博麗神社の境内には夜桜が咲き誇っている。
神社の縁側では宴会が行われている。
ビールジョッキ片手に唐揚げを摘む霊夢は素面の様子。
霊夢の横、オレンジ色のスローライフの注がれたグラスを手に持った魔理沙は赤い顔。
「アリスのおっぱい触りたいんだぜ……。ああ、霊夢ぅ、お前のでも良いやぁ」
胸に伸びてきた魔理沙の手を鬱陶しそうに振り払う霊夢。
パシャ。
そんな二人を撮る射命丸。
「射命丸、あんたいつまで写真撮ってるのよ」
「締切明日なんですよぉ。うふふふ」
カメラから離した射命丸の顔は赤い。
「現実逃避で呑んでたのかあんた」
射命丸の横に置いてあるグラスに注がれたカミカゼはもう一口分ほど。
「盛り上がりに欠けるわね。咲夜あんた何かやりなさい。
ああ、手品はつまらないからやめなさい」
塩キャベツをフォークでつつくレミリアは涼しい顔をしているが、
ブラッディマリーの注がれたグラスにはあまり手をつけていない。
レミリアにさらりと酷い事を言われた咲夜は、
眠たそうにしていて聞こえていない様子。
「おじょうさまぁ、あたひぃもぅねむいねすぅ」
咲夜の前のスペアリブとガーリックライスが盛られていた皿は平らげられていて、
横に置いてあるシルバーブレッドの注がれていたグラスも空になっている。
「あら、宴は始まったばかりでしょう。情けないわね」
「家事で疲れてるんでしょう。やすませてあげなさいよ。
それよりあんたこそあんまり呑んでないじゃない」
「あたしは少食なのよ」
「都合の良い言い訳ね」
麦酒を一気に呷る霊夢。
ビールジョッキが空になり、ジョッキの内側に泡が残る。
「料理持ってきたわよ……って、皆結構出来上がってるけど大丈夫?」
襖を開け、神社の中からお盆を持ったアリスが現れる。
お盆の上に置いてあった角煮を霊夢の前に置きながら、
酔いつぶれている面々を心配するアリス。
「大丈夫よ料理は私が食べるから」
「いやそっちの心配じゃなくてね?
あ、魔理沙それ私のカルアミルク……、べ、別に良いんだけどさ」
べろべろになりながら人の酒を飲んでいる魔理沙。
それを意味も無く撮る赤い顔の射命丸。
「アリス、私麦酒ね」
空のジョッキをお盆に乗せる霊夢。
「あ、うん」
空になったグラスや皿をお盆に乗せ室内に戻っていくアリス。
咲夜は寝息を立てている。
「てかせっかくの花見なのに桜全然見てないわね」
「良いのよ。花見なんて酒を飲む口実でしょ? あ、角煮美味っ」
「ま、そんなもんよね」
角煮を頬張る霊夢をジト目で見ていたが、
視線を外し徐ろに服を脱ぎ出すレミリア。
「裸踊りでもするの?」
「馬鹿言ってんじゃないわよ、暑いだけ」
「あ、吐きそ」
「ちょっと魔理沙勘弁してよね」
満開の夜桜が咲き誇る神社は、今宵酩酊した少女達で騒がしい。
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東方二次創作短編。
オチやテーマは特になし。