No.606969

The Cross Wold IS番外編3

Blazさん

もう、連載すれば?と考えてますが流石に長いので読み切りで投稿していきます。

2013-08-09 12:21:51 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2178   閲覧ユーザー数:2090

 

 

身体測定・・・それは単なる自分の体の調査。

だが、女達にとっては己の威信が掛かった刻とも言えよう。

 

そんな決戦がIS学園の保健室で行われていた。

 

 

鈴「・・・・・・・・。」

 

鈴は一歩。また一歩と近づいてくる自分の番を待っていた。

そして自分の番となり前には宿敵と言える体重計があった。

 

山田「では鈴さん、乗ってください。」

 

鈴は静かに体重計に乗り一秒ほど立っていた。その間に真那は画面を見て結果を紙に書きそして横に置いた。

 

山田「はい。もう良いですよ。」

 

鈴「・・・・ふぅ・・・。」

 

鈴はこの時までは安心していた。しかしその後、彼女にとってあまりに悲惨な結果が届いたのはそれから十分と立たずだった・・・・・。

 

 

 

食堂・・・・・

 

食堂では珍しくシャルロットとラウラ、そして一夏の三人が食事を取っていた。箒は家からの電話で席を外しており、セシリアに関しては本国からの命で近々帰郷することとなりそれについての話し合いをする為早めに昼食を済ませたのだ。

 

ラウラ「・・・・・デュノア。一つ聞いていいか。」

 

シャル「ん?どうしたの?」

 

ラウラ「・・・・どうしたらそんなに身長が伸びる。」

 

シャル「・・・・・・・・・・・・好き嫌いせずに居る事と適度に運動する事?」

 

ラウラ「そんなので伸びたら苦労せん・・・・・・。」

 

一夏「なんだラウラ。背、あんまり伸びなかったのか?」

 

ラウラ「うぐっ・・・・・・・・ああ・・・・・」

 

一夏達が身体測定の結果で話をしていると鈴が食堂に入ってきた。

だが、その顔は絶望している顔でまるでゾンビのような顔だった。

それを見た生徒達は「何があった・・・・」ととても聞けない状況だった。

 

一夏「リ・・・・鈴?」

 

鈴は無言でラーメンを受け取り、三人の座っている席に座った。

するとさっきよりかはマシだったが鈴は席に付いた途端「はぁ・・・」と深い溜め息をついた。

 

一夏「・・・・大丈夫か?」

 

一夏が心配そうに聞くと鈴が一夏にやラウラ達に問い詰めた。

 

鈴「ねぇ・・・三人とも・・・・前の測定の時より体重、増えた?」

 

それは女子の最大の敵といえる体重についてだった。しかしラウラとシャルロットは何気ない顔をしており互いに顔を見合わせた。

 

ラウラ「私は身長重視だったからな。2.3キロしか増えてない。」

 

シャル「うわっ・・いいな・・・私は3キロは軽く・・・」

 

二人が自分の体重がいくら増えたかを話し鈴は一夏に目をやった。

 

鈴「一夏は?」

 

一夏「俺か?俺は・・・・2キロぐらいかな・・・」

 

一夏がうろ覚えで答えると鈴ははぁ・・・と溜め息をついた。しかし鈴が一夏の座っている所を見ると身体測定の紙が置かれていたのだ。鈴はそれを取り驚愕した。

そしてその顔を見た一夏は「何かまずかったか?」と思ったが鈴の手はプルプルと振るえやがて女子にとっては驚愕の一言を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「ど・・・・・どうして体重が51キロなのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

「「「「「「「な・・・・・何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!??」」」」」」

 

 

 

すると女子達は驚くか食べている物を噴出すかし一夏はその反応に驚いた。

 

 

 

シャル「一夏!?どうしてそんなに軽いの!?」

 

ラウラ「い・・・いや違う!日本人の平均体重は大体61キロだろ・・・そうだ実はもう10キロはある筈だろそうだろ!?!?」

 

※ちなみに平均体重については2012年の資料です

 

 

一夏「あ・・え・・・その・・・・・・どうしてか俺にも・・・・」

 

 

 

 

鈴「・・・・ちょっと待って。あんたさっき2キロぐらい増えたって言ったわよね?」

 

シャル「って事は・・・・・・」

 

ラウラ「4・・・・9キロ・・・・?」

 

一夏「そうなるな。」

 

 

 

一夏はケロリとそう答えた。すると鈴はプルプルと振るえ、やがて・・・・・

 

 

