第2章 反董卓連合編 16話 『 反董卓連合・虎牢関決戦 蛍火の如き淡く秘めし想い 』
その夜のうちに、汜水関+虎牢関に蓄えていた、ありったけの食糧を荷駄に積み終え用意し終わった
恋とねねの主力1万5千は虎牢関を後にし、一路、大陸南部へ移動すると見せかけ、軍勢を一転、西へと向け落ち延びていった
董卓軍に潜んでいた瑠璃も、恋とねねの動向を掴み終えると、投石機を守っていた孫呉の陣へと役目を終え帰還を果たしていた
「ただいま 帰りました」
と一刀に挨拶し、いつもの腰のポジションに抱きつく瑠璃に
「ご苦労だった瑠璃 まぁ 煙玉を使われたのには驚いたが、余り気にするな」
と頭を撫でられご満悦だった瑠璃であったが、すっかり頭の中から忘れていた出来事を一刀に指摘され、瑠璃は身体を硬直させた
「うぅ・・・ ごめんなしゃい」
と肩を落としシュンとする瑠璃を労わり、さらに頭を撫で撫でして労を労う一刀
「ん? 全然怒っていないからそう萎縮するな それより帰ってきたという事は、虎牢関で何か進展があったか?」
「はいでしゅ ボソボソ・・・」
一刀の問いかけに、頭を撫でられ堪能していた思考を切り替えて説明しだす瑠璃
「ふむ そうか・・・・・・ 恋と陳宮は大陸南部から西部へと方向替えして去っていったか
もしかしたら最悪、袁術や劉表の領地に留まり、同盟を組まれる恐れもあると踏んでいたんだが・・・
予想以上に食糧が大量に蓄えられていたようだな これで冥琳達とかち遭うことはほぼなくなった訳か・・・」
顎に手を当て瑠璃に呟きつつ考え込んでいる一刀に対して
「まだ 追う?」
一刀の呟きに即座に反応してみせる瑠璃
「・・・いや その必要ない 今は彼女達に言った約定を果たす方が先だ
先行して洛陽にいる明命と合流して、二人の安全を確保してくれ 頼んだぞ」
思考を整理し終えてた一刀は、瑠璃に対し次なる指令を与える
「わかった」
一刀の命を受けた瑠璃は、一路洛陽へとひた奔る
彼女達に誓ってみせた過日の約束を果たすべく、本格的に行動を開始する一刀達であった
一刀は洛陽へと去る瑠璃を見送った後、これらの情報を報告する為、本陣内にいると思われる雪蓮を探していたのだが
藍里から一足違いで、兵達の人心を慰撫すべく向かったと聞かされ
藍里と久々にゆっくり部隊での会話を楽しみながら、時間を潰していた一刀である
そうしている内に兵達の慰撫から帰ってきたのであろう ひょっこりと姿を現した雪蓮である
雪蓮が帰ってきたのを確認した藍里は、雪蓮に一礼すると、本陣を出て部隊の元へと戻っていくようである
「雪蓮 さきほど瑠璃が帰ってきたよ」
兵達の慰撫から帰ってきた雪蓮に対して報告を切り出す一刀
「・・・そう 何か判った?」
「恋と陳宮は大陸南部へ移動 方向を大陸西部に向け落ち延びていったそうだ
先程、瑠璃を洛陽へと派遣し、急ぎ冥琳へ書簡を認め送った処だ」
雪蓮の問いかけに対して、即座に対策まで話す一刀に雪蓮はというと・・・
「ふぅ~ん 手薄な大陸西部へと抜けていったのね そのまま劉表か袁術辺りの廃城に留まるのかと思ったんだけど違ったのね」
その点を一刀も留意していただけに、雪蓮の指摘に頷いてみせた
「みたいだな 汜水関と虎牢関に蓄えていた食糧が十分にあったという証拠だろう 長期戦を覚悟してのものだろう おそらく」
と一刀は自身の推測を交えて応える
「これ以上、厄介事が増えなければいいんだけど・・・ね(まぁ 私が厄介事を起す方なんだけどね)」
と表と裏で真逆の思考をしていた雪蓮である
「さすがにどうなるか読めないな まぁ次も勝てるとは限らないだけに、相手にはしたくはないな ただ充実した闘いだったよ」
