外史ーーー。
それは物語の始まり。
一つの太樹となった外史が一つの実を落とし、そこから芽生え、再び突端が開かれて新生する。
……これは、一つの落ちた外史で戦い、信頼し合い、泣き、温もりを感じーーー。
志を持ちながら、一人の女の子を守り、生き抜いてきたーーー。
無表情で自由きままで孤独だった少年の話ーーー。
果たして、彼の生き様は・・・・・・・・いったい・・・・・・・・・・・・・
???「…………ん?」
キィィーーーーン……
???「流れ星……なのか?」
???「ご主人様!」
???「ん?愛紗?どうしたの?」
ご主人様と呼ばれた少年は駆け寄ってきた少女の名前を言った。彼女の名前は関羽。字は雲長といい。少年が言ったのは真名である。そして少女はこう言う。
愛紗「白蓮殿がお呼びですので大広間に来てくださいっと仰ってました。」
???「ああ、ありがとう。……なぁ愛紗。」
愛紗「何でしょう?」
少年は愛紗に話し掛けた。
???「さっき、流れ星を見たんだけどさ……」
愛紗「…流れ星……ですか。………ご主人様が降りて来たのと同じですね。」
???「まぁ、その自覚はないんだけどね。」
愛紗「フフッ」
???「愛紗ちゃあぁぁぁん!ご主人様ぁぁぁぁーー!」
何処からかもう一人の少女が叫んでいる。
???「桃香が呼んでるな。行こう愛紗。」
愛紗「はい。」
その頃
???「………うっ……う〜〜〜ん……」
少年は仰向けで倒れていた。
すると、
???「なぁアニキ。見たことのない服を着てますぜぇ。」
アニキ「そうだな。それにどでけぇ剣を持ってるようだし、………よしチビ。起こしてやれ。」
チビ「へい。」
???(………なんか周りが騒がしいな。)
チビ「おい!起きろ!! 」
ボガッ!!
???「痛ってぇ!! 」
いきなり殴られたため、少年は上半身を起こし叫んだ。
???「痛ってぇなぁ!! 何しやがる鷹松!!! 」
アニキ「おい兄ちゃん。見無い服を着てるじゃねぇか。」
???「………は?」
チビ「おいデブ。傷つか無いようにしろよ。」
デブ「んだな。」
???(……この状況はなんだ?いったい何が起きてんだ?)
状況を掴めない少年は考え事をしていると、
デブ「悪く思わないでほしいんだな。」
デブは突然鞘から抜いた剣を少年に振り下ろされた……
ガキィンッ!!!
デブ「なっ!?」
チビ「!!?」
アニキ「何!!?」
……が、少年は背中にあった大きい剣に気づき、それで防いだのだ。
???「………誰だが知らんが、人に牙を向けるとはいい度胸だなぁ。」
少年はデブの剣を弾き、拳でデブの腹の溝を殴った。
チビ「デブ!! 己よくも「あまい。」……」
次にチビが殺しにかかったが、少年の方が速く、チビの持っていた剣を真っ二つにした。
チビ「……………(ガタガタガタガタ)」
アニキ「…ばっ……化け物だ……」
???「………おい。」
二人「ひっ!!!! 」
???「………そこのデブを連れて失せな。」
二人「はっ…はいいぃぃぃぃぃ!!!! 」
そう少年が言うと脱兎の如くデブを連れて消えていった。
???「……何だってんだ。」
少年は気にせず大きい大剣を元に戻し、街が無いか捜すことにした……が、此処がどういう場所か分からないためこのままとどまるしかなかった。
すると、
場所は変わりーーー
???「賊はこの辺りね。」
???「ーー様。偵察隊が見たことのない服と大きい大剣を持った人物を確保したそうです。」
???「?…分かったわ。連れてきてもらえる?」
???「はっ」
そして連れて来られる。少年が顔を向けると、四人の少女と鎧を着た兵隊らしき人物達が居た。一人は黒髪で赤いチャイナ服を着ている。もう一人は水色の髪で蒼いチャイナ服を着ている。そしてもう一人は猫耳フードをかぶった少女。そして最後が、黒と紫の服を着た金髪の少女だった。
???「………………」
???「…何かしら?」
???「………どちら様?」
???「っ貴様ぁ!! 華琳様に向かってなんて言う口の聞き方だ!!! 叩き切ってやる!!! 」
そうすると黒髪の少女が大剣を出し、少年に振り下ろされた…
ガキィンッ!!