鈴「は・・ははははははは・・・・・・・・・一夏・・・・・・」

 

 

一夏「は・・・はい・・・・・」

 

 

鈴「決闘じゃああああああああああああ!!!!」

 

 

一夏「ええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一アリーナ・・・・・

 

 

一夏「・・・どうしてこうなった・・・・」

 

ハクメン『知らん。』

 

現在、一夏はアリーナの上空を飛んでいる。そして一夏の前には絶賛お怒り中の鈴が飛んでいる。一夏自身、どうしてこうなったか分からずそしてどうするべきかと考えていた。

 

一夏「鈴。やめようぜ・・・俺が悪い事をしたんなら謝るからさ・・・。」

 

鈴「それは無理よ!でないと私の気が治まらないのよ!!」

 

一夏「そんな無茶苦茶な・・・・・・」

 

 

ハンガー・・・・・

 

シャル「・・・どうしてこうなったんだろうね・・・。」

 

ラウラ「聞くな、私に。だが今のアイツを沈めるにはこうするしかないだろう。」

 

シャル「沈めるの字が間違っているような・・・・って・・そんな事言っている場合じゃないや・・一夏と鈴のISはどちらも近接タイプ。それに鈴の今のIS「ティエロン」ってまだ誰とも模擬戦とかしてないし・・・」

 

ラウラ「さて・・どちらに軍配が上がるか・・・・」

 

 

 

アリーナではカウントダウンが開始され双方、構えを取った。そして10カウントに入り二人は力を入れた。

 

『8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・』

 

鈴「行くよ・・・・!」

 

一夏「来い・・・!」

 

『スタート。』

 

刹那、鈴は両腕に大型のクローを展開。一夏は雪片を持ち互いに向かって行った。

 

一夏「せいっ!!」

 

鈴「はあっ!!」

 

ギインッ!!

 

互いの武器はつば競り合いになり互角だったが鈴はもう一方の手を一夏に向け突き出した。

それを一夏は紙一重で回避し雪片を収納、腰のビームライフルを取り連射した。

 

鈴「チッ・・・・!」

 

一夏「流石にずっと近距離はゴメンだぜ!」

 

鈴「なめんなあ!!」

 

しかし鈴はそれを物ともせずに一夏に突撃。一夏は流石に焦り再び距離を取った。

 

一夏「い・・・何時に無く怖え・・・・」

 

ハクメン『・・・油断するな。次が来るぞ。』

 

鈴「こおなったら・・・・・!」

 

鈴はクローを戻し腕部に装備されているシールドのような何かを拳の前に出した。

するとシールドは前に押され鈴はそれを命一杯殴りつけた。

 

ドウッ!!

 

一夏「っ!!」

 

刹那、突然一夏の後ろの観客席がパンチを食らったかのようにペシャンコになっていた。

それを見た一夏は内心冷や汗びっしょりだった。

 

一夏「な・・・なんだありゃ!?」

 

鈴「圧縮砲・・・圧縮した空気を一気に発射する武器よ。いわゆる衝撃砲のバリエーション装備ってとこ。」

 

一夏「・・・でも威力が段違いのような・・・・・」

 

鈴「当たり前よ・・私達のは軍用よ?」

 

鈴はサラリと当然の事を言い、一夏かそれに納得せざる終えなかった。

 

一夏「で・・・デスヨネー・・・ハハハハハハハハ・・・・・・」

 

鈴「ってな事で死ねぇ一夏ぁ!!」

 

一夏「ついには殺人予告かよ!?」

 

鈴は怒りながら両腕の圧縮砲を放ち一夏はそれを必死に回避し続けていた。

だが、いくら今の白式が機動性が高いとは言えこれほど回避されられるのには鈴でも不審に思っていた。

 

鈴「だああ!!どうして当たらないのよ、一夏!?」

 

一夏「当然!実はちょっと前に束さんに改良してもらってたんだよ!その名も!!」

 

 

刹那、一夏の白式の羽からスラスターが火を噴き再び間合いを詰め始めた。

そして雪片を抜刀し再度近接戦闘に持ち込んだ。

 

ギイィン!!

