No.612805 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~お嬢様の捜索~後篇(後半)soranoさん 2013-08-26 20:21:56 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:875 閲覧ユーザー数:834 |
その後、ロイド達はリース達を導力車に乗せ、クロスベル大聖堂の前まで送り届けた。
~マインツ山道~
「皆さん、わざわざ送っていただいてありがとうございました。皆さんの導力車……大変乗り心地がよかったです。」
「ふふっ、喜んでいただけてあたしも嬉しいです。」
リースのお礼の言葉にノエルは微笑み
「セリカさんやリフィア殿下達も今日は手伝って頂き、ありがとうございました。」
「フフ、お役に立てて幸いです。」
「……ケビンからお前の事は頼まれていたからな。」
「セリカが力を貸すなら当然セリカの使徒であるわらわも力を貸すに決まっているだろう!」
同じようにリースにお礼を言われたリタは微笑み、セリカは静かな笑みを浮かべ、レシェンテは胸を張っていい
「こちらこそ、リフィアの面倒を見て頂きありがとうございました。」
「何が面倒じゃ!余は民を守る為にセリカ達と共に遺跡に巣食う魔物達を退治していたんじゃぞ!?」
エリゼが言った言葉を聞いたリフィアはエリゼを睨んで言ったが
「嘘を言っても無駄だから。遺跡の魔物退治はリースさん達に会いに行く”ついで”でしょう?」
「ぬぐっ…………!」
ジト目のエリゼの指摘に唸った。
「ところで……”星杯騎士”の事は、大聖堂の人には?」
そしてロイドは真剣な表情でリースを見つめて尋ね
「ええ、誰にも言っていません。さすがにエラルダ大司教は薄々感づいている様子ですが……まあ、下手を打たなければ問題ないかと思います。」
尋ねられたリースは答えた後静かな笑みを浮かべた。
「うーむ、教会の中も色々と大変そうだな。」
「リースさん、くれぐれも無茶はしないでください。」
「フフ、それとあまり神経をすり減らさないように。美容にも悪そうだしね。」
「ええ……ご心配なく。では、また何かあったらよろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそ。」
ロイド達に言ったリースは大聖堂に向かい
「それじゃあ俺達もここで失礼する。」
「またの!」
「ここまで送って頂きありがとうございました。」
「リフィアを守って頂き、ありがとうございました。」
セリカ達もロイド達に別れの言葉を言った後クロスベル市内に向かっていった。
「それにしても”神殺し”と”古神”、挙句の果てには幽霊が聖職者と共に行動するとはねぇ……」
「私達の世界では考えられない組み合わせですね。」
セリカ達が去った後エルファティシアとアルは苦笑し
「……まあ、それが可能になったのも全て”影の国”のおかげだがな。」
ヴァイスは静かな笑みを浮かべて言った。
「リフィア。私達もそろそろ。」
「うむ!エリィ、そして特務支援課とやらよ!エリゼが世話になったな!エリゼの主として感謝する!」
そしてエリゼに促されたリフィアは頷いた後ロイド達に口元に笑みを浮かべて言い
「い、いえ。私達としても殿下の身の安全は心から望むものですし。」
リフィアの言葉にエリィは戸惑いながら答えたが
「……私がロイドさんや兄さん達のお世話になったのはだ・れ・の!せいだと思っているの?」
「むう…………」
威圧を纏ったエリゼの笑顔に微笑まれて唸った後黙り込んだ。
「エ、エリゼ……お、俺の知らない間にい、色々とたくましくなったようだな、ハハ……(父さん達が今のエリゼを見て卒倒しなければいいけど…………)」
その様子を見ていたリィンは大量の冷や汗をかきながら苦笑し
「フフ、完全に主従が逆転しているね。」
「フッ……エリゼにとってはリフィア皇女は手のかかる妹のような存在みたいなものか?」
ワジは静かな笑みを浮かべ、ヴァイスは口元に笑みを浮かべてエリゼを見つめて言い
「フフ……確かにリフィアは本当に手のかかる娘ですけど、常に民や国の事を考え、仕える者達を大切にしている人の上に立つ者として……皇位継承者として相応しい娘です。私もこの娘が創る新たなメンフィルにリフィアに仕える侍女として……そしてリフィアを支える”親友”として楽しみですから、手はかかっても決してリフィアから離れる気はありません。」
「エリゼ…………」
「全く……余計な一言が無ければ、綺麗に収まるというのに……」
「………どうやらリフィア皇女も”真の忠臣”を手に入れたようだな……」
見つめられたエリゼは微笑み、エリゼの答えを聞いたリィンは驚き、リフィアは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべ、ヴァイスは静かな笑みを浮かべていた。
「―――さてと。皆さん、今日は本当にお世話になりました。私達も失礼します。」
「さらばだ、特務支援課よ!」
そしてエリゼとリフィアが去ろうとしたその時
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「む?」
「え?」
ロイドが慌てた様子で制止し、ロイドの制止の声に2人は不思議そうな表情で振り返ってロイドを見つめた。
「実はリフィア殿下にお願いしたい事がありまして……」
「余にか?一体何なのじゃ??」
ロイド達はリフィア達にヘイワース夫妻の依頼の件を説明した。
「ええっ!?レン姫の本当のご両親がレン姫に面会を!?」
「………………………………」
説明を聞いたエリゼは驚き、リフィアは真剣な表情で黙り込んでいた。
「それで、大変お手数なのですがどうかレンとヘイワース夫妻を一度合わせて欲しいのです。」
「………………少し待っていろ。」
ロイドの話を聞いたリフィアは考え込んだ後エニグマを手に取って通信を始めた。
「―――はい。どなたかしら?」
「―――余だ。」
「リフィアお姉様?どうしたの?神殺しさん達に会いに行ったんじゃないの?それとももう、エリゼに連れ戻されちゃったの?」
「ああ。セリカ達にも会ったし、今エリゼと合流した所だ。」
「やっぱり♪それでどうしてレンに連絡を?」
「ああ、その件だが――――」
そしてリフィアは通信相手―――レンにロイド達の依頼の件を話し
「…………そう。あの人達が。」
「今から”グロリアス”に連れて行くが、いいな?」
「…………ええ。」
レンの返事を聞いた後通信を終えた。
「レンにも確認した。ヘイワース夫妻と会うように言っておいた。今すぐヘイワース夫妻を空港に連れて来い。余の権限でヘイワース夫妻やお前達を”グロリアス”に一時的に入船する事を許可する。」
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます、リフィア殿下。」
リフィアの言った言葉を聞いたロイドは明るい表情でお礼を言い、エリィは会釈をし
「……いつかは越えねばならんことだしな……余達は空港で待っている。」
リフィアは静かな笑みを浮かべてエリゼと共にロイド達から去って行った。
「よし……急いでハロルドさん達を連れて来よう。」
「ええ!」
その後ロイド達はハロルド達に事情を話し、丁度帰っていたコリンも連れて空港に向かい、リフィア達と合流した後”グロリアス”に入船し、広い客室の中に通され、待っているとリフィアとエリゼと共にレンが姿を現した…………………
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