No.626530

リリカルなのは~君と響きあう物語~

明日はシンフォニアユニゾンパックの発売日ですね。
皆さん勿論買いますよね。
買わなきゃジャッジメントですよ。
では、第8話どうぞ。

2013-10-09 19:09:37 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3620   閲覧ユーザー数:3545

聖王教会には屈強な実力を持つ騎士達が多く在籍している。

通称『聖王騎士団』

その名の通り古代の王、聖王を奉る主教団体からなる騎士団である。

この教会はロストロギアの保守・管理も行っているため管理局との間に深く関係している。

“最後の夜天の主”八神はやては聖王教会カリム・グラシアや教会上層部との間に強い絆がある。

この騎士団に在籍する騎士は一騎当千の猛者が多く、例えばシスターのシャッハ・ヌエラはシグナムとも互角に渡り合える武芸を誇っているほどだ。

騎士団のその豪勇たる戦力は次元管理世界の中でも指折りの物である。

しかし、その力に慢心し少々傲慢になってしまう若い騎士達もいる。

シグナムと通信で話しているシャッハは困ったように額に指を当てながら話す。

先日行われた全次元世界から集まる優秀な戦士によって開催される格闘大会。

『インターミドル』

このインターミドル世界大会男子の部で協会代表として参加した少年が好成績を上げたまでは良いがそれが切っ掛けで少々図に乗っているのだという。

もともと素行の良い性格ではなかった上に下手に実績を持ったためシャッハの説教も右の耳から左の耳。

不良グループを率いてあたりかまわず迷惑行為を巻き起こしているとか。

近隣の人にまでその力を誇示させるために噛みつくのではそれはもはや騎士ではない。

唯のヤンキーだ。

このまま黙って黙認等できよう筈もない。

そこでシグナムに相談を持ちかけたのである。

その天狗になっている騎士の眼を覚まさせるために効果的なのは、やはり乱暴な手段を用いるのが一番手っ取り早い。

一度その自信を粉々に壊してやるというスパルタ手段。

シャッハがボコボコにしてもいいのだがそれより効果的なのは自分と対等の存在。

同年代の男の子がいいだろう。

自分と然程年齢差の変わらない者によって打ちのめされればこう思うはずだ。

上には上がいると。

それでまた再び真面目になってもらいたい。

だが、その騎士より強い同年代の男子というと、いざ誰か連れてこいと言われても困る。

インターミドル世界大会の上位にまで食い込む程の実力を身に着けていると言う男を更にボコボコにできる実力の持ち主と言われてもすぐに見つかる筈が。

 

「アーヴィング。聖王騎士団に出稽古に行くぞ。ついてこい」

 

「へ? なんで俺が?」

 

朝、コレットと朝食をとっていたところにシグナムがやってきて

つべこべ言わずついてこい!とロイドの首のマフラーを引っ張ってシグナムは彼を強引に連行する。

ロイドの首が絞まって青く変貌していき、とうとう魂が身体から乖離していく光景を、たまたま見ていたエリオとキャロはフェイトにこう言った。

 

「「ロイドが天使になった」」

 

慌ててフェイトがライフボトルを持ってきてくれるまで暫くの間、初代リインやフェイト姉アリシアとあの世で仲良く談笑する事になったロイドであった。

 

 

 

 

 

シグナムがロイドを車に乱暴に乗せ運転席の扉を開こうとしたとき、ふと人の気配を感じ背後を見やる。

 

「…………」

 

そこには誰もいない。

気のせいか?

いや。誰かいる。

姿を見せない何者か。

影すら掴ませようとしないが確かにこちらを意識している人間がいるというのは度々感じていた。

尾行や偵察といったスパイ行為を働いている人間を真っ先に疑う。

この機動六課という部隊が上からよく見られていないのも重々知っている。

この部隊の瓦解を狙う連中ならと思うと嫌気がさす。

此方の揚げ足を狙う人間の類は今まで多く遭ってきた。

何の力もないくせに人を罵倒するのだけが得意な奴。

どいつもコイツもいやらしい目付きでこちらを覗き込むように見てくるし、下賤な事を考えている頭の中身がもはや悪臭のように駄々漏れなのでぶっちゃけると何処に何人いるのかなど視界に入らずとも手に取るようにわかるのだ。

そんな連中なら高町風に“少しお話”してあげれば勝手に何処の所属で誰の差し金か白状してくれる。さらに親切に自分達の悪事までベラベラと頼んでもいないのに話してくれるのだ。

そして後は簡単である。

その自白してくださった悪事をフェイト執務官様がコーヒーを飲んでいる時にでもさりげなく話のネタに出してあげれば良い。

真面目な彼女ならその日のうちに調査に向かって証拠の数々を一つ残さず見つけてきてくれる事だろう。

こちらの弱みを見つけるつもりが逆に弱みを握られてしまえば、もはや我々に近寄る気力すらわかなくなって小物連中は機動六課に余計なちょっかいをかけてこなくなる。というわけである。