 

鈴は圧縮砲のバインダーで、一夏は雪片でつば競り合いをし今度は一夏が競り勝った。

 

一夏「白式弐型・大鷲ノ式(おおわししき)だ!!」

 

鈴「チッ・・・・!」

 

一夏はバックステップで後退し再度雪片を構えた。一方で鈴は体勢は立て直したがイラつきが納まらずついにはあの決断に踏み切ったのだった。

 

鈴「こうなったら・・・・・"アレ"を使ってやる・・・・!」

 

 

鈴はそう言い新たな武装を展開した。しかしそれは武器とは言える様な物ではなかった。

 

 

一夏「っ・・・・・・鈴・・・・・それ・・・・・一体何だ!?」

 

鈴の右腕にはまるで悪魔の手のように紅い六つのチェーンソーが付けられている武器が持てれていた。

 

鈴「さぁね・・・・・・・・・・・っ!?」

 

しかし鈴はそれを装備した瞬間、重い何かが乗ったような感じがし同時に吐き気が一瞬した。だがそれは一瞬で再び元の調子に戻ったのだった。

 

鈴「?・・・・・・・・・兎に角・・・・・これで終わりよ!!」

 

鈴は武器を構え飛翔した。一夏は回避しようとしたが太陽を背に向けられ一瞬動けなくなりその隙に鈴が武器を振り下ろした。

 

鈴「せいっ!!!」

 

一夏「っ!!!」

 

ズウウウウウウン・・・・・・

 

一夏は紙一重で回避したが鈴が叩き付けた場所はメルトダウンを起こした様に周りがドロドロの溶岩の様になっていた。

 

一夏「なっ・・・・・・・・」

 

 

 

シャル「・・・・・・・・・何・・アレ・・・・・」

 

ラウラ「あんなのを喰らったら唯では済まんぞ・・・・・っ・・アイツ・・・何か変だ・・・。」

 

シャル「・・・・・・?」

 

 

 

 

鈴「何・・・これ・・・・」

 

その本人は突然起こった事に戸惑っていた。それは自分が行った攻撃の惨状ではなく

自分のISの画面が雑音とノイズが酷くなり同じ言葉を繰り返していた。

 

『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください。』

 

鈴のISの画面にはその言葉とエラーの文字が多く出現しており鈴自身こんな事になるとは知りもしなかった。すると画面に何かをダウンロードしている表示が現れ、何処からかと検索すると先程装備したユニットからだった。

 

『データダウンロード完了。パイロットの意識閉鎖開始。擬似意識「ヴァンズィン」起動』

 

鈴「っ!?ちょっ・・・・何・・・・・一夏っ!一夏ああああああ!?」

 

次第に鈴の意識は途絶え始めついには鈴の目の前は真っ暗になってしまった。

 

『戦闘モード起動。戦闘再開、対象の殲滅を開始します。』

 

 

 

 

 

 

一夏「・・・・・何か・・ヤバイ感じがするぜ・・・・」

 

ハクメン『・・・白夜叉・・気をつけろ・・・・何かおかしい。』

 

一夏「えっ・・・・・?」

 

一夏がAIと会話をしていると鈴が起き上がった。しかし鈴の目はハイライトが消えており

姿勢も少し猫背になって犬のように呼吸が荒々しかったのだ。一夏は一目で様子がおかしいと気づいたが突然鈴が襲い掛かってきたのだった。

 

鈴『ハハハハハ・・・・ハハハハハハハハ!!』

 

 

鈴はユニットを構え再び一夏に向かい飛んだ。一夏はさっきとは様子と感じが違うのに気づき回避した。しかし鈴は旋回し再び刃を向けた。

 

一夏「っ!!」

 

一夏はスラスターを全開まで吹かし「瞬間加速」を行ってまで距離を引き離した。しかし狂気に満ちた鈴はティエロンのスラスターを限界まで吹かしそれを追撃、一夏にはそれはまるで悪魔が暴力じみた武器を持って向かってくるとしか見えなかったのだ。

 

一夏「くっ・・・・お前は・・・一体何者なんだよ!?」

 

鈴『ハハハハハ!ハハハハハハハハハハハハ!!』

 

 

 

ハンガー・・・・・

 

ハンガーではそれを見たシャルロットとラウラが不審に思いISスーツに着替えてきていた。

 

シャル「一体・・何が起こったの!?」

 

ラウラ「恐らくアイツが途中から使ったあのチート兵器のせいだろうな。」

 

ルル『あの兵器はISのシステムに強制的に介入しそれで指導権を奪ったのだろうな。つまり、今は凰の意志ではなくあのユニットの擬似意識で動いているのだろう。』

 

ラウラの言葉の次に言ったのはラウラのISのAI、「ルル」(ただし本当はもう少し長いらしい)でコイツが人だったら間違いなくドヤ顔で言っていただろうが二人はそれを考えずアリーナ内を見ていた。

 

シャル「って事は・・・」

 

