No.612185

【獣機特警K-9ⅡG】忍び寄る戦慄【交流】

古淵工機さん

クリムゾンクロス編その2です。
6年前の事件(http://www.tinami.com/view/467967 )との関係もちょっと明らかに!?
…そしてヘレナの隠し機能も明らかにw

◆出演

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2013-08-25 01:21:46 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:894   閲覧ユーザー数:843

「…そうか、刑事局への狙撃は失敗か」

と、暗い部屋でモニターの画面を見ながら、ブランデーをたしなむテラナーの中年男性が一人。

血のような赤い色の布で作られた服をその身にまとい、その服の各所には赤い十字架をかたどったエンブレムが配されていた。

「まあいい、我々の存在を奴らに見せ付けることはできた…ククク、道具としての本分を忘れた機械どもよ、われら人間の裁きを受けるがいい…この血の十字架(クリムゾンクロス)の名においてな」

彼こそクリムゾンクロスの総統、アーベル・ディーゲルマンであった。

アーベルは感情を持ち自律したロボットを『危険な存在』として排除しようとたくらんでいたのだった…。

その頃、ファンガルド・プラネットポリス本部の会議室…。

そこには本庁勤務組であるマキ・ロックウェル、シーナ・ヴァイス、ラミナ警察署の署長エルザ・アインリヒト、同署の捜査課長ジース・ミンスター、

K-9隊隊長である久遠・ココノエ、プラネットポリス総監のフュア・フランバージュ、FIA局長に就任したヘレナ・アインリヒト、そして刑事局長官アイヴィー・ヒルトンが集まっていた。

「…さて。先日の件だけど」

と、アイヴィーが口を開く。

「ああ、刑事局爆破事件ですか…大丈夫でしたか長官?」

と、心配そうに訊ねるマキ。

「ええ、咄嗟のところで身をかわして攻撃を避けたし…この時間最上階はほとんど人がいなかったから怪我人も出ていないわ」

そのアイヴィーの言葉のあとにフュアが続く。

「ただ、この爆破事件は外部からの襲撃ではないかと私はみている」

「外部からの…」

「襲撃…!?」

 

息を呑むヴァイスとミンスター。フュアはさらに続ける。

「そうだ。射角と威力から私の電子頭脳で分析してみたのだが、使用されたのは超小型クラスターロケットではないかと思っている」

「超小型クラスターロケットか。ヘタに直撃すればロボットでも簡単に粉砕されると聞いているが…そんなものを使用すると言うことはまさか…」

と、問いかけるエルザにフュアはさらに続ける。

「ああ、おそらく標的にされたのはこの時間、長官室にいた私とアイヴィー長官だ」

その話に割って入るように、ヘレナが続ける。

「そのことなんだけどフュア総監(ねえさん)…付近に落ちていた弾頭の残骸を拾ってみて調査したところ変なマークがついていたんだ」

「変なマーク?」

「その時の画像データが僕の電子頭脳にインプットされてる。マキさん、今からそこのスクリーンに投影するから一度部屋の電気を消してくれないか」

マキはその言葉を聞くや、会議室の電気を一旦消した。

室内が闇に包まれたかと思うと、ヘレナの眼に搭載されたプロジェクタから、中央のスクリーンに画像が投影された。

 

「こ、これは…!」

「し、知ってるんですか署長!」

驚愕のあまり青ざめるエルザに、クオンが訊ねる。

「ああ…クリムゾンクロスだよ。君も名前くらいは聞いたことがあるだろう?」

「はい…確か、反ロボット団体のひとつ…」

そのやり取りの横で、アイヴィーは奥歯を食いしばりながら画面を見つめていた。

「…アイヴィーさん?」

マキが心配そうにアイヴィーに訊ねる。

「そういうことだったのね…奴ら、また私の命を狙って…」

「『また』って…まさか!?」

驚愕するマキ。アイヴィーはさらに続ける。

「…マキさん、エルザさん、それにクオンさん。6年前の本庁襲撃事件は覚えているわね?」

「はい、反ロボット過激派団体による襲撃事件で…」

「まさか、その団体って言うのは…」

「ええ。あとで調べてみてわかったのだけれど、6年前に私の命を狙った奴ら…それがクリムゾンクロスよ」

「だけど、その連中はほとんど蹴散らしたって…」

クオンの言葉にアイヴィーはため息をつくと、さらに答える。

「確かに…でも、あの時蹴散らしたのはほんの末端に過ぎない。肝心のボスの居場所もまだわかっていなかったし…いざ捜査しようとした時には情報がかく乱されていた。手がかりひとつ掴めないまま6年が過ぎてしまったけれど…それにしてもなぜ今になってまた奴らが活発に動き出したのかしら…」

その言葉を受けたミンスターが答える。

「まあ、エルメ教の動乱もありましたからね。いざとなれば彼らがロボットを排除してくれるとクリムゾンクロスは思っていたのでしょう。それであえて動かなかったのではないか…と思いますが」

映像が消え、再び明かりがともる室内。

 

「とにかく、FIAも全力で捜査を続けさせてもらうよ。フュア総監(ねえさん)、そしてエルザ。奴らのことで何かわかったら連絡を入れるからね」

「ああ、頼むぞヘレナ」

「余りムチャして自分が消されないようにな、ヘレナ姉さん」

「エルザ…それフォローになってないよ…」

そのしまいのやり取りを見ていたアイヴィーは、一度咳払いをしたのちに会議室にいた全員に告げた。

「そういうことで、我々刑事局もクリムゾンクロスを最重要危険団体に指定して調査を続けます。情報が判明しだいこちらからも連絡を入れるけれど、あなたたちももし奴らの動きで気がついた点があったらすぐに情報を送ってちょうだい。いいですね」

「了解!」

…かくして、新たな敵との戦いが始まろうとしていた。

前代未聞の過激な組織を前に、プラネットポリスはどう立ち向かっていくのだろうか!


 
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