2.5…史書の想い
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「そろそろ…始めましょうか……」
そう言うとローブの女は、ただ右手を上にあげた。その時、ひらいた右手から、丸く真っ白な光が灯った。
初めは微かだった光は、徐々に輝きを増してゆく……その輝きは、さまざまな色に変わっていく……
イストワール
「これは…まさか……!!」
史書イストワールは知っている。何故ならこれは、
女神が継承される時も、女神を生み出す時も、その女神に合うよう、
そして今、その力は、何者かも知らない女の手によって、我が物顔で使われようとしている。
そして彼女は、ローブの女が
イストワール
「お止めなさい!!今の世界を書き変えるなんて事は!!」
イストワールは声を荒けて叫んだ。そう、目の前の女は、世界を書き変えようとしているのだ。
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「ふふ…ふふふふ…………」
しかし、彼女はやめようとしない、むしろこの先を楽しんでいるかのように、笑っていた。
イストワール
「やめなさ……っ…!!……やめてええええええええええええ!!!」
イストワールが叫びをあげ、女にしがみついた。
女はあきれながら……
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「…アンタらだって、散々やって来たことじゃない。今更何を言ってるんだか。」
イストワール
「これは……彼女たちが決めた事です!!彼女たちが決めた世界!彼女たちが決めた今!彼女たちが決めた理!人の身として、彼女たちは立派に、人間を導きました!」
イストワールは、しがみ付き、涙を流しながら、己が想いを懇願した。
最早これは、理性によるものではないのだと、イストワール自身も解っていた。
けれども抑えきれなかった。彼女たちの努力も、想いも、踏みにじられるような事は、何としても止めたかった。
それ故に、史書としてではなく、女神の友として、想いをぶつける事しか出来なかった。
イストワール
「だから…
涙ながらに想いをぶつけた。情をぶつけた。自分の本音を言い切った。だが……
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「それが…なによりの間違いなのよ。」
女はそう言って、しがみついていたイストワールを、空いていた左手で振り払った。
…想いは届かなかったのだ……
イストワール
「ぐ…………っ!!」
振り払われ、床にたたきつけられた。その直後…
ジャララララララ………
彼女の周りには鎖らしきものが取り囲んでいた。その鎖が段々と、二重、三重に重なっていく。
イストワール
「…………?」
囲まれていた当の本人には、何が何なのか分からなかった。
そんな事も構わず、鎖の束は円を囲み……
ガギッッ!!
イストワール
「な……っ!!!!」
イストワールを、乗っかっている本ごと巻き付き、縛り付けた。そして……
カッ!!
巻き付いた鎖が輝き、イストワールごと形が変わっていく……
光がやんだ後…そこには、鎖に巻き付かれた一冊の本が置かれていた。
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「ふぅ…うるさいのも黙ったことだし、さっさと終わらせますかな……」
そう言って女は、右手に掲げた光に集中した。
………その時下界では、ある変化が起きていた…それは改変の始まり…所謂、
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