No.601618

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 舞の後編

MiTiさん

ご無沙汰しています、現代恋姫シリーズ執筆者のMiTiです。

仕事の休憩時などでチョビチョビと書き進めて、ようやく投稿できるようになったので、投稿します。

楽しんでいただけたら幸いです。では、どうぞ… 

2013-07-25 23:53:01 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3779   閲覧ユーザー数:3177

華琳さんから宣戦布告?されてからしばらくはカズトの車の整備と走行練習の日々が続いた。

下手に口を挟んだりすると邪魔になる上この日々が長くなるかもしれなかったから、

時々寄って扉の隙間から覗き見るに留めていた。

 

本当なら毎日でも様子を見に行きたかったけど、それは出来なかった。

何故かと言うと、私は部活兼習い事があって、その試合が近かったからだ。

習い事とは、中学の時から始めた新体操。

 

自慢じゃないけど、私の体型は一言で言うとスレンダーなモデル体型。

身長は女子中の頃から高い方で、手足も長く腰回りは細身。

胸は…日本人女子なら普通くらいだと思う。

同ゼミの教室の友達(女)曰わく挟むのは難しそうって言われたけど、挟むって…何を?

 

とにかく、自分の容姿体型を見て身内や友達が新体操が似合いそうだと言ってくれたのがきっかけで、

近所でやっていた新体操の教室に通い始めた。

才能があったと自惚れるつもりは無いけれど、大会とかでは毎回上位に入ってる。

 

大学に入ってからも新体操の部活に入り、試合や大会の世界も広がって去年は全国まで行った。

この時カズトと付き合い始めてからそれなりに経った頃で、

カズトに応援に来てもらいたかったけど、前日に聞いてみたらバイトが入っているといわれた。

観に来てくれないのかと残念に思っていたけれど、それはいい意味で裏切られた。

 

私が試合会場に行くと、一番に出迎えてくれたのが、

バイトがあると言っていたカズトだった。

何故カズトがいるのか聞いてみると、応援客としてきたのではなく、

臨時の運営スタッフのバイトで来たらしい。

言ってくれたら良かったのにと私が言うと、サプライズで驚かせたかったと言われた。

それから、観客席って言う遠い場所からじゃなくて一番近くで見守りながら応援したいとも。

サプライズは大成功。

私は驚いたし、少し恥ずかしかったけど、それ以上にすごく嬉しかった。

中学から初めて出来た新体操教室や高校の頃の新体操部の友達や同門や仲間、

そしてカズトの応援の甲斐あってか、去年の大会では優勝は出来なかったけど準優勝という結果を残せた。

 

大会の後は私の準優勝を祝って打ち上げがあった。

メンバーは私と、私を応援してくれた人たち。それからカズトも。

新体操っていう女子が多い競技で、打ち上げに来たメンバーのほとんどは女子。

そんな中でカズトは数少ない、というよりたった一人の男子。

打ち明けるのと同時に私の彼氏だと紹介したので打ち上げに参加することに皆は反対しなかったけど、

そんな男女比でカズトはどうなるのか不安だったけど、心配は要らなかった。

カズト自身の性格や人柄からメンバー全員とかなり打ち解けていた。

言い寄ったりアタックをかけようとした娘もいたけど、そこは全部私が、彼女がいるからと断ってた。

それでギグシャクするかもしれなかったけど、そんなことも無く普通に仲良くなってた。

 

メンバーから祝福やら応援やらを受けてその日は解散となった。

次の年にも大会があって、その時はまた私を含めて部のメンバーは全力で挑み、

親や友達も応援してくれると言ってくれた。

もちろんカズトも来てくれると言ってた。けど…どうなるのかな。

 

 

彼氏彼女の間柄であることをやめて、私がカズトを避けるようになってしまってから暫く。

華琳さんの関係で、彼女の言うところの転生者探しに協力してるカズトを、

彼に気づかないように時折見つつ、私は大会に向けて部での練習に打ち込んだ。

 

今年もカズトは応援に来るのか?私は分からないと答えた。

練習時でも応援に来ないのか、それは冷たいんじゃと言われた。

それに対しては私から断っている事にした。

何故?私自身が浮かれないようにしているのだと誤魔化した。

カズトにはなんの非もないのに、私自身が避けている現状。

でも、分かれることが出来ずにいることは教えていない。

部のメンバーは、今も私達は付き合っていると認識してる。

そんな私達が、というより私が今はカズトから離れていることを知ったらどうなるか。

 

多分、始めは慰めたり励ましたりしてくれると思う。

でもいきさつを教えたら…カズトがエロゲーの主人公と名前が一緒で容姿が似てるって理由を知ったら、

もしかしたらカズトが嫌われるかもしれないし、

そうでなくても私達が別れている状態に近いと知った誰かがアタックかけるかもしれない。

そうなって欲しくないから、私は誤魔化して練習に打ち込んだ。

 