と苦笑を交えながら、負傷した腕を持ち上げ軽く握り拳を作り、・・・しばしの間見つめる一刀
「一刀が満足しているなら重畳よ じゃ 私達の次は・・・」
雪蓮が問いかけた次なる標的、孫呉が連合軍に参加した意義、本命がいると目される場所
「ああ 本命の洛陽だ」
雪蓮の言葉を上書きし、熱き鋭い視線を洛陽へと馳せる一刀に対して雪蓮はというと・・・
私とっては漸く・・・といったところかしらね・・・ 熱く滾らせたこの想いをぶつける時が巡って来た
と一刀には気づかれないよう、鋭い視線を彼方の稜線へと走らせた
「それじゃ それまでゆっくり休養しときましょ」
と一刀の気合が空回りしないように心を砕いたのか、自身の滾りを 雪蓮は力まないように諭したような物言いであった
「ああ・・・って雪蓮 どうしたんだ? 急にくっつきだして・・・いやなんというか 非常に居心地が・・・」
と隣で一刀に枝垂れかかっている雪蓮は、満足げに目を瞑って一刀の肩に頭を預けていた
「ん~~~~~♪ なんとなく・・・かな♪」
と戦いへの高ぶりを押さえつける為、あえてうまく一刀に甘えて誤魔化す雪蓮
「まぁ 少しの間くらいなら構わないが、戦争中だってこと頭に入れておいてくれよ?」
とこんな処を冥琳などに見られたら・・・戦をなんと心得ているのか!などとお叱りを賜りそうで・・・
考えるだけでも恐ろしくなる一刀であった
「ぶぅ~ぶぅ~ 一刀が私の事をどぅ思ってるか わかった気がするぅ~」
と拗ねる雪蓮に、ついつい気を許してしまう甘い一刀は
「フッ じゃどう思ってるのか 当ててごらんよ」
と答えてしまう
「ん~~~ そうねぇ~? 私のこと・・・大好きなんでしょ! ねぇ~~~?」
一刀の肩に乗せ、目を瞑っていた頭を起して、一刀を見つめる雪蓮
「はいはい あたり あたりですよ」
少し投げやりな一刀の言葉に・・・
「なによ もう! そのいい加減な態度は! すっごく気に入らな~~~い」
と一刀の回答にご不満だったのか一刀の手を取り左右へ振って、不機嫌な様子をみせる雪蓮だったのだが、そんな甘い時間も・・・
「あっ兄様! 藍里からここにいると聞いて探しましたよ もう! ご飯が・・・出来ましたよ・・・
あっ・・・ ねっ姉様もいらしたのですね・・・」
と蓮華の嬉しそうな声が一転、姉がいると気付き語尾にいくほど声がか細くなってゆく
「・・・なによ 居て悪い?」
一刀の前ではいじらしく拗ねていた雪蓮が、蓮華の登場で途端に機嫌が悪くなった事に
いつもの雪蓮らしくないなと珍しく戸惑い沈黙する一刀
「いっっ! いえっ! そっそういう意味では決して!」
と慌てて姉に対して取り繕うものの・・・
「雪蓮? 今日は蓮華にやけに突っかかるねぇ? 何かあったのか?」
と少々気になったので、蓮華に助け舟をだしてやる一刀
「ううん? べっつにぃぃぃぃ~~~~~~~~~ ねぇ? 蓮華」
前夜の遣り取りを覚えているわよね~と言わんばかりの白々しい物言いに
「はっはい! 姉様の言う通りです! 兄様 アハハ・・・」
蓮華の物言いもおかしい事に珍しく気付いた一刀は
「そういうことならいいけどさ・・・ 姉妹仲良くね?」
と諍いの手打ちにと、雪蓮と蓮華の肩をぽんぽんと軽く叩いた後に、蓮華からの食事を受け取り口にする一刀
「ええ もちろんよ・・・」
「はい・・・・・・」
一刀との和解の言葉とは裏腹に、この戦いだけは・・・姉さま(蓮華)には絶対に負けたくない(のよ)
と姉妹二人の思惑を乗せた互いの熱き視線が、静かに宙で火花を散らしていたが
「うん 上手く出来ているよ 蓮華 随分料理の腕前 上達したんじゃないか?」