ラウラ「アイツが装備しているユニットを外せば・・・!」

 

ルル『万事解決。そう言うことだ』

 

二人はISを展開しアリーナ内に向かって飛翔した。

 

 

 

その頃、アリーナの外では・・・・・

 

「・・・・何かが起こっているな・・・。」

 

一人の女性がその現場に足を踏み入れたのだった。

 

 

 

一夏「このっ!!」

 

一夏はビームライフルを構えユニットに攻撃するがビームは弾かれ鈴は再びユニットを振りかざした。

 

一夏「どわっ!!?」

 

しかし無理な回避だったのか動作が追いつかず鈴はその勢いでユニットを一夏に向けた。

 

一夏「しまっ!!」

 

 

 

 

だが。

 

 

 

 

 

 

ドオン!!

 

 

鈴『ッ・・・・・!?』

 

刹那、鈴に向かい荷電粒子砲が発射された。何処からかと一夏が見渡すと下にラウラとシャルロットが居たのだった。

 

一夏「二人とも!」

 

ラウラ「一夏、大丈夫か!?」

 

シャル「ごめんね、援護が遅くなって!」

 

一夏は鈴が怯んだ隙を見て二人と合流し状況と打開策を聞いた。

 

一夏「って事は・・あのチェーンソーを破壊すれば・・。」

 

ラウラ「そう言うことだ。行くぞ!!」

 

シャル「友達だからって容赦しないよ!!」

 

一夏「よし・・・・待ってろよ鈴っ!!」

 

三人は構え、まず先制でラウラが両手に装備しているツインガトリングガンを鈴に向け発射した。その隙に二人は間合いを詰め一夏は雪片をシャルロットは対艦刀を抜刀した。

しかし当の鈴には全く効いておらず鈴は二人に向かい接近した。

 

ラウラ「くっ・・・・・まるで効果なしか!」

 

ルル『なら、ありったけを使うまでだ!』

 

ラウラ「上等!」

 

ラウラは背部に装備されている大型ミサイルポットそして腰部のレールガンそして先程使った肩部の荷電粒子砲とツインガトリングガンを使い一斉発射した。

 

一夏「よしっ!今なら!!」

 

一夏達は流石に多少怯んでいるだろうと思い一気に近づいた。しかし爆煙の中から鈴が飛び出しユニットを構え突撃したきたのだ。

 

ガキイン!!!

 

 

二人の剣が鈴のユニットとつば競り合いになった。二人は力の限り押し込みそのまま斬ろうと思っていた。しかし・・・・・

 

鈴『ハハハハ・・・ハハハハハハハハハハハ!!』

 

鈴は信じられないぐらいの力で二人を押し返しさらにはチェーンソーが再起動しガリガリと二人の剣を削り始めたのだ。

 

一夏「何っ!?」

 

シャル「一夏っ!!」

 

二人はとっさに離れたが一夏の雪片は刀身がボロボロになりシャルロットの対艦刀は破壊されてしまった。

 

 

シャル「う・・・嘘・・・・・・。」

 

一夏「マジかよ・・・・・・」

 

ラウラ『二人とも、前を見ろ!!』

 

唖然としていた二人だったがラウラの言葉でハッとし前を見ると鈴が再び接近して来たのだ。それを回避したが鈴はそのままラウラに牙を向け接近して行った。

 

一夏「ラウラ!!」

 

 

ラウラ「チッ・・・・AIC・・効くか!?」

 

ラウラは鈴に向かいAICを展開するが鈴はそれを無理矢理捻じ曲げようとしていた。

まさに悪魔の様に・・・・・

 

ラウラ「何っ!?」

 

鈴『アアアアアアア!!』

 

 

刹那、ラウラのAICは音と共に崩れその場には再び大爆発とメルトダウンの跡の様な物が残る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・筈だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「まさか・・・・アイツ・・・」

 

シャル「アレがラウラの・・・・・・三次進化・・・・・・。」

 

 

 

ラウラの前には紅色のバリアの様な物が一面に展開されておりそこでユニットは止められていた。そしてラウラのISは形状が変わり重装備の姿から軽装備の姿で黒と金のカラーリングそして背部にはX状のウイングの様な物が装備されていた。

 

ラウラ「蜃気楼・・・・コイツの防御は絶対だ。」

 

鈴『アア・・・・・アアアアアアアア!!』

 

鈴はそれでも食い破ろうとするが一向に割れずついには一旦離れたがその隙にラウラは胸部から結晶の様な物を展開させその結晶を鈴に向け発射した。

 

