No.605739 The Cross Wold IS番外編2Blazさん 2013-08-06 10:10:19 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2356 閲覧ユーザー数:2278 |
2年前、オーブ連合首長国。ヤラファス島(オーブ本島)軍事演習場・・・・・
ここオーブの演習場では若い兵士達が猛スピードでトラックを走り続けていた。そんな中で一人の青年も体力の限り走り続けていた。
「うおおおおおお!!」
教官「お前等、遅いぞ!!もっと気合を出せ!!」
「「「「は・・・はい!!」」」」
そして兵士達が走っている隙にマネージャーのようにジャージを着てテーブルを組み立て、
そこに栄養ドリンクを置いている女子達が居た。
教官「ん・・・・もうそんな時間か・・・・よしっ!先に付いたやつから休憩してよし!!ただし遅かったヤツは十週プラスだぁ!!」
「えっ!?」
「「何っ!?」」
「「くっそおおお!!!」」
兵士達はその言葉のせいか急にスピードを上げ始めた。いや、やっとエンジンを駆け始めたのだ。そして男達は死に物狂いで走っておりそれはまさに迫ってくる猪のようだった。
すると一人の女子がテーブルに何かを置いた。「それは何か?」と他の女子が聞くと・・・
「飯だ。」
とあっさり答え。その女子は兵士達に聞こえる位の声で・・・・
「おまえらーーー!!トップの五人にはオニギリも付けるぞー!!」
その瞬間、一人の青年が猛スピードで他の兵士を追い越したのだ。
その青年の名は・・・・・
一夏「うおおおおおお!!メシィィィィィィィィィィィィィィィ!!!」
織斑一夏。この世界に迷い込んだ青年だった。
一夏「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・はぁー・・・・・・。」
「お疲れ、一夏。」
一夏はそう言ってその女の子からドリンクを貰い一気飲みで殆ど飲みつくした。すると女の子はクスクスと笑い。
一夏もそれを見て笑い始めた。
「しかし。お前は凄いなぁ」
一夏「お前もある意味凄いよ。こうして行政府から抜け出しているんだからな。」
「む・・・うるさいぞ。」
一夏「まぁまぁ・・・・で。今日はどうした、カガリ。」
少女・・・とは言いがたいがカガリはムッとし一夏を睨んだ。
だがカガリはココに来た用事を思い出し、一夏に一枚の紙を渡した。
一夏「何だコレ?これは・・・・・・・っ!?オーブの新型量産機!?」
カガリ「そうだ。名は「ムラサメ」今度完成するらしいんだが・・・・・実はテストパイロットが不在でな。」
一夏「つまり・・・・ココに来た理由って・・・・・」
カガリ「教官への顔出しとお前への誘いだ。」
一夏「マジか・・・・・・・」
一夏はそう言い「ムラサメ」のスペック図を見ていたがするとおもむろに自分の右わき腹をさすり始めたのだ。カガリはそれを見て少し顔が暗くなった。
カガリ「あ・・・・・ごめん・・体の事忘れてて・・・・・」
一夏「いいさ。もう大丈夫だし。それに・・・・俺もコイツには乗って見たいし。」
カガリ「えっ!?いいのかよ!!?」
一夏「だってカガリその為に行政府抜け出したんだろ?マーヤさんの目を盗んで。」
カガリ「ぶっ!!一夏!!」
カガリは図星だったのか一夏の首を絞め始めた。普通の女なら力はあまり無いがカガリは性格が男勝りでしかもレジスタンスの経験もある。一応腕っ節は男並みである。
一夏「ぐ・・ぐるじ・・・・ギブギブギブギブ!!」
カガリ「ホントッお前って・・・・・・・・・ったく・・・。」
一夏「あはははは・・・・・・」
カガリ「兎に角!さっさと行くぞ!!」
一夏「あ、待った!」
カガリ「・・・何だよ。」
一夏「その前に・・・・シャワー浴びさせてくれ・・・・・・・・。」
モルゲンレーテ社・地下格納庫・・・・・
一夏「これが・・・・・・・「ムラサメ」・・・・・・。」
一夏の前には一機のMSが立たずでいた。よく見れば細部にオーブ系MSの元祖とも言えるM1アストレイの面影があった。だが、背部には飛行用の翼がそして左手にはシールドの様な物が装備されていた。
それをまじまじと見ていた一夏とカガリ。すると技術者であるエリカ・シモンズが一夏達の元にやって来た。
エリカ「そう。M1アストレイの後続機そして・・・我が国初の可変機MSよ。」
