No.619052

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2013-09-13 14:05:57 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:749   閲覧ユーザー数:727

 

 

episode211 最後の戦い

 

 

 

 それから四時間経過し、ネェル・アーガマは太平洋の赤道付近へと到着する。

 

 既に各国より長距離ミサイルによる攻撃がされていたが、バインドには全く通じていない。

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 アーロンはパイロットスーツに着替えると、ヘルメットを手にする。

 

 

「アーロン」

 

「・・・?」

 

 と、後ろより声を掛けられて後ろに振り返ると、不安げな表情を浮かべる束が入り口に立っていた。

 

「・・・いよいよ、だね」

 

 少し不安げな声で口を開く。

 

「あぁ」

 

「・・・・」

 

 

「そう不安な表情を浮かべるな。俺は必ず帰ってくる。いつもの様にな」

 

「で、でも、今回はそう簡単に戻れるかどうか・・・分からないんだよ」

 

「・・・・」

 

 今までに無い激戦が行われようとしている。束が不安がるのも無理はない。

 

「もし、アーロンの身に何かあったらと思っただけで、私は―――――」

 

 

 

 と、束が言い終える前に、アーロンは束を抱き締める

 

「俺が大丈夫だと言っているんだ。信じろ」

 

「・・・・」

 

 束は涙を堪えながら、アーロンを見上げる。

 

「じゃぁ・・・その証を・・・見せてよ」

 

 と、束は唇を少し突き出す。

 

「・・・・」

 

 アーロンは少し戸惑うも、顔を近づけて束と唇を合わせる。

 

 

 

 少ししてから二人は唇を話してお互いの顔を見る。

 

「こんなの、滅多にするもんじゃないと思うが?」

 

「いいんじゃない?いずれする回数は多くなることだし?」

 

「・・・・」

 

「はぁ」とため息を付きながら、アーロンは束から離れてヘルメットを被る。

 

「必ず戻る。お前との約束があるからな」

 

「うん♪」

 

 そうしてヘルメットのバイザーを下ろしてその場を後にする。

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

「・・・・」

 

 隼人はネェル・アーガマの中央甲板に立ち、遠くに見えるバインドの大群を見ながら、右手に持っている物を見る。

 

「・・・鈴」

 

 それは黄色いリボンであり、鈴がいつもツインテールにする際に使っていた物だ。

 

(鈴。俺たちを見守ってくれ)

 

 隼人はリボンを左手首に巻きつけて結びつけると、バンシィ・ノルンに変身する。

 

 

「しかし、見れば見るほど・・・キリがないな」

 

 隼人は遠くからでも見えるニューロとレギナの大群に鼻を鳴らす。

 

(戦力差はざっと100万対1。呆れ返るほどの差だな)

 

(頭が痛くなりそうな数字だ。どこぞの物量に物を言わせた戦法を使う地球外生命体じゃないんだぞ)

 

 左手で頭を掻く様に動かす。

 

(・・・だが、中に見覚えのある機体が混じっているな)

 

 黒い塊をカメラを何十倍にもズームして見ると、レギナの他に、ナンバーズの無人機である龍型と人型が混じっている。

 

(どうやら亡国機業はバインドと手を組んだようだな)

 

(・・・どこまでも腐った連中だ)

 

 隼人は船体の下にある大型のユニットを見る。

 

(しかし、お前がここまで強力な兵器を積むに積み込んだ兵器を投入するとは)

 

(今回でやつらとの因縁を断ち切りたいからな)

 

(・・・・)

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 その頃中央格納庫でフルアーマー7号機に強化外装ユニットが装着される中、簪は深く悩んでいた。

 

(後悔する前に・・・言わなきゃ)

 

 悩みに悩んだ末、簪は決意を固める。

 

 

(隼人)

 

(簪?)

 

 プライベートチャンネルで簪は隼人に通信を入れる。

 

(どうしたんだ?)

 

(そ、その・・・この間の事・・・なんだけど)

 

(・・・・)

 

(・・・私・・・隼人の事が・・・・・・)

 

 しかし、その先の言葉が続かない。

 続けようにもくぐもった声しか出せない。

 

(私は・・・私は・・・)

 

 

 

 

(・・・言いづらいなら、後でも自分の気持ちを言っても良いんだぞ)

 

(で、でも、もし隼人の身に何かあって、何も言えずになったら・・・)

 

(・・・・)

 

(後悔したくないの!よくは分からないけど、なぜか隼人がどこかに行ってしまいそうな気がして)

 

(・・・・)

 

(だから・・・だから!!)

