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真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第八節_拠点:明里とにゃんことにゃんにゃんこ

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2013-08-06 04:46:23 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4069   閲覧ユーザー数:3228

まえがき コメントありがとうございます。いつの間にか刀蜀伝を書き始めて1年が過ぎたことに気付いたsyukaです。今回は明里ちゃんの拠点です。あっ○りーん!いえ、ごめんなさい。にゃわわ軍師、ついに始動!ほのぼのタイムをどうぞ。それではごゆっくりしていってください。

 

 

 霞とゆったりした一夜を過ごした翌日、俺は朝食を作った後に朱里たちの部屋へ向かった。今日は明里とデートだからね。

 

「明里~、迎えに来たよ~。」

「zzz・・・zzz・・・えへへぇ・・・zzz・・・。」

「ご主人様、おはようございます。」

「おはようございましゅ。」

 

 朱里と雛里はもう起きてるみたい。雛里は朝からカミカミだね。

 

「この時間に明里が寝てるの珍しいね。 いつもならいの一番に起きてるのに。」

「今日のでーとが楽しみだったようで、昨日は明里ちゃんだけ寝るの遅かったんです。」

「zzz・・・にゅふ♪・・・zzz・・・。」

「昨日からこの調子だったんですよ~。 私も行きたいんですからね!」

「朱里と雛里とのデートも日取りとってあるでしょ?」

「そうですけど~・・・。」

 

 どこか納得のいかないみたい。やっぱり一緒に連れて行くべきだったかな?けど明里に二人っきりでって言われたからなぁ。

 

「しゅ、朱里ちゃん、ご主人様をあまり困らせたら駄目だよ?」

「分かってるよ~。 ご主人様、今日は明里ちゃんに譲ってあげますが、私たちのことも忘れないでくださいね!」

「何も俺たち二人で旅に出るんじゃないんだから・・・。 とりあえず、明里を起こそう。 この幸せそうな顔を起こすのはちょっと気の毒だけど。 明里、朝だよ~。」

「zzz・・・えへ♪」

 

 ・・・変化なし。仕方ない。起きない子にはこれが一番だな。脇腹を少し擽れば・・・。明里に近づいて脇腹に手を伸ばそうとした瞬間・・・

 

「ほわぁ!!」

 

 起きた。そしてガバっと身を乗り出してきて・・・

 

「にゃ・・・!?」

「っ~~~!!」

 

 額どうしがごっつんこ。お互いに額を押さえて蹲っている。いてぇ。なんか漫画のワンシーンみたいだな・・・。

 

「お二人とも、大丈夫ですか?」

「ど、どうにか・・・。 とりあえず明里、目は覚めた?」

「うにゅ~・・・は、はい。 おはようございます。 あたた・・・。」

 

 目は覚めたみたいで良かった。けど、これはちょっと悪いことしちゃったな。流石に額でごっつんこは痛かったろうに。

 

「ごめんね、痛かったでしょ。」

 

 明里のおでこをさすってあげる。腫れてないみたいで良かった。

 

「まだ痛い?」

「い、いえ・・・もう大丈夫です//」

「いいなぁ。」

「羨ましいです。」

「とりあえず朝食を食べに行こ。 今日はいつもよりちょっぴり腕によりをかけたからね。」

「じゃあすぐに支度しますので先に向かっててください。」

「分かった。 朱里と雛里は着替え終わってるみたいだから一緒に来とく?」

「はい。」

 

 俺は朱里と雛里を連れて部屋を後にした。

 

・・・

 

 

 食事を終えデート・・・しようと思ったんだけど、まずは明里の分の竹簡を処理していくことから始まった。ということでデートは昼に持ち越し決定。

 

「すみません。 ご主人様に手伝わせることになって・・・。」

「明里ちゃん、昨日はご主人様とのでーとが気になって集中出来てなかったもんね。」

「しゅ、朱里ちゃん!//」

「ご主人様、こちらの確認をお願いします。」

「はいよ。」

 

 ついでに朱里と雛里の分もやってしまおうということになった。なので今は明里たちの部屋に戻ってお茶を淹れ、四人で竹簡を捌いている。手伝うたびに思うんだけど、よくこの量の竹簡を三人で捌けるよなぁ。改めてこの子達の凄さを痛感するよ。

 