その程度の連中なら正直言ってどうでもいいのだ。

しかし、問題なのは大物連中。

管理局上層部の上官達。

権力もキャリアも超一流。

当然この上位の連中からも我々を嫌っている者がいるのは解っている。

陸のレジアス中将など正に筆頭だろう。

奴らがそんな簡単にギャフンというような甘い連中なわけがない。

当然こちらの手の内を探ろうと言うならそれなりの実力を持つスパイを差し向けてくる。

そしてこの見えない人間が小物か大物かどちらに所属しているとしたら。

考えるまでも無いだろう。後者だ。

 

「かなりの使い手だな」

 

シグナムですら「おそらくいるのだろう」としか感じられない程の微妙な気配。

気配の殺し方も知らない下っ端の三下とはまるで違う。

数々の戦場を乗り越えた上で鍛え上げられた獰猛な殺意や戦気を極限にまで抑え込みその身に覆い隠し冷静に事態を判断し周囲を伺う事の出来ることができる猛者。

まるで獣が獲物を狩る時に相手から目を離さず僅かな物音さえ立てない完璧な達人。

シグナムの戦いの中で磨き上げてきた鋭い嗅覚が相手はそのような一流の存在であると訴えかけている。

仲間ならさぞ心強いだろうが敵に回すとこれ程厄介な強者もいない。

面倒な奴に付きまとわれたものだ。

シグナムはこそこそ裏で行動している人間と言うは嫌いな性質だ。

こちらの情報を盗みたいとでも言うなら堂々と真正面から来て堂々と奪って行けばいい。

それこそ大物のやる事だ。

(そんな諜報活動もできないスパイがいたらソレは大物ではなく唯の馬鹿という事にシグナムは気づいていない)

 

「隠れていないで姿を現したらどうだ?」

 

威嚇するようにきつい視線を周囲に向け解き放つ。

ピリッとした緊張感がこの辺りの空気に充満する。

気の弱い人間ならこの場にいるだけでガクガクと震えが止まらなくなってしまうだろう。

そして自分の腕っぷしに絶対の自信のある者ならこの挑発に乗って姿を現したくなる筈。

ざわざわと風が木々を鳴らし鳥が慌ただしく空へと逃げていく。飛んで行った鳥が見えなくなるまで様子を伺うが。

反応はまるで無し。

 

「やりにくいな」

 

シグナムの挑発にも全く反応しないとなると些か困った。

此方の気に僅かにでも反応を返してくれればソレを感じ取ることも出来るが生憎だが、そんな居場所を辿らせるようなミスを相手は一切見せない。

生憎シグナムは感知系の能力に乏しい。

これ以上やっても無駄だろう。

シグナムははやてにこの存在の事を伝えようか思案したが、あえてその報告はしない事にした。

それは何故か?

これはシグナムの直感であるのだが六課を狙う“敵”とは思えないからだった。

恐ろしい存在だと思うがこの感じは我々を影から見守っているような、そんな感じがする。

 

「シグナム?どうしたんだ?」

 

「いや、なんでもない」

 

そう言えばこの気配は、こうしてロイドといる時に限って感じる。

思い出してみよう。

彼に剣を教えている時に感じるジェラシーの籠った視線。まるで『ロイドの剣の師は私だ』と自己主張をされているようでシグナムは少々ストレスを感じている。

ロイドとの模擬戦で彼に一本許してしまった時に彼の成長ぶりを喜ぶような温かい視線。

正直ウザったい。

ロイドが軽傷をした時、慌てて回復魔法をかけようとする過保護全開なオーラ。

「無理をするな。ファーストエイド」の声が小さく聞こえてきたこともあったな。

ん~ ハッキリ言ってこれだけで正体を掴めそうだ。

 

それにしてもなんだろう。

見ていてつい呆れてしまうようなこの気持ち。

 

「……まるではじめてのお使いで子の後ろに心配してついてくる馬鹿な親のような奴だな」

 

シグナムの独り言が聞こえたのか、何処かの木の後ろでゴホンと咳をしているみたいだ。自覚があるのか?

あ~コイツの正体がわかったぞ。

コイツはロイドのストーカーだ。

間違いない。

それなら結構簡単に燻り出せそうだな。

ロイドを木の枝に括り付けてその下に落とし穴でも仕掛けておけば一晩で罠にかかるだろう。

早速、今夜にでも罠を張って見るか?

シグナムの流し目がロイドの視線とかみ合った時、ロイドの背筋に妙な怖気が走った。

 

「……まぁ、良いか」

 

とりあえず見えない相手との目に見えない戦いは此処までにしよう。

車を少し走らせたところでふと思った。

もしかしたらコイツついてくる気じゃないだろうか?

