No.627606

機動戦士ガンダムSEEDSTRATOS 第四話 作者の都合により機体名が変わりますがご了承ください

沖縄行って来たったー
サーターアンダギーウマー
ちんすこうウマー
沖縄そばウマー
三枚豚ウマー

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2013-10-13 01:43:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2562   閲覧ユーザー数:2498

「やああっ!」

 

エクシアリペアの折れたGNソードが、ジンの頭部を切り落とす。先端部が折れていて使い物にならずにいたが根本の部分は幸いにも健在だったのでそこを上手く扱えれば本来と同等の威力を保つことが出来ていた。

 

「馬鹿め、隙だらけだ!」

 

そのエクシアリペアの背後をとったジンが、装備されていたビームランチャーを放とうとしていた。エクシアリペアはそれを回避しようとするが、如何せん武器、装甲、機動力、その全てがエクシアだったときよりも圧倒的に低下してしまっているエクシアリペアではビームランチャーの射程から逃れきれずにいた。

 

「それは誰の事かな?」

 

が、敵に狙いをつけていたのは何もジンだけではなかった。刹那、優樹菜のガンダムサバーニャレギルスからバシュゥッ!という音と共にGNスナイパーライフルⅢから発射された光線が、寸分の狂いもなくジンのビームランチャーを撃ち抜いた。咄嗟にジンのパイロットがビームランチャーを手放し、それは空中で大爆発を引き起こした。

 

「アークエンジェルは、やらせない!」

 

エクシアリペアは出撃の際、トレミーから持ち出していたビームライフルでジンに狙撃する。それもエクシアリペアとは別系統(・・・)にあるビームライフルでだ。

本来エクシアリペアに装備出来る射撃武装は、GNソードを折り畳むことで使えるGNソードライフルモードとGNバルカンのみ。それ以外はOSや端末の関係上装備する事が出来なかった。だというのに目の前のエクシアはその有り得ないこと(・・・・・・・)をやり遂げてしまっていた。

 

(何者なの?あの子は……)

 

GNスナイパーライフルⅢを構えながら優樹菜はその事をずっと考えていた。本来不可能なはずの武器の装備、まるで扱いなれているかのような剣の使い方。同時に彼女の戦う姿は、どことなく一夏に似通っている気がしなくもなかった。

 

『エクシア、カコマレタ、カコマレタ』

 

コクピットの右前部の専用ポッドに納められているハロが合成声をあげた。

見ると、エクシアリペアは三機のジンに囲まれていた。

 

「あう、私としたことが……」

 

狙撃がメインとなっているサバーニャレギルスの役割はズバリ『援護射撃』である。誰よりも安全なところから一方的に攻撃できる。それが他のモビルスーツと狙撃型モビルスーツの大きな違いである。

その長所を生かすため、優樹菜は周囲に待機させていたGNホルスタービットとレギルスビットの操作を始めた。

 

「悪いけど、乱れ撃たせて貰うよ!」

 

『ミダレウツゼ!ミダレウツゼ!』

 

ハロの合成声と共にGNホルスタービットとレギルスビットはジンの腕や脚の関節部分を撃ち抜く。ジンは先程のビームランチャーと同様に爆発寸前の所で切り離す間もなく、機体は爆散した。やがて爆発によって起こった煙からはジンの手足や武器が地面に向かって落ちていった。

 

「あ、ありがとうございます優樹菜さん」

 

回線を通して壱佳が通話をしてきたのを見て、優樹菜は謝罪の言葉を述べた。

 

「礼なんていらないよいっちゃん。というかゴメンね、援護遅れちゃって」

 

「い、いっちゃん……いえ、大丈夫です。もう少し遅れてたらどうなってたかはわかりませんけど……」

 

一夏と壱佳。例え字が違うとしても読みは完璧に同じなために片方を渾名にでもしておかないと区別の付けようがないので、優樹菜は壱佳の事をいっちゃんと呼ぶことにしたのだ。

 