一夏「可変・・・・って変形するのか!!」
カガリ「お前・・・・子供臭いなぁまったく・・・・」
一夏「んだよ・・・お前が始めてM1に乗ってはしゃいでた時よりかはマシだろ・・。」
二人は互いの悪口を言い合い間でバチバチと火花を散らせていた。するとシモンズは見ていられなかったのか二人の仲介に入った。
エリカ「はいはい。喧嘩は其処までよ。」
一夏「・・・・・・・・」プイッ
カガリ「・・・・・・。」フン
エリカ「はぁ・・・・一夏。早速だけど新しいパイロットスーツがあるからそれを着てコレに乗ってくれる?」
一夏「あ、はい。」
一夏はそう言ってムラサメの裏でパイロットスーツに着替え、ヘルメットを持った。すると一夏は唐突にある事を思い出した。
一夏「そういやぁ・・・・アスランがテストパイロットじゃないんですか?」
エリカ「ん?ああ、まぁ一応彼にも頼んだけど今はやる事があるんでって断られちゃったの。」
一夏「ふーん・・・・・カガリの頼みなら断らないと思ったんだけどなぁ・・・(ニヤニヤ)」
カガリ「五月蝿いぞ。早く乗れよ。」
一夏は「へいへい」と軽く答え、ムラサメのコックピットに座り、そしてムラサメを起動しテスト飛行をするのだった。
オーブ領海・・・・・
一夏「流石、飛行形態。スピードは申し分ないな。」
コックピット内では一夏はムラサメの状態を確認していた。本人は空を飛ぶのは訓練での戦闘機以外無かったがそれでもベテラン顔負けの腕を見せていた。
一夏「でも・・・少しGが掛かりすぎてないか?」
エリカ『大丈夫よ。そのムラサメは先行試作機だから、あとで再調整してその後正式に量産だから、その時には少しはGがマシになってるわ。』
一夏「そっか。ならいいんだけどな。」
カガリ『だからって派手に壊すんじゃないぞ。』
一夏「うるせいっ。・・・・・・そんじゃ次は・・・・・!」
一夏は今度はムラサメを変形させMS形態になった。水面をなめらかに滑らせ戦闘を想定した動きを見せていた。
一夏「けっこう慣れてきたぞ・・・・・これなら・・」
モルゲンレーテ・・・・・
社員「いい調子でデータが取れています、主任。」
エリカ「ええ。やっぱり彼に頼んで正解だったわ。」
カガリ「だがな・・・・やはりMS同士で戦わせて見ないといいデータは取れないんじゃないか?」
社員「確かにそうですが彼並みの腕を持つMSパイロットはそうそう居ないのでは・・・・」
エリカ「あら、居るじゃない。一人。」
カガリ「えっ?」
カガリが驚いていると後ろの自動ドアが開き、誰かと振り向くと・・・・
アスラン「失礼します、シモンズ主任。」
カガリ「あ・・アスラン!?」
アスラン「っ!?カガリ!お前こんな所に居たのか!」
エリカ「アスラン。言いたい事は分かるけど今は・・・・・ね?」
アスランはそう言いカガリへの説教をやめた。それにはカガリもホッとしていて冷や汗をかいてたくらいだ。
カガリ「でもなんでアスランが・・・・・・・ってまさか!?」
エリカ「アスラン。早速で悪いけど新しいパイロットスーツに着替えてあのムラサメとあそこで模擬戦してくれないかしら?」
アスラン「えっ?・・・・・自分は構いませんが・・・・・」
エリカ「そう、ならお願いね。」
アスランはエリカの頼みを聞き一旦部屋を出た。それを見ていたカガリは内心焦りまくっていた。一夏対アスラン。あまりに一方的ではないかと。
一夏「武器兵装はやっぱ前より強化されてるな。でもこの機体って本土防衛が主眼なのに・・・・火力がイマイチだな・・・・。」
一夏がコックピットでブツブツと文句を言っていると後ろから何かが近づいてくるのが分かった。
一夏「何だ・・・・・・・・っもう一機のムラサメ!?ってまさか!!」
刹那、ムラサメはビームライフルを発射一夏機はすぐさま上昇しMAに変形した。
アスラン「相手にはすでに言っているのですか?」
エリカ『ええ。だから戦って大丈夫だけど模擬弾じゃなくて威力を5%に絞っているだけだからそこは覚えといてね。』
アスラン「・・・・・了解。」
一夏「模擬戦!?そんなの聞いてないぞ俺!?ってまた来た!!」
アスラン機は上昇し近接機関砲を連射する。しかし一夏はそれをMS形態になりシールドでガード、ビームサーベルを抜刀し近距離戦に持ち込んだ。
アスラン「くっ・・・・・!」
アスランもそれに対しMS形態に変形。ビームサーベルを抜いた。