ラウラ「二人とも避けろよ!!」

 

一夏「ゲッ・・マジかよ!?」

 

シャル「うわわわわ!!」

 

刹那、結晶の発射口の後ろには砲口がありそこからビームがさらに発射。結晶にあたり瞬く間にビームが拡散し鈴のIS等に直撃した。

 

 

ラウラ「・・・・これでどうだ・・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

しかし・・・・・

 

 

 

 

 

鈴『アア・・・・アアアアア・・・・・・』

 

ルル『流石は絶対防御・・・それにユニットにもダメージは余り無さそうだ・・・。』

 

鈴と機体にはダメージがあったがユニット自体にはあまりダメージが入っておらず鈴は再びユニットを振るった。

 

ラウラ「チッ・・・!!」

 

ラウラは再度防御バリアを展開するが少しずつ破壊されていくのが見えた。

 

ラウラ「何っ!?」

 

ルル『くっ・・一点突破か!この化け物が!』

 

鈴『アア・・・アアアアアア!!』

 

一夏「うおおお!!」

 

シャル「このっ!!」

 

一夏は刹那を抜刀しシャルロットはシールドに隠されていたパイルバンカーを構え、再度ユニットに攻撃した。しかしユニットは余りに硬く質量物を破壊できる刹那でも刃が通らず、パイルバンカーにいたっては先が折れてしまった。

 

シャル「そんな・・・・!!」

 

一夏「刹那の刃が通らないって・・コイツ質量だけじゃねぇのかよ!?」

 

鈴『ウウウウ・・・・・・アアアアアアアアア!!』

 

鈴はユニットで二人を振り払いその衝撃波だけでラウラまでも吹き飛ばした。三人はそれぞれ別の場所に吹き飛ばされ鈴は一夏に狙いをつけた。

 

一夏「くっ・・・・動けねぇ・・・・!」

 

ハクメン『駆動系に損傷・・コレでは立つことはできん。』

 

一夏「マジかよ・・・・・」

 

シャル『一夏、大丈夫!?』

 

ラウラ『まずいぞ!アイツは今、お前に狙いを定めた!』

 

鈴はゆっくりと一夏に近づきユニットのパワーをチャージした。一夏はどうにか動かそうとしたが駆動系は思った以上に損傷が激しく機体はピクリとも動かなかった。

 

鈴『アアア・・・・・アアアアアアア!!!』

 

刹那、鈴がユニットを振るい一夏に襲い掛かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキインッ!!

 

 

 

 

 

 

 

一夏は何かが何かを掴んだ音が聞こえた。

 

 

 

 

 

一夏は恐る恐る目を開けた。そこには・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「・・・・・・・篁・・・・中尉?」

 

 

 

 

 

 

チェーンソーの一本を掴んで動きを止めているISに乗った・・・・篁唯依が其処に立っていた。

 

 

 

唯依「無事か、織斑中尉。」

 

一夏「はい・・・・ってどうして中尉がISに!?」

 

唯依「私にも適正が少しばかり在ったらしくてな。まさか・・・この機体を使う時が来るとわな・・・。」

 

鈴『アア・・・アアアア・・・・・』

 

唯依「・・・取り合えず彼女を止めるにはこの武装を破壊すればいいのだな?」

 

一夏「え・・・はい・・・・・。」

 

唯依「・・・了解した・・・・・!」

 

唯依はユニットを持ちその勢いで鈴を"投げ飛ばした"。

 

 

一夏「いっ!?」

 

シャル「嘘ッ!?」

 

しかし、それでは留まらずすぐさまアサルトライフルを展開。ユニットに向かい集中砲火を加えた。だがそれだけではダメージは入らず鈴は唯依に向かい突撃した。

 

ラウラ「っ・・・・中尉!!」

 

唯依はそれでも動じずライフルをしまい改良式専用長刀を装備した。その長刀は野太刀のように長い日本刀その物だった。唯依はそれを静かに構え・・・・・

 

 

鈴『アアアアアアアアア!!!』

 

唯依「・・・・・・・・・・っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一閃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「・・・・・・・・・・・・。」

 

ラウラ「・・・・・・・・。」

 

シャル「・・・・・・・・・どうなった・・の?」

 

 

 

 

『ユニットの損傷増大。パイロットとのリンク再開。「ヴァンズィン」・・・停止。』

 

 

 

ガゴンッ!!

