No.612640

The bead covet~屍を貪る者~

狗龍辰人さん

皆様、初めまして。
まずは、閲覧していただきありがとうございます。
初めての試み、学生であるため拙い文章表現や活写等などありますが楽しんで頂ければ嬉しいです。
それでは、拙い作品ですがぜひ楽しんでいって下さい。

2013-08-26 05:31:51 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:185   閲覧ユーザー数:185

 
 

プロローグ

 

 

「っ!?…畜生っ!!」

 

「グギャ!?」

 

俺は人の形をした何か…怪物相手に拾った90cm位の全長の銃を乱射しながら逃げ回った。

 

「ハァハァ……!? くそっ!?」

 

どうやら怪物は足を負傷したらしく俺目掛けて這って来た。

 

―カチッ… 

どうやら俺の撃っていた銃は空になったらしく虚しく音を鳴らした。

 

「ど、どっか!? に、逃げねぇと!?」

 

俺は近くにあった頑丈そうな鉄扉を開けてその部屋の中に入った。勿論、鍵を閉めて置いて。

 

 

「ふぅ……え? なんだよ、此処……」

 

俺が入った部屋は何かの研究施設の様だった。何だか分からない培養液の入ったドーム型の培養層に大型のPCとサーバーらしき存在の物体。そしてモニターどれも電源が生きているのか稼動している。ふと見たモニターにはこんな表示があった。

 

「”我が研究成果……自立行動型人形…通称Dollsは完成した。彼女達は素晴らしい!最高傑作だ!! しかし、軍部にやるのは実に惜しい…ならば、彼女達が軍部の輩や卑しい屍喰らいに奪われないように特殊なプロテクトを施そう。そうすれば軍部の奴らに私の作品を悪用させられない。”はぁ……」

 

モニターに現れた日本語らしき文章を声に出して読んで見た。どうやらこの施設は自立行動出来る人形…ロボットか?の研究施設の様だ。だけどあの化け物は明らかに生物兵器と言った方が正しい。おや、どうやら文章には続きがあるようだ。

 

「”私は死ぬ前に自身の脳の一部をこのコンピューターに宿した。彼女の主に相応しい人間つまり、今其処にいる君だ”はぁ!? どう云う事だよ!? ありえない!! 此処がアメリカだとしてもさっきの生物の様な存在も、此処まで高性能な人工知能の存在もこの西暦2013年に馬鹿げてやがる!!!」

 

「”……成る程、君は過去の存在か。しかも先文明時代と古近代の境目の存在か。”」

 

モニター上にこの様な文章が浮かび上がる。

 

「何だよ!? 古近代? 先文明時代? ふざけてるのか!?」

 

俺はやり場のない怒りを彼…この人工知能らしき存在にぶつけていた。さっきの独り言に反応したということは俺の声が聞こえてるようだ。

 

「”……現在の年は新暦1000年、帝都だと甘明元年。君で言う西暦5025年だ”」

 

「なんだよ、それ……新暦!? 甘明元年だ!? 西暦5025年だぁ!? 俺がタイムトラベルでもしたとでも言うのかよ!?」

 

「”その通り、君は過去から未来へとタイムスリップしたのさ”」

 

「………」

 

開いた口が塞がらないってこんな事を言うんだろう……俺は呆然と立ち尽くしながら彼の説明を聞いた。

 

「”良く聞くんだ。私は後1時間もすれば寿命が来る。君がこの部屋に辿り着けたのは奇跡だ下手したらミュータントやジャームと呼ばれる人と違った存在に襲われ死んでたはずだ。この1時間で私は君に現状を説明する。そして娘達を君託す。”」

 

一呼吸開けて彼は説明し始めた。

 

「”先文明時代は私が生きてた時代だ。2014年に世界は一回滅んで2020年に新たに文明が生まれた。私は後期の科学者でスティーブン・クレインという。この時代は君のいた時代よりも科学技術は発達していてそれこそ宇宙人と呼ばれる存在と共存してたんだ。”」

 

「宇宙人…って、滅んだぁ!?」

 

驚いた。まさか来年になったら世界が滅んでたんだから。

 

「旧時代の大国…アメリカのICBMを誰かが起動させて世界が死の灰…放射能で覆われ名実共に滅んだんだ。だけど、一部の人間、私等の祖先は生き残ったんだ。そして移住してきた私達と同じ姿形をしたヒューマノイド型の宇宙人:インターフェイサーがね。彼らの技術で私達の祖先はかつての栄華以上の繁栄を得たんだ……だけど、代償がないとは思わなかったかい?重い代償だ。何せインターフェイサー達が理性を失いジャームと呼ばれる怪物になったんだ。本当に、突然だった。私達人類は戦った。核以上に強力なレネード粒子によるインターフェイサーのみを駆除する。そんな作戦さ。しかし、文明は滅んだ。何故だ? ”」

 

「ミュータントやジャームが強かったのか?」

 

「”50点だ。純血のインターフェイサーのジャームは全部駆除できた。だが、人間との混血種…ハーフフェイサーの彼らは突然変異を起したんだ。自ら作ったレネード粒子の性でね。この粒子はDNAレベルまで崩壊させる強力な粒子だ。あ、安心してくれ。今現在は何処も汚染は収まってるはずだからね。地底深くの地下施設だったら怪しいけど。”」

 

さらりと怖いことを言うなぁ………

 

「”さらに言うとだ…ミュータントは人間以外の動物の突然変異体を指すんだ。そしてジャームは人の姿をした怪物だ。”」

 

「!?」

 

俺は戦慄した。あの人間の様な怪物はジャームだったのか…と。

 