多分尾行してくるだろう。そんな気がする。

チラッと車内の時計に目を向ける。約束の時間までまだまだ余裕はあるが。

この妙なストーカーを振り切るために車を飛ばして走らせることにする。

ロイドが軽く悲鳴を上げているが気にしない。

今、必死になって追いかけてきているだろうな、と考える。

見えない相手の必死の表情を想像するとなんとなく唇の端が吊り上る。

ククク。

 

あとでテスタロッサにアーヴィングがストーカーに付きまとわれて困っていると伝えといてあげよう。

私は本当に仲間想いのやさしい奴だ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「お待ちしていました。

歓迎します。シグナム」

 

聖王教会のシスター・シャッハはシグナム達が到着する頃を見計らい教会の前で出迎えに来ていてくれた。

シグナムがシャッハに軽い挨拶と握手を交わしているとソレを見ているロイドに気が付いた。

そういえばまだロイドの事を紹介していなかったかと。

丁度いい機会だから今ここで彼の事を紹介するべきだなと思ったところで。

シャッハが自分からロイドの前に進み出て握手を求める。

 

「ごきげんよう ロイド・アーヴィングですね。

私はシャッハ・ヌエラ。

貴方のお話はいつも伺っています。

世界を救った救世主。

天使や精霊の王とも渡り合うほどの凄まじい剣の使い手とお伺いしています。

今日はコレット・ブルーネルさんとご一緒ではないのですか?」

 

「あ、初めまして。

ロイド・アーヴィング……です。

コレットとは今日は一緒じゃ、ないです」

 

「そうですか。

アホ神子とちがって真面目な方と聞いて、カリムが会いたがっていましたのですが。

次の機会にはコレットさんもぜひ。

教会には保護した犬もたくさんいるのできっと彼女も喜ぶと思いますよ。

ではシグナム。ロイド。

こちらへ」

 

シャッハに連れられ教会の内部に入っていくところで気が付いた。

あれ?なんで俺やコレットについて詳しく知っているんだろう?

コレットが犬好きってことまで。

はやてと教会は親交が深いって聞いてたし、ならはやてから聞いたのか?

ん?俺、はやてにオリジンと戦ったことがあるってこと教えたっけ?

 

???と疑問が幾つか浮かんだが考えても仕方ないので彼はその疑問を考えないことにした。

此処で冷静になって考えれば気が付いたかもしれない。

シャッハの先程の話の中にある男の存在を匂わせる物があったことを。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

シグナムから今日は騎士団の騎士達と稽古する、と言われていたが。

 

「あぁん? なんだよてめえ?」

 

「おっぅ!? ぶっ飛ばされてえのか?糞ガキがぁ」

 

「ぎゃははは!! こいつ弱そうだぜ ぎゃははは!!!!」

 

100人ほどの集団に中庭でいきなり絡まれた。

あれ?騎士ってコイツラの事か?

う~ん。おかしいな。

どう見ても騎士団と言うよりディザイアンを髣髴させるようなガラの悪い奴らばかりだ。

もしかして俺は聖王教会じゃなくて人間牧場に来たのか?

そんな横暴な態度の騎士を見ていられずシャッハは腰に手を当てて騎士達を怒鳴った。

 

「あなた達いい加減にしなさい!! 客人に対して無礼です。それでも騎士ですか!!」

 

「うるせえよ。糞・バ・バ・ア

 ぎゃははははは」

 

シャッハの一喝にもこの騎士達にはまるで意味がない。

それどころかシャッハを煽る次第。

シグナムをチラリと見ると盛大に溜息を吐いていた。

以前は真面目な騎士の集団だったらしいが最近は自分達が最強と間違った考え方から増長してしまっていると言っていたが。

正直言って調子に乗っているだけのように見えないな。

性格が超変化しすぎだろと心の中で突っ込む。

 

丁度その時なにかブチっ!! 

と大きな糸を引き千切るような音が聞こえた気がした。

 

いつの間にかトンファーを持って顔に大きな怒りマークを付けたシャッハがいた。

彼女は糞婆呼ばわりした金髪の顔を左手で鷲掴みにし地面に叩き伏せた。

そしてトンファーで尻叩きを……。

思わずヒィっと悲鳴を上げて尻を抑えるロイドと他の不良達。

此処に来るとき車内で彼女の話を聞いたときシグナムと同レベルの実力者ということから彼女もバトルジャンキーの類なのかと想像していた。

どうやらそれだけじゃないらしい。

シャッハはリフィル先生のスパルタ教師特性も兼ね揃えているみたいだ。

シグナムとリフィル先生を足す存在って……最強すぎるだろ。

怒らせてはいけねえ。決して怒らせてはいけない人間だ。

金髪のケツが原型をわずかに残す辺りで尻叩きは終わった。

 

「さて、ルークはいますか?」

 

返り血を拭いながらシャッハがキョロキョロと周囲を見渡す。

ルークと言う奴がコイツラの頭で一番強い奴か。

すると不良達を割って出てきた赤い長髪の男。

どうにも不機嫌そうな様子。

 

「んだよ。人が寝てるっつーのに。

また聖王への祈りの時間て奴か?

