No.622028

ふたつ

Hugeさん

ごらん。せかいはきっと美しい。

2013-09-23 19:52:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:307   閲覧ユーザー数:307

ある人は争いの無意味さを説いた。

 

ある人はこの争いは必然だと主張した。

 

言い争う2人には、どんな意味があるのだろう。

 

 

 

 

ある人は知らず知らず蟻を踏み殺した。

 

ある人は旅行中蚊に刺され、マラリアで死んだ。

 

どちらも罪には問われない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く別の場所で、非情の選択を迫られた二人がいた。

 

1人は選んだ。

 

1人は拒んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとりが正義を主張した。

 

もう一人も主張した。

 

相反する、2つの正義がそこに生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1つの事柄について、

 

信じる者にとって、信じない者は悪だった。

 

信じない者にとって、信じる者は悪だった。

 

 

知らない者は、どちらにとっても悪だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今を楽しむ人がいた。

 

将来を見据えた人がいた。

 

その代わりに苦しみ、その代わりに楽しんだ。

結局、どちらも同じだけの時間を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乞食を助けた人がいた。その人は乞食に殺された。

 

乞食を見捨てた人がいた。乞食はその人に殺された。

 

どちらも等しく被害者であり、加害者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある人が虫ケラのように人を殺した。彼にとって人も虫ケラも同じだった。

 

その後、彼は殺された。彼女には虫ケラの気持ちは分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義を掲げる人がいた。その人は、悪を拒絶した。

 

悪を掲げる人がいた。その人は、全てを受け入れた。

 

2人がいなくなったとき、同時に2つの概念が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色んな矛盾があり、

それはいつ我が身に降りかかるかも知れない。

 

僕は、苦しみながら決断すると思う。

辛いかも知れない、泣きたいかも知れない、

逃げたいかも知れない。

でもいつか、決断を下すと思う。

 

 

それはいつ友達の身に降りかかるかも知れない。

 

僕は友達ほど苦しくはない。

辛くもない、泣きたくもない。

逃げたければ、逃げられる。

 

僕はその友達の結末を、受け入れられるのだろうか。


 
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