「”どうやら、襲われたようだね。その様子だと。その銃は……勝手に画像解析させて貰ったけど、君の居た時代の銃でM1カービンと言う様だね。残念だけどこの施設にはそれに対応した弾はないと思う。代わりと言ってはあれだけど君の左手にある3つのロッカーを開けてくれ。”」

 

俺は言われた通り左側にあった3つのロッカーを見つけた。手始めに真ん中のロッカーを開けるとロボットアニメに出るような黒を基調としたパイロットスーツが出てきた。

右のロッカーには拳銃の様な形をした全長45センチぐらいの銃と何かのカードリッチを見つけた。

最後に、左のロッカーには刀の刃がない状態の持ち手が見つかった。

 

「”餞別だよ、どうせ肉体のない私には使えない物だ。説明するよ。そのスーツはかなり特殊な物だよ。先文明時代に使われてた上級歩兵の【装甲スーツ・ネメシス】って言うスーツでねこれがあればレネード濃度80%の空間でも4時間位活動は出来るよ。そしてミュータントやジャームの多くの体液は強酸性なんだその強酸対策も施されているから返り血で死ぬって事も防げる。また、このスーツは身体能力の向上なんて無いからそこの所は注意してね?

まぁ、私の改造でレーダーやオートマッピングって機能は付けさせてもらったけどね。

それで、プラズマガンとプラズマブレードだけど簡単に言えば高温で焼き切るブレードと高速でエネルギーを射出する武器だよ。”」

 

ファンタジーな魔物とFSチックな武器や防具を見て俺はげんなりし始めた。

 

「”気持ちは分かるとは言わないさ…仮に私が君と同じ状態だとしたら私もそうなる。だけど、聞いてくれ。君は元の世界には返れない。時空を行き来するその技術は私や現在の学者じゃ到底見つけられないし、そんな存在が現存している可能性は絶望的だ。”」

 

「そんな……」

 

俺はその場に崩れ落ちた。帰れない。口煩い母親や、加齢臭が激しい親父。生真面目な妹。バカ騒ぎして楽しく毎日を過した友達達……一目惚れしたあの子。皆に会えない其れが俺には堪えた。

 

「”日常には帰れない。だけど、日常を作ってみないか? 私の娘達ならその手助けをしてくれる筈だ。”」

 

もう帰れない、戻れないあの日。日常、家族、友人、何もかも……この場には何も無い……なら、作ろう。俺の居場所、日常、家族、友人。何もかも手に入る。俺の全てを!!

 

「絶対、生き残ってやる。こんな所で死んでたまるか! 神様か悪魔かはたまた仏様か知らないがこんな世界へ連れてきて俺を不幸に陥れようとした野郎に幸せな姿を見せ付けて見返してやる!!」

 

俺の叫びが部屋中に響く。そしてモニター上でスティーブンはそんな俺にこう文章を送ってきた。

 

「”なら、その力を与える。だが、心して欲しい。この世界は他人の屍すら喰わないと生きていけない世界だ。だけど、そんな世界でもルールはある。過ぎる力は多くから顰蹙を買い自分を滅ぼさせる。”」

 

この時の俺は必死だった。平和過ぎる日本で育った俺にとってこんなサバイバル以上に過酷な環境には適応出来ないし、早く安全な場所に行きたかった。だから、何でもいい、拠り所が欲しかった。

 

「あぁ……」

 

「”この奥に娘達を封印したコールドケースがある。ロックは解除しているからあって来い”」

 

「ありがたくそうさせて貰う。で、あんたはどうする?寿命ってのは電源的な意味か? それならどっかにある携帯端末にデータ移せば平気だろ?」

 

「”2000年も生き続けた存在……私だ。生体部品はもう朽ち果てている。だから、今こうして君に筆談ではあるが語り掛けている事事態が奇跡なんだ。だから私に構うな。それこそ、私と言う屍を糧にこの時代を生き抜くんだ。それと、君の携帯端末は現代では使えない。骨董品として売り払い当面の活動資金にする事をお勧めする。変わりにそっちのテーブルにある携帯端末PDAを使って欲しい。彼女達のパーソナルデータを記録してある。また、修理やら銃やブレードの整備方法もあるから役立つはずだ。”」

 

「………分かった、アンタの財産を俺が喰らって生きていく。だから、草葉の陰ででも俺の人生を見てくれればいいさ。」

 

「”クフフ……私も期待しているよ。過去から来た君がどうこの世界を歩むのかをね。”」

 

テーブルに乱雑する各種資料やら精密機械の山からPDAなる携帯端末を手に入れた俺は開かれた奥の部屋へと歩み始める。

まずは、その娘達に会ってから此処から脱出しよう。幸いこのPADには周辺地域の地図が乗っている。この建物の地図も。そして、この理不尽な世界に俺が何故来たのか、なんで生きているのかを知る為にも明日を得る為にもこの建物から脱出する。

 

 

あとがき

 

初めまして。此度はこの様な拙い作品を見て頂き感謝いたします。

普段はモバゲータウン様で見てる携帯小説の転生ファンタジー物を読んでいて実際に自分でも書いてみたいと思い書き、投稿させてもらいました。一応、オリジナルのつもりですが色々な作品を読んでいる影響で他所の方の作品と少し似てたり、かなり一緒じゃないか!?って設定等が出てくるやも知れません。

その際は、平にご容赦を。

もし、改善点や修正点など感想がございましたらコメントなどして頂けますと助かります。

また、投稿間隔ですがかなりバラバラになると思います。

一応、学生の身なので夏休みの様な長期休暇中は比較的時間があるので連日投稿等が可能ですが普段の日は一月に1回か二月に1回等となるやも知れません。ですので明確な投稿日時の告知は基本的にしないと思いますのでご注意ください。

尚、一章が終わる頃には各用語の説明を集めた設定集の様な物を投稿しようと思います。

 

 

 

以上、後書きでした。

 

 
 

 
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