と大好きな兄に腕前を褒められて、頬を染めて嬉しがる蓮華とちょっと悔しい雪蓮という図式が出来上がっていたのだった
一刀を巡る乙女の攻防もまた、熾烈を極める一方のようである
「みんな貧乏くじ引かせてしもうて、堪忍や 最後の食事や! あるだけ好きなだけ食べや~」
と皆に声をかけてまわる霞 全ての者達に声をかけ終わった頃
ちょうどその時、投石器からの攻撃が再び始まったようで
猛然と唸りをあげた大岩が虎牢関の壁面に大きく穿ち、霞達にその大きな振動が伝わり態勢を崩す
「おっとっと それじゃいっちょ黙らせにいこか! 皆用意はええか?」
「オォーーーーーー!」
凄い喚声が関全体を震わせた その大きな喚声が曹操軍にも聞こえたのだろう
「くるぞ!大きな嵐が! 皆油断するな! 一瞬の油断が命取りになるぞ!」
春蘭の檄が曹操軍を引き締める さすが戦の機微を”見抜く魏武”の大剣といえた
春蘭の檄が轟いた後、虎牢関の大きな扉がゴゴゴゴォォーーーーーーーーーと鈍く重き音が響き渡り扉が全開に開かれ
霞が率いる董卓軍1万8千が整列していた
「敵は随分、離散し数を減らしていたようだな 姉者」
「でも油断するなよ 秋蘭 少なくなったとはいえ我らより多いのだ 敵はまだ意気軒昂だ 足元を掬われるぞ?」
といつもなら、姉の手綱を任される立場になる筈の秋蘭の役割なのだが、今回は全く逆となったようだ
「フッ 姉者に悟らされることになろうとは・・・ 敵が穴倉から出てきたことで舞い上がっていたらしい
千丈の堤も蟻の穴から崩れるともいう 気をつけるとしよう」
と姉の春蘭へとひと声かけ持ち場へと去っていく
「華琳さま 準備整いました」
「そう桂花 ご苦労様」
「うまくゆく・・・でしょうか?」
「桂花胸を張りなさい 自身の遣るべき仕事は全て終えた
こんな言葉あまり使いたくないのだけれど・・・ 人事を尽くしたわ あとは天命を待つのみよ」
「華琳さま・・・」
天の時、地の利、人の和という言葉がある、この言葉の意味する所は人の和>地の利>天の時という法則と人心の一致が大事と説いているが
ならばこの時、華琳に1番足りていないモノとは一体!?・・・それをこの後、華琳が目の当たりにし思い知ることになる・・・
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虎牢関から出陣した董卓軍1万8千は、鋒矢の陣
対して、中央と左右翼中央寄りを曹操軍、右翼前線に公孫賛軍 左翼前線に劉備軍が陣取り鶴翼の陣を敷き
兵器の周囲を孫呉軍が防備を展開していた
雪崩を打って我先にと中央に陣する曹操軍・左翼・劉備軍 右翼公孫賛軍へと攻めてくると思いきや・・・そうではなかった
最初の陣形は、霞を先頭にした攻撃型の鋒矢の陣であった筈なのだが、両軍が接敵する間際に陣形が変化したのである
先頭を進んでいた筈の騎馬を主体とした霞の軍勢が陣形中央へと移動しており、どうみても陣形が魚燐の陣に替わっていたのである
魚燐の陣の特性とは、攻守にバランスのとれた陣形といえる
個別の柔軟な駆動性を維持しつつ、全体としての堅牢性をも確保することから魚燐と呼ばれている
また部隊間での情報伝達が比較的容易なので駆動にも適する
その通り、霞の周りを部下の騎馬が入れ替わりひっきりなしに走り回っているようである
まさに神速の張遼の名に恥じぬ驍将の面目躍如といえる
魚燐の陣は本来後方からの攻撃には弱い性質をもつ
右翼・左翼の前線を担っていた公孫賛、劉備軍は後方から扼そうと攻撃を突き入れるのだが
本来三角形を成している筈の魚燐の陣が、ダイヤモンド型(菱形)になっており
前後左右とまさに隙のない布陣へと移行しており、中々崩すというところまでいかない
