No.610516

恋姫無双 ~~紅と蒼の悪魔~~ 3-11話

morikyouさん

この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。
作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。

2013-08-20 08:58:23 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5034   閲覧ユーザー数:4434

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。

詳しくは1話を参照してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか、ダンテが発し、そして纏っていたあの気配は消えていた。

審判である真桜は春蘭の降参宣言を聞いて、あわてて

 

「しょ、勝者、ダンテ選手!」

 

と宣言した、が会場の空気は盛り上がりを見せていなかった。

 

「え、え~とバージルさん、できれば解説をお願いしたいんですが…」

「………」

 

解説席で地和が恐る恐るといった感じでバージルにマイクを向けたが、瞑目したまま答えようとしない彼。

舞台中央では、いまだ尻餅をついた体勢の春蘭がダンテを見上げていた。

ダンテは、放送が聞こえてからバージルのほうをじっと見ている。

やがて、

 

「…いいだろう」

 

という声とともにバージルがマイクを受け取った。

 

「えっと、まず彼の放った技に関して何かお願いします」

「…武官は以前敵として見たやつも多いはずだがな。氣を武器に載せて思い切り振れば、総量にもよるが誰だって打てるだろう」

「瞬間移動も同様だ。足に氣をためて地面に向けて放てばあれだけの瞬発力を得られるだろう。当然だが、目で捉えられる速度ではないな」

「…突進からの連撃は俺も初めて見た。まあ鍛錬の賜物なのではないか?」

 

 

「どう思う、祭?」

「…全てが嘘、というわけではありませぬが、ほんとのことでもありますまい」

「その根拠は?」

「確かに氣を使えば身体能力の上昇もできるじゃろう。しかし、少なくとも氣を後ろに放ったのなら痕跡が残るはずなのに何もない」

 

 

「しかも、氣を使う私でも、全く氣を使った感じがしなかった。それはあまりにも異常です」

「なるほど、凪が言うのだから間違いなさそうね」

「おそらくは。ただ、一般人に氣なんてわかるはずありませんし、彼らからすれば我々の動きだって十分すごいものでしょう」

 

 

「むしろ、あの説明で某たちのその動きに尤もらしい説明ができるようになる分、納得もさせやすいのでしょう」

「あわわ、それをこの短時間で考えたのでしょうか?」

「さてな、そうだとしたらとんでもなく頭の回る御仁だが」

 

 

流石の地和も武人たちの納得いっていないという空気は伝わっていたが、観客は納得したような空気であったため、進行を優先した。

 

「な、なるほど。で、では本題ですが、あの異質な雰囲気はいったい?」

「………」

 

それを聞いた瞬間、会場中が再び沈黙しダンテとバージルに注目した。

ちなみにダンテは舞台から立ち去りにくい空気の中、リベリオンの刃先を眺めている。

 

「…ありきたりだが、殺気だろう」

「えっ?」

 

返ってきたある意味普通の返答に呆気にとられたように地和が聞き返した。

 

「先ほども言ったが、氣なんてものは皆が持ってるものだ。しかも、それは一定ではなく感情などで色々と変わるものだしな。最初に二人がやりあってる時、愚弟の感情が高ぶったんだろう、それが表に出てきたってところか」

 

 

「「「嘘だろう」」」

 

会場中の将軍、軍師の意見がここまで一致したこともないだろう。

しかし、そんな空気を全く気にも留めず

 

「そろそろ、行っていいか?少しあのバカと話をしたいんだが」

「え、ええ!ありがとうございました!」

 

バージルはそう告げると、解説席から立ち去っていった。

見れば、いつの間にかダンテもいなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

練兵場の外にて。

 

「…あれは、流石にやりすぎだろう」

「…わりぃ。あいつがついて来るもんで、ついな」

「…ふん、確実に怪しまれてるが、いいのか?」

「良いんじゃねえの?別にわりいことしてんじゃねえんだからよ。どうせならお前も少し出せよ」

「…ま、それも一興か」

 

 

「さ、さて、では次の試合に参りましょう!」

 