たっりーての」

 

でかい欠伸を一つしたところで見慣れない顔、ロイドに気付いた。

ズカズカと歩いてロイドの前に立つと下から高圧的に低い声で彼に問かける。

これで騎士……ねぇ。

テセアラの王様の周りにいた甲冑で身を包んだ奴らも騎士と呼ばれていたがこんなチンピラみたいなのは一人もいなかった。

コレも世界が違う影響かと考える。

 

「ん?なんだてめえ」

 

「あ、俺? 俺はロイドだ。ロイド・アーヴィング」

 

ロイド?

何か思い当たることがあるのか、暫し頭の中を探るルーク。

ふむっと空を睨みながら1分程考え込んで「ああっ!!」と手を打つ。

 

「思い出した! お前。アレだろ“ハニー”だろ」

 

ビシッと人差し指でロイドを指すルーク。

 

「は、ハニー!?」

 

ロイドは素っ頓狂な声を上げる。

初対面の相手にしかも男にハニー呼ばわりされるって一体何で?

 

「知っているぜ。

アイツから聞いたからな。

世界最強の剣士だって言うじゃねえか。

ならよ、俺がお前に勝てば世界最強の名は、へへ。俺の物って事だよな」

 

シグナムがシャッハに何故ロイドがハニーと呼ばれているのか視線で問いかけると彼女は困ったように頬をかいただけだ。

そういえばシャッハもロイドやコレットについて詳しく知っていた。

どこから情報を得たのか?

気になったが聖王教会独自の情報網から入手したかもしれないと思い尋ねることをやめた。

 

「よーし。相手にとって不足無し。

インターミドルが終ってから正直退屈していたんだ。

久々に面白い戦いができるぞ。

――――双牙斬!!」

 

ロイドが構えを取る前にいきなり斬りかかってきたルーク。

成程、踏込みに間合いの詰め方、剣の太刀筋に技の熟練度。

世界大会のベスト8に勝ち進んだと言うだけの事があるかもしれない。

が。

 

「がはっ!?」

 

剣がロイドに届くことはなかった。

ルークの放った剣より早くロイドの剣が彼の溝落ちにクリティカルに決まって吹き飛ばしたからだ。

シグナムは当然と言わんばかりに腕を組んで両者の様子を見守る。

 

「獅子戦吼」

 

技を無防備で受けたルークは受け身すら取れずに背中から地面に叩きつけられた。

ルークが吹き飛ばされたのが信じられない様子の周りの不良達。

いや、それより信じられないのはルークだ。

たった一撃のダメージで足腰立てない程甚大な影響が。

インターミドルでも此処まで強力な一撃を喰らったことはなかった。

カトラスを地面に付き刺し必死に起き上がる。

試合だったらこの一撃でメーター全部吹き飛んで俺の負けだったかもしれない。

あの準決でルークを破った管理局108部隊の二重人格野郎がルークの知っている過去最強の敵だった。

アイツも強かったが、コイツはそんなもんじゃねえ。

 

「まだやるか?」

 

完全に俺を見下すような舐めた目が気に食わない。

 

「糞、糞っ!! 俺をなめんじゃねえ!!」

 

再度、ルークは斬りかかるがロイドはソレを躱し、さらに強力な一撃を叩き返すカウンターを容赦なくぶち込む。

もはやどちらが上かなど最初の一撃で此処に居る誰の眼にも一目燎原だったがこの一方的なやり取りはまだ続く。

呆然と立ち尽くす不良の後ろに紅い長髪と白いバンダナ、軽薄そうな顔の男が言わんこっちゃないと言わんばかりに首を左右に振るう。

 

「だ~から、俺様言っただろ。

お前じゃロイドに絶対に勝てないって。

お前とロイドでは強敵と戦ってきた経験。生きるか死ぬかの命のやり取りで磨き上げてきた剣。

なにより背に背負ってきた戦いの覚悟がまるで違うんだよ。

世界大会でちょっと勝ち上がって調子に乗っているような井の中の蛙野郎に負ける程ウチの大将は甘くないぜ」

 

でひゃひゃと笑い声をあげる男の背後から一人の紫色の和服に身を包んだ黒髪の女性が現れた。

それにしても胸が大きい。

シグナムとフェイトと同格。

まさにメロン。

 

「まっ、ロイドなら当然ルークに負けるわけがないよね。

でもちょっとやり過ぎ……なんじゃないかい?

