No.604621

【獣機特警K-9】太陽系の激戦【戦闘】

古淵工機さん

まさかのひと波乱。

ユナ http://www.tinami.com/view/400980
スノウ http://www.tinami.com/view/401018
クリスタ http://www.tinami.com/view/401081

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2013-08-03 17:29:48 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1001   閲覧ユーザー数:974

…某日、地球・ナリタ国際宇宙港。

この宇宙港からファンガルド・ラミナ宇宙港を目指して1機のジュピターⅡ宇宙船が飛び立った。

アストロリンクス所有の『バスコ・ダ・ガマ号』、この日の乗客は230人。

その乗客の中に地球連邦警察T-9隊のユナ・ヒヤマとクリスタ・ドロン、それにスノウ・インガルスも搭乗していた。

 

「しかし、ファンガルド出張も最近多くなってきたな…ユナ?」

「そうねw」

と、物思いにふけるスノウの傍らでニコニコ顔のユナとクリスタ。

「ユナちゃん、もしかして気になるの?w」

「ええ、早くラヴェンナちゃんの顔が見たくて見たくてw」

「まったく…どうなっても知らねーぞ俺は…」

と、二人のやり取りを見てふてくされるスノウ。

暫くして、機内に東洋人タイプのテラナー形女性ロボットのアテンダントが回ってきた。

「お客様、本日の機内食はいかがなさいますか?」

「あ、じゃああたしステーキで」

「あたしもステーキで」

「はいはい、二人とも宇宙港でうどん食ったばかりだろうが。…あ、俺はサンドイッチ」

 

やがて三人が機内食を食べ終わるころには、バスコ・ダ・ガマ号は木星付近に到達していた。

搭乗前のドタバタで疲れていたのか、ユナとクリスタはすっかり眠りに落ちていた。

「すー、すー…」

「くかー、くかー…」

「こ、こいつら…。でも、こうして改めて見るとかわいい寝顔してるんだな。きっと夢の中でもラヴェンナと遊んでるんだろうな…」

と、ちょっと苦笑いを浮かべるスノウ。このまま何事もなく、ファンガルドにたどり着くかに思われたまさにそのときであった。

突然機体の後ろのほうから不気味な振動が響き、眠っていた乗客はいっせいに飛び起きた。

「な、なんだ!?」

「一体何が起こったんだ!!」

「な、何なんだよ…おい、起きろ二人とも!様子がおかしいぞ!!」

急いでユナとクリスタを起こすスノウ。

「うーん…もう何よぉ、せっかくいい夢見てたのにぃ…」

「何じゃないだろ!とにかくあれ見てみろ!!」

実はユナ、クリスタ、スノウの3人が座っていたのは窓際の座席。

その窓から外を見てみると、なんと翼にワイヤーロープが刺さっているではないか!

「な…何なのよあれぇ!?」

ユナとクリスタはその衝撃の光景を目の当たりにして一気に眠気が吹き飛んだ様子だった。

 

すると機内に突然、大音量で放送が鳴り響いた。

『はっはっはっは!宇宙旅行者のみんな。ごきげんいかが?』

「そ、その声はローゼン海賊団のキャプテン・メルローズ!?」

「な、なんだって…!?」

『アタイらはローゼン海賊団だ。この宇宙船はいただいた。逃げようったって無駄だ。しっかり掴んでるからね!』

メルローズの声が響く中、恐怖におびえる乗客たち。

そして、船外からの突然の攻撃に何もできず、ただ歯を食いしばるユナとクリスタ。

その時、スノウが立ち上がり一人のアテンダントに声をかける。

「なあ。エアロックはどこだ?」

「ええっと、機体の最後部にありますけど…」

「なら俺ひとりだけでいい、外に出してくれないか?」

「無理ですよ!宇宙空間なんですよ!?何も持たずに飛び出していくなんて危険です!!」

必死に引きとめようとするアテンダントに対し、スノウは得意げに答える。

「心配ねえよ。オレはロボットだ。ちょっと行ってあいつらとっちめてやるんだ!」

「ですが!」

「行けるって!行かせてくれ!!」

「駄目です!お客様を行かせるわけには!」

「オレは警官だぞ!大丈夫だって!」

「いくら警察の方とはいえ…ロボットとはいえ危険すぎます!やめてください!!」

そのやり取りを聞いていたユナは頭を抱えた。

「あぁもう、スノウったら何やってんのよ…!」

 

『さて、このままアタイらについていってもらおうか…』

と、バスコ・ダ・ガマ号を捕らえていたローゼン海賊団の宇宙戦艦ロサ・ギガンティアが動き出そうとしたそのときだった。

『動くな!ローゼン海賊団!!』

目の前に現れたのは赤い宇宙船。アドベンチャラーシップの『エリック・ザ・レッド』だ!

「あれは!?」

「エリック・ザ・レッド!?ってことは…もしかしてエドガー・ヒルトン!!」

ユナとクリスタがその存在に気がついていたその頃、最後部ではまだスノウとアテンダントがまだ言い争いを続けていた…。

「出ーせーよーったら!」

「ダーメーでーすーったらっ!!」

 

『おっと、アタイらに手を出してみな。一発でもアンタらが攻撃したらこの船をぶっ潰す』

『貴様ら…どこまでもきたない手を!』

さて、エリック・ザ・レッド船内。

「キャプテン、今回捕らえられているのは旅客船です。うかつに相手を刺激したら奴らはあの船を…」

「…うーむ…」

と、周りのクルーが心配そうに見つめる中、エドガー・ヒルトンはこの状況を脱し、いかにバスコ・ダ・ガマを救出するかを考えていた。

「…よし。あの方法を使ってみよう」

と、エドガーはマイクを取り、ロサ・ギガンティアのほうをにらみつける。

 

ロサ・ギガンティア艦内。

「さぁどうした。手も足も出ないかい?ならこのままアタイらは…」

『撃ってみろ。こちらは一切攻撃しない。貴様らも海賊の端くれなら、我々アドベンチャラーの一人や二人宇宙の塵にして名を挙げて見せろ』

「ほほう?そいつはいいことを聞いた。ならお望みどおり塵にしてやるよ。アラクル、砲撃準備だ!」

「了解。これぐらいチョロいよ」

と、キャプテン・メルローズの指示でロサ・ギガンティアのレーザー砲が一斉にエリック・ザ・レッドに向けられる。

バスコ・ダ・ガマ客室内。

「ちょっとエドガー!何してるのよ!じーっとしてないでさっさと助けなさいよーっ!」

「ユ、ユナちゃん落ち着いて、落ち着いてったら」

「もうガマンならねえ!やっぱオレが外に出て」

「スノウは黙ってて!」

と、その刹那、ロサ・ギガンティアのレーザー砲がエリック・ザ・レッドめがけ発射された!

 

エリック・ザ・レッド船内。

「…ガッチャ(引っかかった)…!今だ、エリック・ザ・レッド、エンジン最大出力!突っ込め!!」

「アイサー!!」

エリック・ザ・レッドが、ロサ・ギガンティア目掛け突撃する!

果たしてこの戦い、勝利はどちらの手に!?

そしてバスコ・ダ・ガマの乗客乗員の運命やいかに!?ユナ、クリスタ、スノウは無事にファンガルドにたどり着けるのだろうか…!?


 
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