No.623597

ALO~聖魔の剣~ 第44剣 望みの時まで…

本郷 刃さん

第44剣です。
大会終了後、久しぶりのキリアスイチャラブ回・・・。

どうぞ・・・。

2013-09-29 10:06:22 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11403   閲覧ユーザー数:10676

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第44剣 望みの時まで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

お互いに伝説級武器(レジェンダリーウェポン)を装備したうえでの再戦という激闘、俺はその戦いを制することができた。

 

「あ~あ、負けちゃった~……今度こそ、勝てると思ったんだけどな~!」

「俺自身かなりひやひやしたぞ。今度ばかりは結構危なかった」

 

決闘が終わり、HPが回復したユウキが声を掛けてきたので俺もそれに返す。

彼女の表情に曇りや翳りと言ったものは一切無く、清々しい笑顔を浮かべている。

多分、俺も同じようなものだと思う。

 

「『統一デュエル・トーナメント』の決勝戦、こんな最高の舞台で再戦することが出来て嬉しかったよ。

 ありがとう……そして、優勝おめでとう、キリト」

「あぁ。ありがとう、ユウキ」

 

互いに健闘を称えあい、握手を交わす……すると。

 

―――わぁぁぁぁぁっ!!!

―――パチパチパチパチパチッ!!!

 

会場全体から盛大な歓声と拍手が巻き起こった。観客も俺達を称える声援を上げている。

俺とユウキはそれに応えるように手を振ったりし、最後に一礼した。

その時にもう1度、大きな拍手が巻き起こった。

 

第4回『統一デュエル・トーナメント』はこれで幕を下ろし、

ユウキは準チャンピオンの座に就き、俺は4代目統一チャンピオンの座に就いた。

これにより、俺とユウキの名はALOの枠を超えて、ザ・シード連結体(ネクサス)に鳴り響くこととなった。

 

そのあと、表彰式のようなものが行われ、俺とユウキ、

3位扱いとしてユージーンとサクヤが短く紹介されてから大会は正式に終了した。

ユウキから『聖剣エクスキャリバー』が返却され、受け取ったその直後、

仲間一同に引っ張られながら、俺とユウキは22層にある俺とアスナとユイの自宅に連れられた。

そこで毎度お馴染み、宴会が催されることになって…。

 

「それでは…キリトくんの優勝とユウキの準優勝、2人の大健闘を祝して、乾杯!」

「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」

 

アスナの音頭を取り、全員で唱和する。

俺は苦笑しながら、ユウキは少し照れくさそうにしてグラスを掲げる。

それからはいつも通り、多量の料理を食べながらの飲み食い状態だ。

勿論、談笑なども忘れない。

 

「それにしても、2人の勝負は凄かったな~!」

「ライトエフェクトとか衝撃波とかメチャクチャでしたけどね…」

 

ジュンとタルケンの言葉に各自で同意している。

純粋にあの戦いが凄かったと思う者、感動した者、あまりの激闘に呆れた者など様々。

それでもみながみな、良い戦いだったと言ってくれている。

 

「……だが、キリトを相手にあそこまでやれたのには本当に驚いた」

「だな。《二刀流》じゃなかったとはいえ、キリトは本気だったし」

「っていうか、俺達(神霆流)以外であそこまでやれたやつ、SAO以外では初めてみた」

 

ハジメとハクヤ、そしてシャインの言う通り、

俺とあそこまでの戦いを繰り広げることが出来たプレイヤーはSAO時代を除くとほぼいないと言える。

それこそ、SAO時代のヒースクリフこと茅場晶彦か、PoHのやつくらいだと思う。

 

「運だよ~。それに、エクスキャリバーも借りてたし…」

「運も実力の内、なんだけどね」

「それに武器は使い手を選ぶっすからね」

「使い手に実力とか思いの強さがないと、武器も答えちゃくれないからな」

 

ユウキは謙遜しながら言っているが、ヴァルとルナリオ、クーハの3人がさらに言葉を続けた。

確かに武器は使い手を選ぶというし、そこに思いが乗せられていなければ武器が応えることもない。

ゲームの世界とはいえ、魂が宿るものには宿るのだ。

 

「なんにせよ、その力は誇れるものだぞ」

「あ、あはは、ありがとう///」

 