しかも霞と謎の副将の命が飛ぶと、隊が中央の騎馬と槍隊が素早く隊が入れ替わるという離れ業もやってのけていた
この種を明かせば、中央に位置する霞だけの独力では、普通目の届く前か後ろの隊のどちらかしか指揮できないので、到底無理な話なのだが
この隊の副将に「陥陣営」と異名をとる”恋の置き土産”ともいえる高順が
霞の副将として霞の傍らにいてダイアモンド型(菱形)の魚燐後方を担当していたのだった
それ故に霞は安心して前衛部に注視できたという絡繰であった
鶴翼の翼をたたみ包囲しているのにも関らず、攻めあぐねているこの戦況を中央本陣にて苦々しく見つめる華琳
だがこうでなくては・・・ 巧妙な騎馬の用兵術に、霞を苦労して手に入れるだけの価値を、この時に見出していた華琳であった
一方の魚燐の中央を駆ける霞はというと
「ここまでは高順との打ち合わせ通りで順調やけど・・・連合軍の皆さん これで終りと思おてたらあかんで」
と対する連合軍の将兵に聞こえぬがキツ~イ言葉を吐いた霞は、飛龍偃月刀を大きく突き出し天へと大きな声で吠えた
するとどうだろう 菱形を保っていた霞、高順の騎馬を中心とした中央部隊だけが
陣形から迫り出し、霞の声に呼応して一斉に前へと突出し、突撃を敢行し駆け出したのである
ダイアモンドを形成していた陣形は、鶴翼の翼をたたむ公孫賛・劉備の軍勢に四分五裂に崩されるものの・・・
これには鶴翼中央を任されていた曹操軍の諸将が面食らった 現在春蘭は右翼に秋蘭は左翼の包囲にかかっていて
今からの援軍では到底間に合う筈もなく、霞と高順を中心とした騎馬軍団に次々と鶴翼中央の防備を突破されてしまう
霞はこの時点で自身の勝利を確信した
自身の思惑通りに事が運んだ 中央に位置する曹操の陣を突破した後は
孫呉の陣へと突入して、一刀とでも過日の雌雄を決するつもりでいたのだった
突破する時、華琳の姿を横目で捉えた霞であったが、高順が華琳のこちらへの手出しをを阻んでくれたようで
中央の曹操の陣を突破したのだった
あとは一刀を探すのみと考えてた霞に、それを阻む影が突然霞へと襲い掛かってきた
曹操軍中央を突破した霞へと襲い掛かってきた影の正体とは一体!?
影の正体・・・・・・何を隠そう雪蓮 孫呉の王たる人物であった
この様子をみた一刀が頭を抱えていたのだから・・・
冥琳がこの場にいたのなら、頭を抱えたか卒倒したに違いない強引な登場の仕方であった
突然の雪蓮の登場に唖然とする霞に対して
「本当は曹操に恨まれるから手を出すなって一刀に釘をさされていたんだけれどね
でもね 私ったら過日の一騎討ちの停戦をすっかり忘れてたわ・け!
相手が一刀じゃなくて残念かもしれないけれど、一騎討ちの相手が私では不服かしら?」
と馬上にて南海覇王を抜き放ち、霞に向かって突きつけられれば、嫌といえよう筈もない
恋やねねが無事撤退した今、命を焦がす闘いこそが、今の霞を突き動かす原動力であったのだから・・・
「一刀を探してたんやけど・・・ ええで! 確かにあんたとは前回決着つけとらんしな! 」
というや馬上から飛び降りる霞
「いいのかしら? 馬上じゃなくて?」
と騎乗している雪蓮が、霞にそう問いかけていた
「うん? 馬上がええんか?」
と雪蓮の問いかけにそう霞が返す
「そうじゃないわ 馬上であったなら貴方の方が上だなどと、後で言われるのが癪なんだけど?」
と霞が思っていた事と全く違う事を言葉にした雪蓮に対し
「くっくっくっ あっはっはっはーーーーーー あ~おかし 久々に腹の底から笑わせてもろうたで
この張文遠! 馬上であろうとなかろうと! 未練たらしく後々まで腐れるものか!
