「…いやもう…反省した。考えが足りなかった」
「…やっちゃったものはしょうがないけど。…ね、いい加減言いなさいよ。これ考えたの誰よ」
「………いや、俺が考えました」
「あそ…。これ絶対あんたじゃ思いつけないの分かるし、やり口から見てボクも大体仕込んだ奴分かってるけど。まあ、あんたの所期の目的は果たしたんだろうから。後始末はあんたが責任もってやんなさいよね」
「全力尽くさせて頂きます」
詠がため息をついて部屋を出て行った。
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藤香と玲紗に手を焼き、仲達さんに投げただけでどうにも出来ずに日が経ち。
愛紗と思春が終わってると方々から言われ、どうにかしなくてはと思い。
ある人にポロッと相談したところ、一策を授けられた。
但し、絶対に自分の名を出さないようにと念を押されて。
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「それじゃー、本日はお忙しいところお集まり頂きまして有難う御座いまーす」
やる気が出ない。
「本日はですね、こちらの藤香と玲紗。この二人がですね、勤務j時間中の庁舎の風紀を乱したとー」
出るはずがない。頼むから愛紗、そんなに睨み付けないでくれ。
「総務の方から連絡受けまして、ま、事実関係本人達に確認しましたところ、人の寝台でふざけており、次第に盛り上がってしまいシーツを使って不適切な行為に及ぼうとしていた事を認めましてー」
思春も睨まないで。ギリッとか奥歯鳴らさないでお願い。
「俺も指導監督の立場から彼女達に罰を与えて反省を促す事と致しましてー、皆様にお立会いをお願い致しました次第ですー」
ああもうかなりの数の馬鹿にしきった目線と、幾つかの今更意味無いんじゃありませんかって視線と、おいそこ代われにしか見えない眼光。うん、真正面の君ら二人。
あと藤香と玲紗、縛られてるのに『羨ましいだろお前ら』みたいなドヤ顔は止めてくれ、愛紗と思春の血管が切れる、マジ切れるから。
――――絶対これ見たら大人しくなりますから!一発ですよ!もし効かなかったら私馬超さんみたいなプレイだろうが露出プレイだろうが凌遅だろうが、何されてもいいですよ。いいですか、『実際に出来る程有るか無いか』は全く問題じゃないんですよ。『一刀さんがやろうとする』事であの人たちや他の大多数の娘たちは恐怖のどん…言う事を聞くようになるんですから。
そう自信満々に語った彼女の笑顔が脳裏に浮かぶが、未だに信じられない。俺にしてみれば『はぁ?』って感じだ。あとは…言われたとおり、祭達はいない、美羽も居ない、ok。
「皆様におかれましては罰の実施を御確認を頂きますと共にー、余りに風紀を乱される、俺が止めてねってお願いする程の事をしちゃうとこういう目にあうかもよという事を御認識頂きたくー、えーお願い致します。では罰を行いまーす」
しかしここまで来てしまったらもう引き下がれない、ままよとばかりにやってみる。
両手を上げさせられた形で縛られた藤香と玲紗の、上着をたくし上げる。
「あぁん、一刀様許してぇ♪」
「皆の前なんてぇ…三人だけで罰して下さぁい♪」
二人がくねくねと体を揺すって甘ったるい声を出すのを無視して、俺は本当にバカな事をやってるんじゃないかと思いながらも、むにむにっと揉みしだいた。
…脇腹の肉を。
と言っても二人とも元々あまり無いから何とかつまむ程度だけれど。
「いやぁ♪…ん…?…え……………ひ、」
すると、いかがわしい目つきをしていた二人が突如として目を見開く。
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!やめてやめてやめてやめてぇっ!!!!」
絶望を思わせる絶叫。
集まった皆の顔色が失せる。愛紗と思春でさえも。
………………なんで?………………脇腹だよ?つねるんじゃなくて軽くつまむ程度だよ?
皆の反応に俺一人だけついていけてない。ひょっとして脇腹って、真名みたいに俺が知らないだけで特別な意味があったのか?
