プロローグ~消えた貴方~
何も出来なかった・・・。
一刀「さよなら、誇り高き王・・。」
何も守れなかった・・・
一刀「さよなら、寂しがり屋の女の子・・。」
私は無力だった・・・。
一刀「さよなら、愛していたよ・・・華琳・・。」
私の前から消えてしまう・・。
華琳「・・・・一刀!!」
私は初めて涙と言うものを流した。
第一話~終わり、そして始まりへ~
「一刀!!!」
・・またあの夢だ・・。
私が初めて涙を流したあの日、その日から笑顔が魏領から消えてしまった。
私が一刀が消えたことを話したのは、三国平定をした次の日の朝のことだった・・。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
その日の早朝、魏の面々は玉座の間に集められていた。
春蘭「う~、ねむい・・」
秋蘭「起きろ姉者、華琳様の前だぞ。」
季衣「ぼくもねむいよ~・・。」
流琉「こらっ季衣!」
凪「真桜も沙和も起きろ!!」
真桜「せやかて、ねむいんは仕方ないやん・・。」
沙和「そうなの~、仕方ないの~。」
地和「まったく、私の睡眠を妨げてまで何のようなの!?」
人和「私にもわからないわ。だから落ち着いて頂戴、地和姉さん。」
天和「お姉ちゃんもう眠くて・・・Zzzz」
人和「ちょっと天和姉さん!? 立ちながら寝ないで!?」
霞「あ~、頭痛いわ~・・。」
風「・・・Zzz。」
桂花・稟「「寝るな!!」」
風「おぉ! 皆さんが眠そうなので誘われてしまいました~。」
桂花「まったく。ところで華琳様お話というのはなんですか?」
秋蘭「そういえば北郷の姿が見えないが・・・。」
春蘭「なんだとー!! 私が叩き起こしてくる!!」
華琳「・・その事で話があるの。」
桂花「・・・華琳様?」
華琳「一刀は元の、天の国へ帰ったわ・・。」
皆「!?」
真桜「大将、冗談きっついで~。」
沙和「そうなの~、そんな冗談は言わないほうがいいの~。」
華琳「・・冗談なんかじゃ・・ない・・わ・・。」
華琳以外「え?」
その場にいた者は皆驚いた。
人の前では決して涙を流さなかった魏の王が目の前で泣いているのだ。
すなわちそれは一刀が天の国へ帰ったことが真実であることを物語っていた。
霞「嘘や!! 一刀がウチらに何も言わずに帰るはずあらへん!!
今もどこかに隠れて様子を伺ってるんやろ? なぁ、そうなんやろ!?」
霞だけではなく、そのほかの皆も霞と同じような気持ちであると分かる。
しかしこれは事実なのだ。何を言おうが認めるしかない。
それが悔しくて皆反論しているのだ。
私もそれが分からないわけではない。むしろ一番分かっている。
でも、一刀がこの風景をみたらどう思うだろう。
自分が消えたために皆が混乱しているのを見たら。
・・自分を悔やむだろう。・・自責の念に陥るだろう。
彼はとても優しいから・・。
華琳「いい加減になさい!!」
皆「!?」
彼のためにも・・。
華琳「一刀がどんな気持ちで天の世界に帰ったかわからないの!?」
彼が残してくれた平和のためにも・・。
華琳「私たちは、一刀が残した平和を守り続けなければならないのよ!?」
私は・・・。
華琳「今貴方たちがすることは一刀を想う事でも、一刀を連れ戻すことでもない。
この平和を守り続けることなのよ!!」
皆「・・・。」
その後私は玉座の間を出て自分の部屋へと帰った。
その日、私は枯れたはずの涙を流し続けて終えた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
一刀が帰って2年近く経った。
今は皆あまり仕事に支障が出ていないが、一刀が帰ってからの1ヶ月はひどかった。
春蘭は部屋に引きこもりがちになって、目に生気がなかった。
秋蘭は仕事に集中できずにいて、報告書などに誤字脱字が目立った。
桂花は平気そうにしているが、毎夜彼女の部屋から泣き声が聞こえていた。
季衣は食欲がなく、1人前しか食べずに間食すらしなかった。
流琉は好きな料理をしなくなり、季衣といることが少なかった。
風は話を聞いていないことが多く、時々頭に宝慧が乗っていないことがあった。
稟は反応が素っ気無く、私が話しかけても反応しないことさえあった。
凪はやる気が空回りしていて、犯罪の検挙率が減った。
真桜は常に上の空で、好きなカラクリに興味を示さなかった。
沙和は真桜と同様で、好きな衣服に興味を示さなかった。
霞は酒の量が極端に増え、仕事をあまりしなかった。
張三姉妹は元気をなくし、当分の間歌を歌わなかった。
今ではそれほどでもないが三国統一前の魏に比べれば、良いとは言えない。
これも全て一刀が帰ったせいだ。
「早く帰ってきなさいよ・・・ばか・・。」
私たちはこれほどまでに一刀に依存していたのだ。そして愛していたのだ。
ならば願うのはただひとつ。
― 一刀の帰還 ―
みんなこれを待っている。
しかしそれがどれだけ難しいのかは皆分かっている。
でも、願わずにはいられない。
そうしなければ、何かが崩れていきそうで・・。
「一刀・・・。」
私は心から愛していた男の名を呼んだ。
そのとき、空から流星が落ちようとしていた・・・。
あとがき
どうも風見海斗です。
初めてSSを書いたので、変かもしれませんがそこはご了承くださいm( _ _)m
第1章は少し短めに書いて後半の話に繋げる準備のようなものです。
とりあえずこの話は一刀をチートにしようかなと思います。
強さは恋に余裕で勝つ程度(強すぎだろ!)にしようと思います。
ちなみに、気はかめはめ波が打てる程度まで。
・・・え?やりすぎ?そのぐらいにしないと後々使えないんですww。
あと、剣術は北郷流ではないのであしからず。
拠点フェイズは少し15禁を混ぜようかと思います。
まあ、温かい目で見守ってやってください。
あと、次のあとがきからは三国の王(+1)に来ていただきます。
では~ノシ
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何番煎じかわからないけど、魏√アフターです。
この小説に出てくる一刀はチートなので、
「こんな一刀は一刀じゃない」、「チートは論外」というひとは
戻ることを推奨します。
それ以外でこんな作品に怒らず見ていただけるという方は
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