雪道を歩く少女。
周りには何もない。空はどんよりと曇り、霧で景色は見えなかった。
そのモノクロな世界に映える鮮明な「赤」
それは彼女の唇と、足元にある赤い血。
その血は地平線間を結ぶように点々と雪を赤く染めていた。
少女はその血にそって歩いていた。
霧が晴れてきた。同時に曇り空が晴れてきて青空がのぞく。
彼女の周りには兵士の死体が永遠と転がっていた。
生のない世界で、少女は思ったのだ。
血をたどれば、生きている人に出会えるのかもしれないと。
この唯一の生の印は、きっと大量の死を生んだモノに続いている。
生きているものに会いたい。
彼女はそれを希望に歩いていた。
その人に出会った時、彼女はどうするだろうか。
そのものを殺すか。殺されるか。逃げるか。
いや、きっと抱きつくのだろう。
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超短編小説デス。
説明足らずは想像におまかせ(笑)