「もうこっちの敵はいなさそうだね。いっちゃん、戻ってくるときにジンのパーツと武器持ってきてくれない?」

 

「へ?はい、わかりました」

 

一瞬何故か?と思っていたようだが優樹菜たちがジャンク屋であることを思い出した壱佳はその理由を理解してから地表に降り立った。その間に優樹菜は現状を確認する。アークエンジェルは多少被弾はしていたようだが大した傷は無し、ストライクは未だイージスと交戦中で、アルデウスとヴァルキリーがブレイヴのパーツを背負ってこちらに帰還してくるのが見えた。残るはダブルオーセイバーと隊長機のブレイヴだけなのだが……

 

「あちゃー、やっぱり苦戦してるか」

 

あのブレイヴに搭乗している人物をよく知っている優樹菜にとって、この状況だけは別の方向に進んでいてほしかった。ナチュラルでありながらコーディネイター張りのステータスをもつクレアス・エーカー、以前にダブルオーセイバーと戦闘してからというものの、三ヶ月も追い掛ける程の良く言えば執念深い。悪く言えばストーカー的なパイロットである。

 

「どうしよっかな?」

 

ストライクの方はなにやら通信の真っ最中のようだし手出しなんてすれば火に油を注ぐようなものだ。とするとブレイヴとダブルオーセイバーなのだが、こっちはこっちで高速戦闘しているおかげで狙い撃てない。八方塞がりとはまさにこういう事を指すのだろう。

 

「……頑張れ、一夏君」

 

結果、優樹菜が選択したのは三つ目の『祈り』だった。

その頃、一夏はクレアスのブレイヴと剣をぶつけ合っていた。力は拮抗している。二つの剣は、その微妙なバランスの上でぎりぎりと押し合っていた。

 

「まさかな。よもやキミと再会できようとは。乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられないよ」

 

クレアスがペダルを踏み込み、両の腰にある一夏達のオリジナルGNドライヴとは全く別物の擬似太陽炉と呼ばれているGNドライヴ(タウ)二つの出力を上げた。ダブルオーセイバーがじりじりと押され始める。

 

「そんなの、てんびん座の俺にはわかんねぇよ!?」

 

しかし、出力が上がるのは何もクレアスだけではない。一夏も負けじと背中と両肩のGNドライヴ三つからGN粒子を溢れ出し、出力を高める。オリジナルと擬似、そして数の差で圧倒したダブルオーセイバーのGNソードⅤがブレイヴのGNビームサーベルを弾き飛ばした。

 

「くっ、やはり圧倒されてしまうか……」

 

そう言っている間にもダブルオーセイバーがGNソードⅤを振りかざして迫ってくる。

 

「しかし、その大きな獲物では当たらんよ!」

 

ダブルオーセイバーが振るう剣の軌道を読み、ブレイヴは飛行形態となって軽々と避けてみせた。ダブルオーセイバーが前のめりになったその隙を見逃さず、反転してモビルスーツ形態に移行したブレイヴはGNキャノンを構える。

 

「例え頑丈な装甲を持つキミとて、至近距離からの砲撃となれば唯では済まないだろう!」

 

左右のサイドバインダーから放たれた砲撃は、GNフィールドの展開に遅れたダブルオーセイバーの右脚に直撃してしまう。幸い、装甲が堅いために脚は健在であった。

 

「身持ちが固いな、ガンダムッ!」

 

そこにさらに追い討ちをかけるように二本のGNビームサーベルを取り出すブレイヴに対して、一夏のダブルオーセイバーのGNソードⅤとGNソードⅣフルセイバーが対抗した。機体の性能差では一夏、パイロットの技量はクレアスが、それぞれ上を行く二人は何度も剣をぶつけ合う。

 

「くっ、このままじゃ埒があかない。こうなったら……」

 

「そうか、私とワルツを踊る気はないようだな……ならば!」

 

直後、二人のGNドライヴが爆発したかのような勢いでGN粒子が放射され、ダブルオーセイバーの粒子の色は赤く、そしてブレイヴの粒子はより赤く変色していた。

 