???「!!?」
???「!」
???「……」
???「何ぃ!!!??」
…が少年に届かず黒髪の少女が持っている大剣より大きい大剣で切られる寸前の処で止められていた。
???「………こんなものか?」
???「なっ、何だとぉっ# !!! 」
少年の発言に黒髪少女は怒り、攻撃をしかけたが、弾いたりかわしたりしている。それもスレスレのところを、
すると、
???「よしなさい!!! 」
二人「「!?」」
金髪少女の叫びにより黒髪少女は攻撃を止めた。
???「止めないでください華琳様!」
???「この脳筋!! 此処で闘えば被害が出るって華琳様が言ってるでしょうが!!! 」
そこまで言ってなかったが……
???「誰が脳筋だ!!!! 」
???「とりあえず落ち着け姉者。」
二人に説教(?)されたため、黒髪少女は仕方がなく得物を下ろす。
???「すまないことをしたわね。」
真「………いえ。こちらこそ…名前も言わずに………尋ねてしまい……すいませんでした。…俺の……名は…剣崎 真(けんざき まこと)って……言います。」
???「姓が剣。名が崎。字が真か?」
真「………?…いいえ。姓が剣崎……名が真…です。」
曹操「…変わった名前ねぇ。………いいわ、我が名は曹操。字は孟徳。そしてこの三人のうちの二人が姉妹の夏侯惇と夏侯淵、そして軍師の荀彧よ。」
真「………曹操殿……ですか。」
真は曹操を見てこう思った。この子がこの軍を率いているのか?と……
曹操「真。さっきの戦い方はなかなかのものだったわ。夏侯惇の得物よりも大きい剣で数多くの敵を倒してきたの?」
真「………いえ……ずっと一緒でしたけど……これと共に………闘った…経験は……ありません。」
曹操「……そう。」
夏侯淵「…華琳様。この者をどうなさいますか?」
曹操「……とりあえず保護をしとくわ。秋蘭、彼の監視をお願い。」
夏侯淵「御意。」
その後、真は曹操の軍に保護された後、夏侯淵と共にいた。二人の会話は全くない。夏侯淵は真のことを警戒しているのか話す気はないらしい。そして真はずっとボー…っとしているため話すことはない。一応軍は停止して休息をしている。すると、
夏侯惇「おう、此処にいたか。」
夏侯淵「どうした姉者?」
夏侯惇「華琳様がその男を連れてこいといわたのでな。」
夏侯淵「そうか。……おい剣崎。」
真「…………ん?」
夏侯淵「曹操様がお呼びだ、行くぞ。」
真「…………ん…」
夏侯惇「華琳様。剣崎をお連れしました。」
曹操「ありがとう。……真。貴方には我々の戦に参加させてもらうわ。」
真「………どういう…こと……?」
曹操の突然の発言に真は理由が分からなく、首を傾げながら尋ねる。すると曹操が言う。
曹操「あれを見て。」
曹操が横に指を差す。それに従うように真は顔を横に向ける。
そこには………
団体で集まり進軍している賊が見えていた。
曹操「あれが民達が怯える団体。そして我々の目的はあの団体を駆除すること。…わかる?」
真「………つまり……曹操殿の軍は………あの団体を……駆除するため………に……戦う…ということ…………ですか?」
曹操「そういうことよ。」
夏侯惇「……なぁ秋蘭。あやつの喋り方ってトロいのか?」
夏侯淵「言うな姉者。あいつも一生懸命に言ってるんだ。」
夏侯惇「おっ…おう?」
真「………俺は人を…殺したことは……ないぞ………?」
曹操「いつもの戦い方で構わないわ。」
真「………」
曹操「それに私は、使えるものは保護している人でも利用する。そのことを覚えておくのよ。」
真「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(コクッ)」
曹操「…桂花。」
荀彧「ここに。」
曹操「策の方を考えてといて。」
荀彧「御意。」
曹操「春蘭。」
夏侯惇「お呼びですか?」
曹操「桂花の策と共に賊を駆除してきなさい。」
夏侯惇「えっ……はい。」
曹操「秋蘭。」
夏侯淵「はっ」
曹操「真の援護を頼むわ。」
夏侯淵「?……御意。」
曹操「……では、戦を始めましょ!」
只今戦争中。
曹操の兵隊は怯えることなく賊の団体をどんどん削っていく。真はその光景を見て凄いと確信していた。すると、
賊A「よそ見してんじゃ死ぬぜぇ!!! 」
真の背後を賊が剣で振り落とそうとする………が、
真「………別に……見えなくても聞こえるし……」
ガッ!!!!
真には届かず。逆に賊の頭を大剣でおもいっきり叩かれたのだった。勿論その賊は気絶。
賊E「なっ…なんだあいつは!?」
賊K「分からねぇ!けど俺達の味方じゃないのは分かるだろ!! 」
賊F「よし、殺るぞ!!! 」
賊は多勢で真を殺そうとする。
真「…………………」
ドガッ!!!
