一刀と出会う数分前
車椅子に乗った少女『八神 はやて』は今日も図書館にきていた。
普通なら学校に行っているはずなのだが彼女の両足が不十分のため学校にはいけなかった。
また、彼女の両親は四年ほど前に他界し、今は一人で生活している。
生活費は親の遺産があり遠い親戚の人が管理してくれており、また、父の弟である叔父がときどき遊びにきてくれるためあまいさびしくない。
「え~と、たしかここにあったよう~な~」
お探しの本を探すはやて。
今探している本は昔、母が読ませてくれた思い出のある物であった。
「ん~と あっ、あった、あった」
探してた本を見つけ手を伸ばすが手が届かない。
「んん~ ん~ もうすこし」
必死に手を伸ばすがなかなか本に届かない。
立てれば届くのだが両足が動かないため無理である。
「・・・・んん~ とどかへ~ん。もうちょい・・・・・」
「関西人の底力でなめるなー!」と気合を入れつつ本に伸ばすが五センチほど足らず取れない。
本を取ろうと奮闘すると。
「これが取りたいの?」
「えっ」
横を振りむくとそこにはかわいらし少女が居た。
(うわ~ この子めちゃくちゃな美少女やな~。髪は長くてサラサラできれいで・・・・・なんか負けそ)
「あっはい。それです」
目的の本に指差す。
(でも変な子やな~。頭に人形乗せて…。それに背中に背負ってるのって・・・・・棺?)
内心あいての格好が気になるはやて。一方少女に間違えられていることに気づかない一刀は彼女の目当ての本を取ったとき、本の表紙の絵を見て驚いた。
(・・・・・!? この黄金の騎士の絵て、あの世界の絵本と似てる)
かつて、黄金の騎士と共に闇に潜む魔物たちを退治した世界にあった絵本。
その絵本の絵とこの本の表紙がそっくりであった。
しかし、この本は絵本ではなく分厚い小説でタイトルは『混沌の釜と金色の魂』なので、知っている物と違う。
(ここはいちよう外史だからなあ。似たようものがあっても不思議じゃないか)
「はいどうぞ」
「おおきに♪」
一刀ははやに本を渡す。
はやてはうれしそうに本を受け取った。
「他に取りたい本とかある? 変わりに取ってあげるよ」
「いいんですか?」
「いいんだ。こちらもいいもの見れたし」
「・・・はい?」
「いや、なんでもない」
少女が一生懸命本を取ろうとする姿はほほえましいと思った一刀。
すこし本音が出てしまった。
その一刀にはやては?マークを浮かべる。
《ねぇ、チャチャゼロ。もしかして一刀て幼女好き?》
《否、赤ン坊カラ墓場マデ範囲ガ広イゾ)
《マジで!》
《アァ、ソレニ本人ハ相手ノ好意ガ分カラナイ鈍感ダ。今マデ、ドレホドノ幼女ガ骨抜キサレテ泣カサレタコトカ》
《うわぁ、一刀鬼畜》
《・・・・お前ら後でバラす》ピキピキ
念波で会話する相棒たちあとでお仕置きしようと青すぎを立てる一刀であった。
気を取り直してはやてのほう見る。
「それでどの本を取りたいんだ?」
「それじゃ・・・・」
二人(+α)はその後、一緒に本を読んだり、お話したりと楽しい時間をすごした
ちなみに、お互いを紹介したとき一刀が男であることにはやてが驚いて叫んだのは用談である
「へぇ~ 一刀って世界中を旅してるんやなぁ~」
現在、本を借りて、図書館の帰りしに、はやてを家に送ろうと一刀は車椅子を押して商店街を通って歩いていた。また、自分の正体を教えるわけにはいかないため旅人という設定で話した。また、お互い堅苦しいのが嫌いなので呼び捨てにしている。
ちなみに、借りた本は車椅子の下に、チャチャゼロははやての膝の上に乗せられている。
「あー、結構いろんなところにいったさ」
(ほんとは外史や異世界なんだけどな)
「ふぇ~ すごいんだなぁ~ 私とあんま変わらない年なのに。さびしくないの?」
「まぁ、さびしいときもあるけど。俺にはこいつが居るし」
そう言ってチャチャゼロに目線をやる。
「へ~。お前もいいご主人をもったなぁ~」
はやてはチャチャゼロの頭を撫でる
一般人がいるのでしゃべれないが念波で
(オイ、俺ニ触レタラ火傷スルゼ)
ケケヶと笑って言ってるが内心喜んでいた。
「ところで一刀はこれからどうするの? また、旅に出るん?」
「いや、今回はある用事でここに着たんだ。当分はここに暮らすつもりさ」
「へぇー、あれ、でも住むとこどうすんの? 一刀は旅人なんやろ。家とか生活費とか大丈夫なん?」
「あぁ。それなんだけど。住むとこないから野宿でもしようかと」
(別荘を持っているからどこかの廃屋とかに住めばいいけど生活費がなぁ)
現在一刀の財布には全財産を合わせて十八万と二千五百三円しか無かった。
