ!」

 

本陣に着いた、華琳らを待ち受けていたのは耳障りな笑い声であった。

 

「・・・何だよ、うるせぇな」

 

「・・・久しぶりに聞いたわね。その耳障りな笑い声・・・麗羽」

 

騒音の発信源、麗羽、もとい袁紹に華琳が声を掛ける。

 

「華琳さん、良く来てくださいましたわ」

 

「・・・・・・・」

 

「さーて。これで、主要な諸侯は揃いましたわね・・・。華琳さんがびりっけつですわよ、びりっけつ」

 

「はい、はい」

 

袁紹の小馬鹿にした物言いに、華琳は特に取り合う事も無く受け流す。普段なら叩き切れる事、請け合いの春蘭も黙って流している。そんな、ある意味、異常事態にも関わらず、政宗は別の所に関心を向けていた。

 

(・・・マジでいやがったな、真田幸村。それと・・・、まさか、あんたまでいるとはな、家康・・・)

 

嬉しそうな顔で、今にも声を掛けて来そうな二人に政宗は視線のみで自らの意を伝える。今はその時では無いと、政宗の考えを読み取った二人は小さく頷いた。

 

(家康はともかく、真田も分かるとは・・・やはり昔とは違うな)

 

自分の意向をちゃんと理解した二人に、というより猪武者の代表格であった真田幸村が理解した事に感心していた。

 

「それでは、軍議を始めますわ。知らない顔も多いでしょうから、まず、そちらから名乗って頂けますこと? ああ、華琳さんはびりっけつですから、一番最後で結構ですわよ。おーほっほっほ!」

 

「おい、あのバカが袁紹で間違いないのか?」

 

「ああ、この集りの主催者だな・・・」

 

「ここにいる、誰よりも地位だけは高い奴だ」

 

「・・・そうかい」

 

(ありゃ、今川のおっさんの方がまだ、ましか・・・? いや、比べる方が失礼か・・・)

 

「そこっ! 何くっちゃべってますの!」

 

袁紹の確認をする政宗であったが、少し声が大きかったのか、当の袁紹に怒られてしまった。それから、自己紹介が始まった。

 

「・・・幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」

 

「平原郡から来た劉備です。こちらは、ご主人s・・じゃなくて、家康さんと、軍師の諸葛亮です」

 

「今日、ここに結ばれる絆に感謝する。どうかよろしく頼もう」

 

「よろしくお願いしますぅ」

 

なるほど、家康は劉備の所にいたのかと政宗は考える。あの劉備という少女の纏う雰囲気がどこか家康に似ている。まるで、太陽が二つあるようだ。

 

「涼州の馬超だ。今日は、馬騰の名代としてここに参加することになった」

 

「あら、馬騰さんはいらっしゃいませんの?」

 

「最近、西方の五胡の動きが活発でね・・・。袁紹にはくれぐれもよろしくと言付かっているよ」

 

あれが、あの錦馬超かとしげしげと眺める政宗、これまで、出てくる有名な将は尽く、女であったが、馬超も例外では無かったようだ。

 

「袁術じゃ、河南を治めておる。まぁ、皆知っておろうがの! ほっほっほ!」

 

「私は、美羽様の補佐をさせていただいています、張勲と申しますー。こちらは客将の孫策さんと、さらにその客将の真田さんですー」

 

「・・・・・」

 

「某、真田源次郎幸村、以後、お見知りおきを」

 

孫策は立ち上がるが目礼だけで済まし、幸村は礼儀正しく、挨拶する。春蘭が孫策に反応するが場を弁えているのか、今は黙っていた。

 

「では、最後にびりっけつの華琳さん、お願いしますわ」

 

嫌味たらしい袁紹を一瞥するが、特に意識する事なく自己紹介を始める華琳

 

「・・・典軍校尉の曹操よ。こちらは我が軍の夏候惇、夏侯淵、・・・それから、盟主の伊達政宗よ」

 

