No.610258

真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第八節_拠点:月との逢引、ご奉仕しませうご主人様

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2013-08-19 11:11:42 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4497   閲覧ユーザー数:3419

まえがき 更新遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。お盆でちとばかり里帰りやらに行ってきたsyukaです。今回はなんと!なんとなんと!!月ちゃんのターンだーーー!!脳内大フィーバーです!これはもう確変状態ですわ(意味不明)。やっと月とにゃんにゃんできr・・・げふんげふん。それではごゆっくりしていってください。

 

 

 おはようございます、月です。今日はご主人様とでーとなんです。昨日はわくわくしてあまり眠れませんでした。お酒も飲んだのですけどね。今は朝食を作り終えたので、ご主人様のお部屋に向かい、ご主人様を起こしに行くところです。薔薇様と劉弁様は毎日ご主人様と一緒に寝ているのですよね・・・羨ましいですが、贅沢は言えません。ここはぐっと我慢して、我慢して・・・。

 

「少し急ぎましょう。」

 

 ちょっぴり駆け足気味になりながらも、ご主人様のお部屋へ向かいます。昨日は結構な量のお酒を飲まれていたので、まだお休みでしょう。久し振りに寝顔を拝見できる機会ですね。

 

・・・

 

「あ、月おはよう。」

「おはようございます、ご主人様。」

 

 既に起床されていましたか。少し残念です。

 

「月はいつも通りだね。 昨日、結構お酒飲んだでしょ? 頭とか痛くないの?」

「お酒には強い方なんです。 今朝の詠ちゃんは少し辛そうでしたが、もう大丈夫だと思います。」

「その詠は? 一緒にいないって珍しいよね。」

「今日は愛紗さんの隊の鍛錬に付き合うと言ってました。 いつも以上にやる気でしたよ。」

「なるほどね。 詠も大変だね、奉仕に軍師の仕事もしないといけないんだから。」

「詠ちゃんがそれを望んでいるのですから、私は今のままで良いと思いますよ?」

「それもそっか。」

 

 ご主人様とお話していると薔薇様がむくりと起き上がりました。少し体が重そうですね。

 

「ふあぁぁぁ・・・あふっ。 ん~・・・、一刀おはよ。」

「おはよ、薔薇。 まだ眠そうだね。」

「少しね。 でも眠気より、あいたたた・・・なんか頭が重いのよ。 昨日飲みすぎたのかしら?」

「私と同じくらい飲んでいましたから。 まだ酔いが残っているのでしょう。」

「あ、月もいたんだ。 おはよ。」

「おはようございます。」

 

 ご主人様のもとに来られて男装を止められた薔薇様。昔と比べていろんな表情を見受けられるようになりました。これもご主人様のお陰なのでしょうね。

 

「月はケロッとしてるじゃない。 ・・・ってそっか。 月はお酒に強かったもんね。」

「はい。」

「姉様もどうもなさそうだわ。 この寝顔を見る限りではだけど。」

「すぅ・・・すぅ・・・ふふっ。」

 

 心地よさそうに眠りについている劉弁様。良い夢を見られているのでしょうね。

 

「薔薇も寝てるときは可愛い寝顔をしてるよ。 二人の寝顔を見るのが日課みたいになってるし。」

「~~~!!! ば、馬鹿!//」

「痛い痛い、枕を投げるなって。」

「もう!//」

 

 仲睦まじいですねぇ。私もご主人様とこういうやりとりを・・・私には似合わないでしょうか。

 

「ん・・・はふぅ・・・一刀さん、おはようございます~。」

「おっ、起きたね。 おはよ、百合。」

「おはようございます、劉弁様。」

「月ちゃんもいたんだ。 おはよ~。」

「姉様、頭が痛かったりふらふらしたりしますか?」

「ん~? そんなことないよ~?」

「やっぱり私だけ・・・私、お酒に弱かったのね。 一刀、強くなる方法とかないわけ?」

「こればっかりは慣れろとしか言えないからなぁ。 それと、体質の問題だから気にしなくてもいいんじゃない?」

「私ばっかり酔っ払ってぐでんぐでんになったら示しが付かないじゃない。 姉様はどうもなさそうなのに・・・。」

 

 

 納得のいかなそうですね。ですが、私自身がなぜお酒に強いかもよく分からないんですよね。お母様かお父様が強かったのでしょうか?

