No.600657

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 604

soranoさん

第604話

2013-07-23 09:23:52 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:951   閲覧ユーザー数:885

~夜・ウルスラ病院・研究棟~

 

「き、来ました~!」

ロイド達が部屋に入ると女性の声が聞こえ

「ええい、これでも喰らえ!」

「くたばれ、化物があっ!」

さらに男性達の声が聞こえてきた。

「え…………」

声を聞いたロイドが呆けたその時、白衣を纏った男性達が物陰から跳躍して何かをロイド達に投擲し、投擲された物に気付いたロイド達は散開した。すると何かはロイド達がいた所に落ちた後、煙を上げた!

「うおっ………!?」

「あ、危な………!」

それを見たランディは驚き、エリィは呟いた。

「馬鹿者、何を外しておるか!まったくこれだから無能な外科医師はっ………!」

「そういうアンタこそ思いっきり外しただろうが!これだから内科医師は口先ばかりで使えんのだ!」

一方男性達の罵り合う会話が聞こえ

「あのぉ………先生方。なんか魔獣じゃなかったみたいですけど。」

さらに男性達の会話をいさめるかのように女性が男性達に話しかける声が聞こえた。そして女性の話を聞いた男性達は女性と共に物陰から現れた。

「おお、君達は………!?」

「たしかクロスベル警察の……!」

男性―――ウルスラ病院の教授達はロイド達を見て驚いたり明るい表情をした。

「………特務支援課の者です。皆さん、ご無事みたいですね。」

「やれやれ………まさか薬品を投げられるとは思いもしなかったぜ。」

「今の薬………酸化液ですよね?」

教授達に話しかけられたロイドとランディは苦笑し、ペテレーネは小さな爆発によって煙を上げている地面の部分を見て、苦笑しながら尋ね

「す、すまん……実験用の酸化液なんだが。」

「た、多少刺激は強いが毒性はないから安心してくれ。」

3人の言葉を聞いた教授達は謝ったり、申し訳なさそうな表情をした。

「まったくお二人とも。軽はずみはいけませんよ~。」

その時の女性の教授が呑気そうな様子で呟き

「『来ました』と言ったのはアーシェラ君じゃないか!?」

「酸化液のビンを見つけたのも君だったと思うが……?」

女性の教授の言葉を聞いた男性の教授達は顔に青筋を立てて、女性の教授を睨み

「あれれ、そうでしたっけ?」

睨まれた女性は呑気そうに呟き、ロイド達を脱力させた。

「と、とにかく内部はまだ魔獣が徘徊しています。」

「護衛しますのでいったんここから出ましょう。」

その後ロイド達は教授達を研究棟の外まで護衛して研究棟の状況を聞いた。

 

「―――では、ヨアヒム先生は全く見かけていないんですね?」

状況を聞いたロイドは真剣な表情で尋ねた。

「うむ、例の黒服たちが研究棟に乗り込んできた時にはすでに見かけなかったな………」

「てっきり夜釣りにでも行ったのかと思ったが………」

「………そうですか。」

「残念ですが……現時点で相当疑わしいですね。」

「そうね………」

教授達の話を聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐き、ティオは静かに呟き、エリィは静かに頷いた。

「そういえば、研究棟内の魔獣や悪魔達はどこから現れたのですか?………ルバーチェのマフィア達が軍用犬と共に連れて来たのでしょうか?」

「いや、どこからともなく現れたという感じだったが………」

「私も見かけていないな………」

イリーナの質問を聞いた男性達の教授達はそれぞれ首を傾げていたが

「あれれ、あの魔獣達だったら変な人が連れていたような………黒い服じゃなかったからマフィアの人には見えませんでしたけど。」

女性の教授は不思議そうな表情で意外な事を答えた。

「それって……」

「熊みたいな大男とか、ハゲた小太りの人ですか?」

女性の言葉を聞いたエリィは驚き、ティオは尋ねた。

「いえいえ。何だか普通の人でしたけど。エレベーターで4階の方に上がって行っちゃいました。」

「4階………教授達の研究室のあるフロアですか。」

「な、何者なのかしら………」

「ええ………一体どうしてこんな事をしたんでしょうか………」

女性の話を聞いたロイドとエリィは真剣な表情で呟き、ティアは不安そうな表情をした。

「ふむ………中を調べるのならくれぐれも気をつけるがいい。」

「私達は、病棟の空き部屋にひとまず避難していよう。」

「何か困ったことがあればいつでも来て下さいねぇ。」

そして教授達は病棟の方に向かって去って行った。

「魔獣や悪魔を率いた謎の男か………お前達、心当たりはあるか?」

教授達が去った後、銀はロイド達に尋ね

「いや………現時点ではさっぱりだ。どうやらヨアヒム先生とは別人みたいだけど………」

尋ねられたロイドは首を横に振って答えた後考え込んだ。

「何者かは知らねぇが………とッ捕まえる必要があるな。何とか4階に上がってみようぜ。」

「ああ………!」

その後ロイド達は探索してエレベーターの解除キーを見つけ、エレベーターを動かして4階に上がり、さまざまな部屋を探索していて、ある部屋―――ヨアヒムがいた部屋に入ると聞き覚えのある青年の声が聞こえた。