生活品は別荘にあるがいずれは無くなる。働こうにも十歳の子供を雇ってくれるところなど無かった。
それにまだ、闇の書の主と会ってはいない。
これからどうするか考えているとはやてが、
「じゃさぁ、うちに住む? 部屋なら空いてるし」
「えっ、いいの」
「うん。ええよ。それに一刀とおるとなんかこう・・・楽しいねん///」
頬を赤くし見惚れてしまいそうな笑顔で一緒に住むことを提案する。
どうや一刀と話しているうちにフラグが立ったようだ。
で、立たせた本人だというと、
(何で赤くなってるんだ)
まったく気づいていなかった。
《・・・・・鈍感すぎるでしょう;》
《コレガ御主人ナンダヨ真紅》
《でもこれひどくない。はやての顔見れば一目で分かるのに》
《ショウガネェンダ。今マデ、御主人ハモテタ事ヲ知ラネーカラ。ソノセイデマダ童貞ナンダヨ》
今、チャチャゼロが動けたらハンカチで涙を拭くしぐさをするだろう。
《へぇー ・・・・・・・・・なら蓮華にもチャンスあるわね》ボソ
《?》
相棒たちはなぞの会話をしてるあいだ一刀とはやては話を続けていた。
「だけど、あったばかの人と一緒に住んでいいのか? 親とか相談しなくて」
「あ~ それなら大丈夫。私、両親居ないし」
悲しそうな表情でうつ伏せになるはやて。
一刀は「やってしまった」と焦った。
「ごめん、はやて。余計なこと聞いて」
「大丈夫。もう慣れたことだし。で、どうなん。一緒に住むの?」
はやては上目使いで一刀を見る。
これと先ほどいやな記憶を思い出させたしまったからにはNОとはいえない一刀なのであった。
「・・・・・おねがいします」
「ん♪ よろしくな一刀☆」
一緒に住むことに喜ぶ。
先ほど暗い雰囲気を一瞬に変えてる少女を一刀は一匹の豆狸に見えたとか。
「それじゃ、今夜は一刀が住むことになったをいとして今夜はご馳走つくらあかんなぁ。一刀。近くのデパートで祝いの材料買うでぇ」
「了解。お嬢様」
一刀は車椅子を押して、二人ははしゃぎながらスーパーに向かった。他人が見たらどこか仲のいい兄妹に見える。
もっとも、車椅子にデッカイ白い棺はシュルーであるが…。
買い物を済ませた一行ははやての家についた。
時刻は午後6時を回っていた。
《それにしてもよく事が運ぶわねぇ》
《ん? いったいなにがだ?》
《あら、知らなかったの? はやてが闇の書の主だってこと》
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ》
《まじで知らなかったの; 教えたでしょう闇の書の主の特徴。気とか見ればわかるわ。とくに彼女を蝕んでいる呪いが》
《・・・・・・・・ほんとだ。なら、はやての足は・・・》
《えぇ、闇の書の呪いよ》
気の流れを見た結果、はやての体がなにかに蝕んでいた。
《それだけじゃ無い。町のまわりに微かに嫌な気配もする。それにすこし血の匂いも》
《で、これからどうするの一刀》
《とりあえずはやての家を中心に結界を張っておこう。闇の書が覚醒するまで周りの掃除でもしておくよ》
「どうしたんや一刀?」
「あっ、いや大きい家だなあって」
「?」
こうして、一刀たちははやての家にお邪魔することになった
それを遠くから見ていたものたちがいたことは後で知ることとなる
闇の書をねらう陰謀と野望と本能との戦いは目の前まで迫っていることに一刀たちは知る由は無かった
つづく
あとがき
一刀「作者ぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
ぎゃぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!
【鬼の顔になった一刀が作者をボコボコにしている】
真紅「ちょっ、何事!?」
チャチャゼロ「ン、アァ、アレカ。実ハ御主人ガ男ノ娘ニサレテシマッタカラ作者ヲ修正シテルンダ」
真紅「あ~あれか、でも一刀めちゃくちゃかわいいじゃん。私が食べてしまいちゃいわ」
一刀「よくないわ! オイッ、なんで俺を男の娘にした答えろ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
【へんじがない ただのしかばねのようだ】
チャチャゼロ「ヤリスギタナ」
一刀「チッ、何で俺が男の娘なんだよ」
真紅「いいじゃないかわいいし。現実を受け止めなさい」
チャチャゼロ「人生諦メガ肝心ダゼ御主人」
一刀「ちっくしょう; てめーらばかだ;」
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二話目を投稿します
それではどうぞ