「「トランザムッ!!」」

 

トランザムシステム。それは機体内部に蓄積された高濃度の圧縮粒子を全面開放する事により、機体スペックを三倍にまで上げる事が出来るシステムである。システム起動時にはGN粒子が赤くなり、それに伴って機体自身も赤く発光するようになる。

トランザムシステムにより機体性能が三倍にまで膨れ上がった二機がヘリオポリス中を駆け巡り、時に撃ち合い、時に斬り合い、時に激突しあった。最も、それがわかるのは搭乗している二人のみ。距離をとって見れば、ただ赤い光がぶつかる際に花火のようにしか見えない程度だった。

 

その中でクレアスは言いしれぬ喜びで目の前の機体に剣を振るった。

今、彼女の脳裏にはテストパイロット時代の思い出が蘇っていた。あの壮絶なる空戦と宇宙戦が、命を削りあうようなヒリヒリとした感触が、生と死の間で手に入れた空中変形技術。ただ戦うためだけに生きる阿修羅のような、あの時の気持ち。

そう、クレアスはこれを求めていたのだ。だからこそ彼女はもう一度ガンダムに向けてこう言った。

 

「私はキミに心奪われた女だ!」

 

ブレイヴのGNビームサーベルが折れたのは、その言葉を発した丁度その直後であった。

 

「いやはや、本当に予測不可能だよキミは」

 

ヴェサリウスに戻ったクレアスに、出迎えたカタギリが嘆息混じりで言う。

 

「ビームサーベルを失った上に擬似太陽炉もボロボロだ。始末書ものだな」

 

「その件については安心していいよ。今回の戦闘で得られた三個付きのガンダムのデータは、ブレイヴ一機を失ったとしても十分におつりがくる。接触時に機体に付着した塗料から、三個付きについてまた何かわかるかもしれないしね」

 

と、そこに索敵班からの通信が入った。

 

『三個付き、連合軍艦と共にロストしました』

 

「フラれたか」

 

クレアスは肩をすくめた。だが、そこに憂いはなかった。

「コロニーの崩壊……か」

 

エクシアの無断搭乗について折野に軽~くOHA☆NA☆SHIをする準備を終えた一夏はトレミーのMS格納庫でヘリオポリスが崩壊していくところを眺めていた。

ヘリオポリスを支えていたシャフトが壊れ、ブロック毎に宇宙へと散っていくコロニー。幸いにもアークエンジェルやトレミー自体はコロニーの崩壊に巻き込まれてそのまま宇宙へと放り出されていた。

他のパイロットたちもキラと折野を残して全員帰還しているのが確認されている。

 

「それにしても……」

 

空中ディスプレイに目を向けた一夏の目には悩みの色が濃く移っていた。その先には彼の愛機ともいえるガンダムダブルオーセイバーがハンガーに掛けられている。今回のブレイヴとの戦闘で幾つか気付いた点があった。

一つは無駄な武装のせいで機動力が殺されていた事、二つ目はトランザムにより駆動系に負荷が掛かりすぎていた事、そして三つ目は……

 

「……GNドライヴが三個だったらダブルオーじゃなくないか?」

 

「今更ですかそれ?」

 

至極、下らないことだった。

 

「や、まあそうなんだけどさユーノ。これまでずっと二個付きでやってたわけだからずっとその事について考えてなかったというかなんというか……」

 

「長期間使ってて何を言ってるんですか……」

 

トレミーで生活している孤児の一人、ユーノ・スクライアは呆れを通り越して尊敬の声すら上げそうになった。隣の青年は普段こそ殆どの仕事をこなしてしまうが、稀にこういうところで少年らしさが出てくるというかどこか抜けている感じが否めない。

 

「そうだなぁ、エターナルオーガンダムなんてどうだ?永久に語り継がれるガンダムって意味で」

 

そんなユーノの思惑に気付くこともなくジャンク屋のリーダーは目の前の機体の新名を真剣に考えていた。

しかし、ネーミングセンスについては中々のものだと少なくともユーノは思っていたりする。最も、語り継がれるといっても多分このジャンク屋の中での話だろうが……

 