これじゃあまりに一方的過ぎだよ。

もうちょっと手加減すりゃ良いのに」

 

これじゃルークの今まで培ってきた全てが崩れちまうんじゃないかと心配になるが、男はそれでいいんじゃないかと言う。

 

「手加減したらあのルーク坊ちゃんを更に追い込むことになるだろよ。

無駄にプライドが高いからな。

まっ、そのルーク様のお高いプライドもこれで見るも無残に壊れちまったけど。

もう一度這い上がれるかどうかは。アイツ次第だろうぜ」

 

何度目になるかルークはロイドに一撃も喰らわすことも出来ずに地面に横たわる。

もはやボロボロで満身創痍に成り果てた身体でこれ以上戦うこと等できないだろう。

ロイドはシグナムとシャッハの方を見て戦いの終わりを要求する。

2人もこれ以上は、と思い戦いを止めようとしたのだが。

 

「ぐわっ!?」

 

ロイドの顔に向かって石を投げつけた奴がいた。

不良騎士の一人らしい。

ロイドの右目上あたりに当たった石はべっとりと彼の血を付けて地面に転がった。

どうやら相当深く傷ついたらしい。

血がどくどくと流れ右目を塞ぐ。

 

「お前いい気になんじゃねえよ」

 

「これで俺達より強いなんて思われたくねえんだよ」

 

一斉に周りの不良達も武器を取りロイドを囲み始める。

ロイドならこんな奴ら全員相手でも負けはしないだろうがシグナムとシャッハは正々堂々、騎士道精神という言葉から一脱したことを行う騎士に流石に怒りを抑えられなくなり、赤い長髪の男と和服の女は自分達のリーダーを傷つけた連中に制裁を加えようと静かに殺気を込めはじめた。

正に一触即発と言ったこの場に小さな、だがしっかりとした声が聞こえる。

 

――輝く御名の許 

地を這う穢れし魂に 

裁きの光を雨と降らせん

安息に眠れ 罪深きものよ――

 

――――ジャッジメント!

 

聖なる光は愚かな不良騎士達全員を飲み込むように降り注いだ。

呆気にとられるシグナムとシャッハ。

そして。

この光が途切れ中から出てきたのは真っ黒焦げな姿に変わり果てた不良達だった。

天罰が落ちたというのはこういう事を云うのだろう。

日ごろの行いが悪いからそうなるのだ。

 

と言いたいが神の裁きとは言えないだろう。

人為的な術だ。

 

和服の女は長髪の男の耳を引っ張って怒る。

あの高位天使術を使えるとしたらコレットとコイツくらいのモノだからだ。

 

「ちょっと幾らなんでもやり過ぎだろ!!

なにもこんな術を使わなくても」

 

「チョイ待ち。俺様じゃないぞ。

コレ」

 

イテテと耳を摩りながら中庭と外を遮る塀にまで下がってよっこらっせと塀の壁に身体を預けた。

スッと後ろを覗き込むような視線と誰かを小馬鹿にするような意味ありげな表情を浮かべてこう続ける。

 

「きっと。どこかの天使様がやったんじゃねえの~~」

 

なぁ?っと壁の後ろの誰かさんに問いかけた。

まったく何処まで行っても親馬鹿だねェ。ニッシッシシ。

和服の女は「?」と誰の事かはわかっていないようだが俺様にはわかる。

どうせ、いつものように何かやることをやってから姿を現すつもりなんだろうが。

まぁそれまで俺様がハニーの支えになってやるよ。

 

「すまん」

 

ん?珍しく頭を下げてきやがった。お前も随分丸くなったな。

 

「まぁ、どうでもいいけど。

ん?ルークの奴まだあきらめていないのか?」

 

不良達が黒こげになってシグナム達が呆然としている間に起き上がったルークはまだ勝負はついてないとガクガクとなっている足取りでロイドの前まで這うように歩み寄る。

そしてロイドに投げつけられた石を拾うと。

 

「ふんっ!!」

 

自分の頭に勢いよくぶつけた。

ダラダラと頭から血を流しながら石を遠くへ放り投げる。

 

「いてえっ!! っつ!!

勘違いするなよ。

対等な条件で勝敗を賭けたかっただけだからな。

さぁ、最後の一撃だ。これで終わりにするぞ」

 

ロイドはソレを黙って見ながら2本の剣を掴みなおす。

 

「へへっ、俺お前みたいな奴、好きだぜ。

だけど、勝負は真剣勝負。

手加減は一切しないからな」

 

ロイドとルークはお互いの技を十全に放つ間合いに立って静かに剣を構えた。

ルークの体力から考えてもこれで最後。

一矢報いたい。

全身全霊を込めた一撃を打ち放つ。

 

「うぉりゃああああああああああああ!!!!!!」

 

ルークの咆哮と共に今までの人生で最高最強と思えるような一撃を撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれ程気を失っていたのだろう。

目が覚めた時は太陽は沈んだ後だった。

あの最後の一撃を撃った後の記憶がないが、……俺は負けたんだな……。

世界大会に出場して頂点に近づいた気分だった。

だけどまだまだ甘かった。

世界は広い。

自分はまだまだ弱いんだと地面に無様に寝っ転がりながら思う。

 

「どうですか? 眼が覚めましたか? ルーク」

 

シャッハが俺を見下ろしている。

 

「ああ、目が覚めたよ。シャッハ。

俺はまだまだ弱いんだな。

……早速だけど、稽古をお願いします。

俺はいつか絶対アイツにリベンジして世界最強の座を奪い取ってやるんだ!!」

 

長かった自慢の髪を剣で切り裂き、心機一転、再出発を誓うルーク。

敗北でプライドがガタガタになり暫く不貞腐れるかと思ったが意外にも素直な様子にビックリするシャッハ。

成程、負けて得た物が大きかったようだ。

これでルークは安心だろう。

問題は残りの不良騎士達だが。

あれ?

