疾風が討たれる前
疾風(やりすぎたかな~)
疾風が一息つこうとすると
疾風(殺気!!)
疾風が殺気のする方をみると、すでに矢が放たれた後だった
疾風(しまった! このままじゃ…くそ!間に合え!)
バッ!
そして疾風は孫策にタックルした
孫策「きゃ!!」
疾風(よし!間に合った!)
ドス…
疾風「あぁ、かはっ!」
矢は疾風の胸に当たった
疾風(くそ…ただの矢…じゃないな…毒を塗ってやがる…犯人は…)
疾風は夜叉を右手で木の方に向け
疾風(…そこか!一刀流…いらずの剣!!)
夜叉の柄頭を左手で押し出し、夜叉を放った
犯人「ぐぁ!」
ドサ
放った夜叉は犯人の肩に命中し、犯人は木から落ちた
疾風「よ…し……」
そのまま疾風は気を失った
孫策「犬劉!!」
孫策は疾風を抱きかかえた
孫策「その者を引っ捕らえよ!絶対に逃がすな!!」
孫策の声と共に黄蓋、甘寧、周泰が犯人が倒れている場所に即座に移動した
しかし、犯人は自害した後だった
疾風「うっ!あ!…ハァ…ハァ」
孫策「犬劉!!医者はまだか!?」
周瑜「もうすぐ来るはずよ…」
孫権「犬劉、がんばって!」
孫策「絶対に死なせない…お礼だって言ってないのに…」
孫策は疾風のことを強く抱きしめた
あれから3日…
疾風「ん…ここは」
疾風が目を覚ますと寝台に寝ていた
疾風「生きているのか……にしてもだらしないよな、毒矢で死にそうになるなんて…」
??「そんな…こと…ないよ…」
疾風「のわぁ!!」
疾風が声がした方を見ると孫策が寝ていた
疾風「なんだビックリしたなぁ~」
孫策「すーすー」
疾風「看病してくれたのか…」
そう思っていると、ドアが開いた
孫権「あ…」
疾風「あ、孫権!おはよう」
孫権「疾風っ!!」
孫権は疾風に駆け寄った
疾風「ど、どうした?つうか今、俺の名を…」
孫権「よかった!!」
疾風「ちょっ///」
孫権は疾風に抱きついた
孫策「ん~むにゃむにゃ…ん」
二人の騒ぎで孫策が目を覚ました
孫策「は…や…て?」
疾風「起きたか?」
孫策「疾風ーー!!」
疾風「孫策さんもかーー!」
孫権に続き孫策も抱きついた
疾風「ちょ!?二人とも///」
疾風は二人を引き離した
孫策「も~疾風ったら照れちゃって」
疾風「っ///そ、そんなことより俺は…」
孫権「三日も寝込んでいたのだ」
疾風「そうか…毒矢を受けたんだよな…」
孫策「医者が言ってたわ…この状況で助かるなんて奇跡だって」
疾風「あははは、俺運がいいな」
孫策「笑い事じゃないわよ。なんで助けたの?」
疾風「え?」
孫策「だって、死ぬかもしれなかったんだよ?私が呉の王だから?」
疾風「違うよ…」
孫策「えっ…」
疾風「誰だろうと関係無い…王だろうが子供だろうが俺は助ける」
孫策「…それが死に繋がるとしても?」
疾風「死に繋がろうがなんだろうが関係ないね」
孫策「そう…」
疾風「孫策さんは…」
孫策「雪蓮でいいわ」
疾風「え?それは孫策さんの真名じゃ…」
雪蓮「いいわよ。雪蓮って呼んで」
疾風「…じゃあ雪蓮」
雪蓮「なに♪」
雪蓮は嬉しそうに答えた
疾風「雪蓮は大丈夫なのか?」
雪蓮「疾風が守ってくれたから平気よ」
疾風「でも俺、結構強い力でぶつかったぞ?」
雪蓮「あれはさすがに痛かったけど、あなたが受けた痛みに比べたら転んだ程度よ」
疾風「そうか…あ!」
疾風は孫権の方に向いた
疾風「そうゆえば孫権…」
孫権「私のことは真名で呼んでくれないの…?」
孫権は拗ねたように言った
疾風「へ?」
孫権「姉様は真名で呼んでいるのに…」
疾風「いいの?」
孫権「…コク…///」
孫権は俯きながら頷いた
疾風「じゃあ蓮華、俺の夜叉ってどうなった?」
蓮華「夜叉?」