「別にそれでいいんじゃないんですか?じゃ、僕はエクシアの改修に行きますので」

 

今回の戦闘でさらに修理が必要になったエクシアリペアは以前ジンクスⅢから奪った擬似太陽炉を使って新たなエクシアへと生まれ変わらせる事となっていた。その名はエクシアリペアⅡ。流石にトランザムシステムは活用できない事から変わりに擬似太陽炉のリミッターの解除を一定時間の間のみ可能とした機体だ。

 

「出来るなら早めに頼むぞ、ソルブレイヴス隊だけならともかくもあのクルーゼ隊もいるらしいんだからな」

 

「わかってますって」

 

そう応えるとユーノは寄り道することもなく作業用モビルアーマー【キメラ】を使ってアークエンジェルに置かれているエクシアリペアのハンガーへと向かっていった。

 

「さて、それじゃあ俺も行きますかね」

 

ダブルオーセイバー改め、エターナルオーガンダムの武器をいくつか取り外すと、一夏もまた【キメラ】を操作してアークエンジェルに向かった。今後の方針を決めるためにマリュー達と会議をするためだからだ。

一方その頃、キラと壱佳は帰投の途中で保護した救命ポッドの収容の許可を取ると、カタパルトデッキからMSデッキへと入り、そこで救命ポッドを下ろした。その後ストライクはハンガーに戻し、キラはストライクから降りた。

 

「ひゃあ!?」

 

丁度キラの真上から声が聞こえた。キラは上を見上げてみるとそこには宙に浮きながらジタバタと暴れている私服姿の壱佳がいた。その際にふわり、とピンクのスカートの中が包帯の巻かれていない太股と共にさらけ出され掛けていたのに気付いて思わず釘付けになりながらも赤面しつつ目を反らすキラであった。

 

「な、なにやってるの?」

 

「キ、キラ!これどうなってるの!?」

 

そこでキラはあることに気がついた。壱佳はこれまで別世界の地球でしか生活していなかった。そんな彼女が無重力空間の存在こそ知れども、体験したことがあるはずもなかった。

 

「ああ、ここはもう宇宙だからね。コロニーと違って無重力だから気を付けて」

 

「そう言うことは早く言ってよ!」

 

キラはMSデッキを斜めに漂っている壱佳を助けようとするが、そこで服の中からトリィが飛び出して行ってしまった。そしてトリィの行く先を見ていると、そこにキラのよく知る濃い紅髪の女の子がいた。

 

『トリィー!』

 

その女の子は、トリィの鳴き声に振り向いた際にキラが視界に入った途端にパァッと表情が明るくなった。

 

「ああ、あなたサイの友達の!」

 

「フレイ!」

 

「へ?!ちょ、キラ!?」

 

そしてキラは壱佳ではなくフレイをキャッチした。フレイはキラに抱き付く様な形となっていた事でキラの頬が少し赤くなっていたのは当の本人にしか知らなかった。

 

「本当にフレイ・アルスター!?このポッドに乗っていたなんて!」

 

「ねぇ、どうしたのヘリオポリス!どうしちゃったの!?何があったの!?」

 

「……」

 

「あたし……。あたし、フローレンスのお店でジェシカとミシェルとはぐれて、それで一人でシェルターに逃げて……そしたら!」

 

そこでフレイは横で鎮座しているストライクを見て驚き、キラの服を握る手がさらに強くなっていた。

 

「これ、ザフトの艦なの!?あたし達どうなっちゃうの!?」

 

「こ、これは連合軍の艦だよ」

 

「ウソ!?だってモビルスーツが!」

 

「いや、だからあれも連合軍のもので……でもよかった、ここにはサイもミリアリアもいるんだ。もう、大丈夫だから」

 

キラの言葉を聞くと、フレイはだんだんと落ち着きを取り戻していく。そんなフレイを見てキラは優しく笑っていた。

 

