No.612565 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~お嬢様の捜索~中篇(前半)soranoさん 2013-08-26 00:07:44 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:840 閲覧ユーザー数:799 |
~遊撃士協会・クロスベル支部~
「―――失礼します。」
「あら、あなたたち。今日はどうしたのかしら?」
受付に近づいてきたロイド達を見たミシェルは尋ね
「実は聞きたい事がありまして……セリカさん達は今どちらにいらっしゃいますか?」
ミシェルの疑問にエリィが答えて尋ねた。
「セリカ達?何でも知り合いに頼まれてマインツ方面へその知り合いと共に行く用事があると言って出ていったけれど……」
「そうですか。それでもう一つ尋ねたいのですが俺達の他にセリカさん達の事を尋ねに来た人はいませんでしたか?」
ミシェルの話に頷いたロイドが尋ねたその時
「ええ、セリカ達の事を訪ねに来た人がいたわよ。……それもとんでもない人物が。」
ミシェルは疲れた表情で溜息を吐いて言った。
「へ…………」
「そ、それってまさか……!」
ミシェルの言葉を聞いたロイドは呆け、ノエルが驚きの表情で呟いたその時
「――――やはり、リフィア殿下がこちらを訪ねてきたのですね?」
エリゼが静かな表情で尋ねた。
「ええ。セリカ達の事を聞いたらすぐに出て行ったけど…………あら……貴女、その格好とその紋章…………フム………………さしずめそのメイドのお嬢さんに頼まれてリフィア殿下を捜索しているところね?」
エリゼに尋ねられたミシェルは頷いた後エリゼのメイド服やメイド服の腕や胸の部分に付いているメンフィル帝国の紋章を見てロイド達に尋ねた。
「ハハ…………やはりわかってしまいましたか。」
「まあね。リフィア殿下の事を聞いてきた事やその娘の格好やその服に付いているメンフィル帝国の紋章を見ればわかるわよ♪それで、これからどうするつもり?」
苦笑しながら言ったロイドの言葉にミシェルはウインクをして答えた後ロイド達に尋ね
「まだ、殿下が寄っていそうな場所の候補はあるのでそちらに行ってみます。」
「そう。もしセリカ達が戻ってきたらすぐに連絡するわ。それに人手がいりそうになったらいつでも言って。空いている遊撃士をリフィア殿下の捜索にすぐに手伝わせるわ。」
ロイドの話を聞いた後ロイド達に言った。
「わざわざありがとうございます。」
「……申し訳ございません。お忙しい中、殿下が遊撃士協会のお手を煩わせてしまって……」
「もし、リフィア殿下に何かあったらクロスベルの一大事だからね。こちらとしても他人事(ひとごと)じゃないわ。だから、気にしなくていいわよ。」
お礼を言うロイドと謝罪するエリゼにミシェルは真剣な表情で答えた。その後ロイド達は大聖堂に向かった。
~クロスベル大聖堂~
「こんにちは、マーブル先生。」
「あら、ロイド。それにエリィや皆さんも。今日はどうしたのかしら?」
ロイドに話しかけられたシスターはロイド達を見て尋ねた。
「リースさんを探しているのですが……今、彼女はどちらにおられるのでしょうか?」
「リースさん?彼女だったら今日はマインツの子供達への日曜学校の出張に行っているわ。」
そしてエリィに尋ねられたシスターは答え
「そうですか…………ちなみに俺達以外にもリースさんの事で尋ねに来た人はいませんでしたか?」
「…………ええ、来たわよ。活発そうなお嬢さんが。」
ロイドに尋ねられて考え込んだ後答えた。
「!やっぱりこっちにも来てたようだな。」
シスターの答えを聞いたランディは驚いた後呟き
(それにしてもかなり行動的な皇女ね。)
(ええ。私達が知る限り、そんなに行動的な皇女はいませんでしたのものね。)
(……まあ、リフィア皇女は色々と特別だからな。)
エルファティシア、アル、ヴァイスは小声で会話をしていた。
「ちなみにそのお嬢さんの特徴はどういう特徴ですか?」
「え~と…………2房が付いた珍しい帽子を被っていて……後は”闇夜の眷属”の方ね。」
そしてエリィに尋ねられたシスターは考え込んだ後答え
(……恐らくリフィア殿下だな。殿下が常に被っているお気に入りでもある特徴的な帽子と一致しているし。)
シスターの答えを聞いたリィンはロイドに小声で助言し
「(そうか………)……それでそのお嬢さんはどちらに?」
「リースさんの事を聞いたらすぐに走って出て行ったわ。……あ、そう言えば去り際に『余自ら会いに行くことを光栄に思うがいい!我が戦友達よ!フハハハハ―――ッ!』って言いながら走り去っていたわ。」
ロイドの疑問に答えたシスターの話を聞いたロイド達全員は冷や汗をかき
「そ、そうですか…………ありがとうございます。」
ロイドは苦笑しながらお礼を言った後仲間達と共に大聖堂を出た。
~マインツ山道~
「さてと…………今からマインツへ行くか。」
「そうね。セリカさん達もマインツ方面へ行ったという話だし……」
「案外あっさりと見つかりそうだね。」
「後は入れ違いにならなければいいのですが……」
ロイドの提案を聞いたエリィは頷き、ワジは口元に笑みを浮かべ、ノエルは考え込みながら言った。
「……あの。その事ですが、殿下の過去の行動を考えると素直にバスに乗って目的地に行くとはとても思えないです。」
するとその時エリゼが申し出た。
「へ…………」
「何か根拠があるのですか?」
エリゼの申し出を聞いたロイドは呆け、エリィは不思議そうな表情で尋ねた。
「……殿下は自らの足で探検する事を好んでいる上……何か興味がある場所が目に入ったら本来の目的よりそちらを優先されるような方ですので…………そのマインツという町に行くまでの道のりに何か殿下の興味を引きそうな場所はありませんか?」
「とは言ってもマインツへ行くまでの道のりにあると言ったら……」
「あの人形工房と化物共が出た”僧院”ぐらいだよな?」
エリゼに尋ねられたロイドは考え込み、ランディはロイド達に確認した。
「……化物が出た”僧院”?……あの、その場所について説明して頂けないでしょうか?」
「え、ええ。とは言っても俺達も原因はほとんどわかっていないのですが――――」
そしてロイド達はエリゼに”僧院”の事を説明した。
「……………………恐らく私の予想ですと殿下はその”僧院”に向かったと思います。」
「ええっ!?」
「何でそう思うんだ?」
エリゼの推測を聞いたロイドは驚き、リィンは尋ね
「話を聞く限り、どう考えても冒険好きな殿下の興味を示しそうな場所ですし…………」
尋ねられたエリゼは疲れた表情で溜息を吐いて答えた。
「ハ、ハハ……大分苦労しているようだな、エリゼ。」
「ええ、それはもう。」
「フフ、面白そうなお転婆姫だね。会うのが楽しみになってきたよ。」
エリゼの答えを聞いたリィンは苦笑し、エリゼは溜息を吐き、ワジは静かな笑みを浮かべた。
「それなら支援課のガレージに戻って車で僧院の近くまで行って、そこから徒歩で僧院まで行こうか。」
「そうね。2台あるから全員乗って行けるし。」
そしてロイドの提案にエリィは頷いた。その後ロイド達は車で僧院の近くまで向かい始めた………………
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外伝~お嬢様の捜索~中篇(前半)