アイツラはどこに?

 

「さぁ、皆さんもルークのように心入れ替えて聖王につくしましょう。

では早速頭を丸めて……」

 

「カリム!?」

 

倒れている騎士達の頭の毛を羊の毛刈りのように容赦なく丸坊主にしていくカリム。

ニコニコと美しい微笑みを絶やさずジャッジメントのダメージで動けない騎士達に神の洗礼を与える姿を見てシャッハは思う。

 

聖王教会最凶は間違いなくカリムだと。

 

これでカリムに逆らうような不良達は一人も聖王騎士団から消え、真面目な騎士達の集まる騎士団へと姿を変えたのでした。めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ご苦労だったな。アーヴィング。

今日は助かった」

 

帰りの車内の中でシグナムはロイドに礼を言う。

面倒事に巻き込んだ上に怪我まで負わせてしまったのだから文句の一つ言われるかと思ったのだが。

 

「別に良いって。

別に。

俺もアイツみたいに慢心したことが無かったわけじゃないしな」

 

イセリアで我流の剣を磨き上げ強くなった気分だったころ、ディザイアンの奴らにボコボコにされちまったり。

コレットを追って救いの塔の内部まで入ってそこで初めてユグドラシルと出会い為す術も無くやられた事もあった。

強くなるためには自分より強者にボコボコにされちまうことも必要なのかもしれないなと思う。

 

「そうか。なら帰ったら私と早速剣の稽古だ。

フフフ。なんだか今日はウズウズしていてな。

朝まで付き合ってもらうぞ」

 

なにやらシグナムの血が騒いでしまっているみたいだ。

コレはまずい。

何がまずいって俺の命がまずい。

 

「うげっ!? ま、まじかよ。

あっ……でも俺怪我人だし。安静にしておいた方が良いだろ」

 

わざとらしく傷が痛む~~というジェスチャーを披露するロイド。

これで何とか逃げられる。

 

「ん~~。そりゃ大変だ。ヒールウィンド!! 

これで大丈夫だろ。ロイド君」

 

「おお、痛いの治ったぜ。ありがとうゼロス。

ってなんてことしやがるんだ?ゼロス!!

折角怪我を理由に逃げられたってのに」

 

「でひゃひゃ。折角美女が一晩付き合ってくれって誘ってるんだから断るのは男じゃないぞロイド君。

コレットちゃんには俺様が言っておくからお前はシグナム様と夜のデートとしゃれ込めよ」

 

こいつめ。

俺を殺す気か。

おのれ……ゼロス・ワイルダー……

ん?

…………

……ゼロス?

 

「あああああああ!!!! 

ゼロスゥ!!?

なんでお前が此処に!!?」

 

車の後部座席にちゃっかり乗っている男。

ゼロス・ワイルダー。

つーか、なんでお前が此処に!?

 

「あたしもいるよ」

 

「し、しいな!?」

 

なんと車の屋根に乗っていたしいながロイドの横の窓から首を出す。

流石忍者と言うべきだろうがそんなところからいきなり出てくるな。

運転中のシグナムまでびっくりして車の運転ががが。

 

「うわぁああああ!!!!」

 

どったんばったんとしながらも車は突き進む。

ゼロス・ワイルダーと藤林しいなという仲間を増やして。

 

 

 

 

 

そして誰も気づいていない。

 

 

 

 

後ろのトランクにもう一人乗っていることに。

 

「ロイド。わたしはいつもお前の事を見守っているぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱の中にはリンゴがたくさん入っている。

さて、此処に一つの腐ったリンゴを混ぜてみよう。

するとどうなるか?

 

ホンの僅かな期間でみるみると箱の中が一変していく。

この腐ったリンゴから周りのリンゴに腐食が移り、最後は箱の中の物全てが腐ってしまうのだ。

 

One bad apple spoils the barrel

「ひとつの腐ったリンゴが樽全体をダメにする」

 

皆も買ったのを忘れてしまい、気が付いたときにはもう手遅れになったと言う経験があるだろう。

そう気づくのが遅れただけでとんでもない事に繋がってしまう物なのだ。

 

これはリンゴだけではない。

人の社会でも言える事である。

例えばだ。例えば……である。

例えば、そう。

ある真面目な司書が大勢務めている無限書庫と言う密閉された場所に。

遺跡マニアという腐ったリンゴを混ぜてみたらどうなるか?