「あの~……お取り込み中悪いけど、早く助けて下さい……」

 

「あ……」

 

「?」

 

キラとフレイが何やら桃色の固有結界を展開しそうな中、壱佳は未だに無重力のMSデッキを漂っていた。

それからしばらくしてキラ達は居住区画の一部屋に集まっていた。その雰囲気は決して楽しいものではなかった。

 

「どこに行くのかなこの艦」 

 

「さぁ、一度進路変えたよね?まだザフト、いるのかな?」

 

「この艦とモビルスーツを追ってんだろ?ならまだ追われてんのかも」

 

トールの【追われている】発言にフレイは血の気が下がる。

 

「じゃあこれに乗ってる方が危ないじゃないの!やだ、ちょっと」

 

「壊されたポッドの方がマシだった?」

 

冗談混じりにサイが言う。

 

「別にそういうわけじゃないけど……」

 

キラは会話の外で自分のした事に後悔していた。このアークエンジェルは軍用艦で、フレイの言う通りこの艦はザフトに狙われる危険性があるのである。

壱佳はキラのそんな浮かない顔に気づいて、キラの隣に寄り添った。

 

「大丈夫だよ。いざとなればまた私たちが追い払えばいいんだから」

 

壱佳のその言葉に、キラは驚いた顔で壱佳に振り向いた。

 

また(・・)って……君は、またエクシアに乗って人を殺すって言うの?」

 

「……そうだね。エクシアに乗って出て行けば、またザフトを殺さないといけなくなるかもしれないね」

 

「だったら……!」

 

「でもねキラ、この艦には沢山の民間人が乗っていて、ザフトはこの艦を狙っている。なら私は戦うよ、ここにいる人たちを護る為にも」

 

「でも、僕たちは軍人じゃないんだよ?」

 

「護る為の力があるのに、それを使わないなんて私には出来ない。それにやらないで後悔するよりも、やって後悔した方が良いと思うよ?」

 

「おやおや、俺の言いたい事をごっそり言ってくれちゃったねぇ、この黒髪の嬢ちゃんは」

 

キラたちの部屋にひょっこり人懐こい笑顔で現れる人物がいた。それはヘリオポリスでストライクとダブルオーセイバー……もといエターナルオーガンダムを収納した際にカタパルトデッキに来ていた男、名前は確かムウ・ラ・フラガ。階級は大尉だったはずだ。

 

「キラ・ヤマト!マードック軍曹が怒ってたぞ?人手が足りないんだ。自分の機体は自分で整備しろってよ」

 

ムウのその言葉にキラは眉を顰める。

 

「僕の機体?ちょっと待って下さい!。そりゃあしょうがないと思って二度目も乗りましたよ。でも、それはヘリオポリスを脱出する時だけだって……」

 

「キラ、お前はヘリオポリスで言ってたよな?自分が戦わないせいでダチが死んでいくのは嫌だと」

 

「一夏さん!?」

 

ムウの影からヌウッ、と出て来たのは他でもない一夏だった。

 

「ストライクに乗ってしまった以上、一段落つく間では付き合ってもいいんじゃないか?それこそ、お前のダチを護る為にもなる」

 

「でも……!」

 

なおも反論しようとするキラに一夏はあえて冷めた口調で語る。

 

「折野の言っていたように、やらずに後悔するよりもやった方がいいと思うぞ?それにダチに死んで欲しくはないんだろう?」

 

やはりその言葉が決定打となったのだろう。不承不承だろうが、キラは再びストライクに乗ることを了承した。

 

「それじゃあ君たちも気になっていただろうから伝えておくけど、この艦はアルテミスに向かう」

 

地球連合軍・宇宙要塞アルテミス。

絶対的な防御装置【傘のアルテミス】により難攻不落を誇った地球軍ユーラシア連邦直轄の軍事拠点である。

 

「最も、ジャンク屋勢は俺と奏を残して別行動だがな」

 