 

 

唯依は倒れる鈴を抱き静かに地面に置いた。

 

唯依「っと・・・・。」

 

 

 

こうして何気ないことから始まった騒動は終息したのだった・・・・・。

 

 

 

 

その後、保健室・・・・・

 

千冬「凰。今回の処分だが一ヶ月の謹慎処分だ。いいな?」

 

鈴「はい・・・・。」

 

保健室では一夏達三人と千冬、後から事情を知ったセシリア箒と最終的に鈴を止めた唯依。

そして医務担当のキャロがその場に居た。

鈴はあの後回収されISは束達による修理とユニットの取り外しに回され、今回の始末として謹慎が言い渡されたのだった。そしてその本人はベッドの上で落ち込んでいたのだった。

 

千冬「で?どうして模擬戦を二人で行っていたんだ?」

 

鈴「うっ・・・・それは・・・・実は・・・・・」

 

千冬は鈴の顔に近づき鈴は耳元でその理由を言った。すると千冬はわなわなと振るえ。

一夏に向かい・・・・・

 

千冬「いち・・・じゃない・・織斑・・・・」

 

一夏「はい・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬「貴様どうして体重が51キロなんだ!!」

 

「「「「ブッ!?」」」」

 

一夏「そっち!?」

 

シャル「と言うか理由がそれで納得なんだ・・・・・・・」

 

キャロ「誰だって納得できませんよ・・・・・」

 

その後、千冬達からの質問攻めを受けた一夏だったが「自分でも分からない」と言い通しその日は解散となった。

 

 

 

 

 

その夜、一夏・箒ペアの部屋・・・・・

 

箒「一夏。」

 

一夏「何?」

 

箒「私にだけ・・・教えてくれないか。何故、お前がそんなに軽いのか。もちろん誰にも言わない。」

 

ベットで寝ていた箒は一夏の体重軽い訳を聞いていた。一夏は少し考えたがやがて口を開いた。

 

一夏「・・・確証は無い・・でも・・一時期、何も喉に通らなかった事が在って・・・多分それだと思う。」

 

箒「それは・・・一体・・・・。」

 

一夏「・・・・・俺がまだ・・・オーブ軍に居た頃・・オーブ軍とザフトの戦艦「ミネルバ」との戦闘があって俺はそれに参加していたんだ。でもその時・・・フリーダム・・キラさんがカガリと一緒にその場に介入して・・それでその場かゴッチャになったんだ・・その結果事態は混乱してその時シンが乗っていたインパルスが俺の所属している空母を破壊してな。俺達は艦長の命令でアークエンジェルに行ったんだ・・・・」

 

箒「それって・・・・・」

 

一夏「ああ・・俺達はアークエンジェルに乗ったんだがその時はまだあいつ等って言ったら悪いけど・・戦闘に介入するだけの集団でな・・・そんな日が続いてたけどある日ベルリンが攻撃されたんだ。それも・・・一体の大型MSによって街は殆ど廃墟になったんだ・・・それを見たAAクルーはベルリンに向かってそのMSを倒そうとしたんだ。その時にまたミネルバと鉢合わせして・・あいつ等もMSの破壊に来ててな俺もその戦闘に無断で参加したんだ・・・・・。」

 

箒「・・・・・。」

 

一夏「その戦闘が大型MSの破壊で収拾したけどな・・・俺は街を見て・・・絶望したよ。」

 

箒「えっ・・・・・。」

 

一夏「其処にはただ瓦礫となった建物と・・・まるでフィギュアのように棄てられ死んだ人達・・・当然、子供も赤ん坊も・・・・軍人も・・・民間人も・・・・・・・・・それ見たからかな・・・吐き気が襲って思いっきり吐いて・・・しばらく何も食えなかった・・・・。」

 

箒「・・・・・・・辛い思いしたんだな・・・・・・」

 

一夏「・・・ああ・・・もう二度と・・あんな事には・・したくないぜ・・・・。」

 

その後、二人は静かに眠りに付いたのだった・・・・・・・。

 

 

 

 

学園地下ハンガー・・・・・

 

其処では損傷した白式とユニットの取り外し作業中のティエロンが並んでおりその隣には

メンテナンス中のラファールカスタムとシュヴァルツェアレーゲンが並んでいた。

そしてティエロンの取り外し作業を見ている束とジェイルの姿が其処に居た。

 

ジェイル「・・・所で博士。」

 

束「何ージェーちゃん?」

 

ジェイル「あのユニットは一体何なんだい?圧倒的なパワー、装甲、そしてハッキング能力。どれをとっても段違いだ。」

 