「・・・何で生暖かい視線で私たちを見ているのでしょう?」

「三人とも凄いなぁと実感してたんだ。 気にしないで。」

「は、はぁ。」

「ですが、やはりご主人様がいるだけで調子が上がりますね。」

「(こくこく)」

「呼んでくれればいつでも手伝うのに。」

「流石に私たちの都合だけでご主人様を呼ぶのは気が引けます。 ただでさえ政務に隊の鍛錬で忙しい身なのです。」

「それを言うなら愛紗や紫苑も俺と同じくらい・・・いや、俺以上に忙しいはずだよ? 紫苑に至っては璃々ちゃんもいるからもっと大変なはずだし。」

 

 今思ったんだけど、貂蝉と卑弥呼って朝と昼の警邏以外は何をしてるんだろ?あの二人に関して祝融さんや管轤さんがとやかく言う人たちではないし・・・。

 

「ですが、ご主人様は仕事でなくとも市に出向かれては民の生活を気にかけていらっしゃいます。 むしろ、もっと休息をとっていただいても罰は当たりませんよ?」

「市に出向くのは俺がやりたいからやってるんだよ。 気の優しいおばちゃんやお姉さんもいれば気難しいおっちゃんや爺ちゃんもいる。 元気で盛んな子供たちもいるしね。 そんないろんな人たちと言葉を交わすのも楽しいから。」

「ただでさえ怪我をされているのに・・・愛紗さんに一度相談した方が良いですね。」

「そんなことしたらほんとに監視役の兵を付けちゃうって。」

「ですが、ご主人様は兵を篭絡してしまいますので意味がありません。 女兵は全て篭絡されていますからそれこそ監視役の意味がありませんが・・・むしろ喜んで志願しそうですね。」

「明里ちゃんが監視すれば良いんじゃないですか?」

 

 雛里がとんでもないことを言いだした。いや、確かに理に叶ってはいるんだけど・・・。

 

「わ、私!? けどそれは・・・その方が良いのかな?」

 

 あれ?納得してる?

 

「ご主人様、僭越ながら今日は私が監視いたします。 変な虫が付きかねませんので。」

「この後のデートは?」

「でーとをしながら監視もします。」

「わ、分かった。」

 

 これでいいのか?明里がそうするって言ってるから良いのかな。それから四人で竹簡を片付けた。あぁ、少し腰が痛い。部屋で少しのんびりしていると思わぬ客が来た。

 

「ご主人様、大変。」

「恋、どうしたの?」

 

 ノックなしはいつものこと。

 

「猫、いない。」

「猫? 恋のとこにいる子?」

「(こくっ) それと、昨日見つけてきた子も、いない。」

「あれま。 ねねはどうしてるの?」

「探しに行ってる。 ご主人様、加勢して。」

「分かった。 じゃあ俺と明里で市の西側探すから朱里と明里と恋で東側を頼めるかな?」

「分かりました。」

「恋さん、猫さんの特徴は分かりますか?」

「・・・三毛猫と、真っ白。 他にも、いっぱい。」

 

 いっぱい・・・ただでさえ恋の家には両手では数え切れないほどの動物がいるのに、増えたのか。拾いグセ?を止めろとは言えないしなぁ。

 

 

「とりあえず、見つかったら恋の家に運んで報告しに行くから。」

「(こくっ)」

 

・・・

 

 という訳で、恋のとこの猫探し兼明里とのデートが始まった。

 

「猫さん探しと言っても、どの子を探せば良いか検討が付きませんね。」

「とりあえず片っ端から連れて行ってみよう。」

 

 二人で手を繋ぎながらも視線を動かし猫を探してるんだもんなぁ。なかなか経験出来るものではないよ。

 

「あら、一刀くん?」

「風香姉さん、こんにちは。 買い物中?」

「いいえ、ウィンドウショッピングですわ。 久し振りの市ですもの。 向こうにはないものもありますし、結構楽しめますわ。 それはそうと、もしかして・・・デートですか!? デートですね! まままぁ♪」

 

 あっ・・・妄想の彼方へと逝ってしまった。隣にいる明里が呆然としている。

 

「ご主人様、この方は大丈夫なのでしょうか?」

「う、うん。 傍目は怪しいけど、害はないから。 愛やら恋やらの話になると大抵の場合がこうなるんだ。」

「は、はぁ。 個性的な方なのですね。」

「そう言ってくれるとありがたいよ。 ところで姉さん、ちょっと良い?」

「まままぁ♪ はい?どうかしました?」

「ここらへんで猫見なかった?」

「猫? 大きなワンちゃんに乗っかってる猫ちゃんなら見ましたよ?」

 

 大きなワンチャン・・・張々かな?