華琳の紹介に孫策と劉備が、少しばかり興味を示したようにこちらを見てくる。恐らく、幸村や家康から話を聞いていたのだろう。

 

「では・・・最後に、この私、袁本初ですわね!」

 

勇んで名乗りを上げようとするが、華琳を筆頭とした諸将が袁紹は有名人だからと紹介を省く、袁紹は何やら残念そうであるが、有名人ならと納得して、ようやく軍議が始まる。

 

「それでは、進行はこの私!袁本初が行わせていただきますわ!おーっほっほっほ!」

 

「良いから、とっとと始めろや・・・」

 

袁紹の段取りの悪さに政宗は徐々に切れはじめる。

 

「さて、最初の議題ですけど・・・」

 

「現状と目的の確認だろ?」

 

袁紹の言葉を遮り、公孫賛が進めてしまう。

 

「え、ええ・・・そうですわ。この私が集めた、反董卓連合の目的・・・」

 

「都で暴政を働いていると言う董卓の討伐で良いのでしょ? ただ、董卓と言う人物については良く分からないのだけど、誰か知っているかしら?」

 

華琳の言葉に頷く者はいなかった。詰まる所、誰も董卓についての情報を持ってなかった。この件に関しては逐次、情報を集めると言う事でまとまった。

 

「で、では、次は・・・」

 

「都までの道程か」

 

「そうですわ、私がどうやって、この大軍勢を率いるかですけど・・・」

 

「後でくじ引きで決めたら良いだろ? それで決まった順に行軍すれば良い、どうせ戦闘になったら、配置変えるんだし、問題無いだろ?」

 

馬超の提案をその場にいる皆が採用する。

 

「では、次は経路ね」

 

「け、経・・・」

 

「七乃。どう言う道程になるんじゃ? 皆に説明してたもれ」

 

「はい、この数ですから、街道に沿った行軍になりまーす。間の大きな関所は汜水関と虎牢関になりますから、この辺り、もしくはその前後で戦闘が起こると予想されまーす」

 

張勲の完璧な説明に皆が頷く、どうにも袁紹は役に立っていないような気がする。

 

「そ、そうですわね。その辺りで戦闘になるはずですわ、それで・・・」

 

「関所の将は?」

 

「汜水関は華雄、虎牢関は呂布と張遼と報告が入っていますね。ただ、大分前の情報ですので、改めて調べる必要がありますけど・・・」

 

調査の必要があると言われ、劉備と公孫賛が手を上げる。

 

「汜水関の偵察は私たちでやるよ・・・機動力のある兵もいるしな」

 

これで、さし当たっての議題は無くなり、諸将が自陣に帰ろうとすると。袁紹がまだ決める事があると呼び止める。

 

「ま、まだ、大事な議題が残っていますわ!」

 

「汜水関を誰が攻めるか・・・かの?」

 

「それは調査のついでに、白蓮さんの手勢が攻め落とせば良いんですわ!」

 

袁紹の無茶な注文に公孫賛は反論するが、見事な煽りにまんまと乗せられ、結局、公孫賛と劉備が汜水関攻めの先方となった。それから、袁紹の言う本当に重要な議題は、誰が、この連合を率いるかと言うことであった。

 

「私はする気は無いのですけど・・・。様々な事を考えた場合、候補はおのずと絞られるのではないかと・・・」

 

「はいはい、麗羽で良いわよ・・・」

 

「他にやりたい奴は・・・いないな・・・じゃ、袁紹で良いだろ」

 

結局、この団結も何も無い連合を仕切りたいなんて考えるバカ・・・。もとい殊勝な者はおらず、結局、袁紹に決まり、軍議は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

解散となった軍議の後、政宗は華琳に用事があると言って別れる。華琳も政宗の視線の先に映る二人の男を見据えて、それを了承したのであった。

 

「You doing OK? 久しぶりだな、真田、家康・・・!」

 