腐ったリンゴの入った箱で言えばそのリンゴからどんどんと周りの無害なリンゴが腐って行ったが。

遺跡マニアはどうだろうか。

 

あの子はこの間入ったばかりだけど頑張り屋な新人の子。

おとなしく、内気で恥ずかしがり屋な女の子。

真面目で優秀なそばかすが特徴的な彼。

 

僕が夜遅くまで残って書類を作ってたりすると「差し入れ持ってきました」とか言って手作りのお弁当をわざわざ持ってきてくれたり、「僕もお手伝いしますよ」と笑いながら仕事を手伝ってくれたりする心優しい子達だ。

 

人を思いやり慈しんで敬える。

とてもいい子達、だった。

それが。

 

「「「グハハハハハ!!!! 遺跡最高ォォォオオ!!!!」」」

 

眼は血走り、両手を天に上げ股は蟹股。

あぁ、山賊のような笑い方をしてしまって。

今までの彼らとは違う。

禍々しい狂気に突き動かされてしまっているとしか思えない瞳の光。

見えるよ。彼らのバッグにクフ王やツタンカーメンの霊が。

 

「遺跡魂」とかかれた特攻服を羽織り盗んだバイクで遠いエジプトの地にあるピラミッドまで突っ走っていきそうだ。

 

夏休み前は優しくおとなしかった子が新学期になったら暴走族の首領としてデビューしてました。という担任教師の気分なんだろうね。この心を襲う悲しみは。

そうか、もう君達は、僕の知っている君達ではないんだね。

 

いや語弊があったね。

正確に言えばこうなるかな。

此処はもう僕の知っている場所ではないのだね。

 

右を見てみる。

壺に張り付いて全身からハートマークを撒き散らすおさげが特徴的な司書の女の子。

「アァァン。この3000年の歴史の籠った壺のなんて良い肌触り。私、今日この壺を抱いて寝るわ。古代の夢が見られそう」

 

古代の夢?

古代の夢って何?

っていうかその壺全長2メートル超えてるけどソレを抱いて寝るの?

 

左を見る。

一体どこにそんなパワーが残されていたのだろう。

無限書庫勤務40年のスズキさん。

「ナニィ!? あの遺跡にそんな謎がまだ秘められていただと!? ふははは。コレはたまらん。

すぐに調査だぁぁ!!」

 

調査に行くなら司書長である僕にまず許可を取ってから行ってね。

そして、その半年程山籠もりに使うような大荷物必要かい?

 

後ろを見る。

ミントのフィギュアのスカートを持ち上げ覗き込んでいるバンダナ眼鏡。

「美少女フィギュアうひょひょ。ダイクさんにリタたんのフィギュア作ってもらおう」

 

110

あっ、警察ですか?すいません。変質者です。

バインドで厳重に縛って3丁目の路地裏に放置しといたんで豚箱にぶち込んでおいてください。

 

前を見る。

地面を這いつくばりながらひたすら遺跡遺跡と繰り返すクロノ。

「いせきぃぃい。うひひひ。いせきぃぃい」

 

あぁ、もうだめだ。

脳内全て遺跡に浸食されてしまっている。

もう人には戻せないね。

ごめん。フェイト。君のお兄さんはもう駄目みたいだ。

でも君のお兄さんがいけないんだよ。

リフィル先生の前で「遺跡なんて下らない」なんて言ったから。

言った瞬間蹴っ飛ばされて、妻子持ちの身でありながら尻叩き1000発。

そしてリフィル先生と司書達の72時間ノンストップレッスンという洗礼を受けるはめに。

というかクロノ。なんで君が此処に居たのだろう?

 

はは。困ったねジーニアス君。

みんな頭どこかおかしくなってるよ。

アハハ。

アハハハ。

 

うん分かったよ。ジーニアス君。

現実から目を背けるのは、もうやめよう。

簡単に言えばこうだ。

 

「遺跡最高!!!!」

 

「「「キャァア!!!! リフィル様!!!!」」」」

 

たった一つの腐ったリンゴが周りのリンゴを腐らせるように。

たった一人の遺跡マニアが周りの人間の脳を腐らせた。

遺跡マニアが大量異常発生しやがった。

嗚呼、恐ろしきはこの腐敗スピード。

もはや真面な人間はいないのか。

 

どうしてこうなった?