屈指の武闘派である俺達の称賛の言葉にユウキは照れた様子を見せた。

実際、リアルではともかく、VRMMOで俺達と互角に渡り合えるのは今のところユウキだけだろう。

アスナとカノンさんでさえ、その間には壁があるのだから。

しかし、俺達が彼女を褒めていたからだろうか、女性陣が少々物足りなさそうに俺達を見ている。

やれやれ……そう思いつつ、俺は隣に座っているアスナの腰に手を回して抱き寄せてみたり。

大勢の前とは言うが、さすがにみんなも宴会ムードなので特に気付いた様子はないので、

アスナは紅くなるものの抵抗はしない。

 

「でもまさか、13連撃のOSSを使ってくるとは思わなかったよ…。12連撃のほうが最大だと思ってたのに…」

「あ、それはわたしも驚いたかな。いつの間に13連撃なんて思いついたの?」

「いや、端的なところ、13連撃の《スターダスト・クロス》は、

 12連撃の《スターサークル・レイン》から派生させたようなものだからな。

 レインが突き技なのに対し、クロスは斬り技だ」

 

ユウキが決闘(デュエル)の時に俺が13連撃を出して勝ったことが予想外だったようで、

アスナもクロスの存在を知らなかったので興味があるようなのでそれに返答したわけだ。

実際にOSSを作るのは非常に難しく、既存のソードスキルや体術などのスキル、

そしてOSS以外の動きをシステムアシスト無しで実行し、登録しなければならない。

しかし、みなそこに盲点があることに気付いていないのだ。

確かに既存のスキルを自身の技として登録することはできない。

けれど、既存の幾つかのソードスキルの動きの一部を組み合わせれば、それでもうOSSとして登録できるのだ。

まぁ、問題はそれをアシストなしで再現出来るかどうかというところなのだが…。

 

「つまり、モーションを変えるだけで、それはもうOSSとして認められるってことだよ。あとは本人の技量と閃き次第だな」

「「「「「なるほど…」」」」」

 

アスナとユウキ、リーファとシノン、クラインが納得したように頷く。

というか後者の3人、いつから聞いていた。

 

「はいはい、そこぉ! 折角の宴会なんだからスキルの談義なんかしてるんじゃない! 飲め、食え、騒げ!」

「あ、シャイン。もうすぐお菓子が焼けますよ~」

「ほらきたぁ、任せろ!」

 

俺達のところにシャインが会話に乱入してきたが、ティアさんに呼ばれてすぐにキッチンへと戻った。

忙しい奴だな~…。

 

「それもそっか…よし、ボクもなんか食べてこようっと!」

 

ユウキは立ち上がるとテーブルの上の食べ物を取りに行き、他の面々もそれに続いた。

俺は変わらずにソファに座りながらワインを飲み、アスナも傍らで微笑みながらみんなの様子を見ている。

 

「ふふっ、なんだか凄く幸せだなって、思えてくるね…」

「………あぁ、そうだな…」

 

幸せ、か……確かに、いまこの時は幸福な時間だ。

愛する女性と、大切な愛娘と、苦楽を共にしてきた仲間達と、心許せる友人達と、

宴になってはいるが温かい時間を過ごせているのだから。

だが時は移ろうもので、誰かを想う気持ち以外に永遠などというものはないだろう。

そう考えれば、やはり行動はすぐの方がいいかもしれないな…。

 

「キリトくん、どうかしたの?」

「いや、なんでもないよ…。ほら、俺達も食べとかないとみんなが完食するぞ」

「あ、ホントだ。行こ、キリトくん」

 

立ち上がった彼女が差し伸べた手を握り、俺も揃って料理を食べることにした…。

それから数時間、宴会はやはり夜まで続いた。

 

 

 

お開きとなった宴会、片付けを終えると自然に解散となり、各々がいつもの宿やギルドハウスなどに帰っていった。

ユイも大会での興奮や宴会ではしゃいだからなのか、先程ウトウトしていたところを部屋で寝かしつけたところである。

そして俺はというと、シャワーを浴びたあと、全裸でベッドの布団を身に掛けている状態だ……そこに…。

 

「キ、キリトくん…シャワー、浴びたよ…///」

 

寝室のドアが開いて頬を紅く染めたアスナが裸にバスタオルを巻いた姿で入室してきた。

何度経験しても初々しい反応を見せてくれる彼女がやはり愛おしいと思う。

笑みを浮かべたまま手招きをすると、恥ずかしがりながらも嬉しそうな表情でベッドに入ってくる。

 