 

 

(いいんだ。それだけでも、気持ちは十分伝わるよ)

 

(・・・・)

 

(思い通りにならないまま戦闘に出ると、何かしらの支障をきたす恐れがある。十分に心の準備が整った時に言ってくれ)

 

(隼人・・・)

 

(俺は何所へも行きはしない。絶対と約束は出来ないが・・・それでも約束する)

 

(・・・・)

 

(俺も君に話したい事があるからな)

 

(・・・・)

 

 そうして通信が切れる。

 

 

 

(は、は、は、話したい事!?)

 

 全身装甲な為に表情は見えないが、簪は顔を真っ赤にして慌てふためく。

 

(そ、そ、そ、それって・・・)

 

 ある程度予測は付くも、その先は考えなかった。

 

(い、いや、今は考えないほうがいい。次の戦闘は僅かなミスが命取りになりかねない)

 

 簪は何とか気持ちを落ち着かせる。

 

 

 

 

(それで、お前は本当に彼女の気持ちを理解しているのか)

 

 ノルンは通信後に聞いてくる。

 

(盗み聞きかよ。って、お前からだと筒抜けか)

 

 ノルンは隼人と一体化している為に、思考はおろか、プライベートチャンネル時の通信も筒抜けになる。

 

(・・・で、どうなのだ?ただ自分の迷いを生じさせたくないだけに言っただけなのか?)

 

(まさか。言った通りのままだ)

 

(・・・・)

 

(・・・だが、今はまだ答えを聞くべきじゃない)

 

(聞く勇気が無いとでも言いたいのか)

 

(そうじゃない。・・・ただ・・・その・・・)

 

(・・・・)

 

(・・・逆に、俺が聞いてしまうと、余計に重荷を背負うかもしれない)

 

 隼人は顔を俯く。

 

(・・・ふん)

 

 ノルンは鼻で笑う。

 

(な、何だよ?)

 

(女の告白ぐらいで、気持ちが落ち着かないなど、極度のウブだな)

 

(うぐっ・・・)

 

(しかも後で話したい事がある?そんな状態でよくそんな台詞が言えたものだな)

 

(・・・・)

 

(本当に彼女の気持ちを理解しているのか。何かがあってからじゃ、遅いんだぞ)

 

(・・・・)

 

(・・・まぁ、どうなろうが私には関係ないがな)

 

(・・・・)

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

『まもなく、作戦開始時間です』

 

「分かった」

 

 ネェル・アーガマの前にダークハウンドを纏って浮かぶアーロンは顔を上げてバインドの大群を睨む。

 

「各員に告ぐ。これより、バインドの最終兵器・・・ニューロの攻略を開始する」

 

 オープンチャンネルでメンバー全員に通達する。

 

「この戦いはドイツ本土攻略戦はおろか、今までの戦いなど比べ物にならないほどの激戦が繰り広げられるだろう。当然無事に帰られるという保障もない」

 

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

『・・・・』

『・・・・』

 

 隼人はネェル・アーガマの船体下部に固定されているユニットとバンシィ・ノルンと接続させる。

 その両側にリインフォースとツヴァイもブラックウイングとホワイトウイングに変身して待機し、ユニコーンとバンシィも戦闘形態で待機している。

 

「我々の戦力は多いとも言えない。それに対して相手は我々の何万倍以上の戦力を持っている」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 右側格納庫で白式からデスティニーを展開して待機している一夏と更に重武装化した『AGE-1フルウェポングランサ』を纏う輝春は息を呑む。

 

「戦力差は圧倒的に我々の方が不利だ。勝てると言う保障はおろか、勝算等皆無に等しい」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 右カタパルト上で同型の強化外装ユニット二機の前でインフィニットジャスティスを纏って立っている箒とストライクフリーダムを纏うセシリアも息を呑む。

 

「だが、それでも我々は退く訳には行かない。それがどれだけ無謀な事だとしてもだ」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 中央カタパルト上に置かれている強化外装ユニットの前でサバーニャを纏うエリーナと1、5ガンダムを纏うティアも息を呑む。

 

「勝てるかどうかも分からない、無謀な挑戦だと分かっても、やらねばならない事はある」

 

「・・・・」

「・・・・」

「やらねばならない事、か」

「・・・・」

 

 中央格納庫内で待機している簪と楯無、ラウラ、シャルロットも聞く。

 

「我々の後ろには、勝利を信じて、祈っている人々が居る。その人々を守る為に、我々は戦うのだ」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 左側格納庫でAGE-FXを纏う颯とジェスタ・キャノンを纏うシノンと、戦闘機人達は身構える。

 

「この世界の未来の為に・・・人々の明日への希望の為に、バインドとの最終決戦を開始する!」

 

