No.607463 真次元ゲイムネプテューヌ 波動の戦士 第二話FDPさん 2013-08-10 18:42:55 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:1419 閲覧ユーザー数:1384 |
第2話「戦士と女神 前編」
あれから、コンパはアイエフと共にネプテューヌがいる教会へと行き、ネプテューヌとイストワールに事の詳細を話した。
「ええ、それ本当なの! コンパ!?」
「はいです! その男の人、警備員の話を聞いたら、連続ジャンプして行っちゃったんです!」
「連続ジャンプはともかくとして、男の人の特徴からして、先ほどまで、こちらに居た方だと思います。しかし、何で、そこに向かったんでしょう?」
「そうですね、ねぷ子とイストワール様からの話だと、確かに怪しい人物だと思いますし・・」
「もう~~二人とも、そんなに警戒しなくたって、あの男の人はそんなことしないよ!」
「そうは言うけど、話聞く限りじゃ、その男は隕石現場の近くで倒れていて、男は今、その隕石現場の方へと向かっているっていうのよ。むしろ、辻褄が合って、その男が隕石の事と何か、あるとしか考えられないわ。」
「私もアイエフさんの意見に同意です。彼があんな態度を取っていたのも、あの隕石に何等か関連していたけど、運悪くあの場で女神であるネプテューヌさんに見つかったから記憶喪失のフリをしてはぐらかし、そのまま、逃げる様に教会を出ていったとも考えられます。」
疑うことに一切の疑問を問わない二人にネプテューヌは青年を庇うためか、二人に反論をする。
「でも、そんなんだったら! どうして、そんな回りくどいことをしたの? 別に記憶喪失のフリをしなくたって、あの場はしのげたのに。」
「そ、それは・・そうですが・・・」
そう力強く言ったネプテューヌの言葉にイストワールは口を濁らす。アイエフも反論できないのか、黙っている。そこにネプテューヌはさらに追い打ちを掛けるかの如く、もう一言言う。
「それに、隕石現場に向かうんだったら、そのまま、直行して向かえば良いのにあんな大立ち回りをした挙句、コンパや他の人に対して自分が向かう場所を言っていったんだよ!どう見たって、デメリットしかないよ!!」
「「!!!!」」
二人はその言葉に何も言えなかった。ネプテューヌの言い分にもよるが、それよりもネプテューヌの必至な声によるものであった。
「(ネプテューヌさんが・・・ここまで、必至になって庇うなんて・・)」
「(確かにねぷ子の言い分にも一理あるけど、この必至さは何・・・?)」
そんな喧噪が繰り広げられている中、コンパが三人の間に割り込んで声を上げた。
「三人とも! 今はそんなことして場合じゃないです! 今はそのモンスターの所に行った男の人の方が先です!!」
「そ、そうですね・・・私としたことが、目先の事に行ってしまって・・・すみませんでした・・」
「ええ、そうね。コンパの言う通りだわ。私もどうかしてたわ。ごめん、ねぷ子。」
そう言って、二人は先ほどまで、自分たちが言ってた内容を思い出し、ネプテューヌに頭を下げる。
「良いよ、二人の言っている事分かっているから、そんなに気にしてないから、大丈夫。それに今は、コンパの言った通り、あの人を追おう!」
そう言うと、ネプテューヌはめを閉じて、右手を胸に当てる。
すると、彼女は光に包まれ、光が消えるとプロセッサ・ユニットを装着し、パープルハートへと女神化した。
「じゃあ、私は先に彼のところへ行くは、二人は街にこの国にモンスターが侵入して来ないよう頼むわ。」
「ええ、わかったわ。」
「がってんです!!」
そう二人はそれぞれの言葉で返事をすると、部屋から急いで、出ていく。
それを見送ったネプテューヌは部屋窓を開けて、窓の淵に足を掛けて飛び立とうとする。
しかし、そこでイストワールから声がかかった。
「ネプテューヌさん。もし彼を見つけたら、こちらへ連れてきてください。」
「また、彼に尋問紛いなことでもするのかしら?」
ネプテューヌが意地悪な事を聞くと、イストワールは首を横に振る。
