No.635107

【デジナミ】祭りの後の…【2013ハロウィンアフター】

そんな訳でアフター失礼致します!いつもの如くGMのお話ですー
皆様ハロウィン本当にお疲れ様でしたー!!
またどこかしらで細かくイベントやりたいなぁ…!!

毎度お世話になっております!

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2013-11-08 00:08:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:738   閲覧ユーザー数:730

無事にゴーストデジモンと化していたパンプキングを討伐した翌日は、問い合わせの嵐と補償の対応で

てんてこ舞いだった。翌日には顛末書を仕上げるつもりだったが、補償や顧客対応を盛り込んでの報告を

との事だった為、そのまた翌日に回す事になった。

 

「真宮君、ここ、誤字があるよ」

「えっ!あっ、ホントだ…三谷さん、ありがとうございます!」

 

顧客対応や補償がある程度落ち着いたハロウィンイベントから二日経った日。

ある程度顛末書を仕上げ、ざっと誤字脱字がないか、変な箇所はないかをチェックしていると、

横合いから三谷が覗き込んで指摘をする。

慌てて書き直し、もう一度チェックした所、問題がなさそうなので保存を掛けてからプリントアウトをする。

もう少し時間が経ったら、これを持って上部に今回のイベントのゴーストデジモンについて報告しに行かなければならない。

もちろん、ゴーストデジモンはプログラムのバグとは違い、事前に防ぐ術がない為、不可抗力的な所もあるのだが、

やはり社内情報として共有しておかなければならない情報である事には間違いはない。

「くっそー…なんでまた出てきたんだよあいつら…」

「分からないな…出現する法則も一切ないからな。このゲームを開発したチームの人間の消息も掴めないし」

クリアファイルに書類一式を挟み込み、机の上に置く。デジヴァイスから「兄貴、机の上に置くとなくすっスよ?」と

シャウトモンの声が聞こえたような気がするが、敢えて無視することにする。

「後は緊急コールが何で非番だった暁良にまで届いたかのも疑問ですよね。まあ、結果的に来てくれて助かったんですけど」

溜息を一つ吐いて、机の上に突っ伏す。何故か非番なのに緊急コールが届き、仕事をさせるハメになってしまった彼には

もちろん代休は取って貰った。上にバレたという訳ではないのだが、さすがに創佑も不可抗力とは言え、

休日に仕事をさせて翌日また出勤では後味が悪いし、休める時に体を休めないと、と言う事で有給を宛がえたのだ。

「ああ、胃が痛い…」

「お昼に天丼食べてた癖によく言いますね」

声に顔を上げると、お茶の入ったカップを両手に携えた暁良の姿。「ほら」と片方のカップを差し出され、創佑は受け取る。

「…物の例えだって」

「それくらい…」

途中まで言って辺りを少し見回し、すぐ近くに自分達以外がいない事を確認する。

小休止を入れている者が多いのか、今はあまり人影は多くはない。

「それくらい、分かってるさ」

人影が見えないからか、仕事モードの敬語ではなく、オフでの言葉遣いに切り替えたようだ。

「全く…ギルが怒ってあの後大変だったんだぞ…」

「悪かったよ、ホントに。でも、あの時来てくれて本当に助かった。ありがとう、デジモン仮面」

「その通りだ。やはりデジモン仮面は頼りになるな」

「………仮装してない時にデジモン仮面って呼ばないで下さい」

にやにやと悪戯っ子のような笑みを浮かべつつ、創佑と三谷は暁良をじっと見つめる。

その視線に耐えかね、顔を逸らしたのはやはり暁良だった。

「いや、うん!でも凄く似合ってた!俺も準備した甲斐があったよ!また着ようそうしよう!」

「ら、来年の仮装は別な物にさせろ!」

「大丈夫だ。来年は俺が用意しよう」

「選ぶ権利はないんですか!」

もう少し経ったら上層部への報告が待っている事に対しての現実逃避が如く、創佑は明るく笑う。

暁良はそれに気が付いていなかったようだが、三谷は勘付いていたようで、暁良をからかいながらも

創佑の肩を軽くぽんぽん、と叩いたのだった。

 

「――で、結局何かわかったんスか?」

「何故、わしに聞く」

「いやぁ…ギルって物知りじゃないっスか」

言われてふん、と双眸を伏し、尻尾を左右にゆっくりと振る。

実際の所は、相棒からは何も聞いていないし、前のパンプキングとの戦いでも大した収穫はなかった。

「わしは何も聞いておらんよ。ただ……」

答えて、語尾を濁す。視線を上に上げれば、ぼんやりと浮かんでいるピコデビモンのルシーの姿。

何かしら進展を知っている者がいるとすれば、彼になるだろう。しかし、会話が通じるかは些か不透明である。

「おんしは、何か知っておるかの?」

声を掛けるが、やはり返答はなく、ぼんやりと浮いているだけで一向に話は進まない。

やれやれ、と溜息を吐き出してシャウトモンの頭に飛び乗り、前足で頭を小突き始めたその矢先……

「ワカラナイ。ワカラナイ。ワカラナイガ、ワカッタ、セイヤ、イッテタ」

「ほう、珍しいの。おんしが答えてくれるとは…結局分からずじまい、か」

「まあ…しょうがないっスねー…」

頭にギルを乗せたままの体勢でシャウトモンがぼやく。そこに、返答を終えたルシーが気まぐれな悪戯なのか頭に乗っかってきて

バランスを崩して後ろに向かって転んでしまった。

「トリックオアトリート、トリックオアトリート」

「もう終わったっスよ!」

「全くおんし等は!」

三者三様の声がデジヴァイスの中で響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

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○月×日      ギル

 

パンプキング騒動の翌日、創佑が休日出勤をしてしまった暁良の為に有給にしてくれたので

疲れた体を癒す事が出来た。

有給の翌日出勤してみれば、創佑は顛末書の作成などで追われてしまっていたようであったが

恒例行事であるから仕方のない事だとわしは思っておる。

しかし…今回の事で何かわかったのかと思い、ルシーに聴いてみたが

やはり、得られれた物はなかったようじゃな…ふぅむ、どうしたものか……

 

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