疾風「俺が使っていた武器だよ」
蓮華「それなら大切に保管してあるわよ」
疾風「そうか、なら取りに行かないとな…」
疾風は夜叉を取りに行くため、立ち上がろうとした時
疾風「うっ!」
疾風の胸に激痛が走った
雪蓮「だめよ!あと三日は安静にしてなきゃ」
疾風「で、でも…」
雪蓮「い・い・わ・ね・?」
疾風「…はい」
雪蓮の怖い笑顔に疾風は返事しかできなかった
それからの三日間、疾風の元には周瑜、孫尚香、黄蓋、陸遜、甘寧、周泰が見舞いに来てくれた
みんなも前の事件で疾風のことを気に入り真名を教えてくれた
疾風は思春が真名を教えてくれた時は驚きを隠せなかった
療養中のある日、疾風は雪蓮に呼び出され、そこに行くとみんなもいた
疾風「どうしたんだ?みんなそろって?」
雪蓮「今日はね大事な話があるの」
疾風「大事な話?」
雪蓮「疾風、私たちと一緒に呉を守ってくれない?」
疾風「え?」
雪蓮「さっきみんなで話合ったの。誰も異論は無いわ」
疾風「で、でも俺は…」
雪蓮「答えはすぐじゃなくていいの。怪我が治った時に聞かせて」
疾風「…わかった」
疾風は冷静だった、それはもう答えが決まっているからかもしれない…
疾風が呉に来て六日目の夜
疾風「これでよしっと…そろそろ行くか」
疾風は書いていた手紙を折りたたみ、机の上に置いた
その手紙には『みんなへ』と書いてあった
疾風「本当はこんな別れ方じゃいけないんだろうけど、真っ正面に別れるとお互い辛いからな…それに、また会えるだろ」
疾風はそうゆと窓を開けた
疾風「いい風だ。じゃあなみんな…」
疾風は窓から飛び出すと闇の中へ消えた
翌朝…
雪蓮「はーやーて♪」
雪蓮はドアを開けると疾風を探した
雪蓮「あれ?いないなぁ~部屋出たのかな?あ!窓空いてる」
雪蓮は開けっ放しの窓を閉めにいった
雪蓮「だらしないなぁ~」
窓を閉めると、机の上にある手紙に気づいた
雪蓮「なにこれ?」
雪蓮は手紙を広げると読んでいった。読み終わると雪蓮は笑顔がなくなっていた
雪蓮「そ…んな」
雪蓮は急いでみんなを集めた
蓮華「どうしたんですか姉様?」
雪蓮「みんないるわね…」
雪蓮は全員いるのを確認すると、手紙を取り出した
蓮華「なんですか?その手紙」
雪蓮「疾風からよ…今から読むから静かに聞いて…」
蓮華「は、はい…」
雪蓮は手紙を読み始めた。その手紙の内容は…
『みんなへ
たぶんみんながこれを読んでいる時はもう俺は呉を去っているだろう。ごめんな、せっかく仲間に誘ってくれたのに。あの時は本当に嬉しかったよ、みんなに認められた気がして…
雪蓮、冥琳に余り迷惑かけるなよ。蓮華、真面目なのはいいが、たまには生き抜きしろよ。冥琳、雪蓮に困らされるが多いかもしれないけどがんばれよ。祭さん、お酒飲み過ぎるなよ。シャオ、お転婆もほどほどにな。穏、本もいいけど運動もな。思春、蓮華をしっかり支えていけよ。明命、猫好きなのもいいが、気を取られないようにしろよ。
じゃあなみんな。 犬劉疾風』
それを聞くと
祭「あやつはいってしまったのか…」
小蓮「せっかく仲良くなれたのに…」
明命「ざんねんです…」
穏「寂しくなりますね~」
思春「は!そういえば奴の武器は…」
雪蓮「無くなってたわ…」
蓮華「…」
雪蓮「もぅ、みんなそんな顔しないの!」
冥琳「雪蓮…」
雪蓮「もう会えないなんて決まったわけじゃないんだから!」
雪蓮はそう言うと空を見た
雪蓮(そう、疾風…絶対に見つけ出してやるんだから!)
雪蓮は心にそう誓い、他のみんなも同じ気持ちだった
Tweet |
|
|
38
|
4
|
追加するフォルダを選択
呉編完結しました
次からは
董卓編です
これはある程度まとまったら掲載しま
す
続きを表示