 

「それはそうとあんたら、今日はでーとなんでしょ? こんなとこでボケっとしてて良いの?」

「朝ごはん食べてからだから大丈夫だよ。 今日は月が作るって言ってたよね?」

「はい。 腕によりをかけて作りました。 下準備も終わってますので、すぐにでもいただけますよ。」

「じゃあごはん食べに行こ。 冷めたらもったいないからね。」

「はい♪」

「私と姉様は着替えてから行くわ。 先に向かってて。」

「了解。」

 

 私とご主人様は一足先にお庭へと向かいました。

 

「姉様、一刀とのでーとは明日ですよ。 昨晩に話し合ったこと、覚えてますか?」

「うん。 一刀さんに見つからないように市に行って新しい服を買うんだよね。 薔薇ちゃん、珍しく張り切ってるね~♪」

「べ、別に他意はありませんよ? ただ、せっかくのでーとなのだし・・・いつもの格好というのもどうかと思っただけで・・・。」

「ふふっ、薔薇ちゃんは可愛いなぁ♪」

「姉様は掴みどころがなくてずるいです・・・。」

「姉の貫禄?」

「いえ、それだけは違います。」

「えぇ~?」

 

・・・

 

「董卓ちゃん、とっても美味しいわ。」

「ありがとうございます。」

 

 庭でいつもどおり皆で朝食をとる。うちは誰が作ってもハズレなしどころか大当たりばかりだから、朝のこの時間が楽しみの一つになっていると言っても過言ではない。たまに・・・ほんとたまにビックリする程下手・・・ごほん!斬新な料理が出てくるけどね。愛紗とか桃香とか。二人とも最初に比べればかなり上達したんだけど・・・「自分でアレンジしたもの。」これが出てきたら俺も胃薬必須になる。

 

「一刀、お前のお嫁さんは料理が美味いな。 菊璃と同じくらい。」

「出ました! 霧刀様の惚気いただきました!」

「風香うるさい。」

「これ、いくらでも食えるな! オレの旦那にも教えてもらいてぇくらいだ!」

「皆さん、食事のときくらい静かになさい。 光武帝の臣下として底が知られますよ?」

「まぁまぁ、美彩もこっちに来てるのだから肩の力を抜いていいのよ?」

「私がしっかりせねば皆ハメを外しすぎます。 菊璃様も霧刀様も甘いのですから。」

 

 な、なんか凄い既視感があるなぁ。

 

「なんか美彩さんって愛紗ちゃんみたいだね、ご主人様。」

「俺も今同じこと考えてた。」

 

 俺と桃香が愛紗の方を見やればこちらをジトっと見ている。

 

「お二人共、自覚があるのなら改善してください。」

「善処します。」

「けど愛紗ちゃん、私たちがこんなだから愛紗ちゃんが引き立つというか・・・。」

 

 桃香、こんなとか言うな。少しだけ悲しくなってくるじゃないか。

 

「では桃香様は私と上に立つものとしての勉強をする必要がありますね。 詠にも力添えをしてもらいましょう。」

「ごめんなさ~い! それだけはご勘弁を~~~!」

 

 やはり俺たちは愛紗に頭が上がらない。お説教が心身に染み付いちゃったのかな?

 

「一刀、お前も尻に敷かれる側だったんだな。」

 

 

 ポンと俺の肩に手を乗っけてくる父さん。なんか親近感を覚えるような視線だ。

 

「父さんはそうだろうけど、俺はきっちりやるつもりだよ。」

「そう言ってられるのも今のうちだ。 後々は尻に敷かれる。 俺も父さん・・・お前の爺ちゃんもそうなんだ。 これは避けられない運命なんだよ。」

「そんなしんみりした口調で言わなくても・・・。」

 

 無駄に説得力があるように聞こえるのはなぜだろうか?