「…つ、次はこっち…」
むにむむに。
「ひっ、ひいっ!!!や、やめて許してぇっ!!!」
「嫌々嫌々嫌ぁっ!!も、もうしませんからしないで!しないでお願いしないで!!!」
二の腕の裏側。こっちの方がさっきよりはつまみやすいのでむにむに感が気持ちいい、けど…。
…この国ではここも特別なのか?というか、ひょっとして俺は相当酷い事をしているんじゃないかって気がしてきた、心の警報が早く終わらせろと告げている。
「えとじゃ、最後ここで…」
もにもにもにもに。
「うぇぇええええぇ…!!も、もお許してぇぇぇっごめんなさい!ごめんなさい!謝りますから…!!!」
「うわあぁぁああぁぁぁん…!やぁっ、やあめぇて、やめてよぉ、うぇぇぇ…」
太腿の裏側をぷにぷにし始めたところで、桂花に手を掴まれた。
「も…もう止めてやりなさいよ!二人とも泣いてるじゃないのよ…!」
「う、うん、じゃあもうおしまい」
桂花の顔色は紙のように真っ白で、その手は震えていた。
「え、えっと、愛紗と思春も。こういうのは嫌だろうから…?色々無茶は控えてね…?」
そういうと二人は青い顔をしてこくこくと首を縦に振った。
代償は大きかった。
すぐに焔耶、凪、明命達の声が飛ぶ。
「お、御館様っ、桃香様が恐怖で泡吹いて気絶してる!」
「隊長!真桜もです!」
「一刀様、穏様もです!これはほっときましょう!」
最後のは突っ込みたかったが、その他にも倒れこんで起き上がれない人が多数出た上、藤香と玲紗は縄は解いたが未だに泣き止まず、涙でぐしょぐしょになりながら縋り付いて謝って来る。
「ここまでとは…聞いてなかったんだけどなぁ…」
俺に小悪魔の如く囁いた、彼女の笑顔が脳裏をよぎった。
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その後。
藤香と玲紗は、まあ上辺だけかもしれないが品行がある程度良くなり。
「ご、ご主人さま…か、可愛がって、可愛がって下さい、ね?」
「北郷…な、なあ今夜一緒に飯を食わないか?も、もし眠くなったら寝ていってもいいからな、ど、どうだ?」
某二人もいつまで持つのか分からないけど、縛れだの首輪だの無茶はとりあえず言わなくなった。多少おどおどしているのが気になるけど。
が、あの後は大変だった。
倒れた人達の介抱に奔走してもらい、その後半分くらいの人達に囲まれて一人一人からもうしてはいけないと真顔で諭されるのは、叱り飛ばされるのより効く。
『二度としません』という誓書も入れる約束もした。
あと「ちょっと摘んだ位大した事では無いですよ!そんなところに駄肉がつく方が悪いのです!」と笑顔で言い放って色んな人達にどこかへ連れて行かれた明命が気になると言えば気にはなる。
泣き疲れて眠ってしまった藤香と玲紗の頭を添い寝をしながら撫でて、窓の外を見る。
「ほーら美羽さまぷにぷにー☆」
「や、やめてったら七乃!…私そんな摘まれるほど無いでしょう!?」
「さぁどうでしょうね実際摘むのは一刀さんですからねぇ、明日は美羽さまかも知れませんよ?もっと揉み応えのあるおっぱいとお尻になってお腹がきゅってならないと、『あ、ごめんおっぱいだと思って揉んじゃったぁ』とか言われちゃうかも知れませんけど耐えられます?」
「ぴぃぃぃぃっ!?」
「あ、いやこれだけ頭数居ますから単純に無言でお払い箱かもしれませんねぇ?『美羽はもうこなくていいよ?今日でばいばいね♪』とか」
「ええっ!?嘘嘘、そんなこと無いわよね?無いよねっ!?ねえ無いって言ってよ七乃ぉ!」
「さーどーでしょー?」
「うぇぇぇぇぇぇぇん!!」
「…まさか、あれがやりたかっただけじゃないよなぁ…」
幾ら美羽が成長したって言ってもどう見ても貴女の方がむちぷにだよね?腰周りがキュッて言うのは認めるけど。
そう思いながら思わず出た俺の呟きは、珍しく誰にも聞かれなかった。
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※これは司馬日記ではなくくらげ様の司馬日記御支援作の支援作ですが私の本編にも影響を与える可能性は否定出来ず……もうわけがわからないよ。