諸君、君等は転生というものを信じているかね?
俺は信じているよ、何故なら――。
「樹ぃ。早く教室行こうぜ、今日朝一で英語の小テストあっただろ?」
「ゲッ、忘れてた……全く勉強してねぇや。お前は自信あるか?拓海」
「さぁな……やってみなきゃわかんねぇ」
今現在進行形で体験しているからね。
そもそも神様に会って話しすらしてんのに信じないワケにゃイカンよ君。
……でも、一個だけ神様に物申したい。
確かに、神様に「リリカルな世界と恋姫な世界、FATEな世界のドレに逝きたい?」と聞かれて「ドレも嫌です」って答えたよ?
もう何の超能力とかない普通の世界に行きたいって答えたのは俺だよ?
生きるか死ぬかなんて体験したくないって答えたしな。
それに大層不満げな顔してた神様の顔も覚えてるし、そんな神様にドヤァな顔したのも俺だ。
――でも、だからって。
「……あっ、そうだ樹」
「うん?何だよ?」
何で転生先の世界が――。
「実は俺、今まで使ってたコンポが壊れちゃってさ……悪いんだけど、隣町のアウトレットの店までお前の『ハチゴー』に乗せてくんねぇか?」
「ん……別に良いぜ。俺もハチゴーの中古タイヤ見たかったし」
「サンキュー」
頭文字Dの世界やねん。
あっ、自己紹介が遅れました。
俺、『武内樹』っていいます。愛車は『AE85』です。
――何故か加速していく俺の日常。
「ハチロクは良いぞお前等。峠に興味あるなら、今夜俺のS13に乗っけてやろうか?」
「あっ、良いですよ池谷先輩。俺怖いのはちょっと……」
「レギュラーでも飲んでみるか樹!!心配すんな俺の奢りだからよぉ!!」
「ちょ!?勘弁して下さガボガボガボ!?」
例年とは違う雰囲気の秋名山。
迷い込む哀れな俺達。
「「ギャーーー―ッ!!?」」
「何だよ二人共、そんなに怖いのか?まぁ誰だって走り屋の車に乗ったら、初めは怖いだろうけど……」
「ちょー怖いッス!!いやーーーッ!!?(ヤバイ、原作で知ってたけど、拓海の怖がる気持ちわかるかも……他人に命握られるのって果てしなく怖えぇ!!)」
「お、おわぁああああッ!?(池谷先輩の運転下手過ぎる!?と、止めてくれぇええ!!)」
そして現れる侵略者達。
「俺達は赤城REDSUNSのモンだけど――ぶしつけで悪いが、この峠で最速のチーム、若しくは走り屋って誰か教えてくれないか?」
「俺達は秋名SPEEDSTARSっていうチームやってけど、ここらじゃ最速だと思ってる」
「ハァハァ(え!?あれで!?)」
「おえっぷ……出ちゃう(あー、帰って家でゴロゴロしたい……あっ、そういえば今日の番組録画忘れた!?)」
加速する夏の夜。
秋名に颯爽と現れた『謎のハチロク』
まぁ正体が分かってる俺としてはどーでも良いけど。
「なぁ拓海。俺が車買ったらさ、ドラテク教えてくれよ」
「別に良いけど、珍しいな……お前、車とか興味あったのは知ってるけど、速く走るとかに興味あったのか?」
「んー、まぁ興味が0ってワケじゃ無かったけどよ……お前と一緒に走ってみたいって気持ちはあったんだ」
「ふーん」
「でも、拓海がとんでもなく速いダウンヒルのスペシャリストって知ってさ。何時か、お前と肩並べて走れるぐらいにはなりたいなーって」
「……そうか」
そして始めた自分の車探し。
最初は別にハチゴーを探してたワケじゃ無かったんだけど……。
「父さんの弟が乗ってた車があってな。それを手放すそうだが、お前ならタダで良いって言ってたぞ?」
「おk、この際マニュアル車ならそれで良いぜ(それなら貯金してた20万で、何かパーツ買えるだろうし)」
親父が引っ張ってきた車がハチゴーでしたとさ☆
そんで原作通りにウザったい奴等に絡まれて拓海がブチ切れたんだけど……あれはマジでやばかった。