 

「ありがと。」

「一刀くん、猫ちゃん飼うの?」

「恋が猫を探してるからその手伝い。」

「デートしながら?」

「うん。」

「まままぁ♪」

 

 また・・・。

 

「今の会話のどこに妄想出来る点が・・・。」

「気にしちゃ負けだよ。 とりあえず行こっか。 情報ももらったし。」

「そ、そうですね。」

「じゃあ姉さん、また後で。」

 

 俺たちは妄想に耽る風香姉さんをよそ目に、再び市を歩き出した。

 

「まままぁ♪」

 

・・・

 

 それから情報を聞きつつ歩き回ること30分、ようやく張々を見つけた。背中には一匹の子猫が乗っかってる。ちなみに、トラ柄だ。

 

「ようやく一匹ですね。」

「あと何匹いるんだろうな・・・。 ん?」

 

 少し憂鬱になっていると、視線の先に猫がいるではありませんか。

 

「一、二・・・五匹はいますね。」

「そうだね。 というか、どんどんこっちに近寄ってきてない?」

 

 どうやら気のせいではないようで、俺の足元に擦り寄ってくる。とりあえず俺が三匹、明里が二匹抱えて城に戻ろうと歩を進めようとすればまた足元に何か・・・また猫か。

 

「どこから出てきてるんでしょうね?」

「猫に聞いてくれ・・・。」

 

 二人で三匹ずつ抱えて張々と一緒に城の方へと進んだ。

 

 

 市を抜けるかどうかという瀬戸際である問題が発生した。目の前には猛ダッシュの焔耶がこちらに走ってくる。後方には数多の猫、猫、猫・・・あっ、セキトもいる。

 

「お館様、助けてくれ!」

「ご主人様、とりあえず逃げましょう! このまま立ち止まっていてはあの波に押し流されてしまいます!」

「そ、そうだね。 張々、ちょっとごめんね!」

 

 抱えていた子猫を一匹張々の背中に乗っけて片腕で猫を二匹抱え、明里の手を取りそのまま駆け出した。

 

「ちょっ! 逃げることないだろ!」

「焔耶、一度右道に逸れて! そしたら多分追っ手の数も分散するから各自対処しよう!」

「了解した!」

 

 焔耶が脇道に逸れると半分向こうに・・・行かない!?

 

「ご主人様! 皆こっちに来ちゃいましたよ!?」

「とりあえず恋を探そう! 俺たちがこの数を城に誘導するよりそっちの方が早いから!」

「分かりました!」

 

 市をステージとした俺たちと猫たちとの追っかけっこが火蓋を切った。というかセキト、お前はむしろ止める側だよね!?それからというもの、市を走る走る。おっちゃんやおばちゃん達からは微笑ましそうな視線を受けながら。

 

「隊長? 何をされているのですか?」

「瑠偉! いいところに! いきなりで悪いんだけど、この子たち預かってて!」

「お願いします!」

 

 俺たちは瑠偉に子猫たちを預けて再び走り出した。止まってくれる気配がまったくないんだよな・・・。

 

「何か大変そうだったわね・・・。」

 

 にゃー、にゃー、なー。

 

「子猫・・・可愛い♪」

 

 どうやら瑠偉の可愛いものセンサーに触れたようで、一刀たちが戻ってくるまで戯れていたそうな。

 

・・・

 

 瑠偉に預けてそろそろ10分くらいかな。あれからまだ走ってるんだけど・・・恋の姿が見当たらない。東側には入ったんだけどなぁ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」

「明里、大丈夫?」

「は、はい・・・。」

 

 とは言ってもそろそろ限界みたいだし、恋はどこだ?

 

「きゃっ!?」

 

そんなことを考えた次の瞬間、明里の足がもつれた。

 

「危ない!」

 

 手を繋いでいたのが幸いして、明里を抱きとめることに成功したのだが・・・明里が足を捻らせたようで身動きが取れなくなってしまった。猫たちは勢いを止めずにこちらに近寄ってきて・・・。

 

 にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー・・・。

 

 足場を囲まれてしまった。

 

「にゃっ!? にゃーー!?」

「あ、明里、落ち着いて・・・。」

 

 

 どっちが猫か分かんなくなってきた・・・。

 

「・・・ご主人様、何してるの?」

「桃香?」

「瑠偉ちゃんに話を聞いて来てみたんだけど・・・。」

「この猫たち・・・はいいや。 このへんで恋見なかった?」

「恋ちゃん? さっき桃まん食べてたよ?」

 

 猫探しはどうしたんだ・・・。というか朱里と雛里は何を・・・。

 