「・・・ふっ」

「盛り上がってきたわね」

 

 後部格納庫でプロヴィデンスを纏うマドカとシャーリーは気持ちを引き締める。

 

 

「これより、作戦を開始する。オペレーション・・・・・・『ファイナルウォーズ』!!」

 

 

 

 

「行くぞ!」

 

『はい!』

『はいです!』

「うん!」

「了解!」

 

 隼人は強化外装ユニット『オーキス』を固定するアームを外し、大型ブースターを噴射して飛び出すと、リインフォースとツヴァイも羽ばたいて飛び出し、それに続いてユニコーンとバンシィもスラスターを噴射して飛び出す。

 

 

「「ミーティア・・・リフトオフ!!」」

 

 箒とセシリアは浮かび上がると強化外装ユニット『ミーティア』が浮かび上がって中央パーツが展開して折り畳まれ、その中に二人が入って両手にユニットから出た取っ手を手にしてミーティアとドッキングする。

 

「篠ノ之箒!インフィニットジャスティス・・・出る!!」

「セシリア・オルコット!ストライクフリーダム・・・参りますわ!!」

 

 ミーティアとドッキングした二人はブースターを起動させて勢いよく飛び出す。

 

 

「GNアーマーTYPE-D・・・テイクオフ!」

 

 エリーナが浮かび上がると、後ろにある強化外装ユニット『GNアーマーTYPE-D』も浮かび上がって展開し、その中に入ってドッキングする。

 

「エリーナ・ハルトマン!ガンダムサバーニャ・・・行くで!!」

「1、5ガンダム!ティア・ゼルノグラード・・・行きます!!」

 

 GNアーマーTYPE-Dのブースターを噴射し、1、5ガンダムのバインダーを展開して勢いよく飛び出す。

 

 

「・・・『重装フルアーマーガンダム7号機』・・・更識簪。行きます!」

 

 中央格納庫のハッチが開くと、中よりこれでもかと重武装に身を固めたフルアーマーガンダム7号機が出てきて、ブースターを噴射して勢いよく飛び出す。

 

「更識楯無。フォビドゥン・アクア・・・発進!!」

「シャルロット・D・神風!ヘビーアームズC・・・行きます!!」

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!セラヴィー・・・出るぞ!!」

 

 それに続いて楯無のフォビドゥン・アクアとシャルロットのヘビーアームズC、ラウラのセラヴィーGNHW/Bが格納庫より飛び出す。

 

 

「織斑一夏!デスティニー・・・行きます!!」

 

 右側格納庫の隔壁が開くと、一夏のデスティニーが勢いよくカタパルトより飛び出し、背中の赤い翼を展開し、光の翼を出して飛び出す。

 

「織斑輝春!AGE-1フルウェポングランサ・・・出るぞ!!」

 

 次に両肩にミサイルコンテナを搭載し、両手にビームライフルを持って両脚の増加アーマー側部にミサイルポッドを搭載したAGE-1が飛び出す。

 

 

「神風颯!AGE-FX・・・行きます!」

「・・・しの・・・いや、神風シノン。ジェスタ・キャノン・・・出る!」

 

 左側格納庫の隔壁が開き、AGE-FXとジェスタ・キャノンが飛び出す。

 

 直後にリアスとノーヴェ、ウェンディ、ノインのアストレイシリーズも飛び出す。

 

 

(これが本当に最後の戦いになりそうだな。私自身としては・・・)

 

 そう考えながらも、プロヴィデンスを纏ったマドカは後部格納庫より発進し、その後をシャーリーのハルートも飛行形態で飛び出す。

 その後に続いてハルファスとフェニックスも出撃する。

 

 

「シュヴァレツェ・ハーゼ!ネェル・アーガマの護衛に発進する!!」

 

 左側格納庫よりジンクスⅣを纏ったシュヴァレツェ・ハーゼが発進し、ネェル・アーガマの周囲に配置する。

 

 

「クアッド・ファランクス・・・展開!!」

 

 ネェル・アーガマ左舷にグリーンフレームを纏った山田先生は機体に無数のガトリングや機関砲を持った『クアッド・ファランクス』を展開して身構える。

 

 

「・・・・」

 

 右側格納庫で、フリーダムを纏った千冬がカタパルトの発射台に足を置く。

 

(父さん。私達を見守ってくれ・・・)

 

 気持ちを切り替えると、フリーダムの黄色いツインアイが発光する。

 

「織斑千冬。フリーダム・・・出る!!」

 

 勢いよく発射台が走り、フリーダムがカタパルトから飛び出すと装甲に色が付き、背中のウイングを展開して一気に飛び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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