「キリトくん、温かい…///」

「アスナもだよ…」

 

身を寄せ合い、アスナの肩を抱き寄せるとそう呟いてきたので、俺も同じ気持ちだと、言葉に乗せた。

そこから自然に唇を重ね合い、すぐに情事へと発展したのは言うまでもない…。

 

 

アスナに「寝かさない」とは言うものの、彼女に限界が来る前にいつも寝かせてしまうのは惚れた弱みなのだろう。

そんな愛しい人の髪を優しく梳いていると、彼女の瞳がゆっくりと開いた。

 

「悪い、起こしちゃったな…」

「ううん、大丈夫…/// なんだか、思い出すね……初めての時のこと…//////」

 

あぁ、とそれに思い至る。SAO時代、俺とアスナが初めて結ばれた日の夜もこんな感じだったな。

眠っているアスナの髪を梳いていると彼女が目を覚まして、俺は彼女に…。

 

「今もね、夢を見てたの…。あの時、キリトくんに、プロポーズされた時の…///」

 

これは偶然というべきなのか、必然というべきなのか…。

俺が思い描いていたことを実現させるには丁度良いお膳立てなのかもしれない。

 

「そうか……それならさ、アスナ…」

「なぁに///?」

 

体を起こして僅かに首を傾げる彼女の左手をそっと掴み、その薬指に1つのリングをはめた。

 

「俺と、結婚してくれないか?」

「あ…」

 

自身の薬指にはめられたリングと言葉の意味を理解したアスナはみるみるとその瞳に涙を溜めていく。

勿論、それが悲しみなどからくるものではないことは解りきっているので、さらに言葉を紡ぐ。

 

向こう(リアル)では俺はまだ17の学生だし、アスナも18とはいえ同じ学生だ。

 それに卒業したとしても、進学とかその先のことも見据えていかないといけない。

 だけど、やっぱり長い時間待つっていうのは難しいから……だから、せめて結婚できるようになったALOで、

 本当に結婚できるまでの間の繋がりにしたい…」

「っ、はい…うれ、しい…。わたし、また、キリトくんと…」

 

涙を流して言葉を途切れさせながらも、アスナは俺の想いを受け止めてくれた。

 

「キリトくん、もう1つの、指輪も…」

 

言葉の意味を汲み取り、もう1つを取り出し、アスナの手に渡す。

彼女は俺の左手を取り、薬指にはめてくれた。

それを見ながらお互いに微笑み合い、こんな空気には合わないかもしれないが、1つのウインドウを開く。

結婚申し込みのウインドウ、アスナは何も迷わずに、けれどゆっくりとOKボタンを押した。

 

「アスナ…」

「キリトくん…///」

 

そして、改めて唇を重ね、愛を誓った…。

 

キリトSide Out

 

 

 

和人Side

 

翌日、ALOの寝室で目を覚ました俺と彼女は身支度を整えるとログアウトした。勿論、学校があるからなのだが…。

ログアウト後、自室で起きた俺は手早く着替え、こちらでも身支度を整え、スグと朝食を取ることにした。

そしてその時、こちらも起きたのであろうユイが開口一番に「パパ、おめでとうございます!」と言ってきたので、

苦笑しながらありがとうと返しておいた。

それからすぐに明日奈の端末に移動したようで、向こうでも同じようになっているんだろうなと簡単に想像できた。

 

「おめでとうって、お祝いなら昨日も言ったよね?」

「まぁ、そうだけどな。改めて、ってことじゃないのか?」

 

スグが首を傾げながら言ったが、俺は適当に言葉を濁してみた。

どうやらそれで良かったようで、彼女も「そっか」と短く頷き、朝食にもどった。

 

 

朝食を終え、俺もスグも学校の準備を整え、スグは一足先に家を出た。

俺も明日奈との待ち合わせ時間に間に合うように家を出る。

さて、学校が終わった後のALOでみんなにどう報告するかな?

その時のアイツらの反応が楽しみだ。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

キリトとアスナを結婚させました・・・ALO内で、ですがねw

 

なんにせよめでたい、実にめでたい!

 

ちなみに次回はクーハとユウキの・・・(ニヤリ)

 

それではまた~・・・。

 

 

 

 

 


 
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