「お久しゅうござる。政宗殿、家康殿! まさかこのような所でお二人に会えるとは・・・この幸村、望外の喜びにござる!!」

 

「ハッハッ! 本当になぁ・・・ワシらを結ぶ、この絆に感謝せねばならんな!」

 

「全く・・・。相変わらず、暑苦しい奴と、絆野郎だな・・・」

 

文句を言いつつも、どこか嬉しそうな政宗である。

 

「それで、今、ワシは桃香・・・いや劉備殿の所で世話になっているのだが・・・。独眼竜は、どうやら、かの曹孟徳殿、真田は、小覇王と名高い孫策殿の所にいるようだな」

 

「そうでござる! 某だけで無く、佐助にお館様も一緒でござる!!」

 

「ああ、俺んとこも、小十郎に西海の鬼がいるな・・・」

 

「おおっ! なんと、信玄公に元親もいるのか! それに猿飛に片倉殿も・・・。わしの所も忠勝と鬼島津殿がおられるがな!」

 

それぞれが己がいる陣営にいる戦国の将を教え合うが、家康の言葉に二人は戦慄する。

 

「な、なんと・・・本多殿に島津殿もおられるとは・・・」

 

「おいおい、お前んとこの戦力、とんでもねぇ事になってんじゃねぇか」

 

「そうだな・・・。忠勝と島津殿が肩を並べて戦っている所を見ると胸が熱くなるな!」

 

政宗、幸村は、己たちが世話になっている陣営の君主に思いを馳せる。彼女らの覇道に障害と言うのも生ぬるい程の大障害が立ちはだかったと。

 

「いや~、だが、一度この世界に来ている者たち、皆に会いたいな」

 

「そうだな・・・今夜辺りはどうだ? 明日には、行軍が始まって忙しくなるからな」

 

「流石、政宗殿、某も異論はありませぬ」

 

「うむ、ワシも大丈夫だ! それでは、今夜、またここに集合だ!」

 

こうして、再会の約束をすると三人はそれぞれの陣営に戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

政宗が陣地に戻り、曹操軍としての軍議や行軍準備を終わらせると、小十郎、元親に事情を話す。小十郎は鬼島津が来ている事を喜び、佐助がいた事に顔を顰める。対する元親は親友の家康がいる事に大喜びしている。

それから、政宗は勝手に出ていく訳にもいかないので華琳に報告してから行くため、天幕を訪れる。

 

「邪魔するぜ、華琳」

 

「あら、こんな時間に何の用? 夜伽のお誘いかしら?」

 

「・・・バカな事言ってんじゃねぇよ・・・」

 

華琳の冗談に政宗は辟易とする。最近、華琳は政宗にこんな冗談ばかり言っている。

 

「ちょっとばかし、知り合いに会ってくるから陣を抜けるぞ。すぐに戻るから安心しろ」

 

「・・・その知り合いとは、天の・・・、あなたの世界の知り合いかしら?」

 

「・・・That's right」

 

政宗の言葉に何かを思案する華琳であったが、すぐに顔を上げると政宗に言う。

 

「それなら、私も連れて行ってくれないかしら?」

 

「Ah? なんでだよ?」

 

「簡単な事よ。あなたの世界の将が気になるからよ」

 

しばし、考える政宗だったが、特に問題は無いだろう顔を上げる。

 

「・・・All right だが、余計な事はするなよ・・・?」

 

「ふふ、ありがとう、政宗」

 

こうして、華琳も連れて行く事になったのだが、集合地点に行く途中で春蘭に捕まり、一悶着あったりしたがなんとか、辿り着く事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合地点には、すでに幸村と家康が来ていた。彼らもまた、孫策と劉備がついて来ている。自分の所だけでなかった事に政宗が安堵の息を吐く。

 

「おお、来たか! 独眼流!」

 

「悪ぃな・・・待たせちまったか?」

 

「いえ、我らも今しがた来たばかりでござる」

 

