No.622727

恋姫無双 ~~紅と蒼の悪魔~~ 3-13話

morikyouさん

この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。
作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。

2013-09-26 10:31:19 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4741   閲覧ユーザー数:4169

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。

詳しくは1話を参照してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても兄様達、随分機嫌が悪かったようですね」

「んあ?」

 

さて、店陣営はというと流琉がダンテにむかってこう切り出していた。

店には二人しかいない。

他は皆町で食べ歩きでもしているようだ。

 

「いえ、あの時あそこまで言うなんて普段の兄様らしくなかったもので」

「…ああ、そのことか」

 

思い出したように頭をガシガシと掻きつつ

 

「…流琉は気づいただろ」

 

そう返した。

 

「…はい。なんとなくですが、言いたいことは」

「そう、それで良いのさ。けどな、あいつらはそれが分かってねえ。んでもってこっちがまるで人外みたいに言いやがるもんだからつい、な」

(まあ、たしかに普通ではないんだが…。)

 

内心を隠しつつそうダンテは言った。

 

「まあ、きっとあいつらにも戦乱を乗り切ったっていうプライド…、ああ自負みたいなもんもあるんだろうさ。それは間違いだとは思わねぇ。けどな、それだけじゃ駄目なんだよ」

「何でですか?」

 

流琉がそう聞くと、ダンテは

 

「海って知ってるか?」

「本で読みました。長江よりもずっと大きい湖みたいなものだって」

「実際は湖じゃないんだが…。まあいい。じゃあ、その海の向かうにこことは全く違う国があるっていうのは?」

「あるんですか!?」

 

流琉はびっくりしたように言った。

 

「この時代じゃそんなもんか…。まあ、あるんだ。でもな、流琉が知らなかったようにここのやつらのほぼ全員がそのことを知らないだろう。じゃあ、もしそこのやつらがここに攻めてきたらどうなる?」

「それは…。」

「相手も真正面から突っ込んでくるだけならこっちだって慣れてるからな、いい勝負になるかもしれんが。もし、何かの方法でずっと遠くから攻撃されたら?それこそ、真正面からでも、全く知らない攻撃をされたら?」

「…そんなこと」

「俺達のいたところにはな『ありえないなんてありえない』って言葉があってな。思考停止したらそこで負けなんだよって言われてた。だからさっき言ったことがないって思ってたらその時点でこっちには勝ち目はないんだよ」

 

そういうと、ダンテは座っていた椅子から立ち上がり流琉の頭をワシワシとなでる。

 

「あいつらも、もちろん流琉もまだまだ若いんだから。いくらだって成長できる。だからなそう思ったらちょっとな、柄にもない事したぜ」

「…ふふっ」

 

流琉はなでられた頭を抑えると

 

「兄様達だって若いのに随分と大人びたこと言うんですね!」

「おい、そこは流すところだろう!」

 

そういって二人は再び会場へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、二人が会場に戻るころには観客も大体が戻ってきた。

 

「では、舞台修復も終わったようですし、二回戦を再開します!」

 

そう地和がアナウンスし、スクリーンに抽選結果が出た。

 

「出ました!蜀より黄忠将軍!対するは華雄選手です!」

 

 

「あら、あんな話の後にあの子とはねえ」

「ふむ、先ほどは小蓮殿には申し訳ないがいまいち実力がつかめんかったからのう」

「おかーさん!がんばってね!」

「ええ、行ってくるわね」

 

 

「ふむ、紫苑殿か」

「…がんばって」

「華雄さん、頑張ってくださいね」

「ま、あんたならいけるでしょ」

「気合入れすぎて空回りすんなや!」

「おう、行ってくる!」

 

 

二人が舞台に姿を表すと観客は沸き立ったが武人たちは逆に沈黙し注目し始めた。

理由は、言わずもがなであるが。

 

「お手柔らかにお願いしますね」

「あいにくだが、それは無理というものだ」

 

今回の審判は祭だ。

 

「それでは、始めようかの。試合、開始!」

 

直後、華雄は自身の得物(のレプリカ)である金剛爆斧を紫苑に向けて振り下ろした。

しかし、そのことをあらかじめ予期していた紫苑は動じることなく、後ろへ冷静に後退し、距離を開けた。

 

 

 

 

 

「あら、追ってこないのね」

 

紫苑が指摘したように、華雄は振り切った得物をすばやく担ぎなおしたが、紫苑を追うことはなかった。

 

「お前の得物は弓だろう。相手に何もさせないというのは可哀想だからな」

 

予想外の返答に紫苑は一瞬呆然とし、直後

 

「…それは、挑発のつもり?」

 

と、わずかに怒りをにじませて再度問うた。しかし、華雄は

 

「そんなつもりではなかったんだがな。単純に一回戦の様子を思い出してただけだ」

 

