No.633171

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~偽りの楽土の崩壊~中篇

soranoさん

外伝~偽りの楽土の崩壊~中篇

2013-11-01 18:34:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1089   閲覧ユーザー数:1019

~東通り~

 

「ク、『クロスベル帝国』………!?」

「し、しかも二大国に同時侵攻だなんて……!?」

「め、滅茶苦茶だ……!」

その様子を端末越しで聞いていた市民達は混乱したが

「で、でもあの”英雄王”やメンフィル帝国が味方についている上、なんてたって二大国に大反撃をした”六銃士”がいるんだぜ!?」

「まさに最強にして無敵の陣営じゃねえか!?」

「キャー!二人ともカッコいい―――!!」

「ギュランドロス司令もそうだが、ヴァイスハイト局長も漢(おとこ)らしくてさすがだぜっ!!」

「ヴァイスハイト!!ヴァイスハイト!!ヴァイスハイト!!」

「ギュランドロス!ギュランドロス!ギュランドロス!!」

「”六銃士”に栄光あれっ!!」

「クロスベル帝国ばんざーい!!」

すぐにそれぞれの目に希望の光を灯して嬉しそうな表情で叫び

「貴様ら何を馬鹿な事を言っている!?ここはクロスベル独立国だ!」

「そして君主はディーター・クロイス大統領だぞ!?」

「解散しろ、解散!!」

その様子を見ていた国防軍の兵士達は慌てた様子で命令したが

「うるさい!暗君ディーターの手先が!」

「クロスベルから出て行け――――ッ!!」

「う、うわああああああああっ!?」

「お、応援を……早く応援……ぎゃあああああああああああっ!?」

暴徒となった市民達が束になって次々と兵士達を襲い、圧倒的な数の差によって兵士達は市民達によって一方的に攻撃され続けていた!

 

「マズイわ……!」

「市民達が暴徒と化しているぞ……!」

「すぐに止めるぞっ!!」

市民達が兵士達に暴行をして少しの時間が経つとギルドの扉が開き、そこから姿を現したミシェルは唇を噛みしめ、ヴェンツェルは厳しい表情で言い、スコットは暴徒と化している市民達の所に向かおうとした。するとその時

「「静まれっ!!」」

ヴァイスとギュランドロスの同時の叫びを聞いた市民達はそれぞれ攻撃の手を止めた。

「先程の話を聞いて気持ちが流行り、国防軍の兵士達に今までの怒りをぶつけたい者もいるだろう。」

「だがそれをやってしまえば、お前達もディーターやディーターに従う屑共と同じになるどころか”暴徒”とされ、お前達がディーター達の手によって傷つけられるぞ!俺達がお前達に代わってディーターを含めた屑共にお前達の分も含めて怒りをぶつけてやるっ!だからその時まで待てっ!!」

「確かにそれもそうね……」

「ああ………」

「私達のことまでちゃんと考えているなんて、さすがよね!」

「ああ!ディーターとは大違いだ!」

「フン!命拾いしたな!」

そしてヴァイスとギュランドロスの話を聞いた市民達はそれぞれ顔を見合わせた後、一方的に大勢の市民達によって攻撃され、顔や身体中を青痣だらけにし、軍服のところどころが破れて無惨な姿となって気絶している兵士達から離れて行った。

「フウ………しかしそれにしてもこんな状況になる事まで読んだ上一瞬で暴動を止めるなんて、本当にとんでもないわね……」

その様子を見たミシェルは安堵の溜息を吐いた後疲れた表情で呟き

「………市民達が”六銃士”に浸透している証だな……まさかここまで”六銃士”達を慕っていたとは………」

「しかしそれにしても……『クロスベル帝国』……そしてメンフィル帝国と同盟を組んだ上にメンフィルと共に二大国に同時侵攻か………一体ゼムリア大陸はどうなってしまうんだ………?」

ヴェンツェルは重々しい様子を纏って呟き、スコットは厳しい表情で考え込んだ。

「クロスベルの民達よ!今は機を窺う時!現在はクロスベル市を封じる結界の破壊を模索している所だ!」

「結界が破壊されれば俺達がディーターの魔の手からお前達を解放する!その時が来るまで今は耐えろっ!」

「おおっ!!」

そしてヴァイスとギュランドロスの言葉に市民達はそれぞれ力強く答えた。

 

~ジオフロント~

 

「………………………」

一方ヴァイスとギュランドロス、リウイの宣言等を全て端末越しで見ていたダドリーは目を見開いて絶句し

「……どうやら局長達は俺達の予想以上のとんでもない野望を考えていたようだな………」

「一部の警備隊や警官達を慕わせ、市民達にも慕われるように動いていたのも………そして”通商会議”の件もメンフィルと協力して二大国の思惑を破ると共に”鉄血宰相”達を嵌めたのも全てこの為の布石だったのですね………!」

セルゲイは目を細めて呟き、エマは厳しい表情で呟き

「いやー、野心がある人達だとは思っていたけどまさかこんな大それたことを考える人達だとはね~。」

「か、課長!?呑気に言っている場合じゃないですよ!?」

広報課の課長は表情を引き攣らせて呟き、傍にいた女性警官は慌て

「クロスベルは一体どうなってしまうんだ~!?」

レイモンドは混乱していた。

「し、しかし………こうなると予想して動いていたという事は局長達やメンフィルはかなり前からクロイス家の野望に気付いていたとしか考えられないのですが………」

その時ダドリーは信じられない表情で呟き

「………恐らくそうだろうな………下手をすればディーター大統領達すら局長達の掌(てのひら)の上で踊っているのかもしれんな………」

セルゲイは重々しい様子を纏って呟いた。

 

~オルキスタワー~

 

「そ、そんな………お父さんが……………処刑………殺されるなんて……………」

一方ある部屋にある画面端末でヴァイス達の宣言を見ていたシズクは表情を青褪めさせると共に身体を震わせ

「なんとか………なんとかお父さんをヴァイスハイトさん達に許してもらう”方法”をわたしが考えないと………!」

そして決意の表情になって恐怖による身体の震えを必死に抑え込みながら考え込んだ。

 

後にこの決意がシズクがアリオスと親子の縁を切るきっかけになり、血の繋がった父との縁を切る代わりに父(アリオス)よりも遥かに力も権力もある見知らぬ男性が”父”に、いつも自分を世話をしてくれていた姉のような存在であると共に母のような存在に思っていた女性が本当の”母”になり、それと同時に心から尊敬していたある女性が”姉”になるとは想像できなかった……………

 

 

 

 

 

 

今回の話でシズクが大体どういう事になるか予想できたかと思います。そしてアリオスに天罰が降る事にも気付いたと思います(大爆笑)アリオスが好きな人達には申し訳ないですけど、正直碧をプレイしてからアリオスの事を”教授”やクロイス家、???の次に大嫌いになりましたので徹底的に痛めつけますwwちなみにアリオスが受けるダメージはまだありますよ(ニヤリ)………感想お待ちしております


 
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