ごちゃごちゃ御託並べとらんで、さっさときぃやぁーーー!」
霞の見得を切った大音声が戦場を駆け抜ける
その霞の言葉を聞いた雪蓮は馬から降りつつ
「貴方が吐いた今の言葉 忘れないでよ? 前回と同じ私だと思ったら痛い目に遭うわよ?」
と霞へ向かって忠告する
「その言葉! そっくりそのまま返したるわ! うちを舐めとると痛い目に遭うでぇ~~~」
戦闘態勢に入った霞の言葉を最後に、二人の闘いの”前菜”が終了を告げたのだった
・
・
・
二人の闘いの”主菜”はすでに幕を開けていた
二人の一騎討ちは前回と同様、飛龍偃月刀を振るう霞の切っ先を、”勘”を駆使して見切って避けたり、南海覇王で受けたり
その隙をついて南海覇王を振るい攻撃に移り、飛龍偃月刀で受け止める展開が続いていた
しかし・・・
「前回と同じ展開やな さっき大言壮語を吐いておいてこの展開はないやろ! つまらん」
と飛龍偃月刀を地に突き立て、呆れ顔で溜息をつく霞に対し
「貴方・・・まだ気づいてないのね 前回と同様の闘いだったのは、”ある事”を確かめたかっただけ」
「ある事やて?」
雪蓮の思わせぶりな言葉に、とんと検討がつかず、眉を顰めて首を傾げる霞
「一刀と呂布の二人の闘いを貴方もみていたじゃないの 一刀が勝利した理由から何か学びとってないのかしら?」
と雪蓮に問われるとチクリと胸が痛くなる霞
超一流ともなれば間合いを制す事の重要性が結果として勝負を制した事に驚きを隠せなかった
その事をただただ凄いとしか感想がなかった霞である
「そりゃ 間合いを制する事の困難さは学んだと言えるけど・・・あんたが言いたい事ってそれやないよな?」
「ええ それも重要な事だけれど 違うわ」
雪蓮の言葉の回答を考えるものの・・・一向に思いつかないので思考を放棄し頭をからっぽにし氣力を更に漲らせ攻撃に移る霞
会話を終え再開された二人の緊迫した攻防の
霞のさらに速度が増した刀閃を視認してから動いては、雪蓮の衣服を裂き血飛沫が舞う始末である
一刀の見切りが雪蓮には出来ない為、普段は”勘”に頼るなと、再三再四一刀から口頭で注意を受けているのだが
張遼相手に”勘”を使わず手を抜いてはこちらがやられかねない
雪蓮は”勘”を更に研ぎ澄ませ、張遼の刀閃に上手く”合わせて”南海覇王で受けて窮地をしのぐ
間合いはほぼ霞が制し、一騎討ちを優位に運んでいた・・・にも関らず、雪蓮の表情が曇る事はなかった
その不気味さが却って、霞の心を逆撫でし苛立たせた
なんなんや! この徐々に募る苛立ちの正体は!
そう心の中で叫びながら、その正体を見抜けず棘を抜こうと必死に抵抗し
飛龍偃月刀を振るう速度を更に増して、雪蓮を追い込んでいくのだが・・・
雪蓮の楔は徐々に霞を蝕み、必死さが滲み出ている様子が伺え、霞が優位に立っているとは到底思えぬ表情を見せていたのだった
そういえば・・・恋の時も同じやったな
自分の間合いに持ち込み制したにも関らず、一刀に恐怖を感じ、一刀の間合いに引き摺り込まれ、結果敗北やったっけ
でも一刀と同じ手はうちには通用せんで? 孫策 あれだけの大言を吐いておきながらこの様かいな・・・
「あんたの強さを買い被りすぎたようやな ちょっと興ざめや
一刀を泣かせとうないし、さっさと降参したらどうや? そうすれば命まで獲るつもりはないわ」
と雪蓮に打ち込まれた楔を、気のせいと思い込み、そんな言葉を雪蓮に向かって吐露する霞
そんな霞の言葉に対して
「ハァ・・・ ハァ・・・ 貴方まだそんな甘っちょろい事言っているの?