華琳さんと話してから、やっぱり私はカズトが好きで諦めきれず、

本当なら今年も応援に来て欲しかった。

でも、私から一方的に避けていた負い目もあって中々謝りに行けずにいる。

カズトの気持ちも、あんなことをしておいて心変わりしていないか聞けない。

華琳さんは否定していたけど、カズトの方が意識しだしているなんてことになっていたとしたら…

 

そんな悪循環な思考を打ち払う意味も含めて、私は練習に没頭した。

その私から出る雰囲気が鬼気迫ると言う感じだったことから、

何故かそのままテーマが決まっちゃったけど…これって本番でも出来るのかな。

 

そんな諸々の不安を抱えたまま、とうとう試合の日が来てしまった…

 

 

試合会場に行くまでに、今年もカレ、カズトが来ているのかと皆が聞いてきた。

最近は別のことに熱中していて話す機会が無かったことを告げると何処か残念そうだった。

せっかくの晴れ舞台に彼氏なのに来ないのは冷たくないのかと、

またも同じようなことを言われたけど、何かに熱中する姿がかっこいいから言えなかったと言うと、

皆から惚気かって冷やかされたりからかわれたり…本当のことなら良かったんだけど…

 

そんなこんなで試合会場に到着すると、出迎えてくれたのは…部の顧問の先生だった。

受付や諸々の用事で先に来ていた顧問に連れられて、私達は自分達の控えエリアに着いた。

 

試合に向けて私達がユニフォームや道具の確認をしているときのことだった。

 

「そう言えば、舞」

 

「はい、なんですか?」

 

「去年、彼氏が応援に来てただろ」

 

先生が私にそう話しかけてきた。また同じようなやり取りになるかな…

 

「ええ、でも今年は来る「さっき受け付けに行った時に見かけたぞ」かどうか…え?」

 

「今年も準備の手伝いなんかね?会場設営であちこち走り回ってたよ。

 確か、去年は運営スタッフのバイトだったよな。

 今年もそんな感じか?」

 

「いえ、最近話しに行く時間が無かったから私は聞いてません」

 

「そうなのか。なら声かけて応援してもらうか?」

 

「いえ、忙しそうだったなら、余計な手間はかけないほうが良いので」

 

「…舞がそう言うならそれでいいか。出来た彼女だね~」

 

先生にそうからかわれた。本当は私自身が会いに行きづらいだけだけど…

 

でも、会場にいるなら会える機会はあるかもしれない。

もし会えたら、私はどうしたら良いんだろう…

 

 

それから、私達は順当に試合を進めていった。先生の言っていた通り、

運営スタッフとして働いているカズトを2、3回見かけかけど、お互いに声をかけることは無かった。

普通に私に気づいていないのか、それとも意図的に避けているのかは分からないけれど、

意図的だとしたら、それは私に気を使ってくれてるのだと思う。

けど、迷ってる私からすれば、話し掛けてくれたほうが切り出せそうなことが出来ずにいる。

気を使ってくれるのは嬉しいけど、今だけは気にせず踏み込んでくれないかなぁ…

 

そんな不満が、練習時の精神状態と同じようなコンディションだったことから、

練習通り鬼気迫る迫力のあるものとなって試合は順調に進めたのは、なんだかね…

 

 

それから試合が進み、気がついたら準準決勝を勝ち終えていた。

ここまで来れた私には、流石に気分や気持ちも少し変わってきて、

ただ逃げるだけじゃなくて、私から一歩進んでみようと言う気にもなれた。

だから私は決めた。次は準決勝。去年私はここで負けてしまった。

今回の相手は去年と同じ人だった。

私と同様練習して実力も上げただろうけど、正直負ける気がしなかった。

ここで勝つことが出来たら、次はいよいよ決勝戦だ。

どんな結果だとしても、決勝に行けたら、それが終わったらカズトに声をかけようと…

 

 

思いが通じたと言うか、果たせたと言うべきか、私は準決勝を勝ち進むことが出来た。

次はいよいよ決勝戦。私は部の皆と一緒に最終ミーティングを行った。

 

「それで、決勝の相手ってどんな人ですか?」

 

「驚くことに、大学一年生だ。

 優勝候補だった舞と準決勝の相手だった奴と違って新人だから情報も少ない」

 

「でも、相手は一年なんですよね?舞なら大丈夫なんじゃ」

 

「その舞も全国大会初参加で準決勝まで行ったんだぞ。

 油断は出来ないさ」

 