 

「クク、存外早かったものだ。」

声を聞いたロイド達が驚いて声がした方向を見つめるとそこには

「あなたは………!」

「ア、アーネストさん!?」

なんと市長暗殺未遂の犯人、アーネストが窓の外を見つめ

「…………アーネスト………確かその名前は………!」

「………マクダエル市長を暗殺しようとした元秘書か。」

「確か逮捕されたと聞いていましたが………」

アーネストの名前を聞いたイリーナとリウイは表情を厳しくし、エクリアは真剣な表情でアーネストを睨んでいた。そしてアーネストは振り向いて自分に近づいて来るロイド達を見つめ

「やあ、エリィ……2ヵ月ぶりになるかな?まだ宵の口だが、月の綺麗な晩じゃないか。」

不敵な笑みを浮かべてエリィを見つめた。

「アーネストさん………その瞳の色は………!?」

(もはや人の皮を被った”悪魔”に成り下がったようだな………!)

エリィはアーネストの紅い瞳を見つめて驚き、メヒーシャはアーネストを睨み

「フン………どうやら魔性に墜ちたらしいな。」

銀は鼻を鳴らして呟いた。

「ほう、これは………噂の”銀(イン)”殿もご一緒だったか。君が余計な事を吹き込まなければ私の立場も安泰だったろうに………どうやらお礼をする機会が巡ってきれてくれたようだね。」

そして銀に気付いたアーネストは不敵な笑みを浮かべた後、銀を睨み

「我が存在は影………人の身で騙るは叶わぬと知れ。たとえ魔性に墜ちようともな。」

睨まれた銀は静かに呟き

「クク………言ってくれる。」

銀の言葉を聞いたアーネストは不気味な笑みを浮かべていた。

 

「………どうやらあなたが、魔獣や悪魔を率いていたようですね。」

「それ以前に、どうしてあなたがこんな場所にいる!?拘置所にいるはずのあなたが!?」

不気味な笑みを浮かべているアーネストをティオは真剣な表情で睨んで呟き、ロイドは睨みながら叫んだ。

「クク、拘置所か………あの建物なら、この病院と同じく既に”我等”の手に落ちている。」

「なに……!?」

「拘置所の警備はベルガード門の警備隊が担当しているはずだ………そんな場所をマフィアが襲ったってのか!?」

不気味な笑みを浮かべて語るアーネストの話を聞いたロイドは驚き、ランディはアーネストを睨んで尋ねた。

「フフ………そういう訳ではないんだが。ちなみにルバーチェごときを我等と同じに見ないでくれたまえ。彼らは単なる傀儡さ。我等の計画を成就するためのね。」

「やはりそうか………”グノーシス”を服用した者を何らかの方法で操っているんだな?」

「フフ、その通り……………全ては偉大なる我等が”同志”の計画によるもの。大いなる儀式を遂行するための”駒”に過ぎないというわけさ!」

「偉大なる同志…………」

「”D∴G教団”の残党にしてマフィアの背後に潜んでいた人物……つまり――――この部屋の主というわけか。」

不敵な笑みを浮かべて語るアーネストの話を聞いたエリィは真剣な表情で呟き、ロイドはアーネストを睨みながら言った。するとその時

「ククク………ハハハハハハハッ………!!」

アーネストは不気味な笑みを浮かべて大声で笑った後、身体中にすざましい瘴気を纏って剣を構え、さらに自分の周囲には装甲を纏った軍用犬達を現した!

「なっ………」

「この鬼気は………!」

「上位三属性の気配……!?」

「まさか完全に”魔人”となったのですか………!?」

アーネストからさらけ出されている瘴気を見たロイド、銀、ティオ、ティアは驚いた。

「――――それを確かめたければ私を退けてみるがいい………”同志”の導きによって”真なる叡智(グノーシス)”に至った私をなァ………!」

そしてアーネストが不敵な笑みを浮かべて呟いたその時!

 

「―――下らん。”その程度”でそんな戯言をほざくか、小物(こもの)が。――――エクリア!」

「はい、リウイ様!」

不愉快そうな表情で呟いたリウイがエクリアに呼びかけた後、一瞬でアーネスト達を挟み撃ちにした!

「なっ………!?」

挟み撃ちにされたアーネストは驚き

「「ハァァァァァァ…………!!」」

「グアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?」

リウイとエクリアが放つ膨大な魔力や闘気、そして神気が籠った剣撃の嵐をその身に受けて全身から血を噴出させ

「「姫神乱舞!!」」

「ガアアアアアアアアアアア――――――――ッ!?」

リウイとエクリアの協力技(コンビクラフト)によって起こった爆発の連鎖に呑みこまれ、さらにそこから光と闇の柱が上がり、それらを全て受けたアーネストは全身ボロボロの状態で膝をつき、軍用犬達は消滅していた………!

 

 

今回の話で驚いたと思いますが、アーネスト………ロイド達と戦う暇ももらえず瞬殺です!!(大爆笑)というかリウイとエクリア、これでも手加減してあげているんですからね!?一応、アーネストは生きているんですから(汗)……感想お待ちしております


 
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