遅れた政宗は謝罪するが、どうやら皆、今集まったばかりらしい。

 

「おうっ家康! 久しぶりだなぁ~。元気だったか!」

 

「元親! ああ、ワシは元気そのものだよ! お前も・・・元気そうだな!」

 

早速、元親が家康に駆け寄り再会を喜ぶ。

 

「ふむ、鬼島津に竜の右目もおるとはな・・・。」

 

「ガッハッハ! 甲斐の虎が復活しとるとはのぉ! こりゃ嬉しか、再会ね」

 

「信玄公、鬼島津殿、あなた方にまた会えた事、この片倉小十郎、嬉しく思っております」

 

小十郎は武の先達たる猛将たちと話を始める。

 

「・・・・・・!!」

 

「ん~、何を言ってんのか、俺様には解んないぇ」

 

「・・・・・・・!?」

 

「あ~、喜んでんのは分かるんだけど・・・ごめんね~。最強の旦那」

 

佐助は忠勝の言ってる事が分からずに雰囲気のみでなんとかしていた。

 

「政宗殿、貴殿との決着・・・この地にて叶う事になりそうですな・・・」

 

「Haッ! 何処だろうと関係ねぇだろ? 俺とあんたがいる所が戦場になるんだ、まぁ、今はその時じゃねぇがな。とりあえず、首を洗って待ってな!」

 

「それは、貴殿も同じこと・・・。この幸村、今度こそ竜を超えて見せましょうぞ!」

 

政宗と幸村は宿敵との再会で、心から猛っていた。

 

 

「・・・政宗、再会を喜ぶのも結構なのだけど、そろそろ私にも紹介してくれないかしら?」

 

「幸村~、私を無視してないで、紹介しなさいよ~!」

 

「あ、あのご主人様、私にもこの人たちを紹介して欲しいなぁ?」

 

完全に置いてきぼりを食らっていた、三国の将たちの我慢も限界であったようだ。自分たちにも紹介するように促す。

 

「おっと、悪かったな・・・」

 

「しぇ、雪蓮殿・・・! 謝りますので、あまりくっ付かないで欲しいでござる・・」

 

「ははっ! すまんな、桃香」

 

バツが悪そうに謝罪する三人、幸村は孫策に背中から、抱きつかれてあたふたしているが・・・。家康はそれに構わず言葉を発する。

 

「では、まず、ワシ等から紹介させてもらおうか! ワシの名は、徳川家康、それからこっちが、ワシの忠臣にして、徳川第一の絆たる本多忠勝。そして、忠勝の好敵手であり鬼島津の名で恐れられた、島津義弘殿だ。現在は劉備殿の元で世話になっている。曹操殿、孫策殿、今日ここであなた達に会えた、この絆に感謝したい」

 

「・・・・!!」

 

「よろしく頼むど、曹操どん、孫策どん」

 

「あ、ちなみに私が劉備です。ご主人・・・家康さんには、とってもお世話になってます! これから仲良くしてくださいね!」

 

家康の紹介が終わると、華琳はずっと思っていた疑問を口にする

 

「・・・徳川殿、ちょっといいかしら?」

 

「おいおい、そんな堅苦しい呼び方はよしてくれ、家康で良い」

 

「そう、なら、家康。そちらの本多と言ったかしら・・・。その者は人間なの?」

 

「ああ、私も思ってた! 完全にカラクリよね~その人・・・」

 

「しぇ雪蓮殿ッ!? 無礼ですぞ!!」

 

華琳の疑問に孫策が乗っかる、確かに忠勝は見るのが初めてなら当然の疑問であろう。

 

「はは~・・・。確かに忠勝さんは人間離れしてるもんね」

 

「ハッハッ! まぁ、それほど忠勝が凄いと言う事だな! 曹操殿、孫策殿、忠勝は確かに人間離れしているかもしれないが、れっきとした人間だぞ!」

 

「・・・・・・!!」

 

