勝たなければならない

いや、『勝つ』以外選択肢はないのだ

勝ってご主人様を元に戻す

私はその事しか考えていなかった

　　　　三節　〜暗黒〜

鈴々「にゃああぁぁあぁ!!」

響窃「……あまい」

ｶﾞｼｯ

鈴々「うにゃ！？」

響窃「張飛……だったか？

そんな攻撃ではこの響窃を倒すことはできんぞ…」

愛紗「鈴々!!」

ﾌｫﾝ!!

響窃「ふむ、死角からの攻撃か……

悪くはない」

愛紗「くっ！！」

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｼｯ

響窃「だが気が乱れ過ぎている

目を瞑っていてもわかるぞ」

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

愛紗「ぐっ!!?」

桃香「愛紗ちゃん!!?」

響窃「『獄蹴』」

季衣「でえええぇぇい!!」

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

亞莎「当たった!?」

冥琳「いや……まだだ!!」

季衣「嘘ーー！？」

なんと響窃は季衣の得物、『反魔』を片手で止めていたのだ

響窃「面白い武器だな」

季衣「くそ〜身体は兄ちゃんだから受け止められないと思ったのに」

響窃「だろうな

北郷の身体『だけ』ならな」

雛里「だけとは………？」

響窃「北郷の身体に私の存在能力が流れ始めているということだ

だがまだ一割にも満たないがな」

稟「っ！それは……つまり…」

風「お兄さんの身体に響窃の存在能力が完全に流れ込めばもうお兄さんは存在しなくなり、響窃の存在になる

ってことですか？」

響窃「大体は的を得ている」

蓮華「っ！そんなこと……させないわよ!!」

桔梗「お館様は我々にとって命より大事な御方

響窃、貴様にくれてやるものなどひとつもない！」

響窃「私との一体化が進めば私の存在能力は一気に上昇する

例えば………」

そう言うと響窃は我々の方に人差し指を指した

亞莎「っ！死の閃光です!!

皆さん回避して下さい!!」

響窃「今回は死の閃光とはひと味違うぞ

その名は………」

響窃「『死の魔光』!!」

奴の指先から出た死の閃光は四つに別れ拡散しだした

華琳「くっ！」

霞「なんちゅー出鱈目な技や！！」

華雄「厄介という限度を超えている」

白蓮「だけど北郷を救う為には戦うしかないんだろ」

翠「あぁ、その通りだ！」

恋「…ご主人様……絶対に助ける…」

響窃「諦めが悪い……

勝ち負けは見えているのだがな……

呂布まで本気になりおって…」

雪蓮「もともと私達は諦めがわるいのよ!!」

七乃「一刀さんにはまだ恩返しが出来てないんですよ〜」

美羽「主様をた、助けるのなら

わ、妾もた、戦うのじゃ!!」

響窃「雑魚何人集まろうと雑魚は雑魚だ」

華琳「雑魚かどうか、試してみるかしら？」

凪「例え雑魚であったとしても

塵も積もれば山となるだ！」

響窃「くだらぬな……

吹けば飛ぶ塵になぞ興味はない……」

春蘭「黙れ！響窃!!」

響窃「威勢だけは良いな」

紫苑「たぁっ!!」

響窃「ふっ！」

紫苑の矢をいとも簡単にはたき落とす

やはり勝つのは容易ではない

焔耶「はああぁぁ!!」

響窃「…遅い」

ｶﾞｼｯ

焔耶「くっ！」

響窃は焔耶で攻撃をされる前に焔耶の片手を封じた

響窃「よし、貴様等に見せてやろう

この響窃の存在能力を………」

焔耶「くっ！！おのれ！」

焔耶「(ビクともしない……これが片手の力か！？)」

響窃「喰らうがいい！魏延……

これが…………」

響窃「『体気吸収』だ！」

ｷﾞｭｫｫ！！

焔耶「ぐっ!!?」

桔梗「焔耶!!」

焔耶「(な、なんだ!?

か、体のち、力がぬ、抜けていく……)」

桔梗「ええぃ、焔耶を離さんか!!」

桔梗は響窃向かって豪天砲を放った

ｺﾞｩ!!

響窃「ふん！」

ﾊﾞｺｯ!!

くっ！豪天砲の玉さえはたき落とすのか！？

桔梗「焔耶、大丈夫か！？」

焔耶「は、はい

で、ですがか、体にち、力がは、入りません………」

愛紗「響窃！焔耶に何をした!?」

響窃「安心しろ、死にはしないさ

少し魏延の気を頂いただけだ」

春蘭「‘気’を…だと!?」

凪「た、確かに奴の気は先程より大きくなり、焔耶殿の気は小さくなっています！」

響窃「私の掌に接触し続けた物は

僅かながらその物の‘気’を抜き取ることができるのだ」

凪「気を抜き取るだと！？

そんな事が可能なのか！？」

響窃「現に魏延の気は小さくなった」

真桜「そもそも‘気’って何なんや？」

凪「‘気’とは生命に欠かせない力

のことだ

気合や気力、根性など口には表せられるが実際に行うのは我々人だけらしい」

響窃「無論、生命以外のあらゆる物に存在する

だかその気を限界まで抜き取ると………」

愛紗「抜き取るとどうなるのだ!?」

響窃「……………死に至る」

紫苑「っ！」

響窃「安心しろ、先程も言ったが魏延は死にはしない

今の私にはそこまでの力はない」

翠「だけど全く安心できないな」

祭「あぁ、状況は何も変わっておらん」

響窃「確かに貴様らは強い

圧倒的戦力を目の前に誰もが諦めず恐怖に屈せず立ち向かってくる」

響窃「だがな、それだけではこの響窃には勝てぬ

私は……奴らに………管理者共に…」

ｸﾞｵｫｫ!!

明命「っ！何ですか！？これは！？」

奴から禍々しい気がどんどん溢れ出ていた

一言で言うのならそれは……

『暗黒』そのものだ

響窃「外史に復讐する為に『復活』したのだ!!」

ｺﾞｩ!!

凪「や、奴からく、黒い気が………」

響窃「貴様等如きにこの響窃には勝てんのだ!!」

ｷﾞｭｫｫ！!

奴は両手を右の腰あたりに移動させ両手を合わせその手の空間に気を集めだした

雪蓮「何か来るわよ!!」

響窃「今更気づいてももう遅い！」

響窃「さて、どれ程の威力になるか試させてもらおう！

喰らうがいい！

『幻龍破』！！」

その瞬間私達は白い光に覆われた

　　　　　　　　　　……終……