バキッ!!!
グシャッ!!!
だが真は休むことなく大剣で叩く。すると、
真「!………しまっ……」
ズシャッ!!!!!!………ブシューーー!!!!!!!
真「あ…………」
なんていうことだろうか!真は刃じゃないところで戦っていったが油断して一人の賊を刃の方で斬ってしまったのだ!! これには真も固まる。人を傷つけることは多数あったが、『殺す』ということが全く無かったからだ。
賊K「Eーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!! 」
賊F「てめぇ!!! よくもEをやってくれたな!!!!! 」
賊B「よせF!! あのガキ絶対敵わねぇって!!! 」
真「・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・殺した・・・・・・・・
…俺が・・・この手で・・・・・・・・・殺した・・・・・・・・
相手は上半身と下半身がおさらばしていて倒れている。
それも大量の血を出しながら…………
賊F「いつまでも突っ立ってると隙だらけだぞ!!!!! 」
賊は真にまた剣が振り………
ヒュッ!!!
ドスッ!!!!
賊F「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!! 」
降ろされなかった。何故なら夏侯淵が真の後ろから援護射撃をしていたからだ。
夏侯淵「立ち尽くすな剣崎!! お前が死ぬだけだぞ!!! 」
真「……………………………」
夏侯淵「…(限界かっ…)誰かある!!! 」
兵W「応!! 」
夏侯淵「剣崎を本陣まで運んでやってくれ!! 」
兵W「御意!!! 」
兵Wはもう一人の兵と共に真を本陣まで運んだ。
夏侯淵「…短い我慢だったが、経験にはなっただろう。」
実は真に夏侯淵を付けさせたのは曹操の考えである。何故だと言うと、
戦前の本陣。
夏侯淵は何故真の護衛を任されたのか。それを聞くと、
曹操「秋蘭は真の話を聞かなかったの?」
夏侯淵「いえ、聞いてはいましたが、何故私なのですか?」
曹操「…彼の闘い方は見事なものだったわ。春蘭と渡り合っているもの。」
夏侯淵「……まさか、剣崎を我が軍に入れようと思っていますか?」
曹操「あら、話が早いわね。そうよ。彼が入れば私の覇道の夢を実現できるもの。だから真を戦いに出そうとしてるの。」
夏侯淵「………華琳様の仰りたいことが分かりました。私はそれに従うまでです。」
曹操「ありがとう。この事は春蘭には頼めないのよ。」
夏侯淵「…分かりします。」
夏侯淵は腕を組み頷く。
曹操「…あと真は人を殺したことは無いから気絶するはずよ。もし倒れたら手の空いている兵士に本陣まで運ぶよう言っといてちょうだい。それまで彼の護衛をお願い。」
夏侯淵「…御意。」
との事があったそうです。
真「……………此処は……」
目が覚めたら見知らぬ天井があった。
真「……俺は………いったい……」
???「気がついたか。」
何処かで聞いた声の方向を向くと椅子に座っている夏侯淵の姿があった。
真「………夏侯淵さん。」
夏侯淵「お前が気絶したから曹操様の城まで運ばせてもらった。」
真「………どれくらい……寝てましたか?」
夏侯淵「なに、たったの一日だ。」
真「……そう………ですか。」
真は昨日の出来事を思い出そうとする。すると夏侯淵が言う。
夏侯淵「今は考えない方がいい。後々疲れるぞ。」
夏侯淵の発言に真は思い出すのをやめた。
夏侯淵「さて、目覚めて申し訳ないが私と一緒に来てくれ。」
そう言って夏侯淵は立ち上がり扉の方へ脚を進める。そして真は言う。
真「…え?………どこえ…ですか?」
真の言葉に反応し、扉前で止まり、振り向きこう言う。
夏侯淵「王座の間だ。」
王座の間に行く途中。
真は夏侯淵の後ろをしっかりとついて行き、…気がつけば一つのでかい扉に着いた。そして扉が開かれる。
夏侯淵「お連れしました。」
夏侯惇「おっ、やっと起きたか。」
荀彧「………………」
曹操「ありがとう秋蘭。待ってたわ。」
そこには、曹操と夏侯惇と荀彧が居た。
曹操「気分はどう?」
真「………いい…感じです……」
曹操「そう、それは良かったわ。」
曹操は安心して胸を撫で下ろすかのように席に着いた。
曹操「処で真。突然だけど貴方は帰る場所はあるの?」
曹操の質問に真は口を開ける。
真「……いや、…帰る場所は無い……はたまた行くあてもない。…そんなとこだ。」
曹操「……そう。なら私の軍に入らない?」
夏侯惇「かっ、華琳様!!?」
突然の発言(?)に夏侯惇は驚いていた。
曹操「あら、どうしたの?春蘭。」
夏侯惇「私は反対です!!! こんな得体のしれない男を華琳様の軍に入れるとなると何しでかすか分かったもんじゃありません!! 」