仕切りなおすかのように地和がアナウンスした。

ちなみに、将たちはどこか不穏な気配をだしており、一般人はどれだけ武人たちがすごいのかということで盛り上がっている。

しかし、次の対戦が決まった瞬間、再びの沈黙が会場を包んだ。

 

「第三試合は馬超将軍 対 バージル選手です!」

 

 

蜀Side

 

「ちっ、この空気でアタシかよ…」

「お、お姉さま!そんなこといってる場合じゃないよ!相手!」

「ああ、こりゃキッツい相手だな、また」

 

「翠ちゃん、ですか…」

「災難じゃのう。強者とあたるのは武人の楽しみ、とはいえあやつらは少々毛色が違うでな」

「ほんとねえ…」

「流石の焔耶も理解できたのか?先ほどから黙りこくっておるが」

「思うところあるんでしょう、そっとしてあげましょう」

「………」

 

 

店Side

 

「お、ようやくのお帰りやな」

「…おかえり」

「ああ、遅くなっちまったな」

「何を話してたんだ?」

「ちょっと、色々とあってな」

「そうか…。それより次の対戦バージルだぞ?」

「………」

「どうしたんや?アンタが黙るなんて珍しいやないの」

「いや、相手のやつが可哀想になるな、と思ってよ」

「「は?」」

「…?」

「あいつが出るなら、俺は解説か。ちょっといってくるわ」

「お、おう。仕事してきい」

 

 

舞台上に翠が現れた。緊張は見て取れるが、動きが硬くなったりしている様子はない。

今回の審判は、なんと雪蓮。

国王が良いのかといった感じだが、本人が要望したらしい。曰く、「あの恋の師匠の試合は間近で見たい」そうである。

 

会場中がどこか張り詰めた空気でいる中、ついに翠のいる側とは反対側に人影が現れた。

 

 

 

 

 

 

「遅かったじゃねえか!こっちはもう準b…!!」

 

いいかけて、翠は突然槍を構えて飛び退った。

武人たちも何事かとその動きを見ていたが、次の瞬間本気で武器を構えていた。

現れたバージルが、今までとまるで違う空気を纏っていたからである。

 

「な、なんだ今の!?首が飛んだように感じたぞ…!!」

 

翠の呻きに武人たちも頷いていた。そのくらい、バージルの空気は異質だった。

先ほどのダンテ同様、人間が出せる雰囲気ではないということは全員が感じている。

ただ、強いて違いをあげるなら、ダンテは色合い的に紅い空気だったのが、バージルは蒼いということである。

 

「………」

 

そのままの雰囲気でバージルは中央にたどり着くと、

 

「…始めないのか?」

 

と、雪蓮を促した。

 

「…じゃあ始めましょう。試合、開始!」

 

開始の合図が流れた後も、二人は動かない。

 

「…聞いて良いか?」

「…なんだ?」

 

翠が突然バージルに声をかけた。

 

「何か、あったのか?」

「…少々、機嫌が悪くなっただけだ。それと…」

「それと?」

 

バージルは少し言葉を切ると

 

「少しだけ、あいつに感化されただけだ」

 

そう答えると、若干離れた位置にもかかわらず、バージルは深く腰を落として構えた。

その構えを見た翠ははっとして、突如何かから逃れるように動き始めた。

そして、

 

「Die…」

 

というつぶやきとともに、斬撃そのものが翠を追うかのように出現した。

いち早く反応していたおかげか翠は何とかその攻撃をかわしきり、そのままバージルへと槍を突き出した。しかし、

 

「Scum…(クズが)」

 

バージルはそれを見向きもせずに回避、そのまま翠の上方へ瞬間移動して一気に切り下ろしてきた。

ぎりぎりではあるがその攻撃もかわし距離をとる翠。しかし、息がかなり乱れていることから、相当必死によけたことがわかる。

一方のバージルは、攻撃をはずしたことにも特に気にした様子はない。

 

 

 

 

「ハア、ハア。相変わらず規格外だな、お前ら」

「…フン」

 

翠の言葉に対し、そっけなく対応するバージル。

 