「連れてきてくれないかな? そうすればこの事態は解決するから。」

「わ、分かった!」

 

 桃香は駆け足で恋たちがいるであろう方向へ行ってしまった。

 

「にゃー!? にゃー!?」

 

 足を動かそうとすれば猫を踏んでしまいそうでこれじゃあ身動きすら取れない・・・。明里は混乱してるし。

 

「もう大丈夫だよ。 桃香が恋を呼んできてくれるから。」

「にゃっ・・・ふぅ。」

 

 明里の頭を撫でるとどうやら落ち着いたようで、猫語?もなりを潜めた。

 

「とりあえず座ろっか。 さっき足を捻ったでしょ? 立ったままじゃ辛いよね?」

 

 俺は足に擦り寄っている猫を二、三匹抱えてその場に座る。

 

「は、はい。」

 

 俺と明里が座るとにじにじと猫がよじ登ってくる。体中猫まみれ。終いには頭にも一匹乗っかってきたよ。

 

「ふふっ、ご主人様は猫の親玉のようですね。」

「可愛いんだけど、ちょっと重い。」

 

 それから桃香が恋たちを連れてくるまで明里と談笑していた。猫に囲まれながら。

 

・・・

 

 俺と明里を追っかけていた猫は一通り恋に預けて、とりあえずひねった箇所を見てもらうため艶火のところに立ち寄っていた。

 

「ふむ。 大した怪我ではないようだが、あまり動かさない方が良いな。 というより一刀、俺は安静にしているよういつも言っているはずだが?」

「今日のは不可抗力だって! 流石にあの数の猫が追っかけてきたら走るよ!?」

「明日は絶対安静だからな。」

「はい。」

 

 艶火に礼を言って診療所を後にした。

 

「良かったね、大したことなくて。」

「はい。 まさかこんな騒動になるとは思ってもいませんでした・・・。」

「まぁ、これはこれで楽しかったから。 俺は満足だよ?」

「私もです。 走り始めてからもずっと手を繋いでくださいましたから。」

「けどまだ陽は落ちてないし、市に出なくてもデートは出来るよ? 俺も艶火に念を押されたから城の周りくらいしか歩けないけど。」

「か、構いません! ご主人様といれるのなら、場所は関係ありないんです。」

「そっか。 じゃあ、はい。」

「・・・改めて考えると、城内で手を繋ぐのはなかなかに恥ずかしいですね//」

「今は皆市だったり鍛練場にいるはずだから、人目は気にしなくて良いと思うよ?」

「それはそうですが・・・//」

「まぁまぁ♪」

 

 そんなことを話しながら手を繋いで歩いた。昼下がり、城の周りを二人でのんびりと歩くお散歩デート。たまにはこれもありかもね。

 

「ご主人様・・・//」

「ん?」

「その・・・今日は私も楽しかったです。 だから、お礼をさせてください。 でーとのお礼です//」

「そんなの気にしなくてもいいのに。 さっきも言ったけど、俺も楽しかったんだし。」

「それとこれとは別問題なんです! だから、えと・・・屈んでください!//」

「? うん。」

 

 とりあえず屈んでみる。これで目線が一緒だ。

 

「目も瞑ってください!//」

「分かった。」

 

 目も瞑った。何かくれるのかな?

 

「ちゅっ。」

 

 何か唇に柔らかいものが・・・。

 

「も、もう良いですよ//」

 

 明里の顔が真っ赤に・・・。もしかして?

 

「は、初めてのきす・・・私からのお礼です// う~、恥ずかしい//」

「明里・・・ありがと。」

 

 あまりの愛くるしさに明里を抱きしめる。

 

「にゃっ!? ご、ご主人様・・・//」

「またデートしようね。 そしたらまた猫に追いかけられちゃうかもしれないけど。」

「は、はい// ご主人様、ずっとおそばにいさせてくださいね?」

「勿論。」

 

 俺たちはもう一度口づけを交わす。城の庭、木陰で明里との二度目のキスを。

 

 

あとがき 読んでいただきありがとうございます。明里との拠点、いかがでしたでしょうか?明里ちゃん、可愛いなぁ。ちょっぴり強気な薄紫の髪を持つツインテールの女の子です。バストはCくらいですね。朱里と雛里より少し大きいくらいですが、やはり桃香や愛紗、それに紫苑がいるせいか、そのあたりは気にしている模様。まぁ暖かい目で見守ってやってください。それでは次回 第八節_拠点:桔梗の色仕掛け大作戦 でお会いしましょう。

 


 
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