 

「だがあのメイドの子は良さそうだ。 いつまでも尽くしてくれる気がする。」

「月は頑張り屋さんだし気配り上手だからね。 俺も安心して身の周りのことを任せられるよ。」

「だが、史実では暴君董卓として有名な話がある。 そのあたりはどうなんだ?」

「暴君・・・ねぇ。 反董卓軍が組まれたときはそういう噂が流れたけど、まるで逆。 いつも周りの人のことを考えてくれてる優しい子なんだ。 守ってあげたい大切な子だよ。」

「随分と溺愛してるんだな。」

「まぁね。」

 

 反董卓連合が組まれる前に出会ってて本当に良かったと思うね。でなきゃ俺たちが洛陽・・・月たちを追い込んでたかもしれないから。それを考えるだけで身が竦む。

 

「良かったわね、董卓ちゃん。 一刀に愛されてるわよ?」

「へぅ//」

「月があいつの毒牙に蝕まれていく~・・・。 あんた! どう責任とってくれるのよ!!」

「う~ん・・・お嫁さん。」

「はい♪」

「詠よ、諦めろ。 相思相愛の者たちの邪魔をするのは無粋というものだぞ。 我もその一人だがな。」

「あんたもちゃっかり抜け目無いわね。」

 

 そんな会話をしながら朝食を楽しんだ。

 

・・・

 

 食事を終え俺たちは市へ出た。詠が恨めしそうに庭から見送ってたけど・・・いつものことか。

 

「今日のご飯も美味しかったよ。 また腕上げたね。」

「ありがとうございます。 ですが、ご主人様に比べればまだまだですよ。 私も勉強が必要みたいです。」

「俺もこれでもまだまだ修行の身だからね。 一緒に料理の勉強するのもいいかも。」

「是非♪」

 

 月とそんな他愛のない会話をしながら市をデートする。今日は月から手を繋いできたあたり機嫌がいい証拠だ。

 

「それにしてもご主人様、その眼帯はまだ外せないのですか? お聞きになったところ、既に痛みは消えているようですが・・・。」

「明日には外せるって艶火が言ってたから安心して。 勿論痛みが残ってないというのもホント。」

「良かった・・・。 このまま片目だけのご主人様は見ていてどこか痛ましかったですから・・・。」

「月・・・心配かけてごめんね。」

「いえ、私の勝手な心配なのですから、ご主人様が謝られる必要はありませんよ。」

「そう言ってもらえると助かる。 そっか、あんまり実感なかったけど皆に心配かけてたんだな。 月はやっぱり気配り上手だね。 俺の見立てに間違いはなかった。」

「ありがとうございます。」

「さて、暗い話はここでおしまい!」

「今の話、暗かったですか?」

「ちょっとね。 じゃあ気を取り直してデート再開!」

「はい♪」

 

 それから俺たちはいろんなとこを回った。まずは装飾屋さんさんに行って月に似合うものを探した。

 

「月はこの黄色の紐で髪を結ってお団子を左右に作っても可愛いと思うな。」

「ご主人様がそう思われるのであれば、一度試しても良いですね。」

 

 紐・・・というかヘアゴムを二つ購入。そのあとは本屋さんに行って料理本を物色して・・・

 

 

「明日は青椒肉絲を作りましょう。」

「じゃあ明日は二人で作ろうね。」

「はい。 明日が待ち遠しいです♪」

 

 本は結局立ち読みだけさせてもらった。それから小物屋さんに行って俺の部屋に置くための花瓶、花屋さんに行って月が水芭蕉を買った。月が。俺への贈り物らしい。正直、凄く嬉しい。

 

「ありがとね、月。 大事に育てるよ。」

「よろしくお願いしますね。」

 

まぁ、なんでこっちに水芭蕉が?とは思ったんだけど、他にも色々あったから結構仕入先があるんだろうなと自己完結。俺が買いたいのも見つかったしね。

 

・・・

 

 花を買ってから四刻・・・だいたい二時間くらい歩き回った。俺と月の手には行った先で買った品々が溢れている。

 

「ついつい買い込んでしまいました♪」

「買い物も二人だとはかどるね。 やっぱり一人だと普段目がいかないとこが出てくるから。」

「そうですね。 私も詠ちゃんと二人だといつものお店を伺って、そのままお城に戻りますから。」

「詠も寄り道とかしそうにないからなぁ・・・。 まぁ、一旦城に戻ろう。 流石にお互い両手が塞がってたら動きづらいからね。」

「分かりました。」

 

