「ねぇねぇ、ぽって。見てみなよ。まるで私たちがたまゆらに
祝福されてるみたいだよ」
私の写真を見ながらすごく優しい表情を浮かべながらかおちゃんが
私に声をかけてきた。
「え、写ってた!?」
「うん」
かおちゃんの後ろから覗き込むと、それは私たち二人で行った
記念の場所で撮影したものだ。私がかおちゃんと腕を絡めて
ピースをしている簡単な構図。
背景は島と海と船が写っていてみるたびにあのことを思い出す。
初めてかおちゃんとキスした場所だから忘れようがない。
「ほんとだ、5個くらいあるね」
「私たちの特別なことだったから何だかうれしいね。それと同時に
少し照れくさいかも」
「えぇ~。とても素敵だと思うけど」
「うん、そうだよね」
しばらく私の撮った写真を眺めながら雑談をしている。
好きな人の傍にいるととても落ち着くのもあるけど胸の奥で
ドキドキしているのがわかる。
なんだかこそばゆくて幸せでたまらない。ベッドの上でごろんって
したい気分になるので。
「それにしても最近暑いよね~」
「だね」
困ったように天井を仰ぎながら言うかおちゃんに私も汗がけっこう
かいてることに気づいて少し心配になった。私って今臭いのかな?
そんな私の様子にかおちゃんは笑顔を向けながら親指を立てて
言った。
「ぽっての匂いは全部合格。汗もみんないい感じだよ」
「え、ほんと・・・?」
こういうことは自分じゃわからないことが多いから
不思議な気分だ。
「だ~か~ら~」
「わわっ!?」
不意にひょいっと体を持ち上げられて私は変な声をあげながら
着地したのは胡坐をかいてる上に置かれて、すかさず頭の匂いを
嗅がれた。
「ん~、これは良い」
「ちょっと、かおちゃん~・・・」
この形はとても恥ずかしいのだけれど・・・。
実は高校卒業して二人で進む道を見つけた際に
二人で同棲しているのだ。
お母さんに相談したら快く援助してくれることになって。
二人でバイトをしながらの生活に足りない分を貸してくれることになった。
おかげで今は二人の時間をすごく取れて幸せだ。
時々さよみお姉ちゃんが、いつ合鍵を作ったのか勝手に
入ってくる時があってその時はさすがに焦ってしまうことがある。
「今日はお姉ちゃんには釘刺しておいたから存分にイチャつこう。
ぽって」
「うん」
するとさっきまでの形から匂いを嗅ぐのを止めたかおちゃんは
今度は後ろから私を抱きしめてきた。時々力強さを感じる彼女が
近くにいてくれるととても安心できる。
「あ、今なんだかすごくお好み焼きが食べたくなった」
「脈絡がないよお」
「もう少ししたら「ほぼろ」にいかない?」
「あ、いいねぇ~」
高校の時にもお世話になったお店。あそこのお好み焼きは
すごく美味しいから、言われると食べに行きたくなる。
「ついでに周りの姿も撮りにいこうよ、かおちゃん」
「いいねぇ~。あとポプリに合いそうな材料も探したい」
「じゃあ、デートだね」
「そうだね。ぽって」
軽く部屋の中でスキンシップを取った後に私たちは外に出る。
手を握って、指を絡めて。恋人繋ぎだ。
周りも優しい方々が多くてこれからも大変なことがあっても
がんばれそうな気がする。もっとアグレッシブに。
もあぐれっしぶに、私たちは前へ進んでいく。
お終い
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ぽってとかおるをイチャイチャさせただけのお話。この二人はほんと末永く付き合ってるイメージしかないですねえ(*´ω`*)