理由としては識別コード無しで入港することに反対したからなのと、ジェラード・ガルシアの性格からしてガンダムを奪われる可能性を考えて、それなら近くのジャンク屋に補給を願うべきと考えた上での判断だったからだ。

サイたちにその事を説明しているとアラームが艦内中に鳴り響いた。

 

『敵影補足、敵影補足。第一戦闘配備。軍籍にある者は直ちに全員持ち場に付け。繰り返す、軍籍にある者は直ちに全員持ち場に付け』

 

「来たか……」

 

「ザフトが、来た……」

 

幼馴染みであるアスランとの戦いを予想してか、どこか呆然とした風にキラは呟いた。

そこに続けて艦内放送が艦内に響き渡る。

 

『織斑一夏、キラ・ヤマト、それから折野壱佳はブリッジへ。繰り返す、織斑一夏、キラ・ヤマト、それから折野壱佳はブリッジへ』

 

「呼び出しだ。行くぞ!」

 

「は、はいっ!」

 

「わかりました!」

 

どこか逡巡しているキラを折野が引っ張りながら、部屋から格納庫へ、そしてブリッジへと移動した。

そうしてブリッジに辿り着いた頃には既にムウが待機していた。ちなみにパイロットスーツは着用済みだったりする。

 

「んじゃ、これから作戦の内容を話すからよ~く聞いてくれ」

 

作戦の内容は至ってシンプルなものだった。

サバーニャとラファエルが艦周辺にて援護射撃しつつ、エターナルオーとエクシアリペアが前に、エール装備のストライクとハルートが後ろからそれぞれ来る敵機の相手をし、その間にムウのメビウス・ゼロが前方にいるナスカ級へ攻撃を仕掛けてから即離脱する。そうしたら後はアークエンジェルで追撃してそのままアルテミスへと逃げ込むというものだ。

 

「作戦の趣旨はわかった。けど前方にいるナスカに攻撃をするならハルートの方が向いているんじゃないか?高機動型のハルートには連合軍のミラージュコロイドと似通った【見えざる傘】という技術が搭載されているわけだし、隠密性はメビウス・ゼロよりも上だと思うけど?」

 

「ああ、俺もそれは考えたんだ。だがなぁ、いくら援護があるとはいえモビルアーマーで連合軍の最新鋭モビルスーツに対抗できると思うか?」

 

……こいつが互角に渡り合っていたビジョンをついさっきを見た、なんて言っても話は通じないか。そもそもジンとメビウスのキルレシオは1:5だ。こっちが連合でも有数のモビルアーマーパイロットであるムウだが、敵だってジンやイナクトとは比べ物にならない性能を持つガンダムで、しかも赤服クラス(憶測)パイロットとなるとどうしてもムウが不利になってしまうだろう。

 

「わかった。それじゃあ俺と折野が前を、キラと奏に後ろを、そして艦周辺にスオウと優樹菜を配置するよう伝えておくよ。最優先事項はアークエンジェルの防衛って事で」

 

トレミーにはGNフィールドがあるし、集中砲火さえなければ特に問題はないはずだと思う。

 

「ああ、お前さんらはともかく、坊主や嬢ちゃんはまだまだ戦闘に慣れていないんだ。きちんと見てやってくれ。二人も先輩たちの指示をちゃんと聞くようにしろよ?」

 

「「はい、わかりました!」」

 

こうして俺たちジャンク屋&連合軍VSザフトの第二次戦闘が開始されたのであった。

どうも最近エターナルという単語がお気に入りのアインハルトです。

機体名を変えてすみません。でもよくよく考えたらダブルオーガンダムは二個付きだったからこそダブルオーと呼ばれていたのだと個人的に解釈していたので三個付きなのにダブルオーは可笑しくね?ってこの前気付いたのでつい、思わずやっちゃったZ☆Eしちゃいました。

 

次回はエクシアリペアⅡ出せるかな?

さらにエターナルオーガンダムにはダブルオーには無かった━━おっとこれ以上はネタバレネタバレ…………

ではまた次回をお楽しみに~


 
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