No.610217

現象起こしの転生者 第六十四話

notrinkさん

神様と転生した主人公が
めだかで原作に入るお話

※注意※
めだかボックスの二次創作です

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2013-08-19 02:50:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1142   閲覧ユーザー数:1121

 

善吉の修行が終了した。

出てきたところに俺と創で加工するだけだから、

最終工程は驚くほど速くすんだ。

現在は、里に帰った不知火を追跡中だ。

不知火は原作通り学園中の自分の記憶をなかったことにした。

まぁ、例外として、生徒会、悪平等、十三組の十三人、

マイナス十三、俺ら四人の者共の記憶はなくならなかった。

理由? 俺が不可能にしただけだよ。

 

『まぁパーティメンバーは原作にプラス俺達だけなんだけどね』

 

「零? 誰に話してんだ?」

 

『気にするな善吉』

 

「というか、乗らないのか?」

 

『と言うか乗れないでしょ?』

 

俺達は安心院さんが運転するジープに乗っていない。

四人が乗るとジープが埋まるので、俺達はジープの後ろを浮遊している。

ジープの動きに合わせて自動で動いたり止まったりして便利だが、

普通の国道で変な目で見られたときは恥ずかしかったよ。

 

「おっと、何かいるみたいだから止めるぜ」

 

そう言って安心院さんが車を止めた。

えーっと潜木のとこの影武者だったっけ?

 

『止めなくていいよ、

打ち上げの技『人間花火』』

 

俺が指を鳴らす、

同時に前方で寝そべっていた潜木のからだが上空に飛んだ。

 

『ぶちのめしてお話を聞いてくるよ』

 

安心院さんや皆にそう言って

俺は潜木のところに飛んだ。

 

『やあ』

 

「ああ、お久しぶりですね」

 

『俺に倒されたのにまた来たんだ。

今回はどんなものを見せてくれるの?』

 

「そうですね、前回は刀でしたから、

今回は専門の『銃』で……」

 

『あらゆるものを撃ちぬく技

『撃ちぬく不可能(ブラストアンノウン)』じゃあまた次回にトライだね!』

 

影武者が何も出来ずに落ちていく。

原作通りとはいえ、味気ないぜ影武者くん。

落ちていく影武者を縄で縛り上げ、

皆のもとへと移動する。

 

『ただいま』

 

「早かったね、どう? 話してくれそうかい?」

 

俺は影武者を見た。

何故かいつの間にやら傷が治っていた。

 

「話すも何も、道案内が目的て寝ていたのですからご心配なく」

 

『寝ている必要あったのか?』

 

「そりゃあ、踏んでもらえるなら最高ですから」

 

………変態だな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

門番はドッペルゲンガーズとかいったっけ。

まぁ論外の四人には無関係だな。

なぜかって?

 

『姫ちゃん、

「兄さん、

「ねーちゃん、

「創、

 

「「「「通してくれる(ます)よね?」」」」

 

「「「……はい」」」」

 

いやあ簡単簡単。

自分の想い人に向けて、通してくれってお願いするだけなんだもの。

 

『じゃあお前ら、俺達は先にってるからねー』

 

「あっ、おい!」

 

引きとめようとしたのか知らないが、

大きな声を出した善吉を無視して俺たちは進んだ。

そして、道の途中で和服の女に出会った。

 

『あっと、えーと、お前は帯だったっけ?』

 

「そのとおりだよ、お前たちが論外な人間たちだね?」

 

「そのとおりだ、さて、帯……だっけ、

俺たちを通してくれないか?」

 

創が帯に向けて話しかけた。

 

「止められるとは半袖も思っていないらしいからね、

このまま進んでくれて大丈夫だよ」

 

「あっそう、じゃあ行こうぜ」

 

うざったい里の描写は飛ばそう。

不知火の屋敷の門をすり抜け、

勝手に不知火の部屋までおじゃました。

 

『やぁ不知火、嘘は意味ないから、

せめても記憶に無いとか言うのはやめとけよ?』

 

「あひゃひゃ、零~わかってるよ、

目の前の四人に記憶に無いとか言っちゃっても意味ないもんね、

それで、お嬢様たちを追い抜いてきちゃって何か用かな?」

 

『特にないぜ』

 

「……」

 

不知火の白い目線が突き刺さった。

でも、本当に不知火には用がないのだ。

あっても獅子目ぐらいにしかない。

 

『用があるのはこの里にいる、

君等が言うところの『闇』だからさ、

俺達としちゃあ今のところは不知火に用はないよ』

 

「あんたたち……知ってるの?」

 

「知ってるも何も、知らないほうがおかしいです」

 

「……あんたたちだもんね」

 

俺は得意気に息を吐いた。

くつろぎながらお茶をすすっていると、

善吉たちが入ってきた。

 

『やぁ、遅かったね、

自分の写しなんかに何手間取ってたの?』

 

ニヤニヤとした笑顔で言ってみる。

 

「『そういう零くんたちも』『偽物ってわかってながら』

『偽物相手にデレるとか』『それって浮気じゃないかな?』」

 

『「「「………」」」』

 

そんなことはないと否定したい。

だってデレたのは相手なのだから、

いやでも、それは実際は偽物だとわかっているのである。

それにデレた場合……浮気………か?