「いえ、今度はちゃんと失礼の無いよう、お持て成しをするだけです。」
そう言うと、イストワールはいつもの表情に戻る。それを見たネプテューヌは小さく笑うと、返事をするかの
ように、イストワールに一言言って、窓から飛び立つ。
「そうね、あとで買ってきたお菓子でも食べながら、お話でもしましょう。」
その頃、未知のモンスターが居るであろう。工場跡地に向かった青年はというと・・・
「ここどこ・・・」
そう言って、辺りを見渡す。周りに見えるのは森ばっかで、工場の跡地どころか、鉄の欠片すら見えないといったところだ。
「いくら来た道を戻ってきたとはいえ、あの場所からどれくらいまでかは知らないしなあ。」
そう言って、小さく溜息を吐きながら、周りを見渡して、少しでも自分がどの位置にいるかを模索する。
それから、十数分近く、森をうろついていると、突然、右の方向から、爆発音が聞こえてくる。
巨大な爆発音が響いたせいか、森の木々から一斉に鳥が飛び立ち、様々な鳥の鳴き声が森を包み込む。
「爆発音? じゃあ、あそこが工場跡地か・・!!」
目的地を確認できた青年は急いで、爆発が起きたと思われる方向へと走っていく。
その頃、ネプテューヌは上空から工場跡の爆発を目視し、スピードを上げて工場跡地に向かう。
「もはや、工場の面影すら残ってなわね・・・」
そう皮肉を零しながら、目的地である工場跡地に着いたネプテューヌは自身の武器である長刀を展開して、煙だらけの場所へと降りたつ。
「コンパによれば、危険種とは違う未知のモンスターと言っていたけれど、この様子だと、かなり手強そうだわ。」
ネプテューヌは未知のモンスターがどういった形か情報が無かったため、警戒しながら、爆発が起きたと思われる所へと進んでいく。
しかし、爆心地と思われる所には何もなかった。それどころか、何が爆発したのかさえ不明であった。
「いったい、どういうこと・・・・」
ネプテューヌはしばらくの間、辺りを捜索していると、煙が晴れていき、視界がさした時だった。
何かが、ネプテューヌの横を通り抜けた。
「きゃっ! な、何!?」
ネプテューヌは驚きの余り、普段は出さない声を出してしまった。それもその筈、あれだけ警戒していたのにも関わらず、突如として、自身の周囲に現れたのだ。その不気味さも関わったがゆえ、ここまで驚いたのだろう。
ネプテューヌはそのままバックステップし、後方へと下がる。
煙から出たネプテューヌはそのまま、煙の中からの攻撃に警戒をする。
その時だった、自身の後ろから、突然足元に何かが絡まって来たのだ。
「な、何っ!!」
ネプテューヌは足元を見ると、そこには直径30cmくらいの黒い影の様な蛇が絡まっていた。
「こ、こんなの斬って・・・!! そんな! いつの間に!!??」
そう言って、絡まった蛇を斬ろうとするが、長刀を握っている腕にも絡んできた。
そして、動きを封じられたネプテューヌは体中を締め上げられる。まるで、捕食する際に獲物の息の根を止めるかのように。
「こ、こんなあっさりと・・・グッ・・・!!!」
止めを刺すかのように、首までも締め上げられてしまい、苦しさの余り、ネプテューヌは右手に持っていた長刀を地面に落としてしまう。
そして、意識を失いそうなった時、ネプテューヌの頭の中に浮かんだのはあの青年のことだった。
「(何でかしら・・・どうして、彼を・・・)」
そう頭の中で、一言呟くと限界が来たのか、意識が朦朧としはじめ、視界が揺れる。
その時、何かがネプテューヌに巻き付いている蛇がバラバラに切り落とされた。
何かは、そのまま倒れそうになるネプテューヌを抱え、工場の残骸の上に飛び乗る。
「だ、誰・・なの・・・」
意識がまだ回復しきって居ないのか、目に映った人物を特定できなかったため、自分を助けた何かに尋ねた。
「よう、さっきぶりだな・・・」
「あ、あなたは・・・さっきの・・」
その声には覚えがあったネプテューヌは小さく驚く。
そして、意識がはっきりすると、目の前には心配そうに様子を伺う青年の顔が見えた。
「とりあえず、体は無事か?」
「ええ、まだ彼方此方痛いけど、我慢すれば・・・」