 俺たちは城へ戻り、俺の部屋で各自の私物や食材などなどを仕分けすることから始めた。また外に戻るのは夕方くらいになるかも・・・。まぁ、城外でなくてもデートは出来るんだけどね。

 

「これはご主人様ので、これは私の。 これとそれと・・・そちらもご主人様のです。」

「・・・随分と俺のが多いね。 もしかして、月のってほとんどなかったりする?」

「そうですね。 装飾屋さんでご主人様に選んでいただいたものと詠ちゃんへのお土産くらいです。」

 

 ・・・流石に俺の部屋に入りきらないとかは全然ないんだけど。何というか、小物が増えるだけでも中々に迫力って出るものなんだなぁ。

 

「俺が月のをもっと選べば良かったね。」

「とんでもありません。 ご主人様に私の髪留め・・・へあごむでしたっけ? あれを選んでいただいただけで私は幸せいっぱいです。」

「嬉しいこと言ってくれちゃって~、この~♪」

「へぅ//」

 

 月の頭をくしゃくしゃと撫でる。月が恥ずかしそうだけど、満更でもなさそうだから良かった。

 

「私、花瓶に溜めるお水を持ってきますね。」

「うん、お願い。」

 

 月が俺の部屋を出る。ふぅ、タイミング的にはちょうど良かったかな。俺は先ほど花屋で買った一輪の花を包みから取り出した。うん、間違いはない。くすっ、どんな反応をしてくれるかな?そんなことを考えながら彼女が戻ってくるのを待った。

 

・・・

 

「これで大丈夫ですね。」

 

花瓶にから顔を見せる水芭蕉。葉に覆われたように見える白い花弁が部屋に色のアクセントを加えてくれている。

 

「月、はい。」

「えっ?」

 

 俺は彼女の背後から手元に一輪の花を手渡す。背丈の関係で後ろから抱きしめてるようにも見えるかな?

 

「ご主人様、これは?」

「月への日頃のお礼。 いつも俺への奉仕、ありがとね。」

 

 彼女に手渡したのは霞草。これは花屋のお姉さん曰く羅馬から珍しく届いた花らしい。現物を育てたことのある俺だったけど、実際に見たときは少し驚いた。それと同時に、花言葉が彼女への贈り物にぴったりだなって思った。

 

「これは霞草って言うんだけどね、花言葉が親切と清い心。 それに切なる喜び。 俺からの感謝の気持ちを込めてって思ったんだけど、もらってくれないかな?」

「ご主人様・・・このような綺麗な花と言葉を贈られて、受け取らないなどとは言えませんよ。」

 

 月は割れ物を触っているような手つきで、しかし大切なものを離すまいと胸元でぎゅっと花を抱きしめている。

 

「私、このままでは今以上にご主人様に依存してしまいますよ? お世話させていただきながら、もっと一緒にいたいと思ってしまいますよ?」

「俺こそ手の掛かる主になるかもだよ? 月と四六時中一緒がいい! って言い出す時が来るかもよ?」

「・・・ふふっ♪ 考えることは同じようなことでしたね。」

「そうだね。」

 

 俺たちはもう一度くすりと笑みを零した。月はくるっと体を回し俺に視線を向けてきた。俺は膝を曲げて彼女と視線を合わせる。

 

「ご主人様、これからもご奉仕させていただきますね。」

「うん。 こちらこそ、ご奉仕してもらうね。」

「はい♪ ・・・ちゅっ。」

 

 月と唇を重ね合う。ただ少しの時間だけの触れ合うだけのキス。それを終え、視線を合わせるとどちらからともなく笑みを浮かべて。それだけのことがとてつもなく幸せを感じさせてくれる。こんな時間がずっと続けばいいなと感じるほどに。

 

 月へ贈った霞草は、俺の部屋の花瓶の隣に置かれることになった。隣りあった二輪は互いを支え合うように、寄り添い合うように長い時間を咲き続けることだろう。

 

 

あとがき 読んでいただきありがとうございます。月との拠点はいかがでしたでしょうか。今回は他拠点より少しばかり登場人物が多かった気がします。月ちゃんですが、これからまたメイドレベルが上がることでしょう。というか上げます。これからもうちの月ちゃんをよろしくお願いします。それでは次回 第八節_拠点:白馬鹿と三馬鹿、大きい子供と苦労人 でお会いしましょう。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
20
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択