荀彧「そうですよ華琳様!! こいつが華琳様に何かされるようなことがあったら我が軍が堕ちたも当然なんですよ!!! 」
真「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
真はこう思っている。
俺の力が欲しいのだろうか……さっき三人との闘いを見ていないはずなのに、……ひょっとして夏侯惇の攻撃をかわしたからか?それじゃあ『軍に入らない?』っと言うのは簡単すぎる。……まさかあの戦いで……
そんなことを思いながら考えていると、曹操が言う。
曹操「あの時、彼は春蘭の攻撃をかわした。しかもギリギリのところをね。春蘭はかわすのを見てイラつかなかった?」
夏侯惇「えっ?………はい。少しだけ……」
ギリギリにかわす真に怒りが上がったことに頷く夏侯惇。
荀彧「……まさか、そのためだけにあの男を我が軍に入れるということですか?」
曹操「そうよ。あの力さえあれば天下統一の夢は近づいてくたも当然よ。」
二人「「・・・・・・・・・・・・・・」」
夏侯惇と荀彧は黙ってしまった。曹操は二人を見て頷き、真の方を向くと、
曹操「それじゃあ真。突然の出来事で悪いんだけど、我が覇道を歩むためにその力を貸してもらえるかしら?」
真「……………………」
真は深く考えている。すると、
真「………まぁ、…行くあてはないし、…貸してもいいんですが、……話し変えるけど…いいかな……?」
曹操「…許可します。」
真「……俺は…役に立つことがないけど…いいのか……?」
曹操「私が貴方の力を貸してほしいと言ってるのよ。不安かしら?」
真「………………分かった。…俺でよければ…曹操殿の元に降ります。…………知らないことだらけ…だけど……宜しくお願いします…………。」
曹操「よろしい。これからは私のことを真名で華琳と呼びなさい。」
夏侯惇「かっ華琳様!!!?」
荀彧「華琳様!! 華琳様の神聖な真名をあんな男に預けていいのですか!!!??」
曹操「十分なものよ。」
夏侯惇「そっ…そんな簡単に言えるものではありませんよぅ…」
夏侯淵「あぁ…姉者は可愛いなぁ。」
曹操「さて真。貴方の真名を教えてちょうだい。」
真「………その前に、…『真名』って……何ですか……?」
曹操「……え?」
夏侯惇「………は?」
夏侯淵「なんと…」
荀彧「んなっ…」
……そう…真はこの大陸は初めて。当然曹操が言った『真名』を知らないのは当たり前なのである。
荀彧「ちょっとアンタ!真名を知らないの!! 」
真「……………はい…知りません……」
夏侯淵「……なんとなく勘付いてはいたが…」
夏侯淵は呆れている顔をしているが、これでも驚いている方だそうです。
曹操「……………なら教えてあげるわ。……真名とは、親類、親しいものにしか教えない神聖な名前。その者の真名を知っていても無許可で口にしてはいけない。もし口にしたら……」
そう言いつつ、曹操は右の方に目を向ける。そこには、大剣を肩に載せて真の方を見る夏侯惇の姿があった。
曹操「……分かったかしら?」
真「………大事なものだ…ていうことが……分かりました。………だが、…大事な名前を…貰っていいん…ですか……?」
曹操「私が良いって言ってるのだから素直に受け取りなさい。」
真「……………分かり…ました……それで…俺の真名……ですよね。………残念…ながら…俺には真名が無い。近いとすれば……真…かな?」
曹操「真名が無い?」
真「………はい。」
夏侯惇「なんだとぅ!!?」
曹操「それじゃあ貴方は私に真名を最初っから許しているということなの!?」
真「………そういうことになりますが、…気にしていませんよ。慣れてますし……」
曹操「……………そう、なら改めて…真。その力を我が覇道のために貸してくれるかしら?」
真「………はい!」
真の最後に言った元気な言葉は此処に来て初めてだったらしい。自分でも驚いたとか……
こうして真は曹操の元に降りた。彼はこの大陸のことを知るためと、
彼の志を……見つけるためである。
あとがき
あっ……足が……痛い。
いきなりの第一声で申し訳ありません。
さぁ始まりました。真・恋姫無双「武人として、一人の男として〜」
前作のやつも書いていますが、中々進まなくなり、思いついたのがこの作品です。
話の方も分からなくなりますが、お付き合いの方をお願い致します。
では次回をお楽しみに〜。
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一人の少年がある大陸に落とされる。
そこで曹操と名乗る少女と合う。
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