ユーノの眼から一筋の涙がツツッと頬を伝って零れ落ちる。

 

此処はユーノの安息の地。

無限書庫。

普段は静かで、それでいてどこか自然と背筋を伸ばしてしまうような不思議な空気に包まれ、周りの数々の書から神秘的なオーラを感じるような場所だった。

 

だが今は。

 

「古代インカ帝国?」

 

「「「萌え~~~~~~!!!!」」」

 

「マヤ文明?」

 

「「「あぁぁん!!!! タマリマセン お姉さまぁぁあ!!!!」」」

 

「ビバ☆遺跡

この世全ての文明は我が手にあり」

 

「「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」」」

 

スポットライトの明かりが爛々と輝くステージ。

司書達は「遺跡最高!!!!」と書かれたTシャツと赤や青の光を放つケミカルライトを手に熱狂的な盛り上がりを見せる。

主役は勿論この人。遺跡マニアのカリスマ。リフィル・セイジ。

今夜はもっと盛り上がっていくぜ。この野郎。

 

此処は無限書庫と言う名の異界。

常人は決して足を踏み入れてはいけない場所。

鬼や悪魔すらも食い尽くして見せよう。この世の全ては我らの物。

魔界や無間地獄すらも生ぬるい。無限書庫は果てしなき漆黒の闇の世界。

そう、此処はカオス。混沌の支配する亡者の住まう理想郷。

遺跡に魂を売り払った悪しき者のための王国。

来たれ。遺跡マニア。

此処より全ての次元世界を変えて見せよう。

 

ウォォオオオオオオオオオオオ!!!!

 

荒くれ共の勇ましい叫びが大地を揺るがす。

この世の支配者は遺跡マニアだ!!

 

「ほんと、どうして、こうなったんだろう……」

 

思わず全身から力が抜け地面に膝を屈しそのままバタンと倒れてしまう。

いいんだ。ジーニアス君。

僕は所詮無力な男だよ。

司書達の暴走すら止められない。ちっぽけなフェレットさ。

あはは。

 

でもそろそろ無限書庫の暴走も止まるころかな。

さすがに管理局の人達もこの騒ぎを黙って見逃がしたりは。

 

おっと噂をしていたら早速、管理局から僕の端末に連絡が入った。

 

『無限書庫を第壱級隔離世界とする』

 

ワーオ。

なんという事でしょう。

切り捨てられましたよ。

無限書庫。

全次元の平和を守るための管理局が全力で目を逸らしましたよ。

無限書庫。

アハハ。冗談キツイね。「どういう事か説明しやがれ!この野郎」的なお茶目なトークをするためにちょっと黒電話のダイヤルをジーコジーコと回しちゃう。

トゥルル

トゥルル ガチャ

「この電話はお客様のご希望によりお繋ぎできません」

野郎……。

 

そうか奴らめ。

この無限書庫は奴らにとって目をそらしたい過去の遺物ってわけか。

『遺跡マニア』なだけに。

あはは。上手いこと言ったね、僕。座布団三枚。

 

 

 

なめやがって。

 

 

 

そうかい、そうかい。

あぁ、わかりましたよ。

いつもいつも低賃金で頑張っている僕達、無限書庫の司書達を蜥蜴の尻尾みたいに切り捨てると言うなら見せてやろうじゃないか。

あんた達管理局の武装隊すら凌駕するほどの力を身に着けた、この魔物共の力を。

あはははは。思い知るがいい。管理局。どっちが上かはっきりさせようじゃないか!!!!

 

「……倍返しだ。

管理局め。思い知らせてやるよ。

遺跡マニアに魂を売った人間の力って奴をさぁぁあ。

あぁははは!! 遺跡最高!!!!」

 

ユーノまで高笑いをしながら遺跡マニアの軍勢に加わってしまった。

 

「ど、どうしよう。……ユーノさんまで、……壊れちゃった」

 

頑張れジーニアス。

コイツらを止められるのは最早、君一人だ。

 

「そんなの、無理だぁぁああ!!!!」

 

遺跡マニア率いる無限書庫の軍勢が管理局を襲う!!

次回、『大戦争編 エピソードオブ無限書庫 遺跡マニアの暴走』

お楽しみに!!

 

「そんなものできるかぁあ!!」

 

ジーニアスの悲痛な叫びが空しく響く無限書庫であった。

 

 

スカリエッティ&ナンバーズ 「私達の出番は?」

 

 

あとがき

 

本当はルークを出したくなかったんですけどね。

シンフォニアメンバーの誰かから選出しようと思ったのですが。

候補者

クヴァル←コイツは管理局の上層部の悪代官にはまり役だろ。

ロディル←ジジイじゃん。

プロネーマ←BBAじゃん。

アビシオン←まだ出番じゃないな。

誰もいねえじゃん。

っつーわけでTOAからルークを出してきてしまいました。

TOSメンバーにこういう奴がいればなぁ。

ああ。重要な点が一つ。

「ルークはこんなに弱くない」って思う方がいるかもしれません。

ロイドはTOS終了レベルでルークはアクゼリュウス崩落編くらいのレベルですから実力差があっただけです。

それにこれはルークではありません。

レプリカのレプリカルークです。気を悪くしないでください。

 

それにしても誰か無限書庫を止めてくれぇ。


 
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