No.610594

魔法先生ネギま! 悪と正義のマギステル・マギ候補生 第一節「日本上陸2」

霞月さん

前回の引きのせいでルーンがただの捻くれたクソガキになってしまった感じ、かつ明日菜が陰険な女の子になってしまったので少し払拭していけたらと思いますが……私はプロット型作者じゃなく直感型作者なので、気付いたら自分の中のキャラクターに引き摺られて作品を書いてる事が多いので無理かもしれません笑

2013-08-20 16:32:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1583   閲覧ユーザー数:1542

†??

職員室で今日から修行にくる彼等を待っている間、珈琲を啜っていた。ネギ君に関しては心配していないけれど、ルーンはなぁ……と頭が痛い。猫を被れる事を除けばその辺の野犬よりも余程危険な印象しかないからだけど、言い過ぎではないと思う。

 

「現に推薦したからか、よく校長先生から相談されたしなぁ……」

 

最高記録は一週間に10回、つまりその一週間は一日に1回以上問題を起こしていた事になる。教師という立場を与えれば少なくとも猫は被るだろうが、沸点が低いからなぁと苦笑せざるを得ない。魔法バレよりも暴力沙汰や衝突を心配しなくてはならないマギステル・マギ候補生というのは前代未聞ではありませんか、学園長?

 

悩みの種が思わず溜息を促したからか、たまたまそばを通った女性から声を掛けられる。眼鏡越しにニコニコとした優しい目でこちらを見てくる彼女が彼等の指導係だと聞いて安心した位に信頼している。

 

「あら、高畑先生。どうしたんですか、溜息なんてこぼして?」

 

「いやなに、これから来る子達の“やんちゃ”な方の事で頭が痛くて……悪い子ではないんですがね」

 

後半付け加えた言葉は嘘偽りのない言葉だ。ネギ君と比べると曲折しているが、いい子には間違いない。自分に再び言い聞かせる様に口から出た言葉は彼女を笑わせてくれた。どうやら彼女は教育実習生として来る彼等を心待ちにしていたらしい。暫く和やかな談笑を交わしていたが、聞き覚えのある声が外から聞こえたため、僕は慌てて窓へと歩み寄る。

 

久々に聞いた声が怒声とは……先が思いやられるなぁ……。

 

 

†ネギ

何とか頭は離してもらえたけど、ルーンと女の子の視線は険しかった。どちらも譲る気が無いみたいでそれこそ火花が散りそうな位……。どうにかしないとと思うけれど、自分に出来る事が頭に浮かばなかった。怒っているルーンは止められても止めないだろうと経験則から知っていたから。

 

「ネギは謝ったはずだ、あんたも謝れ」

 

女の子に向かって毅然とした態度でそう述べるルーンの目は細められていて正直怖い。けど、迫力では女の子も負けていなかった。ルーンを睨んだままで口を開く。

 

「あんたの言葉遣いも礼儀に反するでしょうが!?それも謝るなら謝るわよ!」

 

あ、意外と素直なのかもしれないと思ったけれど、ルーンはそんな事は考えていないのか目を見据えたままで首を振る。これは絶対に納得していないなぁ、と諦観の姿勢を決め込む事にした。これはどちらも譲らないだろうから。

 

†ルーン

「ネギに謝れ。俺の言葉遣いの非礼はそのあとでも問題ない」

 

このツインテール、根元から引っこ抜いてやろうかとも思うが一応教師としての仕事が待っていることだし、抑える。正直ネギに謝ってくれさえすればこっちだって素直に謝れるから助かるんだけど、とも思うが言ってしまえば火に油かもしれないので飲み込んだ。決着のつかないやり取りに、京都弁少女が口を挟んできた。

 

「も〜、アスナぁ!大人気ないえ?」

 

確かに大人気ない、それにしてもツインテールはアスナと言うのか、字面次第ではかなり女の子らしい名前なのでしおらしくしていたらかなり可愛いのになどと思った途端、仲裁してくれた女の子もアスナが言葉を返す。その声音は少しだけしょげた様子で、味方と思っていた友人に諌められたのが原因と見て間違いないだろう。

 

「そんなぁー、木乃香ぁ……」

 

意気消沈とはまさにこういう状態だろうなぁと思いながらも京都弁少女は木乃香というのかと把握する。これ以上ヒートアップすることはないだろうな、と思いながら二人のやり取りを傍観することにしたら、頭上から懐かしい声を掛けられた。

 

「ネギ君、ルーン!」

 

言葉に若干の焦りが見えたので、大方この騒ぎが聞こえたのだろうと思いながら彼の顔を見ると、相変わらず何かの映画にエージェントとかで出てきそうな顔をしていた。それも結構凄腕の事件解決しちゃうエージェントと思うが、彼の実績を知っているのでそう見えて当然かと苦笑しながら返事しないのも愛想が無いので手を軽く振っておいた。

 

「タカミチ!久し振り!」

「た、高畑先生!?おはようございます!って、え!?」

 

一方ネギは彼のファーストネームを遠慮なく大声量で呼び捨て、しかも犬の尻尾のように手もブンブンと振るというはしゃぎっぷりだ。確かに温厚なネギにはあの緊張感はキツかったかもなぁと思うが、予想外の声が彼の苗字に先生と着けたのと言葉に込められた好意に気付いた。

 

「何某アスカ、第一印象は最悪な物を与えた可能性大」

 

冷静に分析して呟いたが時既に遅し。あれだけ突っかかっておいて万一俺が関わるクラスの生徒だったらと思うと頭が痛い。ネギと俺のタカミチへの反応を見て奇声を上げたアスカはネギに知り合いなの?と問い掛けていたが、下手すればあんたより知り合ったのは前だよと心の中で悪態をつくだけにしておいた。ネギが素直に頷いた途端視線に込められた敵意が増したので、煽らない様に自分の中で精神衛生を保つためだ。そうこうしている内に律儀に自己紹介をした上でお辞儀までしたネギに倣わないわけにもいかず、俺も同じように自己紹介をする。

 

「ルーン・オースキ・龍視です。今日からこちらで社会科の教鞭をとることになりました。よろしくお願いします」

 

ぺこりと頭を下げると、木乃香は驚きながらも拍手をしてくれた。どうやら根っからいい子なのかもしれないが、一方のアスカの視線は険しい。何かを呟いていてはっきりとは聞き取れないが、言葉に込もった怒気は十分に理解できる。

 

歓迎されていないスタートに思わず苦笑が漏れてしまうが、目をキラキラさせて頑張るぞ!と言わんばかりの友人を見ていると些細な問題な気がしてきた。マギステル・マギへの修行、頑張るかとポジティブに考えることにした。

 


 
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