池谷先輩のS13の時より遥かにヤバイスピードでコーナー突っ込んでんのに、自分の思い通りに操る拓海。
最初こそビビって目を開けらんなかったけど……痺れた。
あいつらに遅いどころか走れない車、史上最悪だって馬鹿にされた俺のハチゴー。
そのハチゴーの秘めたポテンシャルの限界を引き出した神懸かりなドライブ。
正直、俺だってハチゴー馬鹿にされて頭にこなかったなんて言ったら嘘になる。
幾ら自分の本意で買った車じゃないにしろ、自分の初めての車貶されてどーでもいいなんて思えなかった。
……まさか悔しさで泣いちまうとは思ってなかったけど。
そんな嫌味な連中を、自分の腕でハチゴーを操ってブチ抜いた拓海のドラテク。
正直な話し、俺はアレで火が点いた。
そん時に、今更ながら原作の樹が言ってた事に大賛成したよ。
「誰かに笑われたって、ちっとも気になんねーや……やっぱサイコーだよ!!俺の『ハチゴー』!!」
そっから、俺は本当の意味でこの世界で本気になった。
来る日も来る日も、練習に練習を重ねて、少しづつだが腕を上げ始めた。
偶に拓海に横に乗ってもらって、感覚的でも教えてもらう日々。
んで、バイト休みの日に一緒に買物行ったり、充実した日々を送って……。
「ちょっと!!聞いてるのアンタ!!」
「……人が考え事してる時ぐらい静かにしててくんねぇかバニングス?っていうか何の用だよ?」
「だ、だからその……こ、今度の日曜日、アタシとすずかとなのはで買い物行くから、アンタ付き合いなさいよ。藤原も、さ」
「パス1」
「パス2」
「何でよ!!良・い・か・ら付き合いなさい!!それに武内は拒否権無いわよ!!」
「おかしくね!?っていうか拓海は何で良いんだよ!?」
「俺…………そ、その日は、茂木と約束してっから……お前だって、この間女の子乗っけてたんだし、バニングス達も乗せてやれば良いじゃん?」
「いや、この間の子は財布無くしてバス乗れないって泣いてたから仕方無く……ってちょい待て?何でお前その事知ってんの?」
「ふ~~ん?そーなの……アンタは他の子をハチゴーに乗っけておいて、私は乗せられないと?ふぅ~~ん?」
「おい待てバニングスその広辞苑は何だ?なんで俺に向かって振りかぶってんの?っていうかさ……」
「……なによ?」
「何でお前居んの?(おかしい。ココってリリカルな世界じゃ無いよね?)」
「ッ!?……ぐすっ」
「ちょ!?な、泣く事無いだろ何も!?」
「ぐずっ……う、うるさいわよ、馬鹿ぁ……ひっぐ」
「わ、分かった!!ちゃんと俺も一緒にハチゴーで行くからさ!?泣き止んでくれって頼むから!?」
酸いも甘いも最後の高校3年の夏。
何故か他の世界に居る筈の面子も巻き込んで起こる、俺の高校生活。
「(プシュンッ!!)……くぅ~~!!やっぱターボは良いよなぁ拓海!!俺のハチゴーがメチャ速くなっちまったよ!!」
「うん……樹も、大分上手くなったな……ドリフトできる様になるまで、俺より早かったじゃん」
「ほんの少しだけだよ。まだREDSUNSの二軍よりマシってだけだし……もっともっと腕磨いて、何時か拓海と一緒に走れる様になるんだ」
「そうか……でも、俺もドンドン上手くなってくから、頑張れよ?」
「うっ、ま、まぁ頑張るさ」
そこから何故か始まった、俺の走り屋としての活動。
何時の間にか秋名SPEEDSTARSに名を連ねて、各地の走り屋達とバトルを重ねていく。
あれ?何か普通の世界で普通じゃない事してる?
まぁ楽しいから何でも良いか。
頭文字D、俺がスピードスターズの武内樹です。
タイトル通り、一発ネタですwww
後書き
こんなの需要あるのか?
っていうか何故俺はこんなネタに走った?
ジブンガワカラナイ……。
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スランプが長く続いてる間の稼ぎ。