No.598154 ミライノ・ホシカラ!ヴィーボちゃん登場の巻(Aパート)古淵工機さん 2013-07-16 00:02:22 投稿 / 全6ページ 総閲覧数:854 閲覧ユーザー数:833 |
それは今からちょっとだけ未来のお話。
人間とロボットが平和に暮らす、小さな島があった。
その名を
物語の始まりを告げる流れ星が近づいていた……。
第1話『ミライノ・ホシカラ!ヴィーボちゃん登場の巻』
(その1)
さて、島の一角では、なにやら小学生たちが集まっていた。
望遠鏡を持って、みんなで星空観察に来ているようだ。
「今日は晴れてるから、きれいな星空が見えるはずだよ」
と、みんなを案内してきたのは『ヒデくん』こと、
「ほんと!?カシオペアに北斗七星、オリオン座も見えるかなあ」
「ね、早く見ようよ!」
それに続いてきたのは『ミカちゃん』こと
彼らはこうして時折、星空観察に出かけるのが趣味だった。
望遠鏡をセットし、いつものように星空観察をしていた子供たち。
「あ、流れ星だ」
と、呟くナナミ。だが、子供たちが見ていた流れ星はどうも様子が違う。
ゆっくりと赤い尾を引きながら、そのまま地上へと向かってきたではないか!!ヒデトシが叫ぶ。
「あぶない!みんな逃げろ!」
その合図とともに近くにあった茂みへと隠れた三人は、その流れ星を心配そうに見つめていたが…。
次の瞬間、強烈な衝撃音とともに『それ』は地上へと激突した…。
謎の物体衝突から数分。辺りは煙に包まれている。
「…な、何が起こったの?」
「暗くて何も見えないよ…」
やがて、煙が少しずつ晴れていくと、目の前に落ちている物体が少しずつその姿をあらわにした。
「あれは一体?」
と、ミカがヒデトシに訊ねる。
「飛行機かな?翼があるし、ロケットエンジンらしいものもついてる」
「でもあんな形の飛行機見たことないよ…もしかしたら!」
と、ナナミが手をポンと叩く。
「宇宙船よ!」
「宇宙船!?」
その言葉に驚くミカとヒデトシに、ナナミはさらに力説する。
「だってこんな形の飛行機なんてどこにもないでしょ?きっと宇宙船だよ!」
「うーん、そうかなぁ…」
「ちょっと待って!パパを呼んでくる!!」
と、ナナミは目をらんらんと輝かせながら、一度家のほうへと走っていったのだった。
さらに数分後、ナナミが戻ってきた。
「ちょ、ちょっと、ナナ、どうしたんだ急に」
「いいからいいから!すごい物が落ちてるのよ!」
ナナミに引っ張られてやってきたのは、彼女の父親にして天文・宇宙学者の相川ユメジ博士である。
「あ、ナナちゃん!」
「それに博士も!」
「なんだ、ナナのお友達か。それで、例の宇宙船っていうのは…」
「たぶん、アレのことだと思うんですけど…」
「ふむ…」
そう言うとユメジは、その宇宙船を覗き込むように眺める。
その隣でやはり宇宙船を覗き込む子供たち。
「あ、見て!誰かいるよ!」
と、ミカがその宇宙船の前頭部分を指差す。
窓らしき部分には濃い色がついていて何者かは判然としないが、
小学5年生ぐらいだろうか、人の形をした影が確認できた。
するとその時、その窓の部分から強烈な煙が発せられた!
「うわ!?なんだ!?」
突然の出来事に驚き、ユメジの後ろに隠れる子供たち。
「あっ…あれ見て!」
ふと、ナナミが宇宙船を指差す。
キャノピー部分がゆっくり開いていき、中の人影がその姿を現す。
「…キュピィィー…着陸失敗しちゃった…ちゃんと地球に着いたのかな…」
と、痛そうに頭を押さえて出てきたのは…少女の姿をしたロボットだろうか。
「あ」
「キュピ?」
一瞬、辺りが静寂に包まれる。
お互いをみつめ合ったまま身じろぎをしない4人と、謎のロボット少女。
すると先に静寂を破ったのは、そのロボット少女のほうであった。
「…ど、どうも…宇宙人です、って言えばいいのかな、こういう場合…」
そう、どう見てもロボットにしか見えない彼女こそ、この物語の主人公・ヴィーボなのであった…。
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ようやく本編が動き出した!
ヴィーボちゃん待望の第1話、いよいよ公開です。