 

「お、あいつ…」

「?どうかしましたか?ダンテさん」

 

解説席にいるのに特に試合を見ている様子もなかったダンテが突然声を上げたことに地和が驚いて質問した。

 

「ああ、おそらくあんたらは初めての光景を見ることになるぞ」

「は?」

 

ダンテはそれだけ言うと、試合に集中し始めた。

 

 

「………」

 

バージルは閻魔刀を腰だめに持った。

翠はそれを見て身構えている。そして、

 

「Don't get so cocky.(調子にのるなよ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バージルの周りに蒼い剣が複数出現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

翠が思わず声を上げたのも無理はない。

何もなかった空間から突然剣が出現すれば、誰だって驚くだろう。

しかも、どういうわけかくるくるとバージルの周囲を回っている。

 

 

 

 

 

 

「見とれるのは勝手だが、死ぬぞ?」

「っ!!!」

 

次の瞬間、再びバージルは上から急襲した。

翠も回避行動をとろうとしたが、

 

「うわっ!」

 

周囲を回っていた剣がいつの間にか剣先をこちらに向けて翠を包囲していたことに気づかず、危うく突き刺さるところだった。

とっさに、一番近くの剣を槍で攻撃、砕け散ったところに転がることでバージルの攻撃をよけた。

 

「あっぶな!あんなの刺さったら一大事…!!」

 

そう言いかけて何かを感じ体を起こすのをやめた翠の頭の上を、例の剣がものすごい速さで通り過ぎていった。

 

しかも、バージルに目を向ければ再び構えている。

 

「くっそ、近づけねえしこのままじゃ…」

 

翠は思わずつぶやいた。

しかし、無情にもあの剣が生成され、今度はバージルの頭上に浮いている。剣先はもちろん翠を捕らえているようだ。

 

「…ッ!こい!」

 

翠が叫んだ瞬間、剣が高速で一本ずつ飛んできた。

翠はそれを迎え撃ち、なんと全て叩き落したのである。

 

「…錦馬超の名は伊達ではないようだな」

「アンタにそう言ってもらえるなんてな」

 

バージルがそれを見て言うと、翠は大きく息をつきながら恥ずかしそうにそういった。

 

「This maybe fun…(少しは楽しめそうだな)」

 

翠にはもちろんわからないがそういうと、バージルは再び剣を構えた。先ほどまでとは少し違う構えを見て、翠も警戒を強めている。

そして、少しの時間が流れた後、バージルはその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、あれ相手の子だいじょうぶかね?」

「何がでしょう?」

「あの技、下手すりゃ死ぬぞ?」

 

 

消えてしまったが、先ほどからの気配は消えていないため、間断なく全方位に注意を払っている翠。しかし、次の瞬間

 

先ほどの斬撃そのものが再び襲ってきた。

しかし、数と速度が先ほどとは段違いであったため、幾度となくかわしてきた翠もついにつかまり、一応の手加減なのか切れることはなかったものの、衝撃で跳ね飛ばされてしまった。

執念で槍を手放すことはなかったが、それでもかなりの威力であったため受身を満足に取れず、跳ね飛ばされた体勢のまま地面を滑っていった。

 

 

「そ、そんなにやばいんですか?」

「一応言っといてやる、あの攻撃を本気でかわしたいなら…」

 

 

 

 

 

 

 

「「絶対に足を止めないことだな」」

 

 

 

 

 

 

 

解説のダンテと、消えたはずのバージルの声が重なって聞こえたのを最後に翠は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 

どうも、作者のmorikyouです。

今回はいかがでしたか?

前回、ダンテを自重させすぎだとのコメントをいただきましたので、今回は鬼ぃちゃんにはっちゃけてもらいました。

ただ、それだと相手がつらすぎるので、微強化してあります。

なお、バージルも前回のダンテ同様、姿が変わるほどではないので一応自重しております。

どこまでいくんですかねw

 

次回は三国の反応と心情のようなものに重点を起きたいと思います。

次の試合までいけるかはちょっと分かりませんが御了承ください。

それでは、お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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