束「んー・・・実は私もまだわかんないの。」

 

ジェイル「・・・・どう言う事ですか。」

 

束「実は前に私が雲隠れしている時にたまたま見つけたユニットでね・・・解析途中だったんだけど何やら怪しくてずっと保管していたのよ。」

 

ジェイル「・・・アナタが作ったのではないと?」

 

束「あんなのポンポン作ったら世界が戦争一色だよ。だから厳重に保管していたのだけどね・・・・。」

 

 

そう、その保管庫には・・・・巨大な穴が一つありまるで殴られたかのような跡だったのだ・・・・・。

 

 

オマケ IS紹介

 

ティエロン

 

世代:第3.5世代

使用エネルギー:Nジャマーキャンセラー

使用装甲:VPS装甲

使用装備:専用連結刀 腕部大型クロー 圧縮砲

開発者:おなじみ改造コンビ。(キラ・ヤマト 篠ノ之 束)

使用人物:鈴 

 

キラ達によって改良された甲龍で開発コードは「エメラルド3」。

衝撃砲はオミットされ変わりに圧縮砲を装備し格闘性に重視した機体となった。

改良された6機の中では一番武装が少ないが腕部と脚部の装甲を強化しているので格闘も可能となっている。その為、運動性が高く柔軟なパフォーマンスが出来るのが特徴で設計コンセプトは「単機での突破口解放」と前線での長時間戦闘を主眼としている。圧縮砲は専用のナックルを持ち、そのナックルが前に押し出されその間空気を吸収・圧縮しそれを後ろから叩くことで圧縮砲が発射される。弱点は当然の如く遠距離戦闘に向いていない。また、一対多の戦闘は難しいとされている。余談ではあるが開発コードがエメラルドなのはカラーリングを緑に変更したからである。

 

 

シュバルツェアレーゲン・Typフクス

 

世代:第3.5世代

使用エネルギー:Nジャマーキャンセラー(核エネルギー)

使用装甲:VPS装甲

使用装備:荷電粒子砲×2 ツインガトリング×2 腰部レールガン×2 大型クロー

大型ミサイルポット×2 (換装装備)大型長距離高射砲「アハトアハト」

重ガトリング砲「アヴェンジャー」 ボクサー2散弾銃 スラッシュハーケン etc・・・・

開発者:おなじく改造コンビ

使用人物:ラウラ

 

シュバルツェアレーゲンの改修機で開発コードは「ブラック5」。

単機での戦闘を前提とした機体ではあるが中・遠距離対応の武装が多く揃えられているので主に後方支援か一機殲滅また拠点攻撃に特化したおり大量の重火器を装備している。装備換装も可能でミサイルポットと荷電粒子砲の変わりに大型長距離高射砲の「アハトアハト」が装備される。ただしアハトアハト自体は対拠点用で使用時は機体を固定しないと行けない。機体としては全体的に防御重視にされておりAICも使用可能となっている。また、ステルス機能を有しておりさらにジャミング機能も装備されている。短所は兵装の殆どが実弾で弾薬が切れると兵装が限られること。また機体への反動が大きい兵装が多いので嫌でも位置固定をしなければならないという事。

 

 

ラファールリヴァイブ・シュヴァリエ

 

世代:第3.5世代

使用エネルギー:Nジャマーキャンセラー(核エネルギー)

使用装甲:VPS装甲

使用装備:マガジン式ビームライフル ビームサーベル アサルトライフル 

マグナム式パイルバンカー「リボルビングステーク」 ビームシールド 

シルエットシステム(後述)

開発者:改造コンビ

使用人物:シャルロット

 

ラファールの改修機で開発コードは「アンバー(琥珀)4」。

パーツの殆どを入れ替えており高い安定性を維持している。また標準装備としてビームライフルと小型ビームシールドが装備されており、腰部にビームサーベルをマウントしている。また隠し装備としてビームシールドを装備しているが基本は装甲に隠させており使用時のみ出される。ラファール同様多様な装備が使用可能で新装備としてマグナム式パイルバンカー「リボルビングステーク」を装備できるようにしている。さらに、インパルスガンダムのシルエットシステム(後述)を採用しており基本的な標準装備は「デスティニーシルエット」を装備しているが戦況によって3つのシルエットに換装できるのが特徴になっている。だが短所としては全体的にスペックアップしているが他の機体より火力が劣る。

 

 

 

シルエットシステム一覧

 

フォースシルエット

高機動装備で長時間飛行と高い機動性を持っている。だが使用できる装備が制限されるというネックを持つ。

 