「ガッハッハ! 流石は忠勝どん! うまい事言いよる!」

 

「忠勝さんったら、本当にお茶目ですね!」

 

忠勝が何かを言ったのだろうか、義弘と劉備、家康も笑っているが、華琳も孫策も何を言っているのか分からなかった。

 

「うむ、中々に愉快な事を言いよるわ・・・」

 

「し、信玄公? 今の分かったの・・?」

 

「流石はお館様にございます!」

 

どうやら、信玄は何を言っているのか分かるらしい、孫策は信じられないと唖然としている。

 

「・・・政宗?」

 

「Ah~ あんまり深く考えねェ方が良いぞ?」

 

「いや~、それにしても、やっぱり、カッコいいぜ! 本多忠勝・・・」

 

華琳も頭から煙を出しそうになっているが、政宗の忠告で考えるのをやめた。

 

「では、続いては我らが・・・。某、真田源次郎幸村、そして、この者が真田忍隊隊長の猿飛佐助にござる、それから、我が主君にして、生涯の師である武田信玄公にござる! 現在は孫策殿に拾われ世話になっている次第、曹操殿、劉備殿、どうかお見知り置きを」

 

「まぁ、程々によろしくねー。」

 

「まさか、劉備や曹操に紹介されるとは思わなんだ。やはり、生きておれば様々な事に出会えるのう」

 

「それから、曹操や劉備は、もう知っていると思うけど、私が孫策よ。この三人には手を焼いているけど・・・、まぁ、楽しいから良いのけどね」

 

真田と虎のおっさんがいて苦労しない訳が無い、政宗は少しばかり孫策が気の毒に思えた。あの武田のノリは自分たちの世界でも、ぶっ飛んでいる。

 

「孫策さんよ、中々、苦労してそうだな・・・」

 

「あら? そうでも無いわよ。こうやって、幸村で遊ぶのも楽しいし!」

 

そう言って、幸村の頭を自らの胸に抱きかかえる孫策

 

「そ、そっそそ、孫策殿ぉ~!! 破廉恥でござるっ!」

 

顔を真っ赤にして絶叫し、暴れ出す幸村。この男、実は恐ろしい程の初心で女性が苦手なのである。孫策の元に来た当初は毎日のように鼻血を吹き出して、死にかけていた。これでも大分ましになったのだが。未だに止まらない幸村に、ついにあの漢が動く。

 

「幸村ぁぁっ!! この未熟者がぁぁっ!!」

 

「ぶべらぁぁ!」

 

「ひぇぇ・・・」

 

「・・・何なの?」

 

信玄の愛の鉄拳が幸村に直撃し、吹き飛ばされる。戦国の者と孫策はもはや、見慣れたものだが、劉備と華琳は何が起こったか分からず、目を白黒している。

 

「幸村よ! お主のその弱点、雪蓮らの協力も有りながら、未だ克服の兆しが見えんぞ!」

 

「うぅぅ、しかし、お館様、これでも大分ましにはなったのでございます。それに、女子が苦手でも戦には支障は・・・」

 

「ぬうぅぅん!!」

 

「ぶっはぁぁぁ!」

 

またしても、殴られて、天高く飛ぶ幸村だが、すぐに舞い戻って来て信玄の前にひざまづく。

 

「馬鹿者がぁぁ! お主、この世界に来て何を見ていた? 主要な将の多くが女人ではないか・・・。そのような世界で女人が苦手などと言う事は弱点以外の何物でもないぞ!」

 

「お、お館様ぁー!! この幸村、慢心しておりました!必ずやこの弱点、克服して見せましょうぞ!」

 

「うむ、幸村!」

 

「お館様ぁ!」

 

「幸村っ!」

 

「お館様っ!」

 

「ゆぅきむらぁぁ!!」

 

「おおやかたさばぁぁ!!」

 

いつしか二人は名前を呼びあい強烈な殴り愛に発展していた。その様子を見ていた、華琳は遂に頭から煙を出し、政宗に訊ねる

 