互いにつば競り合いになりはしたがアスランが蹴りを入れ距離を取り左手に持っていたビームライフルを正射した。
一夏「どうわっ!?」
一夏は辛うじて回避はしたが右足に掠った後があった。
一夏「おい・・・・まさか相手って・・・・・アスラン?」
すると一夏はアスラン機に向かい通信をした。
一夏「おい!お前、アスランだろ!!どうしてムラサメに乗ってんだよ!?」
アスラン『俺もシモンズ主任に呼ばれたからだ。』
一夏「はぁ?聞いてないぜ・・・・・。」
アスラン『・・・・・・聞いてないって・・・・まさか・・・』
一夏「アスラン・・・一杯喰わされたな。」
アスラン『・・・・否定はしないさ。』
一夏「・・・だあーもー!!こうなったら意地でもお前に勝ってやる!」
一夏はそう言いムラサメのスラスターを吹かしアスラン機と二時間にわたる模擬戦と言う名の戦闘を行ったのだった・・・・・
モルゲンレーテ・地下・・・・・
一夏「・・・・・・・・・・・。」
カガリ「感想は?」
一夏「死ぬかと思った・・・・・。」
カガリ「そりゃそうだ。MSで巴投げなんてされたら生きた心地はしないだろうな。」
一夏はヘトヘトの顔で地面に寝転がり、カガリはそれをアリを見るようにしゃがんでいた。
模擬戦は結果アスランの勝ちで勝因は近距離戦での巴投げで水上だったために一夏はかなり焦ったという・・・。
一夏「で・・そのアスランは?」
カガリ「今回の模擬戦でのデータを見に行ったよ。」
一夏「そっか。」
一夏はそう言い起き上がり適当にコンテナの上に座り込んだ。
しばらく沈黙が二人の間に流れたがやがてカガリが口を開いた。
カガリ「そう言えば一夏。お前、軍に復帰するって?」
一夏「ん?ああ。再来週には復帰するけど所属はまだ決めてないよ。」
カガリ「そうか・・・・ならさ。タケミカヅチはどうだ?」
一夏「はいっ!?」
カガリ「どうした?」
一夏「いや・・・・でもタケミカヅチってかなりMSの操縦スキルが高い兵士が配属される部隊だろ!?無理だって!」
カガリ「大丈夫さ。一夏お前の実力ならな!」
一夏「・・・・・・・・。」
一夏はそう言いムラサメを見たが疲れたせいかゆっくり目を閉じていった・・・・・
一夏「・・・・・・・・アレッ・・・・夢か・・・・」
一夏は横になって寝ていたのか風景が違うのに気が付いた。
それは今は見慣れてしまったIS学園の屋上からの風景だった。
一夏「懐かしい夢だった・・・・・」
一夏が懐かしさに浸りこんでいた時、何かが変なのに気が付いた。それは自分の頭は誰かの膝の上に乗っているらしく上を見ると寝ている箒がいたのだ。
一夏「えっと・・・・・・箒?」
箒「んっ・・・・・・一夏・・起きたのか?」
箒は少し眠たそうに一夏の言葉に答えた。一夏は状況を思い出し今の時間を箒に尋ねた。
一夏「箒こそ。って・・・今何時だっけ・・・・」
箒「今はまだ昼休みだ。お前が消えたと思って探したらココで寝ていたのでな。ついでに私も睡眠をとらせてもらった。」
一夏「あ・・・そうですか・・・・。」
箒「所で一夏。随分気持ちよさそうに寝ていたが・・・いい夢でも見ていたのか?」
一夏「ん・・?ああ。・・・・・・・・・・・・・・・・・
懐かしい、思い出だ。」
一夏はそう言いわき腹の古傷をさすっていたのだった・・・・。
オマケ・キャラクター紹介
織斑 一夏
年齢:16
身長:178cm
体重:49㎏
所属:元・オーブ軍MS部隊所属中尉
現・IS学園生徒(二年生)
好きな物:ほぼ原作と変わらず
嫌いな物:偽善者(←ラクス)
ISの主人公で年齢は16とあるが本当は18でISの世界との時間のずれのせいとなっている。
銀の福音との戦闘で勝利はしたが次元空間が不安定となりその渦に唯一人巻き込まれた。
その後、オーブ本島に打ち上げられていたらしくそれをカガリが発見。救助と手当てを行った。後に自分の居た世界とは全く違うことに戸惑いはしたが自分がこの世界でやれる事をやると言う事で軍に入隊。M1の部隊に配属される。しかし地球連合対オーブの戦闘(オーブ解放作戦)で単機で殿をしたせいでMSが大破。一夏も負傷し宇宙に上がる事は無かった。その後、回復し部隊に復帰タケミカヅチ所属となったが・・・・・
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今回は過去編です。