一騎討ちを貴方に仕掛けた時点で、自身の命などとっくに賭けてるわよ それは貴方もでしょう?
それにね フフフ 私は久々にこの戦闘を心の底からすっごく楽しめてるの! そんな私が降伏などする訳ないでしょう?
と霞の刀技に苦戦しつつも苦笑いを浮かべながら応える雪蓮
「そ・れ・に・そろそろ・・・仕込み終えた頃かしらねぇ」
霞に傷つけられ、出血していた血を指で掬い取り、舌でペロっと舐めとり、未だにその不敵な表情を浮かべ続ける雪蓮
そして霞へと放った一言は、一刀と恋の一騎討ちの際に、一刀が逆転への狼煙の時に放った言葉を、そのまま模倣した雪蓮である
「・・・なんやて? 仕込み? 阿呆なことも休み休みぬかせ! この戦闘狂が!
今のあんたに何が出来るちゅ~んや! 覚悟しぃやぁぁぁーーーー!!!」
雪蓮の放った言葉に激怒した霞は、今度は一切の容赦なく、雪蓮に飛龍偃月刀の刃を振り下ろし・・・
雪蓮の首をとった!!! ・・・かに見えた瞬間、霞の予期しない恐るべき現象が起こった
雪蓮へと振り下ろされた飛龍偃月刀の一撃を、今回もなんとか南海覇王で受け止めた雪蓮
・・・であった筈のだが、今回は事情がいつもと違い異なっていた
受け止められた飛龍偃月刀の刃が、南海覇王によって受け止められた箇所から一直線に綺麗に折れ
雪蓮の後方へと破片が飛んでいったのだった
「んっな! 阿呆なーーー!!!」
と大きな声で驚愕の言葉を吐き、瞳を大きく見開き、折れた飛龍偃月刀を呆然と見つめる霞
「ふっふん~♪ だから再三言ったでしょ わ・た・し 『ある事』と『一刀が呂布に勝利した理由』とはなぁにって」
左手を腰に当て、雪蓮の勝ち誇った声に、漸く苛立ちの元に思い当たった霞である
「そうか・・・”ある事”って武器破壊やったんか うちと前に打ち合ってた時すでに、飛龍偃月刀の刃に傷を仕込んでたんやな?
『一刀が恋に勝利した理由』・・・不利をもろともしない逆転への布石、仕掛けを施す・・・
しかもご丁寧に休戦前に仕込んでたとか恐れ入るわ でもそないな事狙って出来るもんなんかいな・・・」
と飛龍偃月刀が折れた刀部分を見つめながら、呆れたもんや・・・と溜息をつきながら答える霞
「ふふっ ご名答! 漸く正解できたようね それと私の”勘”を舐めないでもらいたいわね! もう今更遅いと思うけれど・・・
それと貴方の最後の質問だけれど、普通なら出来ないんじゃない?