「じゃあ、もう少しこのままでいるか?」
「え・・・・」
青年の言葉に疑問を持ったネプテューヌは自身の状況を確認した。
今、ネプテューヌは青年に抱えられて、残骸の上に立っている。ただ、問題なのは、その抱え方なのだ。それは所謂女の子抱き、つまりはお姫様抱っこというものであった。
それに気づいたネプテューヌは、恥ずかしさからなのか、頬を赤くしながら、暴れだした。
「ちょ、駄目! 下ろしてって!!」
「おい、そんなに動くな! またあの蛇に襲われるぞ!」
「え、どういうことなの!?」
その青年の言葉を聞いて、ネプテューヌは恥ずかしながらも動きを止めて、彼の顔を見て理解を求めた。
すると、青年は空と地面を一回見ると、ネプテューヌに視線を戻して、訳を説明した。
「さっき、君が襲われていた時にあの蛇、お前の影から生えていたから、もしかしたらと思って、瓦礫の影の中に入ったんだ。」
「?? 影からなら、此処もすぐ襲われるんじゃ・・・」
「いや、それならお前の足元から襲うよりも、近くの瓦礫の影から襲った方が効率的の筈だ。それに向うは躊躇なくお前を襲っていた。つまりは影から現れる条件があると持ったんだ。それで試し有機物、つまりは生き物で出来た影じゃなく、無機物といった物で出来た影の中なら出てこれないと思って、こっちへ飛んでみたんだ。まあ、一か八かだったけど、推測は当たっていたようだな。」
「成程ね・・でも、よく思いついたわね。まさか、最初から襲われていたのを見ていたの?」
ネプテューヌはそう言いながら、目を細めて、青年を軽蔑するような目で見る。
そんな、ネプテューヌに対して青年は、「まさか・・・」と言って、また、空と地面の影を交互に見て影の動きを観察しながら、言葉を続ける。
「さっきまで話はあくまで、推測に過ぎなかったんだ。君を見つけた時には、もう武器は地面に落ちていて、首を絞められていた君を見て、考えることよりも助ける方を優先したんだが、助けが遅かったのは事実だ。済まない。」
青年は事の経緯を説明すると、ネプテューヌを真っ直ぐ見て、頭を小さく下げた。それを見て、ネプテューヌは慌てて謝罪をする。
「い、良いのよ! 助けて貰ったのは私なのにあなたが謝るのは可笑しいわ! それに謝るのは私の方よ、助けて貰ったのに疑う様な真似をして・・・」
「いや、構わない。それよりも、ちょっと試してみたい事があるから、ここで待っていてくれ。」
そう言って、青年はネプテューヌを瓦礫の影に座らせると、何を試すというのか、影の外へと出ていったのだ。それを見た、ネプテューヌは青年に声を上げる。
「な、何をやってるの! 影から出たら、あいつが!!」
「大丈夫だ!! 奴の来る場所はもう分かっている。」
「え!!!」
その時、青年の正面から黒い蛇が現れる。青年は正面から来た蛇の首を右手で鷲掴み、引っこ抜くかのように引張り上げる。
「や、やったわ!!」
「いや、まだだ!!」
青年がそう叫ぶと今度は3メートル近く離れている木の影から、もう一匹、蛇が現れた。
予知していたのか、青年はもう一匹の蛇の首を左手で掴み取る。しかし、タイミングが合わなかったのか、首より少し下の方を掴みとってしまった。
そのため、もう一匹の蛇は青年に掴まれながらも、彼の左腕を思いっきり噛む。
「くっ!!!」
噛まれた苦痛に一瞬顔色を変えた青年だが、無視して右手で掴んだ蛇を抜こうとする。しかし、最初に引っ張った時よりも、抜けづらくなったのか、いくら力を籠めても蛇は抜けなかった。
その時だった。右手で掴んでいた蛇が左腕を噛もうと、首を伸ばしているのに気が付いた。
「(まさか・・・だが、それならあの爆発も説明がつく。よし、此処は下がろう。)」
それを見た青年は右手で掴んでいた蛇を握り潰し、左腕を噛んでいた蛇を手刀で切り落とし、ネプテューヌが居る瓦礫の影へと飛び込んでいった。
影に入ってきた青年を心配してか、すぐに体から影が出ないよう青年の元へと近づいていく。
「大丈夫!? 左腕を見せて、早く止血しないと!!」
そう言って、ネプテューヌは有無を言わさず、青年の左腕を取ると、自身の目を疑うような光景を目にした。
