武器を弾き飛ばし、こちらの持っている棒にて軽く胸をつきます。
葵は自分が何をされたのかすら理解できないでしょう。
「さて、どうしてこちらに走ってきたんだい?棒をもって走ったら危ないよ?」
試合にすらなっていないと思わせるためです。
言葉がダメなら、身体で覚えてもらうしかありません。
「走っただけ・・・」
少し泣きそうに呟くので、頭を撫でてやり、話題を変えることにしました。
「葵の得意なのは何かな?」
俺がそう言うと、飛ばされた棒の方をチラリと見ました。
それだけで、特になにも言いません。
「言い方が悪かったね。葵の好きなことは何かな?さっきの以外でね」
「ん~。ん~」
唸る姿は可愛いですね。
髪も腰まで伸ばされて長いし、モデルようなスレンダー体型ようです。
取り敢えず考え付くまでスリスリしておきましょう。
妹だしスキンシップ大事ですよね!ハグもオッケーなはず!ほっぺにキスも・・・。
「ごはん!」
くっ!キスする前に復活されてしまった!まあ、まだ時間はあるはず!それは追々ということで・・・。
しまった!ここにきた目的忘れてた!
多少時間があるとはいえ、どれくらいかかるか分からない以上早めに動くべきでしょう。
しかし、このまま葵を放置するのもまずい・・・興味を戦闘から遠退けるだけ遠退けて、情報収集して目的地に向かわねば!
葵はご飯が好きなようだ。
普段の生活は、身体を動かす>食べる>寝る。
身体を動かすと寝る取ったら食べるしか残ってないじゃないか・・・。
そこは考え方を変えて、母上なり父上なり言うところかもしれないが、これが子供心なのだろう。
ご飯か・・・そうなると料理人かな?
家の手伝いもできるし、どこかで働くこともできる!婿にも喜ばれる!一石数鳥のよい案だ。
ん?・・・もし、婿なんぞ連れてきたら俺より強いやつ以外認めないからな!その辺もキチンと話しとくか。
「じゃあ葵。毎日美味しいご飯が食べたくない?」
「今でも美味しいよ?」
それで食の道を諦めては駄目だ!この道には終わりなどない!
しかも、前世の記憶があるから、今よりも更に旨いものが確実にあることは知ってるんだ!それを葵には追求して欲しい!
「もっと美味しくなるかも知れないよ?」
「もっと!?」
「そう、もっともっと」
「もっともっと!?」
よしよし、興味を引くことができた。
後は教えていくだけだ!
先ずは簡易な調味料作りからだな・・・。
すぐだと、マヨネーズくらいしか思い付かん・・・。
炊事場で作業の毎日です。
試行錯誤を続けています。
母上とは、そこにて話の続きなどを行い、満足してくれたようです・・・そこまではよかったです・・・。
ただ、そこには鬼がいました・・・。
あの穏和だったはずの母上が・・・。
あまりの俺たちの料理の駄目っぷり?に業を煮やしたのか、微笑みながら見ていたのに途中から道具を奪われました。
どうも、母上はここに嫁ぐ前は庶民の出だったようで、花嫁修行しまくっていたそうです。
そう言えば、ここに嫁いでもらうだけでも大変だったと、父上が漏らしていたような?
今までの大人しい性格を見ていただけに、この変わり様はショックでかいです。
ていうか怖いです・・・。
俺たちが料理をすることで、どうやら昔のことを思い出してしまったようですね・・・。
「次!遅い!敵は待ってくれないよ!言われたらすぐ動く!葵!これ混ぜる!来た!ハッ!」
母上・・・あなたは一体なにと戦っておられるのでしょう?
Tweet |
|
|
12
|
1
|
追加するフォルダを選択
本作品は華陀への転生ものです。
【注意事項】
素人の書きなぐりです。
はっきり言って自己満足なだけのものです。
一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。
続きを表示