と、こともなげに言った。言外に紫苑の技は自分には効かないといっているようなものである。

 

年のことを言われると怒るとはいえ、自分が年長者であることは自覚している紫苑。

それだけの経験と鍛錬を積んだといえるが、ここまで超然とした対応をした相手は初めてだった。

 

「…そう、ならお言葉に甘えようかしら、ね!」

 

怒りを隠そうともせず、しかしそれでいて完璧にコントロールされた動作で紫苑は一度に五本の矢を放った。しかも、経験により微妙に相手を誘導し、自ら矢に突っ込ませるという高等技術を織り交ぜている。

 

ところが、

 

「だから、それは見たというに」

 

そういって、華雄は得物をただ一振りした。

それだけで、軌道上にあった矢を全て切り飛ばしあまつさえ二本を跳ね返して見せた。

 

一瞬の攻防だったが、一般の観客は歓声をあげ、武将たちは戦慄していた。

 

 

 

 

 

 

「そりゃ、俺の弾をはじき返す反射神経あるんだから、矢は見切れるわな」

「…最近、俺の居合いを見てかわしてるしな」

「…華雄は強い」

「せやな、慢心が無くなって武を見直したっていうてたからな」

 

 

「…驚いたわね、まさか矢を跳ね返してくるなんて」

「そうか?鍛錬だともっと小さくて速いのが相手だから別に造作もないが」

 

紫苑の発言に華雄はそう答えた。

 

「なるほど、彼のね」

「ああ」

 

観客の一部を視線で指すと華雄が肯定した。

 

「さて、長引かせてもあれだし、そろそろ行くぞ?」

 

そういうと、華雄は武器を担いだ姿勢のまま紫苑に向けて走り出した。その速度は、ダッシュを使用している霞に近いものがあった。

 

 

「あいつに教えたのか?」

「…俺は何もしてないが」

「うちの動きを真似ているらしいで。手合わせ中に見せられてうちも驚いたわ」

「…あいつ、もしかしなくても」

「ああ、おそらくな」

「どうしたんや?二人して」

「おそらく、他の奴らも気づいたかもな。今まで、『飛将軍』や、『神速』に隠れていたが、あいつは…」

 

 

紫苑はその速度には驚いたものの、慌てることなく矢を放ち迎撃した。

しかし、華雄はそれを見てにやりと笑うと、金剛爆斧を間合いの少し手前で思い切り振り下ろし矢を切りつつ地面に叩きつけ、衝撃とともに砂埃を起こした。

 

砂塵で一瞬視界を奪われ、次に紫苑が見たとき眼前に華雄はいなかった。

そして、

 

 

「あいつは?」

「二人に負けないくらいの天才だ」

 

 

「これで終わりだ」

 

首に得物を突きつける華雄が、紫苑の後ろにいた。

 

「…参りましたわ」

 

武器をそっと地面に下ろして紫苑が言った。

 

「そこまで!この勝負、華雄殿の勝ちじゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 

どうも、作者のmorikyouです

今回はいかがだったでしょうか。

 

さて、今回は前回の話のダンテ側の心情と、華雄の戦闘でした。

まあ、この外史において三国の皆様は一部の方を除き、少し成長していないところがあるということです。

そして、やたらチート化しちゃった華雄ですが、史実を思うに彼女も絶対強いはずなんです。

欠点である武に対する驕りと、性格が矯正されたらこんな感じだと思うのですがいかがでしょうか。

 

恋、霞、華雄をタイプに分けると

恋:天才。体捌きなどをその才能と感覚で理解する前に実行できる。また、飲み込みも早く、自分なりに改良しつつ己のものにできる。以前は鍛錬をあまりしていなかったため、見よう見まねをするのにも限界があったりなど才能を持て余していたが、ダンテ達と鍛錬をするようになってからは、そのことも無くなった。

 

霞:秀才。始めから鍛錬で身に着けていくため、その才を持て余すことはない。速度及び、そこから生まれる手数だけなら恋をも超える。三人の中では一番物事を考えて戦闘を行える。ダンテ達と鍛錬を行うようになり、さらに速度に磨きがかかり、より重く鋭くなった。

 

華雄:天才かつ秀才。センスは二人を大きく超える。本人はそれに気づいていない。恋は勘でなんとなく気づいている。以前は原作どおり。この外史においては、当時響いていた二人の名に僅かに鬱屈していたことからあのようになったという設定。ダンテ達との鍛錬により、驕りや性格などを矯正できた。それにより、才能が開花しつつある。

 

といった感じです。華雄チートすぎるw

さて、次回は残りの試合を消化しつつ三回戦にいければいいなあ、なんて思ってます。

それでは、お楽しみに!

 

 

 

 

 

 


 
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