「ま、政宗? 何なの・・・アレ?」

 

「・・・・アレは深く考えたらダメだ・・・」

 

「そ、そうなの・・・? いや、そうよね・・」

 

対して劉備はこの状況を止めようとするが家康に止められている。

 

「ご、ご主人様っ!? あれ、止めないと!?」

 

「ハッハッ! あれは真田と信玄公の絆の証なんだ。それにいつもの事だから、大丈夫さ!」

 

「そ、そうなんだ~」

 

それから、佐助と孫策が二人を鎮めて、最後に政宗たちの番となった。

 

「んじゃあ、最後に俺らだな。俺の名は伊達政宗、んで、こっちは腹心の片倉小十郎と、西海の鬼こと長曾我部元親だ。知っての通り、かり・・・曹操の所にいる。・・・こんなもんで良いか?」

 

「片倉小十郎だ。よろしく頼む」

 

「鬼が島の鬼たぁ、この俺の事よ! まぁ仲良くしてくれや」

 

「・・・それで、私が曹孟徳よ。とりあえず、よろしくと言っておきましょう」

 

政宗の紹介が終わると、戦国の将たちは華琳をまじまじと見だす。

 

「うぅむ・・・。こげな娘っ子が、かの曹孟徳とはのう・・・」

 

「全くじゃ・・・。この世界には驚かせられる事ばかりじゃ」

 

「・・・・・・!?」

 

「いや~、女の子ばっかりで俺様は嬉しいけどね~」

 

どうにも想像と違った曹操像に皆、困惑しているようだ。華琳は気にしていない振りをしているが、こめかみに青筋が浮いている。そんな様を政宗が声を押し殺して笑うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、自己紹介も終わり、話は彼らのいなくなった日ノ本の話になった。

 

「なぁ、家康がここにいるのは、かなりマズイんじゃねぇか?」

 

「そうでござるな・・・家康殿の統治で収まった乱世が、また起こっているのでは・・・」

 

元親や幸村の心配に家康が朗らかに答える。

 

「そうだな・・・。しかし、謙信公に慶次、北条殿や最上もいるんだ。なんとかなっているだろう!」

 

「まぁ、今の日ノ本で戦を起こすのは無理だろうな・・・。例え戦を起こしたとしても、天下泰平を乱す賊として民衆には受け入れられないだろうしな・・・。そんな愚行を犯そうってバカもいないだろ」

 

二人の言葉に皆が頷く、日ノ本だけで無く、己の国の方も大丈夫であろうと、なんとも楽観的である。

 

「随分と楽観的なのね? 自分の国が心配では無いの?」

 

そんな戦国の将たちに華琳が問う

 

「我が武田の人間に民の平穏を乱そうなどと考える軟弱者はおらん! それにワシ等がおらんでも国をまとめる力のある者もいるからのぅ・・・」

 

信玄の言葉に戦国の将たちは、賛同する。皆、己の国の家臣と民を信じていると、そう言うのだった。その後も話は続くが、明日からまた忙しくなる事も考えて、今日はこの辺りでお開きという事になった。

 

「今回は連合軍として力を貸すが、これが終われば・・・分かってるよな?」

 

「無論でござる! その時は全身全霊でお相手しましょうぞ!」

 

「そうだな・・・。悲しい事だが、この世界に太平を招くためなら・・・。ワシも加減は出来無いぞ?」

 

こうして、彼らはそれぞれの陣へと帰っていく。明日から忙しくなりそうだと、ここに集った皆が思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、何か駆け足になってしまいましたね・・・すいません、纏まらなかったんです・・・

 

読んでくれた人の中には、「なんで、このキャラ出したの?」と思う方もいるかもしれませんが、完全に俺の趣味です。すいませんけど、許してくださいね?

 

それでは、ここまで読んでくれた方には最大級の感謝を! ではまた。

 

 

 

 


 
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