 

『「「「……それは………えと……」」」』

 

「『否定しないの?』『じゃあ浮気だよね』

『うわー君たちってそんな人だったんだー』」

 

俺の心のなかで、何かが崩れる音がしたんだ。

次の瞬間には、俺達四人全員が、

自分の相手に向けて土下座していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時間を少し飛ばさせてもらう。

不知火を連れ帰ろうとした善吉たちに

不知火が俺たちにぶちまけたものは、

箱庭学園で過ごした全てが大嫌いというものだった。

けど、涙流しながら言っても説得力ないぜ。

そして、球磨川さんの説得みたいなものも終わった。

さて最後、不知火が言った。

 

「ここ、不知火の里には、絶対外に漏らせない、

 

 

 

闇が」

 

 

不知火の背後の壁が崩れる。

そこから現れた相手、待ちに待った相手を、

俺達は受け止め、投げ飛ばした。

 

「!!」

 

『ふーい、待ちに待ったぜこのやろう』

 

崩れた瓦礫の上の影に向けて言う。

影は何事もなかったかのように立ち、

不気味な笑い声を上げた。

 

「げっげっげっげっげっげっげ!!!!」

 

何だこいつ。

正直な感想言うとこんなかんじだ。

外見は英雄なんかにはとても見えないだろう。

視覚操作で何とか見えるが……ぼやけるな。

まぁ贅沢は言えない、仕方ないだろう。

 

「新しいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

目の前の野郎が急に叫んだ。

 

「この俺を投げ飛ばすとは、新しい、新しいぞ!」

 

さいですか、感心する程でもないですよ。

本気じゃないんですし。

 

「ああ、本当だったね」

 

俺の後ろで安心院さんの声がした。

振り向くと、パーティメンバーと不知火。

 

『言ったろ? 獅子目言彦が出てくるって』

 

「言ってたね、じゃあさっさと済ませてくれよな、

正直そいつの顔は二度と見たくないものだったんだ」

 

そうですかそうですか。

 

「あんな事言ってるぜ、獅子目、

お前久々の安心院なじみがそっけないなんて新しいと思わないかい?」

 

「ああ、思うぞ、実に新しい!!」

 

創のセリフに獅子目が反応する。

創……目的忘れてないよな?

 

『創?』

 

「大丈夫、安心しろ。忘れてない」

 

ならいい。

 

「獅子目さん、今日私達が居るのは

あなたにお願いがあるからなんですよ」

 

「むっ、少女よ、お前なにか新しい気配がする」

 

姫ちゃんにそのなんか化物みたいな目を向けるな。

目をそらせ糞やろう、内臓引きずり出すぞ。

 

「そうですね、あたっていますよ。

今あなたの目の前に居る四人、

補佐の文字が入った腕章を着けているものは、

皆あなたからして新しいモノですよ」

 

「ほう、それで、願いとは何だ」

 

「不知火さんを助けるために、

このままその体で我慢してもらえませんか」

 

「…………」

 

獅子目は黙っている。

そして、圧倒的な圧力を放つ眼力を姫ちゃんに向けた。

 

「少女よ、それは本気で言っているのか?」

 

「本気じゃなければ言いませんよ」

 

「……断る」

 

「そうですか」

 

まぁ、予想通りの答えだ。

じゃあ予定通りの動きで。

 

『いいね、三人とも』

 

「おーけー」

 

「いつでもどうぞ」

 

「もう一度言います、不知火さんを諦める気はないですか?」

 

「ない」

 

そう言い切った言彦。

俺達四人はその言葉を合図に行動に出た。

目的は言彦を倒すこと。

正直三秒あればできることだ。

 

『悪いな』

「すいません」

「すまんね」

「ごめんね」

 

『「「「不知火は渡せないんだ」」」』

 

そう言って、それぞれが手を構える。

口から出されるのは自身が鼻てる全力の技。

 

『『冥界での死(デスインデス)』』

 

「『間の向こうで(アウトオブワールド)』」

 

「『果ての果ての島流し(エンドレスフォール)』」

 

「『監獄の監獄(シールラビリンス)』」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『「「「………」」」』

 

俺達は目を見張った。

目の前にまだ残っているから。

本当なら影すら残さず消えるはずなのに、

影が残るどころか、形まで残っている。

 

「げっげっげっげっげ!

新しかったぞ戦士たちよ、久々にダメージを受けた」

 

『嘘だろ?』

 

「死んでるはずですけど………」

 

俺は獅子目を睨んだ。

そして気づいた。

獅子目の額に何か模様がついてる。

 

『姫ちゃん、獅子目の額の模様なに?』

 

「………あっあれは!」

 

姫ちゃんが目を見開いた。

 

「クランの紋章、アランと同じ人がよく使ってる模様です!」

 

ということはつまり、

神の息がかかってるってことか。

 

「勝てる?」

 

「無理ですね、撤退しましょう」

 

俺は逃げるために足止めの技をかけようとした。

その時、

 

「逃がしませんよ優姫様」

 

「!!」

 

上空から声がした。

そこには少女が一人、

 

「クラン!」

 

「お久しぶりです、優姫様」

 

少女は降り立ち、凛とした声で一言。

 

「帰ってきてもらいますよ」

 

そう言った。

 


 
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