【偶然?計画?】
プラネテューヌ
クリエが切り裂かれたその時…クリエを信じて見ていた女神達は驚いた。特に、友人でもあるベールはかなりのショックだった。
女神達が動揺する中、プルルートは違和感を覚えていた。自分は確かに、この手で、クリエを切り裂いたはずだった…
有りえない。明らかに可笑しいとプルルートは思った。
それは下で見ていた女神達もそう思っていた。いくら装甲が薄かったとしても、女神がいとも容易く切断されるわけない。
未だに切断されたままゆらゆらと浮いているクリエを見ながらそう考えていた……
どの時、プルルートはこう思った。『どうしてあの身体は地面に落ち来ないのだろう、どうして女神化したままなのだろう』と。
その答えはすぐに理解した。何故なら……
ユラァ………
漂っていたクリエが消えたからだ。
そしてそれは、女神達が…否、ベール以外に見せた……
【SPスキル=防御型=身代わりホロウ】
自分を投影し、分身を作り上げる、クリエの技だからだ。
クリエは生きている、ファントムハートはまだ在る、ここの近くに。
しかしそれにより、何故クリエは身代わりを出したのかという疑問が、『プルルートにだけ』浮かんだ。
その理由もまた、直ぐに分かる事となる。
グリーンハート
「…クーちゃんが…消えた……」
ホワイトハート
「お…おいベール……どうした?」
イエローハート
「ん…?べるべる?」
ブラックハート
「ま…まさかあの子……ベールにアレ伝えてなかったの?いえ、もしかして…これが作戦!?」
ファントムハート(声)
「その通り…ベーちゃんにはかなり悪い事したと思ってるよ。」
ブラック&ホワイト&イエロー
「!?」
三人の女神は、それぞれの傍にいたアーミーから聞こえたクリエの声に少し驚いた。
これもクリエの能力。アーミーを通して、通信が出来るのだ。これはベールにも見せていたのだが…
グリーンハート
「…許さない……」
ご覧の通り頭に血が上ってるので、聞こえてない。
ファントムハート(声)
「けど…これしかなかった。ノーちゃん、ブーちゃん、ピーちゃん、私の指示に従って…勝つよ!!」
その時プルルートは内心ホッとしていた。気絶させるはずがうっかり死んだとなったら、自分にもどうにもならないからだ。
アイリスハート
「……………!」
瞬間、鋭い殺気の籠った視線が、プルルートに突き刺さった。
少し興味が湧いたので、その視線の元をたどってみると………
グリーンハート
「…………………………」
そこには只一人、視線で殺せそうなくらいに鋭く睨むベールがいた。他には誰もいなかった。
グリーンハート
「…………【シレットスピアー・ダスト】!!」
ベールが手に持った槍を振り上げた瞬間、巨大な魔法陣が彼女の頭上に現れ……
ドドドドドドドドドドドド!!!
そこから無数の槍が飛び出し、プルルートに襲い掛かった。
アイリスハート
「っ!」
すかさず、且つ紙一重にかわす、一直線且つ纏って来てるので容易だった。だが避けた瞬間…
ブラックハート
「【トルネードソード】ッ!!」
ザンッ!!
いつの間にか背後に現れたノワールの一閃によって、バックプロセッサが真っ二つになった。
アイリスハート
「っ!!」
急に羽を失った事により、地面に向かって落ちて行く。その真下にはピーシェが待ち構えていた。
イエローハート
「いっくよー!!」
アイリスハート
「…っ!!!」
右腕をぶん回しながら、待ち構えるピーシェに向け、電撃を放とうとするがその時。
ドッ!!
アイリスハート
「ガッ……!!」
グリーンハート
「え…今のは…まさか……」
光の矢が背中に当たり、電撃共々小さく細かく分散していった。その矢の先をベールは、プルルートは見た。
ビルとビルの間、道路の隙間、その先のビルのてっぺんに…彼女はいた。
グリーンハート
「…クーちゃん!?」
ファントムハート
「ピーちゃんブーちゃんぶちかませー!!」
イエローハート
「いっけええええええ!!!」
【エグゼドライブLv.2=ジェノサイドポイント】
ドッ…!!ドドドドドドドドドドッドンッ!!
落ちて来るプルルートの腹部を狙って殴り上げてからの連打連打連打しながら天高く昇る。
アイリスハート
「…ガッ……!」
電撃も散ってしまい、肉体強化も間に合ってない状態の今のプルルートにとってこれは強烈だった。
そして上空で待ち構えていたブランによって…
ホワイトハート
「【ツェアシュテールング】ッ!!」
ドッッ!!
森林跡目掛けて吹っ飛ばされた。
終わった後、女神達は一か所に集まった。勿論、そこにはクリエもいた。
ブラックハート
「はぁ…上手くなったわね……」
ホワイトハート
「こんな無茶苦茶な作戦、二度とごめんだぜ。チータのヤローには後できっついお灸を据えなきゃな…」
イエローハート
「あー楽しかったー!!」
雑談を始める女神達。これで終わったわけではないが、皆一息入れたかった。何せ本当にシャレにならない危機を、一時とはいえ退けたからだ。
それはクリエも同じで、自身もその輪に入ろうとしたその時……
ファントムハート
「ふぅ…何とかなっ――」
グリーンハート
「クゥゥゥゥゥちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ファントムハート
「だゴぉッッ……!!」
ドゴォォォンッ!!
親友の強烈なタックルによって阻まれ、そのまま二人一緒に地面に激突した。
二人を中心に、大き目のクレーターが、道路に出来た。
ベール
「じんだがどおぼっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(訳:死んだかと思った)」
クリエ
「ちょちょっ!待ってベーちゃん!!そんな場合じゃないし、私そんな趣味ないから!!誰か助けて!!誰か……い…
ブラックハート
「…あの二人は放っておいて、さっさとプルルートの所に行きましょう。」
ホワイトハート
「そうだな、助けようとしたら巻き添え喰いそうだし、あの技の事をちゃんと伝えなかったクリエの完全な自業自得だしな。」
ブラックハート
「まあ文字通り、【触らぬ神に祟りなし】って事で。」
クリエ
「うまい事言ってないで助けてよおおおおおおおお!!!」
ベール
「ああこの匂い!この香り!正に至福ッッ!!今夜はクーちゃんつまみに紅茶を……」
クリエ
「いくら何でもハイになり過ぎ!!謝るから!黙った事謝るからやめてえええええええええ!!!」
道路に大きなクレーターを空け、尚且つそのままいちゃついてる(ベールが一方的に)二人をよそに三人はプルルートを吹っ飛ばした先にある森林跡に向かった。
その後、クリエもベールを吹っ飛ばして何とか貞操を守り、三人を追いかけるように森林跡に向かったが、その飛び方はふらついていた。
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