それは、あんなに強く噛まれた筈の青年の腕は一滴も血が流れておらず、それどころか、傷痕すら見当たらなかったのだ。だけど、彼女が驚いたのはそこではなく、彼の左腕が真青に変色していることに対しての驚きであった。
「ど、どういうことなの・・・」
「やっぱりな・・・・」
「やっぱりって、どういうこと、説明して。」
「森の爆発を覚えているか?」
「ええ、此処へ向かう途中、まだ壊されていなかった工場が爆発したことね。」
「ああ、あの爆発をどうして、お前にしなかったのか、気になってな。それで、奴から絞め殺すという手段を奪い、あえて、左腕を噛ませてみたんだ。」
「じゃあ、あれはワザと・・・!!!」
青年の取った行動に開いた口が塞がらないほど、ネプテューヌは驚愕の表情をする。
「そしたら、右手で掴んでいた蛇が俺の左腕を噛もうとしていたのは見えただろう?」
そのまま説明を続ける青年の問いに肯定して首を縦に振る。
「あの右手で握っていた蛇の牙と左腕の蛇の牙は、もしかしたら、爆発を引き起こすための爆破装置じゃないかと思っている。」
「爆破装置?」
「ああ、詳しく言うと牙は発火装置で、牙に付着している毒そのものが火薬と考えるとあの蛇の行動や、爆発した際の爆破剤や起爆方法にも納得がいくし、警備員の大怪我した理由も繋がる。」
「ちょっと、待って・・・じゃああの警備員はどうやって、ここまで来れたの? とてもじゃないけれど、負傷した身体で、あの蛇から逃れるのは無理じゃあ・・・」
「確かに普通なら無理だが、あの蛇から逃げるのは、結構簡単なんだ。」
ネプテューヌは青年の言葉に顔をしかめる。すると、理由が解らない彼女に彼は、簡単に説明した。
「まず、敵はどうやって、攻撃してくる?」
「生き物の影・・・」
「そうだ。じゃあ、それらから逃げるには?」
「今みたいに無機物の影に隠れるか・・太陽がかくれるか・・・あっ!!」
「そういうことだ。警備員が逃げられたのはちょうど、雲で太陽が隠れてしまったからだ。」
「そう思うと、本当にどうってこと無いように思えてくるわね・・・」
敵の弱点を理解したネプテューヌはつまらなそうに溜息を吐く。それもその筈、女神である自身を苦しませた存在がこうも、簡単な方法で防げてしまうことや、それに気付けなかった自分に対しての呆れも含めての溜息であった。
しかし、そこでネプテューヌに一つの疑問が浮かんだ。
「ちょっと待って今の話の内容だと、敵から逃れられるだけ、倒す手立てはどこにも無いんじゃ・・・」
「ああ、そっちは今考えてる所・・・」
「考えてるって・・・じゃあ、倒すあてがあるってことなの・・?」
「ああ。さっきの蛇は結局の所、二匹しか、出てきていなかっただろう?」
青年の言葉にネプテューヌは青年が試しに行った時と、自身が襲われた時の状況を思い出し、青年が考えている事に気がついた。
「そう言えば、さっきあなたが右手で掴んだ時は、蛇はあんな簡単に引き抜けたのに、二匹目の時は引き抜けなかった。ということは・・・」
「そうだ。あの蛇は二匹だけで、二匹とも体が繋がっているってことだ。」
「つまり、頭は二つあっても体は一つ・・・そして、頭もう二回も頭をバラバラにされているのに、再生したということは・・・、本体は影の中ってことね!!」
ネプテューヌは確信した表情で、太陽に照らされている地面を見つめる。
そのネプテューヌを青年は見つめながら、肯定するのだが、「しかし・・」と言って、口を濁す表情をする。
「本体の場所が解った・・だけど、あいつを引き出す術が無いんだ・・・」
その言葉を聞いたネプテューヌの頭には絶体絶命の言葉が浮かんだ。
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連日投稿してみました。その分、次の作品はちょっと、遅れそうです。
リハビリ目的に書いたネプテューヌの二次創作小説でしたが、超次元ネプテューヌの面影が無いというよりは、別の作品になってしまった感じがします。
原作を知らない方々でも、大丈夫ですので、是非楽しんでいってください。