ソードシルエット

近距離戦に特化し対艦刀×2、フラッシュエッジ×2と装備が追加される。安定したシルエットだがこれも使用制限がなされる。

 

ブラストシルエット

追加装備として両腰部にレールガンと肩にミサイルポットと連結式荷電粒子砲を装備できる。またこのシルエットのみホバーユニットが装備され水上や砂漠地帯を移動できるがかわりに飛行できなくなる。

 

デスティニーシルエット

標準装備で対艦刀と折りたたみ式長距離荷電粒子砲を装備している。また、飛行能力が高く使用制限が無い為基本この装備を使っている事が多い。

 

 

 

白式弐型・大鷲ノ式   (びゃくしきにがた・おおわししき)

 

世代:第3.5世代

使用エネルギー:Nジャマーキャンセラー(核エネルギー)

使用装甲:VPS装甲

使用装備:白式弐型同様 (ただしフラッシュエッジとグレネードランチャーは除く)

開発者:束(改良)

使用人物:一夏

 

白式の改良タイプで武装のフラッシュエッジとグレネードランチャーをオミットし全体的に軽量化したが変わりにビームライフルをもう一丁追加した機体となった。また、羽部にスラスターを増設しており機動性と加速性を向上させている。

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケその2国家情勢(設定等で紹介された国家のみ)また現在軍の所有しているISの総数

 

日本

IS学園が今までは国税で運営されていたが最近から国連からも資金が提供されているので

新世代ISの開発に着手している。と言っても現在開発されるISは今の所第2世代の改修機で新規開発は未だ出されておらず例外として「不知火」が開発されている。だが近い内には各国の技術者が集まり自由に研究開発が出来る施設の開設を予定している。また他の世界に繋がるゲートが未だ日本のみで他世界の国家と交流を多く行っている。(例としてオーブが挙げられる)現在のIS総配備数は25機

 

アメリカ

IS到来までは世界一の軍事国家だったがISの登場で没落。その後打開策としてイスラエル諸国と共同で「銀の福音」を開発したが結果失敗に終わりその後、独自の研究でようやく純国産IS「バスタード」の開発に成功した。だが、過去の栄光を取り戻したいせいか生産性の高くないバスタードを大量生産し国家予算が大幅に減少した。しかし、それを国内開発公社「ブルーコスモス」が驚くべき早さで打開したのだが・・・・・

ISの総配備数は40機

 

イギリス

IS開発先進国。未だに高い技術を維持しており国外から技術者留学生を多く受け入れている。IS登場時、女尊男卑が多かったが現在では開発スタッフの殆どが男性という事で平等化し始めている。しかし開発自体は日本にやや似ており此方ではデータ収集試作機としてブルーティアーズのデータを元に簡易量産型を生産しているので実際には新規開発は日本同様行われていない。ISの総配備数は30機

 

ドイツ

ISを軍事に初めて転用した国だが現在派閥分裂が国内で起こっており親日派と親米派の二つに分かれている。また親米派は人工人間技術を有しており「黒ウサギ部隊」とは別に部隊を創設したとの噂が流れている。だがそれ以外は発表されておらず現在素性の分からない国家となっている。現在の総配備数は不明。だが少なくとも40機近くはあると言われる。

 

フランス

他国とは違い第3世代機開発に遅れを取っていたが現在発動している「統合整備計画」で新型機を開発しどうにか遅れを取り戻した。また現在、欧州の中で新規開発が落ち着いている国でもある。そして欧州の技術を統合し新型ISを開発する「欧州統一開発計画」を立案している。IS総配備数は25機

 

イタリア

現在、ドイツ同様素性が殆ど明らかになってはいないが独自に新規開発を行い配備をしている。またフランスの「欧州統一開発計画」に賛成しており参加国と技術交換をしている。

ISの総配備数は海軍が15機。空軍が20機の合計35機となっている。

 

ロシア

IS登場時はやや開発が難航していたが技術が確立・発展し本土防衛用のIS開発に成功している。現在は汎用性を追及するために日本との技術交流が時折行われている。つまり現在では親日国家となっている。現在のIS総配備数は45機と世界で二番目に多い国となっている。

 

中国

現在でも日本をライバル視しており一時期猿真似のISが開発去れることがったが徐々に技術的に差が開き衝撃砲と言った独自の武装を開発している。また現在では機体開発よりも武装開発が進んでおり各国に輸出している。基本的に資源が豊富なので生産数が多く現在の総配備数は55機と世界第一位となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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