結局、決勝戦には油断無く全力で当たると言うこと以外には何も対策が立てられなかった。

テーマや種目が分かればもうちょっと何か出来たのかもしれなかったけど。

 

 

「後は舞次第ってことか。ハァ…

 これなら無理やりにでも専属スタッフとして彼氏を指定しておくんだったな」

 

先生の言う専属スタッフとは、運営スタッフの中から一人マネージャーとして着けられるシステム。

配布される弁当やパンフレット、道具などの用意といったことを任される。

ちなみに、去年はスタッフ自身と選手両方の希望と言うことでカズトが担当だった。

今年は私達と全くかかわりの無い他人。

私一人じゃなく部の皆に声をかけることもほとんど無かったし、

差し入れは支給されるジュースや弁当だけで、蜂蜜レモンや柚子茶を出してくれることもないし、

一試合が終わっても「お疲れ様でした」だけで、評価や感想、労いや激励の言葉も無い。

改めて身内や知り合い、彼氏が担当であることがどれだけ恵まれていたかがわかる。

 

「仕方がないですよ。カズトも仕事で来ているわけですし」

 

「そうなんだよな。よりにもよって彼氏はあっちの担当だったが、

 仕事と言えばそれも仕方のない事か」

 

「……え?」

 

声をかけ難くてカズトの現状がわからなかったのは自分の所為、

そのため今回私たちの担当になってもらえなかったのも仕事ということで仕方がない。

だけど、他にもやり方とか仕事とかある中で、私以外の人の担当になっていたというのはちょっと信じられなかった。

カズトのことだから相手が誰であろうと差別なく分け隔てなく接するのは予想できる。

それが、よりにもよって私が今から優勝の座をかけて対戦する相手になるなんて…

 

「えっと、カズトの様子はどうでしたか?」

 

「ん、何も連絡がないのか?舞には話してると思ったんだが…

 まぁ、いいか。で、カズトの様子と言えば…去年の私たちと同じようだと言えばわかるか。

 多少差はあるだろうが、大体はそんな感じだ」

 

ある意味予想通りかもしれない。

話す事も会う事も避けていた私が言える事じゃないけど、

こんな大事な大会、それも優勝争いをしてる私に対して何も言わず私の知らない人にかまってる。

当て付けだとかそんな思惑はないとわかってはいるんだけど、どうしても不満がわいてくる。

 

「どうした?なんだか表情がすぐれないが…

 ある意味今回のテーマからすればいいコンディションかもしれないが」

 

「ええ、大丈夫です」

 

「そうか。とにかく、担当が彼氏じゃないからと言ってやる事は変わりない。

 全力であたって、今回こそ優勝をつかんでこい!」

 

「ハイ!」

 

 

結局、疑問や不満が晴れないまま決勝戦を迎えちゃった。

その疑問や不満も元はと言えば全部私が悪いんだけど、

それでも一言一声だけでも掛けてほしかった。

我儘身勝手な思いのままだけど、決勝戦が、大会が終われば私自身の心境も変わると思う。

この試合が終わったら、思い切ってカズトに声をかけよう。

 

なるべくポジティブな事を考えようとしていた私だけど、

試合の舞台を挟んで笑みを浮かべながら会話してるカズトと対戦相手の姿を見て、

治めようとしていた不満や不快感とか負の感情が湧きたてられてしまった。

 

ねぇ、カズト、その娘、ダァレ・・・?

 

 

~あとがき~

 

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 舞の後編 いかがでしたでしょうか?

 

あぁ、健気だった舞はどこにいってしまったのか(笑)、なぜかヤンデレ化してしまった。

 

まだ末期にまでは至ってないとはいえこんな感じになっちゃいました。狙ってたんだけどね!

 

その要因ともいえます決勝戦の相手は誰なのか!?

 

これを当てられるのは案を下さいました一丸さんだけでしょう。

 

案、ありがとうございました!

 

蛇足ながら、口調から分かりにくかったかもですが、舞が所属する新体操部は部員も顧問も全員女性です。

 

本当に蛇足ながら…

 

 

今後の予定ですが、仕事の合間に少しずつ書き進めているので遅くなるかもですが、

 

現段階では霞編の中編が一番進んでます。

 

他には小蓮編と、今回最後に出しました決勝戦の相手の話を書き始めてます。

 

それから…7/12に発売されましたマジ恋A2をプレイして妄想妨害電波ネタも上がっちゃいましたwww

 

たぶんこっちが先に上がると思います。現代恋姫シリーズを待っていて下さる方々、マジでスマセン。

 

でも電波受信しっぱなしだと全然進めないんですよ~。

 

なので、誠に勝手ながら電波除去を優先させて頂きます。

 

 

それでは、この辺で。

 

次回投稿でお会いしましょう。今後ともよろしくお願いします。


 

 
 
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