No.620606

【恋姫二次創作】死神の毒 拠点 裏②

ようやく書けたが、短いし、駄作だし、オリキャラしか出てないし。
あと『boys, be "stand up"!!』が神曲すぎて、日本恐い。
でもこれは、18歳以上の大きいお友達にしかオススメできないよ!!

2013-09-18 17:39:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1036   閲覧ユーザー数:1000

 

装「友人たちは、どんどん先に逝ってしまいますねぇ。」

 

 

その夜、城壁の上に優男が居た。

 

 

装「堅ちゃんに騰ちゃん。どちらも逝ってしまいましたし、馬の方も寝たきりだと聞きます……。」

 

 

装は月を眺める。

 

 

その目は哀しみであり、絶望。

 

 

そして、うらやましがっているような目だった。

 

 

装「何故、僕だけなんでしょうかねぇ……。」

 

 

月は見事な満月。

 

 

雲は全くなく、星がより鮮明に見える。

 

 

装「死んでも死ねず、生きても生きれぬ。無限回廊。」

 

 

装は酒を少々口に含む。

 

 

酔っているのか、いないのか。

 

 

少々こけている頬はやや赤に染まっているが、いつもの酒を飲んだ雰囲気とはまるで違う。

 

 

装「僕がやっているのは八つ当たりもいいとこですねぇ。」

 

 

装は酒と大きく書かれている酒瓶を置き、目を閉じる。

 

 

全くの無音。

 

 

虫の声さえ聞こえず、風のそよぐ音さえ聞こえない。

 

 

装「ですが……先に騙したのはこの『物語』です。一つは絶望、二つは願望、三つは非望、四つは野望、そして五つは……どうなることやらねぇ。」

 

 

一つ、二つ、と指を折り数える。

 

 

五つ目で、ニヤリと笑う。

 

 

その顔は異常であり、正常である矛盾を孕んだ顔。

 

 

それこそ、本当の装の顔なのだろう。

 

 

それこそ、本当の装の心なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

装「覗き見……いや、覗き聞きですかねぇ。感心しませんねぇ。」

 

 

???「シシシッ、さすが装様だ。この最恐で最強な忍びを見つけるなんて。」

 

 

城壁の街側、つまり絶壁のところから、赤色で背の低いやんちゃそうな少女が、ヌッを顔を出す。

 

 

装「まさか、允恭が大陸に来るとは思いませんでしたねぇ。」

 

 

忍装束を着ている允恭と呼ばれた少女は「シシッ」と笑い、装の隣に座る。

 

 

允恭「あたいだって来るつもりは無かったさ。だけど、安康がうるさくてなぁ。」

 

 

装「……允恭は嘘が下手ですね。わざとだと思いますが。」

 

 

允恭「やっぱ、あたいは正直者だから嘘が苦手なんですわぁ。わざとですがね。」

 

 

允恭は装から酒瓶を引ったくり、口に当て飲もうとする。

 

 

允恭「ありり?空っぽじゃないっすかぁ。」

 

 

酒瓶の口を覗き込む允恭。

 

 

装「知っててやってるでしょう?やはり嘘が下手ですねぇ。」

 

 

允恭「シシッ少しはドキッとしろよぉ。間接チューってやつですぜぇ?」

 

 

装「僕は既に結婚済みですからねぇ。」

 

 

允恭「結婚した初日に、妻を島流しに……いや『物語流し』にしたのに結婚済みねぇ?今頃泣いてるぜ、きっと。」

 

 

装「どうでもいいですねぇ。この物語の流れよりもどうでもいいです。」

 

 

允恭「シシッ、全くだ。」

 

 

允恭は酒瓶を街側に放る。

 

 

装「呉を見てきたでしょう?どうでしたか?」

 

 

允恭「海産物や塩がたくさんあったなぁ。ま、あたい達のとこよりは質悪いっすけどねぇ。」

 

 

装「その呉ではありませんねぇ。」

 

 

允恭「あぁ、そっちの呉ね。今は袁術の下でヒーヒー言って働いてますぜ。」

 

 

允恭は、背中に重い物を背負って働く人の真似をする。

 

 

装「……そうですか。」

 

 

允恭「おやぁ、死んだ友人の娘たちが可哀そうなのかぁ?忘れんなよ、装様の味方はあたいたち、あたいたちの味方は装様だけだってことをよぉ。」

 

 

允恭は、光の無い狂気の混じった目で装を睨む。

 

 

允恭「忘れたのかぁ?あのガキの時をよぉ!!あいつは装様を騙したんだぜぇ?装様もさっき、非望っつたじゃねぇか!!あの時でその願いはまだ装様には、分不相応の大きな望みだったんだよ!!わかんねぇのか!?」

 

 

装「……」

 

 

允恭「シシッ、忘れたら困るぜ?あたいらの天辺が狂ってもらっちゃ困るぜ。いや、

 

もう狂ってっけど、壊れてもらっちゃ困る。そんなんじゃあ一生……いや、永遠に死ねないぜ?」

 

 

装「……」

 

 

允恭「シシシシシシシッ、だんまりかよ。まぁ、いいですぜ。あたいたちは装様に付いて逝くだけだ。装様が死ぬまで永遠になぁ!!」

 

 

装「わかってますよ。もとは違えど、あなたたちと僕は一つですからねぇ。狂っても壊れはしませんよ。」

 

 

允恭「分かってんじゃねぇか。だけど、もとは違うってのは違ぇですなぁ。あたいらは最初から狂って、終わって始まってんだ。」

 

 

装「狂って……ねぇ。それは貴女の姉のことですかねぇ。」

 

 

装が言うと、允恭は装の方をスッと向き、目をギョッと開き、すぐ傍まで顔を寄せる。

 

 

允恭「シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシ

シシシシシシシシシシッ、装様。あんた、何言ってんのか分かってんですかぁ?」

 

 

装「分かってますよ。

 

自分の『両親』を喰い、最愛の妹に殺された姉。

 

全く悲劇ですねぇ。

 

ほら、話は終わりです。

 

報告、ご苦労様でしたねぇ。

 

わかったら、さっさと仕事に戻れや。」

 

 

装が目を薄ら開き、允恭を見てそう言うと、允恭はビクッとして少し離れる。

 

 

允恭「シ、シシッ、了解しましたぁ。」

 

 

允恭はピョンと街側へ跳び、落ちていった。

 

 

装?「ったく、いったいどこで俺は道を間違えたんだろうなぁ。

 

まぁ管理者の糞共と会った時以外、あり得ないわなぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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