剣筋を見切れる一刀なら同様の事は出来るとは思うけれどね」
と雪蓮は疲れた表情を見せていた筈なのだが、形勢を逆転し至極ご機嫌なようである
「”勘” かいな! どんだけ出鱈目なんや・・・ 一刀や恋といい、それにあんたといい・・・バケモノ揃いやな
それに遅うないわい! まだ刃が折れただけやないかい! うちはまだ戦える!」
頭上で数回、飛龍偃月刀を勢いよく振り回してから、雪蓮に対して戦う構えをとった
飛龍偃月刀が折れようとも、未だ萎える様子のない霞に対し
「ふ~ん それでこそ 驍将と謳われる張遼と言えるわよね~
そ・れ・とこれも憶えているかしら? 最初に私 貴方に聞いたわよね?」
雪蓮はそう霞に吐いたと同時に、霞の首元へ向かって突然南海覇王を投擲した
「なっ!!! ぐっーーー!」
突然のことに身体を捻り、南海覇王の刃を避けようとする霞
しかし投擲された南海覇王は、捻った霞の身体をすり抜けることなく
神速を使い素早く霞の背後に回った雪蓮の手に見事に収まり、次の瞬間には南海覇王の刃を首元に押し当てられていたのだった
「馬上じゃなくていいの?って私聞いたじゃな~い♪ 地上だとこぉ~んなことも出来ちゃうのよね
フフフ これでチェックメイト! この言葉一刀から聞いてて、カッコいいから一度言ってみたかったのよね~♪」
さらにご機嫌となったこの女性こそ、三英雄が内の一人であり、江東の小覇王と呼ばれる孫伯符 その人であった
「今までウチが散々押してた筈やのに、ちぇっくめいと・・・やて? いわんとすることはよぉ~判るわ・・・ ”詰み”ってことやろな」
と自身が負けた人物に少々呆れ果てつつも、戦いに関しては一級品と言えた雪蓮に負けた今では、素直に感嘆していた霞であった
「フフフ それもご名答~♪ 降参して欲しいんだけどいいかしら?」
と霞に笑顔でウインクしてみせる余裕さえみせた雪蓮である
「虎牢関を出た時に、とうに捨てた命や 煮るなり焼くなり、アンタの好きにすればええ」
と少し投げやり気味に不貞腐れている霞に対して
「じゃ 決まりね 幕下に入ってもらうわ よろしく!張遼 孫呉は貴方の参入を歓迎するわ
私の名前は・・・」
と雪蓮が話をどんどん決めて進めていき、霞に対して自己紹介を始めていく
こうして二人の激闘が終りを告げると共に、恋が麗羽を追い詰めた一件に端を発し
一刀と恋の一騎討ち、雪蓮と霞との一騎討ちを経た虎牢関の激闘も、ここに漸く終止符が打たれることとなった・・・
霞が雪蓮に降伏したのを機に、霞に付き従った古参の騎馬武者達も、次々に雪蓮に対して降伏を申し出る
その中には一騎討ちの間中、華琳を足止めし続けた『陥陣営』の高順もまた、降伏した一人として数えられている
この世界の高順は”女”・・・ではなく”男”であり、非常に物静かで実直な青年であった
霞、高順を中心とした騎馬隊の生き残り、およそ2500余騎が孫呉軍へと投降、雪蓮により承認され編入される事となり
今後も霞の頼れる副将として「陥陣営」の高順は付き従うこととなった
その他の董卓軍の生き残りに関しては、投降した勢力が随時吸収、編入されるに至ったようである
また劉備軍・公孫賛軍にとって、この洗練された董卓軍の兵達の吸収は、失った兵数以上に予想を上回る成果を得るに至ったのである
ただ、この虎牢関の一連の騒動に納得できない勢力が只一つあった
それは言うまでもないだろう 投石器という秘中の攻城兵器まで使用してまでも、結局最後まで有益な人材を得られず
美味しい処を全て孫呉にかっさわれた格好の曹操陣営である
それだけに華琳の腹の底では、この度の孫呉の仕打ちに対しての敵対心で煮えくり返っていた
一刀と激闘を繰り広げ戦闘不能となった一騎当千の呂布か、驍将・神速の張遼を配下に加えるべく
恥も外聞をかなぐり捨てて、投石器の防衛に加わるように援助を請うたのは他でもない華琳であった
雪蓮が仕掛けた張遼との一騎討ちも、曹操の本陣を突破した上での事なので
孫呉に張遼や高順を始めとした優秀な者達を、数多く投降させ吸収した点を強く追及する事も出来ない有様であった
此度の失態の根本原因は、華琳の見通しの甘さが全ての元凶といえた
・・・それだけに口惜しく苦々しかった
桃香に愛紗が付き従っているように、一刀といい張遼といい、私を押し留めた高順という青年といい・・・
私を魅了して止まない優秀な人材が、次々と集る雪蓮が孫呉が・・・憎くて堪らなかった
いつかこの手で滅ぼした上で、ゆっくりと一刀や張遼を慈しむわ 憶えてらっしゃい!と、この時堅く誓っていた華琳である
「私の詰めの甘さが、天の時に見放されてしまったようね 次があるのならば必ずや・・・」
蛍火が如き淡い想いは、天を仰ぎ一言呟くと虚空へと舞い上がり、悟られる事無くそっと周囲へと霧散し、儚く散っていくのだった・・・
しばらく動かなかった華琳も、気を取り直し素早く切り替えたのだろう
主を心配し傍近くに控えていた桂花を伴い、華琳は足早に吹き荒ぶ虎牢関にもう用はないと背を向け・・・
虎牢関を陥落させたという栄誉だけを手に・・・ その場から足早に立ち去る華琳であった・・・
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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中
※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を
人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております
上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ
お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします<(_ _)>
■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である
祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである
髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが
その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである
服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている
背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである
眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から
姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている
均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである
○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ)
荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると
知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる
以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま
呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている
容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女
(背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます
○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族
槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす
容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ
胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている
○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)
弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で
徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる
容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである
二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える
○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)
朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される
その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される
天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる
初期には転属させられた事に不満であったが
一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に
後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している
容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである
服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・
と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)
○太史慈 子義 真名を桜
能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者 桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し
騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)
本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という
両者の良い処をとった万能型である
武器:弓 不惜身命
特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く
隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった
容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子
眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める
一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる
○青(アオ)
白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)
緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし
緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある
この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・
正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして
気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっている 華雄さん お気の毒に・・・
当の本人(緋蓮)が華雄さんと再戦した際、もうこのやつあたりの事を覚えておらず、真相は闇の中へと葬られることとなったが
この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・
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【あとがき】
常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます
いつも大変お世話になっております
この度のお話は呉ルートでは当然の事ありえない話なのですが
挑戦として数話前から多数のダミーフラグを使っております
悪い言い方をしますと、どっちでもありのルートを通れるインチキ手法といえなくもないのですが・・・
簡単に順を追ってご説明致しますと、お盆後まで思いっきり羽を伸ばす為に
15話~16話までを、休みを戴きました時を利用して、あとがきも含めて一気に制作しておりまして、
21日(水)に投稿分の15話に戴いております皆様のコメントを、この16話制作時には参考に出来ていなかったりします
なので制作者としましては、この展開を投稿してどう転ぶのか、結果がドキドキモノなのですがね・・・ さてどうなりますことやら(滝汗
読者の皆様がこれ以上離れない事を祈りつつ・・・
まぁ~ 自身でも『二者択一 』で大いに迷っていた部分でもありましたので
あとがきでも、ちょっと理論の誘導を誘ってみたりしましたが、いがかでしたでしょうか?
「陥陣営」の高順さんが仲間になった事に関しては、菱形陣形を維持するのに、霞の周りに思いつく将が見当たらなかった為
急遽宛がった次第で、全くの結果オーライ(偶然の産物)としか言いようもありませんが(苦笑
また構想上、霞が魏に行くバージョンも考えていはいたのですが
なんの捻りもない、春蘭との闘いという魏ルートを踏襲する内容となりそうだったので
思い切ってこの構想を放棄、断念して霞を孫呉へというルートにしてみました
制作者に騙された許せんとお思いの皆様もいらっしゃる事と推察致しますが
董卓軍の誰を仲間にするのか?という事を悩んでいたという点におきまして
今回の行為を大目にみて見逃し、受け入れて戴ければ幸いに思います
さて次回予告なのですが
そろそろ洛陽か!? 月や詠の動向は!? 十常侍どうなんねん!と皆様のお気持ちを先へと逸らせてしまいましたが
漸くお伝えする事が可能となりました、こちらの方もご期待くださいませ~
皆様のご期待に出来るだけ添える内容となるよう、鋭意制作して参りたいと思っております
(といいながらコメント見てないで進路決定しちゃってる点もございますが・・・)
これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想を、制作の糧にすべくお聞かせ下さいませ
作品の完結まで皆様のご支援、何卒よろしくお願い致します<(_ _)>
それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪
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常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております
この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと
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