?「こんばんわ」
「っ・・・・・!!」
誰もいないはずの部屋に、一人の女性が机の椅子に、座っていた。
反射的にドロボウっと言いたかったが、その言葉を放つ前に、女性の方が先だった。
?「あなたが、八幡ね?」
「どろbーーむぐっ!!」
ドロボウと叫ぼうとしたが、目の前に現れた手で口を、ふさがれた。現れた手の後ろには、なにかが見えた。
「むーーっ!!!」
?「今ここで叫ばれると、迷惑なの
少し黙っておいてくれるかしら」
女性はニヤッと笑いながら言った
自分は初めて、女性に対して恐怖した。
自分は首を縦に振った。ここで横に振ったら、なにをされるか分からない。
?「そうそう。いい子ね」
口に当てていた手が、無くなった
「な、なにが目当てだ。金?
それとも命か?この家に金目の物 なんてないぞ」
?「ふふふ・・・。大丈夫よ。とって食 おうなんて思ってないわよ。そ れに私はドロボウでもないわ」
「じゃあ・・・なんの用だ。警察に電話するぞ」
?「まあ最後まで聞きなさいよ」
「見知らぬ人がいきなり人の家に現れて話を聞けと言われて、聞く奴がいるか!」
女性は溜息をし、椅子から立ち上がった。そのままこっちに近づいてきて言った。
?「そうね。確かに、聞かないでしょうね。じゃあ私の名前が分かったら、話を聞いてくれるかしら?」
「名前?」
紫「私は紫、八雲紫。聞き覚えは?」
「八雲・・・紫・・・」
まさかっ!と思いながらも机の引き出しに入れておいた「手紙」を取り出し差出人を確認した。やはり、「八雲紫」と書かれていた。
紫「わかった?」
「・・・・・待ってよ。ちょっと待ってよ。あんたは爺ちゃんに会いに、来たのか・・・・・?」
紫「・・・・・まあ・・・・それもあるけど今回はあなたに用があるのよ」
「・・・・・俺に?」
紫「そう。あなたに」
そう言うと八雲紫は、自分から離れながら言葉を続けた。
紫「まず初めに言っておくけど、あなたの祖父が死んだ事は既に知ってるわ。でもあなたの祖父が死んだことには困っているのよ」
「・・・・・困ってる?」
紫「そう。困ってるの。とてもね。
私が住んでいる世界、「幻想郷」には「ある物」が隠されてあるの。その「ある物」が突如としてなくなったの。あなたにはその「ある物」を見つけてほしいの」
(全く分からん・・・・・)
そんな事を思ってる自分をおいてさらに話続ける。
紫「その「ある物」は私と博麗の巫女、そしてあなたの一族と一緒に守ってたの」
「守ってた?一族?なにを言ってるんですか?」
紫「ここまで。続きは幻想郷に来てからはなしてあげる」
翌日。俺は家の近くにある神社に続く石階段の前に立っている。あの後、八雲紫から『今日の午前に近くにある神社に来なさい。じゃないと、私にとっても貴方にとっても、悪いことがあるわ』なんて事を言われ、渋々来たわけである
まだ名前しか知らない人物の言うことを聞いていいのか自分に問っても、なに一つすら答えがない。
だが、今日の夜に八雲紫の話を聞いていたが、幻想郷という言葉が頭に、引っかかる。
「ワシはな昔ある人物とある約束をしたんじゃ」
その約束を自分が果たさなくちゃいけないのか?
どうなんだ・・・・・
八雲紫・・・・・あんたはどう思ってる。
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人間、動物、植物は運命には逆らえない
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